進化論と創造論についての掲示板ログ34

2000年10月02日〜2000年10月06日
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Re: 理論の適用範囲の限界とか2>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日:10月 6日(金)17時53分56秒

>集団が十分に大きく、その中立的な変異が単独で存在した場合はそうでしょうね。

いえ、十分大きかろうが、増えたり減ったりはすると思います。
遺伝子頻度は、特にそれが中立な突然変異遺伝子であれば、偶然によって増えたり減ったりす
るんじゃないですか。
集団が十分に大きくという条件がつくのは、それが固定するかどうかについてのはず。
なお、なぜかというのは、数学になる。それを言葉で説明するのは私には無理です。

>たまたま同じ染色体に乗ってしまった場合ですとかも想定しています。

独立の法則だったかな、それが成り立たない場合の話ですか?

う〜む、ここらになると私の能力を越えているような。


Re: 理論の適用範囲の限界とか1>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日:10月 6日(金)17時51分17秒

>生物の形質の時間的変化に、ある種の方向性(最適化とか、退化
>であるとか)があるように見える理由の説明の仮説、という程度に
>考えています。

じゃ、自然選択説をある形質が進化したという根拠には使えないということに?
でもこれって、PDX.さんの意図を私は読み違えているんでしょうね。

>つまり、中立的な形質が世代とともに単に変化していくだけの
>「進化」なのか、中立的であるにも関わらず「進歩」していくと
>いう意味での「進化」なのか?

進歩とか向上とかいうのを含ませていないつもりですが、そうとられてしかたのない書き方を
していますね、確かに。
私は適応的というのにも、単にその個体の生存と繁殖に有利という意味しかないようにイメー
ジしているつもりですが、時々、そこに人間の価値観を持ち込んでいる自分に気づくときがあ
ります。

とにかく、進歩とか向上というような人間の価値観を含ませていません、そのつもりです。

それと、私は万能論者です。「中立な形質」などというのは、あれば自然選択説の反証だと言
っています。よく発達した形質から見たら、中途半端に発達した形質は何の役にも立たないな
どとよく創造論者が言いますが、そんなことはない。中途半端でも、中途半端なりに役に立っ
ていたし、別の機能を果たしていた可能性もある。昆虫の翅も最初は単なる突起だったでしょ
うから、飛ぶ役には立たなかったことは確実ですが、それでも熱交換機としての機能は持って
いたでしょう、、、ん?、これを、非万能論者はどう説明するんだろう、、、

>ただ、「有利な形質よりは増える可能性は低い」からといって、
>「その形質が定着することなく必ず消える」とは思えないのです。
>おそらくここが、JA50 さんと私の意見の相違点だと思いますが。

そうだと思います。
ただし、この形質は、私からすれば変異です。
ですから、不利な変異は次第に消えていくと言い換えます。適応度の非常に低い変異は急速に、
1に近いものはゆっくりと。逆に1より高いものは次第に増えていく。

なお、その固定確率とか進化速度とかいうのは、私は分かりません。
それに分子進化の式を使っていいのかどうかも、、、
(たぶん、そのままじゃ使えないと思いますが、とにかく分からない)

>生存に対して少々不利、という程度のものであれば、偶然によって残ってしまう可能性はある

自然選択説ってのは、時間無限大という仮定をしているのじゃななかったかしら、、、

それと、突然変異によって常に変異は補充されているということも。
これって多型の問題になるんでしょうけど、何度も言いますが、よく理解できない。
少々不利とかいう変異は、消失するのに時間がかかるでしょうし、さらに突然変異によって補
充されてもいるから、そこに安定した条件ができたりして、、、

これって多型の古典説?


>NATROMさんへ2 投稿者:JA50  投稿日:10月 6日(金)17時50分19秒

>下肢の大きな種子骨は、「その個体の生存率や繁殖率を高めることに役立たない器管や行動様式で、その形成に一部遺伝が関与しているもの」ではないのですか?

どうも最初と言っていることが違ってきているように思うのですが、、、

NATROMさんは、下肢の種子骨の大きいことを形質とされています。下肢の種子骨でもないし、
下肢の種子骨の大きさでもない、「下肢の種子骨の大きいこと」とされています。
また、その「下肢の種子骨が大きいこと」というNATROMさんの言う「形質」は、上肢の種子骨
を大きくする遺伝子によって支配されていると仮定しているとも言われていたはずです。

それとスパンドレルの話ですが、それはこれを前提としての話です。

スパンドレルはアーチによってその形が決まります。アーチが上肢の種子骨にあたります。
そして、上肢の種子骨にはそれを大きくする遺伝子があるとNATROMさんは仮定されているんで
すから、上肢の種子骨の大きいことというのはNATROMさんの言う「形質」になる。そして、ア
ーチには屋根を支える(上肢の種子骨では母指の代わり)という意味がある。
しかし、スパンドレル(下肢の種子骨)はそうじゃない。それを大きくするという遺伝子はな
い、別の、上肢の種子骨を大きくするという遺伝子によってその形質(大きいこと)が作られ
ている。
私は、そのスパンドレル(下肢の種子骨の大きいこと)に、いろいろ適応的な意味を捜すのは
ナンセンスだと言っているのです。スパンドレルに適応的な意味を求めようとする、それを揶
揄したのが、適応主義者のプログラムだと私は理解しています。それは万能論じゃない、NATROM
さんが勝手に作り上げたカリカチュアです。勝手にカリカチュアを作り、そのカリカチュアを
批判している。

なお、NATROMさんの仮定でいくなら(下肢の種子骨の大きいことを形質とし、それが上肢の種
子骨を大きくする遺伝子で支配されているという仮定のことです)、上肢と下肢の種子骨両者
を一緒にして形質とすべきだと思います。スパンドレルがアーチによってどういう形になるか
決まってしまうんですから、その2つを一緒にして形質とし、その適応的な意味を探るのはカ
リカチュアじゃない。
上肢と下肢の種子骨は同じ遺伝子によってその大きいこと(私はこれは変異だと考えるのです
がここはNATROMさんの主張に合わせます)がプログラムされているのですから、それらを一緒
にして適応的かどうかを考えるべきだと思います。

>あるものが形質であるかどうか、どうやって決めるのですか?

その形成に遺伝子が一部関与している器管(これを広い意味にとってください、医学的な意味
の器管という狭い意味じゃなく、形態一般とかいうくらいの)や行動様式(これも広い意味で
お願いします、機能とかも含む)です。この定義に入るかどうかで決めます。
(それにしてもこんな器管や行動様式ということにまでいちいち注を入れないといけないのか
アホらしくなります、NATROMさんのことじゃないです、別の方の話)

下肢の種子骨の大きいことは、その遺伝子がない。それは上肢の種子骨を大きくする遺伝子に
よって形成されているというのがNATROMさんの仮定なんですから、下肢の種子骨が大きいこと
は形質には入らない。

ところで非万能論者は、あるものが形質であるかどうか、どうやって決めるのですか?

>適応的であれば(あるいは適応的であったならば)形質とし、そうでなければ適応的でないとすれば、確かにすべての形質は適応的でしょう。

これはNATROMさんの自然選択説の解釈ですよね?
適応的なら自然選択説で説明し、そうじゃなければ他の説を使うとされているんですから。

>この友人を説得するにはどうすればいいんでしょうかねえ。

これもどう答えたらいいのか、NATROMさんの意図次第ですが、一応、まじめに、、、

科学では、例外はそれが元の理論(仮説)の反証可能性を高める場合に限り認めるべきだとい
うのはご存じですよね?
空気がある場合だけとかいうような例外の入れ方は、科学たり得ない。
真空中だけにしか適用できない落下の法則から、周囲に空気とか液体などの媒体がある場合と
いうような(その特殊な解に真空中というのもある)、より一般化した(つまり反証可能性を
高める)修正でないといけない。


へちさんへ 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 6日(金)17時48分26秒

その前に、気圧が高ければ、酸素分圧も高かったから、より筋力が強かったのではないかというのがあったんですが。・・・血液の酸素飽和度の点でクリスさんに否定されましたが。

でも、グライダーのように滑空するしかできなくて、着陸したら一巻の終わりのような生き物は今いませんよね。最大の(飛べる翼がある)鳥であるアホウドリでさえ自分で飛び上がれますから。


>NATROMさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 6日(金)17時47分07秒

>予想される反論を述べて予防線を張っていたのです。

そのために間違ったことをあえて書いたと。
やめて欲しいなぁ、こんなこと、ややこしくなるだけじゃないです。

>「単純なメンデル遺伝形式を示す表現型については、遺伝子の固定確率の式が適用できる」という主張になにか他に反論はありますか?「
>分からない」とは聞きましたが、具体的な反論はないようですが。

具体的な反論はできません。

一つ言えることは、集団遺伝学にしろ中立説にしろ、また表現型レベルの話にしろ、どういう
モデルでその式が作られているのかというのを常に想定してないといけないことです。
「遺伝子の固定確率の式」なるものが「生物進化を考える」の固定確率の式を指しているのな
ら、私は適用できるというのには同意できません。ただし、なぜいけないのかというのは分か
りません。私には、なぜダメかというのを証明するだけの数学的能力はないし、逆に同じ理由
で同意することもできない。
分からないとしか答えようがないです。

>私の友人が「分子進化の中立説によれば、淘汰係数sが負の突然変異遺伝子も集団に固定することがあるという。その突然変異遺伝子は数が増えたんですよね?それなのに、その適応度がマイナスとは、さっぱり理解できません」と申しておりました。ぜひ、JA50さんがこの友人に理解できるように説明してあげてください。

う〜む、さて、、、

まじめに答えるべきなのか。
どういう意図で、こういう書き方をされたのか、ですね。

>「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な表現型が集団に固定することがある」ことには同意されるのですか?

いや、たぶんないだろうと思います。
そういう実例が証明された例を私は挙げることができません。

>瓶首効果は、中立な突然変異遺伝子が固定する確率1/2NeのNeが小さくなることによっておこる効果ではないのですか。私は、瓶首効果はランダムドリフトの極端な一例と思っていましたが。

そうかもしれません。ただし、そうじゃないかもしれない。
瓶首効果の例にはたして「中立な突然変異遺伝子が固定する確率」なるものを使っていいのか
どうか、私は分かりません。

>難しい問題には違いありませんが、「すべての形質は適応的」であるとは限らないのでこの問題から逃げるわけにはいかないでしょう。

そうでしょうね。
いったいどうされるのか、興味深いです。
化石種における形質の進化について、これからNATROMさんがどう説明されるのか注意して見て
おくことにします。

私は、形質は全て適応的であったから進化しえたというのが自然選択説だとする万能論者です
ので、化石種であってもそのまま自然選択説を使います。そして、現存種と同じように、その
適応的な意味を推論することもします。
しかし、NATROMさんのような解釈の人(これからは簡単に非万能論者と呼ぶことにします)は、
化石種の形質の進化には自然選択説を使えないはずです。適応的かどうか、調べようがないか
らです。これこれに役立っていたんだろう、それで進化したんだろうというようなやり方をす
るのは万能論者なら許されるが、非万能論者はそういうわけにはいかないですから。

キーウィの卵のことも、それが適応的なものかどうかは測定しないと分からないですし、いか
にも非適応的に見えるんですから、非万能論者がそれに自然選択説を使うわけにはいかないと
いうのはよく分かります。
で、発生上の制約というのを言われているんだと思うのですが、意味がよく理解できません。
なんで発生上の制約があったらああいう不釣り合いに巨大な卵を持つように進化しえるのかよ
く分からないんですが。

キーウィの卵が大きいことの理由として(実際に測定もせず非適応的だと決めつけるのは問題
なのですが、ここでは非適応的と仮定します)、万能論者側としてはいろいろ考えられますが、
一つあげれば、過去においてキーウィの身体が大きかった、その卵に相当するように大きかっ
たというのを挙げておきます。天敵が移住してきた、食料の欠乏などの急激な環境の変化によ
り、身体は小さくなっていったが、卵の方はそれに相当するほど小さくならなかった。その差
は、身体と卵における淘汰圧の差でしょう。


Re:偶然と必然>masayukiさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 6日(金)17時46分32秒

>一般的に理解されている用語法で考えれば、自然選択説は特別難解ではないと思いますが。

一般的に理解されている用語法ってのも問題です。
それぞれ自分の理解しているのが一般的に理解されている用語法だと思っているかもしれません。

>形質と形質の変異を区別しなくても自然選択説は理解できますが。

形質と変異を区別しないと自然選択説はワケワカメになってしまうと思います。

>何もレスいただけませんでしたが、
>JA50さんはどういう解釈をされているのでしょうか。

それは進化を「集団中の遺伝子頻度が時間とともに変化すること」という定義でのものでしょ
う。
私が言っているのは、自然選択では適応的な形質のみが進化しえるという進化のことです。
(PDX.さんに指摘されていますが、適応的というのはあくまでもその個体の生存と繁殖に
とって有利という意味しかもたしていませんので、そこんところをよろしく)

たぶん、前者の方が、進化ということではより一般化したものなのでしょうし、私も自分が言
っていることなのに、よく混同して言っていることもあります。じゃ後者の進化を何か別の用
語に変えたらいいのにと言われるかもしれませんが、適当な用語が思いつきません。


科学的仮説の立て方 投稿者:へち  投稿日:10月 6日(金)17時38分39秒

>それより、その当時のCO2濃度の方が重要だと思います。

ま、これはそうでしょうが。

ただ、現在の大気密度で翼竜が飛べたとは思えないから、そのころの気圧が高かったという仮説の立て方はどうでしょうか。
そう考える前に、翼竜はグライダーのように滑空していただけなのではないかと考える方が正攻法だと思いますが。


レスです。 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 6日(金)17時18分29秒

>へちさん
二酸化炭素はやっぱり問題だと思いますが、2,3倍くらいならそんなに問題じゃないと思います。
気象庁のホームページのシミュレーションでは、平均気温上昇は濃度2倍で2度に届きません。
それより、その当時のCO2濃度の方が重要だと思います。
>とらいせら中村さん
筋肉により飛べる最大体重は、どこかの誰かが計算していて、22Kgくらいまでのはずです。つまり、人が手に羽を持っても絶対に飛べない計算になります。それ以上だとグライダーにしかなれないはずです。
後、アドバイスありがとうございます。


翼竜の体重 投稿者:とらいせら中村  投稿日:10月 6日(金)16時57分19秒

>ナムニー氏
翼竜って、デカイのは翼開長が12mで体重は大柄な人間並み、と言うような代物だから、
今の気圧下でも、楽勝で飛べたんじゃ?

あと、筋肉の着き方を調べるのなら、ちゃんと純骨の標本を見ましょう。
レプリカで、そこまで再現してくれる所は稀だと思いますので。


温室効果 投稿者:へち  投稿日:10月 6日(金)16時52分10秒

>だから、人間の作り出した温室効果ガスがない分、温室効果は問題ないと思います。

二酸化炭素は・・・?


ひとまず  投稿者:ナムニー00/10/06 16:39

素人103さん はじめまして
>座っている時は尾を地面につけているので、立ち上がるときは尾を支点にして、半分の力で立ち上がれると思います
力点=作用点=重心=腰だと思いますので、てこの原理は使えないのでは?頭と尻尾を使って、4点で体を支えて立ちあがったというのも面白いですが。
でも、重要なのは比較的体重の軽い肉食恐竜ではなくて、うん十トンの草食恐竜です(^^;
>大気圧が2−3倍(大気が2−3倍)になったら、温室効果で気温は上昇しないのでしょうか?
あまりはっきりしたことは言えませんが、基本的な大気の構成要素(特に水蒸気)は特定の電磁波を吸収する性質があります。その吸収しない領域がいわゆる窓と呼ばれる周波数帯で、温室効果ガスが温室効果を起こすのは、この窓をふさぐ吸収帯を持っているためです。つまり、放射による宇宙への熱の放散を防ぐからなのですが、窒素や酸素がこれ以上増えてもその吸収帯はこの窓に位置にはなく、この二つのガスによる吸収は増えないと思います(それ以前に吸収する帯域の電磁波は恐らく吸収し尽くしているから)。
水蒸気に関しては、気温によるので、大気の全圧には関係ないはずです(いったん下手に気温が上がって水蒸気量が増えると、地球は金星のようになってしまうのだとか。)。だから、人間の作り出した温室効果ガスがない分、温室効果は問題ないと思います。

力点支点作用点を考えていてふと思いついたのですが、恐竜の筋肉のつき方が、今の動物に比べ、速さより力を優先する位置についていれば、結構大丈夫だったのではないでしょうか?(血管の強度や翼竜の体重などの問題は残りますが)。この跡は骨に残るはずなので今度博物館に行ったときにでも見てみます。


Re: 浮力は  投稿者:PDX. 00/10/06 14:08

To LucifeRさん

> まだ浮力の話です。マクロな現象論として「(見かけの)密度差」に着目
>することは充分な実験的根拠がありますが、それはミクロな機構論として
>「圧力差」を語ることと矛盾しないと思います。

 そうですね。同意します。


参考までに>ナムニーさん  投稿者:素人10300/10/06 13:32

ナムニーさん、はじめまして。

参考までに:肉食恐竜は2本足歩行をしていました。皆さんがご指摘のように、これらの恐竜は長い尻尾を持っていて、丁度骨盤を中心に前後のモーメントが釣り合っており、「やじろべえ」のような身体構造になっていて、かなりバランスよく走っていたようです。頭から尾の先まで一直線になるような姿勢で走るように描かれていますが、ワニも同様の姿勢で走ります。ワニ同様、特殊な(背部の)筋肉構造を持っていたかもしれません。ちなみにティラノザウルスは最高時速47kmで走るという計算をした学者もいます。
 座っている時は尾を地面につけているので、立ち上がるときは尾を支点にして、半分の力で立ち上がれると思います。あと、首を伸ばせば尾が持ち上がります。

  ティラノザウルスが狩猟動物か、腐肉食動物かは分かっていませんが、どちらもしていただろうと思われています。面白い推測ですが、ティラノザウルスは感染性の口腔細菌を持っていて、噛み付かれた相手は致命的な感染を受け、長くは生きられなかったというものです。
これは現生のコモドドラゴンが、噛むときに危険な細菌を傷口につける事が知られており、そのコモドドラゴンと歯の構造が驚くほど似ていることからの推測です。

   蛇足ですが、大気圧が2−3倍(大気が2−3倍)になったら、温室効果で気温は上昇しないのでしょうか?
 


Re: 浮力は  投稿者:LucifeR00/10/06 12:57

 >PDX.さん

 まだ浮力の話です。マクロな現象論として「(見かけの)密度差」に着目
することは充分な実験的根拠がありますが、それはミクロな機構論として
「圧力差」を語ることと矛盾しないと思います。

 無重量状態での巨大水滴の内部の油滴って確かに「浮上」してこなさそうですが、
それは均等な外圧以外には自前の万有引力の分しか水圧差を持たないから、
油滴に与える浮力も水圧差に応じて消失に等しいほど激減していて水の粘度に
勝てない、と説明できます。

 …気球を飛ばす浮力と飛行機を飛ばす揚力って、静的、動的の違いはあっても
微視的には同じ「流体の圧力差」だといってもいいんじゃないでしょうか。


補足というか訂正  投稿者:PDX.00/10/06 12:42

 こっちを忘れていました。

To PepperMystさん

> それと、密度が同じであっても浮力はあるんですが…。
>(浮力と重力がつりあう)
 浮力を重力に対する反作用のようなもの(周囲のより重い物質が
落下し続けることによって相対的に上昇する)と解釈すれば、密度
が同じ物体であれば浮力と重力がつりあう(周囲の物と同じ速度で
落下し続ける)とみなせると思いますが。

 あ〜でもアレか。
 重力による加速度は物体が軽くても重くても同じでしたね。
(真空中では鉄球も羽毛も同じ速度で落下する、ってやつ)
 そういう意味では「同じ速度で落下し続ける」とかそういう表現は
曖昧というか間違いになるのかな。
 摩擦とか抗力とかを考えていくと結局は圧力にいきついちゃうのか?


Re: 浮力は  投稿者:PDX. 00/10/06 12:05

To PepperMystさん

>では、鉄の船が水に浮かぶ理由を密度の差で説明できますか?
 既に LucifeR さんが簡潔に答えてくださっていますが、鉄の船の
鉄の部分「だけ」の密度の差ではなく、鉄の船全体の体積(空洞部
含む)と全体の重量(空洞部含む)から密度を算出して下さい。

 水に対する鉄の船よりも、空気に対する熱気球や飛行船の方が
喩えとしてわかりやすいのではないでしょうか?
 気球の「袋」や「ゴンドラ」単体は空気より密度が高いでしょう
けど、気嚢も含めた全体の体積と全体の重量から求められる、全体
としての密度が空気より小さいから浮くわけですから。


(無題)  投稿者:ナムニー00/10/06 9:31

>クリスさん 酸素中毒に関して、ありがとうございます。
恐竜の筋力の強さを酸素に求めるのは無理みたいですね。恐竜が立っていられた理由は今だ不明と。 なお、そのころの気圧が高かった可能性は未だ捨てていません。今の大気密度で翼竜が飛べたとは思えないから。(今の鳥の限界体重は22kgくらいだったはず、でも、翼竜の骨格を見ると、それをはるかに超えるていそうなものもいるとか。)

>PepperMystさん
>CO2固定時にしかO2が出ない
確かに大気中ではCO2はO2よりもずっと少ないですが、
CO2の総量の方が、O2よりもはるかに多いので問題ないと思いますが。
>#象より大きな恐竜が肉食恐竜から逃げる必要はあったんでしょうか?もっともそんな大きな肉食恐竜が動けるなら草食恐竜が動けても不思議はないですが。
ティラノサウルスの体重とアフリカ象の体重は同じくらいのはずです。だから今の肉食中、草食獣の比較をしても草食恐竜は象より相当重くても、逃げなきゃいけなかったでしょう。


自己解決(Re: Re:浮力は)  投稿者:LucifeR00/10/06 9:02

"Re: Re:浮力は" LucifeR wrote:

>  むしろ、上下の圧力差、という説明では「浮きつづける」現象には合っていても、
> 「沈めても浮いてくる」現象を説明する際にパスカル則との折り合いを
> どうつければいいんでしょう?

 排除体積を伴う物体は当然上下方向に幅があり、上部と下部では深度差による
圧力差があるんでした。失礼。


Re: Re:浮力は  投稿者:LucifeR00/10/06 8:33

"Re:浮力は" PepperMyst wrote: > >  浮力は、周囲の物質との密度の差によって生じるものですから、圧力とは関係
> > ないと思うんですけど…。
> では、鉄の船が水に浮かぶ理由を密度の差で説明できますか?

 …細かいメカニズムはさておき、排除体積と流体の密度が対象物に働く浮力(と同時に
当然その物体の「重量」とのトータル収支をも)を決定することは、現象の記述として
誤りではないですよね。
 日常用法として浮力側の黒字だけを「浮力」と呼ぶことがありますが、それだと
その要因を大雑把に「密度差」としてしまってもいいですよね。

 むしろ、上下の圧力差、という説明では「浮きつづける」現象には合っていても、
「沈めても浮いてくる」現象を説明する際にパスカル則との折り合いを
どうつければいいんでしょう?


Re:浮力は  投稿者:PepperMyst00/10/06 2:49

PDX.さん> >  浮力は、周囲の物質との密度の差によって生じるものですから、圧力とは関係
> ないと思うんですけど…。
では、鉄の船が水に浮かぶ理由を密度の差で説明できますか?
密度の差によって圧力差の差が生まれるんですよ?
それと、密度が同じであっても浮力はあるんですが…。(浮力と重力がつりあう)


浮力は 投稿者:PDX.  投稿日:10月 6日(金)01時51分02秒

 浮力は、周囲の物質との密度の差によって生じるものですから、圧力とは関係
ないと思うんですけど…。
 水の中の油滴は、周囲の水より軽いから浮かぶのであって、圧力の差で上昇し
ているわけではありません。言い方を変えれば周囲の水が落下し続けているよう
なものですから。
(そういう意味で浮力は重力がないと生じません。無重力の宇宙空間で、水槽の
中の油滴は、浮力を得られない筈です)


なぜに浮力の話題が? 投稿者:PepperMyst  投稿日:10月 6日(金)01時14分37秒

近藤さん>
>底についた状態では下からの圧力はないんじゃないですか?
有ります。圧力は気体や液体だけにあるのではなく、固体(ここでは、底)にも有ります。
ただし、重力より浮力が大きく、隙間に水などが入らないようにしておくと、
陰圧がかかって圧力が下がります。結果として浮力も減りますが、
これは底に吸盤を貼り付けて沈めるようなものなので、あまり一般的ではないかと。


Re:レスです。 投稿者:PepperMyst  投稿日:10月 6日(金)00時51分17秒

うう、まただ…。3つ下の書きこみは無視してください。

ナムニーさん>
> >現在のO2は元をたどればほとんどCO2
> そうでしたか?僕の生物の授業の記憶が正しければ、光合成で出てくる酸素はすべて水起源だったはずですが。
いいかげんな言い方でごめんなさい、CO2固定時にしかO2が出ないという意味です。しかしこれも思い込みっぽいな〜。取り消します。忘れてください。

> >恐竜の場合、足は体の真下に付いているので、基本的に骨だけで体重を支えることが可能で、骨を固定するのとバランスを取るだけならそれほど筋肉は必要としないはずですが。
> それだと肉食恐竜から逃げることはおろか、座っただけで致命的ですよね。
大人のキリンは座ると致命的になるそうです。(立てない)
まあそれは置いといて、恐竜の筋肉の必要量は運動の必要量で決まっていて、体を支えるためではないということです。
#象より大きな恐竜が肉食恐竜から逃げる必要はあったんでしょうか?もっともそんな大きな肉食恐竜が動けるなら草食恐竜が動けても不思議はないですが。


かものはしのくちばし 投稿者:ゆん  投稿日:10月 6日(金)00時29分55秒

http://booklet.hoops.ne.jp/thoughts-travel-duckbill.htm
このページの記述によりますと、

> 水中では、目と耳を頭部の溝の部分におさめて、機能しないようになっているのは、神経が
> 多く分布して、接触、電気や振動などに敏感な柔らかいくちばしが、水生動物から出る微弱な
> 生体電流を感知するので、目や耳を使用しなくても獲物の位置を正確に捉えることができるか
> らなんだって。

外見は似てても、鳥の嘴とは随分構造の違う器官のようですね。


酸素中毒について 投稿者:クリス  投稿日:10月 6日(金)00時10分59秒

私は医者ですから「酸素中毒がない」と言われると困ってしまいますので簡単に整理します。

人を始めとする肺から酸素を取り入れてHb(ヘモグロビン)で運搬する生物(恐竜もそうであろうと考えますが)は高い酸素分圧下では酸素中毒を起こします。
これは簡単に言えば酸素による肺のやけどと考えれば分かり易いでしょう。
これは大気中の酸素の割合によるのではなく分圧によります。
分かり易く言えば100%酸素でも気圧が低ければ安全ですし、空気と同じ21%酸素でも気圧が高ければ危険です。
人の場合では100%酸素0.6気圧以上では4時間くらいで酸素中毒の症状が出始めます。

潜水時の潜水病の予防と酸素中毒は別の問題です。潜水時間は短いので酸素中毒は余り問題になりません。

それから人の血液100mlが運搬できる酸素の量は(健康な肺であれば)Hbの量によって決まるのであり、吸入酸素分圧を上昇させてもほとんど増えません。
人の血液は大気圧空気で99%酸素化されているのです(これを動脈血酸素飽和度といいます)。


O2分圧 投稿者:PepperMyst  投稿日:10月 5日(木)23時24分05秒

ナムニーさん>
>現在、海洋の底で固定されているCO2が固定される前(生物の発生以前)の圧力は、今の大気圧の何十倍もあったはずです。
CO2の分圧がどれほど大きくなろうが、O2の量が変わらない限りO2分圧はまったく変わりませんよ。ついでに言えば、現在のO2は元をたどればほとんどCO2なので、時代をさかのぼれば基本的にO2分圧は低くなります。ただし恐竜の時代は現在より少しO2分圧が大きかっただろうという推計があったような記憶もあるのですが、ソースも調べ方も忘れたので断言はしません。
それから、CO2中毒でも人間は死にます。
後、記憶によればアクアラングは吐いた息を再利用することでO2分圧を下げるのがその特徴だったと思います。

#しかし、O2分圧が高いという事は、心肺機能がへぼくても良いというだけのことのような気はします。
#むちゃくちゃ高ければ皮膚呼吸だけで生きていける、とか。

恐竜の場合、足は体の真下に付いているので、基本的に骨だけで体重を支えることが可能で、骨を固定するのとバランスを取るだけならそれほど筋肉は必要としないはずですが。


底の浮力>近藤さん 投稿者:wadja  投稿日:10月 5日(木)23時05分23秒

例え底にある物体でも、底との隙間がある限り水は入り込みますので浮力は生じます。逆に完全に底との隙間が無い状態では浮力は生じません海底に沈んでいるガラス板に、風船をくくりつけた吸盤を固定することは可能です。

卵は爬虫類も生みます。くちばしは鳥類の特徴かもしれませんが、カモノハシに関してはその他の身体的特徴は哺乳類に近いものがあります。少なくともカモノハシの体は、羽毛では覆われていません。


カモノハシについて 投稿者:近藤  投稿日:10月 5日(木)21時51分08秒

こんばんは、教えて欲しいのですが・・・
カモノハシについてなんですが、カモノハシは爬虫類と哺乳類の間の存在とされていますが
なぜですか?私的にはくちばしもあり、卵を産むというところから爬虫類でなく、鳥類と哺乳類の
間ではないかと思うんですが・・・どうでしょう。
あと、もう一点。浮力は下からの圧力と上からの圧力の差から生じているそうですが、では、底に
ついた状態では下からの圧力はないんじゃないですか?そうなると、浮力がなくなってしまうんですか?


レスです。 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 5日(木)19時22分14秒

>LucifeR さん
アクアラングに関して、
勉強不足でした。
で、先ほどまで潜水関係のHPいくつかを覗いていましたが、30m以下であればそんなに問題ないようですね・・・酸素中毒に関してそこの記述が正しければ。
>PepperMystさん
まず僕は、CO2で大気圧が高かったとは思ってません。あくまで、大気圧が一定でなかったはずという一例です。というか、それだと恐竜もCO2中毒で死にます。
>現在のO2は元をたどればほとんどCO2
そうでしたか?僕の生物の授業の記憶が正しければ、光合成で出てくる酸素はすべて水起源だったはずですが。
>恐竜の時代は現在より少しO2分圧が大きかっただろうという推計があった
僕もどこかで見た記憶はあります。
>#しかし、O2分圧が高いという事は、心肺機能がへぼくても良いというだけのことのような気はします。
僕もそんな気がすごくします。
>恐竜の場合、足は体の真下に付いているので、基本的に骨だけで体重を支えることが可能で、骨を固定するのとバランスを取るだけならそれほど筋肉は必要としないはずですが。
それだと肉食恐竜から逃げることはおろか、座っただけで致命的ですよね。
>とらいせら中村さん
>隕石に、そこまでの事が出来たとは思えませんよ
僕もあまりそうは思ってません。
僕の仮説が正しいかどうかもあまり重要ではなく、まあ、恐竜がちゃんと立って活動できていたと説明できるアイデアが出てきて欲しいだけです。


O2分圧 投稿者:PepperMyst  投稿日:10月 5日(木)17時54分33秒

ナムニーさん>
>現在、海洋の底で固定されているCO2が固定される前(生物の発生以前)の圧力は、今の大気圧の何十倍もあったはずです。
CO2の分圧がどれほど大きくなろうが、O2の量が変わらない限りO2分圧はまったく変わりませんよ。ついでに言えば、現在のO2は元をたどればほとんどCO2なので、時代をさかのぼれば基本的にO2分圧は低くなります。ただし恐竜の時代は現在より少しO2分圧が大きかっただろうという推計があったような記憶もあるのですが、ソースも調べ方も忘れたので断言はしません。
それから、CO2中毒でも人間は死にます。
後、記憶によればアクアラングは吐いた息を再利用することでO2分圧を下げるのがその特徴だったと思います。

#しかし、O2分圧が高いという事は、心肺機能がへぼくても良いというだけのことのような気はします。
#むちゃくちゃ高ければ皮膚呼吸だけで生きていける、とか。

恐竜の場合、足は体の真下に付いているので、基本的に骨だけで体重を支えることが可能で、骨を固定するのとバランスを取るだけならそれほど筋肉は必要としないはずですが。


O2分圧 投稿者:PepperMyst  投稿日:10月 5日(木)17時54分33秒

ナムニーさん>
>現在、海洋の底で固定されているCO2が固定される前(生物の発生以前)の圧力は、今の大気圧の何十倍もあったはずです。
CO2の分圧がどれほど大きくなろうが、O2の量が変わらない限りO2分圧はまったく変わりませんよ。ついでに言えば、現在のO2は元をたどればほとんどCO2なので、時代をさかのぼれば基本的にO2分圧は低くなります。ただし恐竜の時代は現在より少しO2分圧が大きかっただろうという推計があったような記憶もあるのですが、ソースも調べ方も忘れたので断言はしません。
それから、CO2中毒でも人間は死にます。
後、記憶によればアクアラングは吐いた息を再利用することでO2分圧を下げるのがその特徴だったと思います。

#しかし、O2分圧が高いという事は、心肺機能がへぼくても良いというだけのことのような気はします。
#むちゃくちゃ高ければ皮膚呼吸だけで生きていける、とか。

恐竜の場合、足は体の真下に付いているので、基本的に骨だけで体重を支えることが可能で、骨を固定するのとバランスを取るだけならそれほど筋肉は必要としないはずですが。


潜水の話(Re:現在思考中)  投稿者:LucifeR  投稿日:10月 5日(木)17時53分55秒

"現在思考中" ナムニー wrote:

> >>アクアラングを考えれば明らかだ
> これで言いたかったのは、大気と酸素の組成比が同じで圧力が高い気体を吸って酸素中毒になるかど
うかで、アクアラングをつけて10m20m潜る程度で酸素中毒になるという話など聞いたことがない
ことからこのように書きました。ですが、先ほどの辞典に潜水で酸素中毒になるとの記述がありました
ので、確認が必要かと思います。

 1.「アクアラング」は「セロテープ」や「プラモデル」の類の登録商標です。一般名詞としての
 開放式潜水具は「スキューバ」が妥当でしょう。

 2.レジャーとしてのスキューバに用いられるタンク(ダイバーはボンベとは言わない)
 のナカミは単なる圧搾空気です。そのために、レジャーダイバーは余り深く潜らないように
 指導されており、さらに、高深度に何分潜ってしまったら浅い深度にどのくらいの時間
 留まって窒素を排出しなければならないか、それをしたくなかったら何分以内に浮上
 しなければならないか、などを纏めてある対照表(ダイブテーブル)を水中に携行する
 ことが奨励されています。
 
 3.ヘリウムと酸素からなる作業用高深度潜水(飽和潜水)ガスは実在します。減圧処置
 でベンズ(潜水病)は防げても窒素酔いはどうにもならないからです。が、それを
 タンクに背負っていくというのはあまり現実的な利用法ではないでしょう。たとえば
 深度100mでは11気圧に圧縮されたガスを呼吸することになり、容積効率が悪くて
 仕方がないからです。ですんでこのガスの用途としては密閉式の潜水服を用いたり潜水艇に
 つめたりする方が多いでしょう。
  なお、このガスを呼吸すると音速の関係で甲高く変声する(ヘリウムボイス)ので
 電子的なボイスチェンジャーが普及する以前にパーティジョーク用品として袋につめて
 売られた事があります。

 4.さて、極めて特殊用途ですが、閉鎖式或いは循環式といわれるタイプの潜水具が
 実在します。これは純酸素と還元剤を用いるので、3m以上潜ると危険、10mも潜ったら
 確実に酸素中毒死します。これの開発はスキューバより歴史的に早かった事が撒水具に
 関するいろいろな誤解を生む要因になっているのでしょう(ex.酸素ボンベ)。ちなみに
 こんな物騒なものを最後まで用いてた人は…泡を排出しない隠密性を重宝がる特殊任務
 の公務員さんなどでした。いまはどうだか存じません。
  


創造論者の誤解 投稿者:ONDK  投稿日:10月 5日(木)17時06分50秒

NATROMさんへ
創造論者の本などには、中間種の誤解とか、原人の誤解とか色々あると思いますが、
その誤解と正しい解釈のリストを新たに作ってもらえませんか?
そうすれば、創造論者も誤解なしに議論に参加できると思います。
1つ1つ誤解を指摘してもキリがないし、
なるべくそんなケースを減らした方が、喧嘩とかにもならずいいと思います。
期待します。


恐竜チックな話題が出てきたんで、復活 投稿者:とらいせら中村  投稿日:10月 5日(木)16時38分01秒

草食恐竜の巨大化は、やはり変温性だったからかなぁ。
メシ少なくて済むし。
恒温の哺乳類では、バルキあたりが限界かなぁ。


>あの隕石の衝突のとき、かなりの大気が宇宙に飛んでしまったとしても僕は驚きませんし

1910年(だったか?)のハレー彗星接近の時に、「地球の空気が取られる」
とか言われてたんだってね。関係ないけど

んで、本題。たかだか、ユカタン半島の辺りをへこませるくらいの隕石に、そこまでの
事が出来たとは思えませんよ。地球環境ってのは、結構デリケートなもので、
火山の噴火一発で、かなり変わってしまうらしいです。少なくとも、一時的には。

http://www.sala.or.jp/~shigeto/Motohiko!!/index.html


現在思考中 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 5日(木)16時26分05秒

>>僕は酸素の分圧が高いとは書きましたが、酸素の割合が高いとは書いていませんよ。
これをわざわざ書いたのは、GOAさんの「純酸素」と言う書き込みがあったからです。
>>アクアラングを考えれば明らかだ
これで言いたかったのは、大気と酸素の組成比が同じで圧力が高い気体を吸って酸素中毒になるかどうかで、アクアラングをつけて10m20m潜る程度で酸素中毒になるという話など聞いたことがないことからこのように書きました。ですが、先ほどの辞典に潜水で酸素中毒になるとの記述がありましたので、確認が必要かと思います。
でも、単一の種である人間が4000m級の高地から海抜−何百mまで適応できるのですから、2気圧3気圧の圧力に適応する高等生物がいてもおかしくないと思うのですが。
>ヘリウム
ありがとうございます。
どこかに加圧条件下での動物の運動能力の変化を研究している人がいないものでしょうか?


アクアラングの例 投稿者:GOA  投稿日:10月 5日(木)15時35分27秒

>ナムニーさん、
>僕は酸素の分圧が高いとは書きましたが、酸素の割合が高いとは書いていませんよ。

 アクアラングを考えれば明らかだというのはどういうことなのか、よく分かりませんので、ご説明いただければ助かります。
おそらく私がナムニーさんが書かれた「アクアラングを考えれば明らかだ」について、何が明らかか理解できていないから変な書き込みになったのだと思います。

>別の気体(アルゴンかなんかだと思ったんですがよく覚えてなくてすいません)が入った混合気体だったと思います。

 ヘリウムだったと記憶しています。


GOAさんへ 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 5日(木)13時49分19秒

ネット小事典のURLありがとうございます。
どうも誤解があるようですが、
僕は酸素の分圧が高いとは書きましたが、酸素の割合が高いとは書いていませんよ。
分圧は、全体の気体に対するその気体の割合かける全圧のはずです。全圧が高くなって
気体の組成比が同じであれば各気体の分圧はあがります。
辞典の記述は一般論だと思いますので、全圧は1気圧のままだと思いますが。
しかし、潜水中でも酸素中毒が起こるということは、、、、、うーん。
ついでに言うと
アクアラングの中身は普通の圧縮空気ではないはずです。これは、高い圧力では窒素が血液中に熔けこむ為、急激な減圧条件では血管中に泡が発生し、命にかかわるからです。ですので、酸素の割合は同じで、窒素の変わりに別の気体(アルゴンかなんかだと思ったんですがよく覚えてなくてすいません)が入った混合気体だったと思います。


アクアラング 投稿者:GOA  投稿日:10月 5日(木)13時25分31秒

>ナムニーさん、
>>>酸素中毒
>これはないと思います。
>潜水のアクアラングを考えれば明らかかと。

アクアラングの中身は純粋な酸素ではなく、圧縮空気が入っています。クリスさんのご指摘の通り、酸素中毒は極めて危険性が高いと思います。

http://www.health-net.or.jp/kenkonet/shoziten/html/c3001.html


補足 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 5日(木)11時39分54秒

>当時の大気圧が現在の何倍もであったという根拠が何かあるのでしょうか?
当時の大気圧が現在と同じであった保証もないと思いますよ。
それ以外でも、あの隕石の衝突のとき、かなりの大気が宇宙に飛んでしまったとしても僕は驚きませんし、それ以外には、現在、海洋の底で固定されているCO2が固定される前(生物の発生以前)の圧力は、今の大気圧の何十倍もあったはずです。あと、これは個人的に結構怪しいとにらんでいるんですが(^^;、地球磁場の弱いとき、太陽風がごっそり大氣を持っていってしまっているのではないかと。(火星の大気がそれで結構流れ出していると言うニュース、ありましたよね。)


レスありがとうございます。 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 5日(木)11時25分41秒

>クリスさんへ
>筋肉
要は、筋肉を太くしていくと、筋肉を支えるための筋肉が必要となり、あんまり体重が重い場合はこれが発散していってしまうということです。これにより、動物の最大体重が決まってくるそうです。なお、それ以外の問題として、血管の強度の問題や、自分の体重で傷ついてしまう問題たとえば象の場合でも、ずっと体を横にしていると、その下の部分に血が流れずに、壊死が始まってしまうと言う話も聞いたことがあります。
>酸素中毒
これはないと思います。
潜水のアクアラングを考えれば明らかかと。
>酸素飽和度100%
うーん、悩みどころです。

>「他一切を必要としない=何もしない」
僕は仏教徒では在りませんが、原因があってこそ結果があると考えます。
何らかの行為は、自分ないしその周辺環境を変化させるものですが、他の一切を必要としないということは、その行為を行う必要性、つまり、原因がないことだと思います。原因がないのに何かをすること(結果)はありえない、まあ、僕の考え方ですが。


論理学の問題ですな 投稿者:へち  投稿日:10月 5日(木)09時42分41秒

>いえ、中立あるいは微弱有害の表現型が集団に固定したとしたら、それは自然選択説の「有利な変異が広がる」ということの反証です。私は、広がるという言明は、広がらないという言明を否定しているとします。広がるという言明は、広がらないという言明を否定も肯定もしていないなどというのは詭弁ですし、それでは科学の仮説である資格がないと考えます。

誰も「有利な変異が広がる」という言明は「有利な変異が広がらない」という言明を否定も肯定もしていないなどとは言っていません。
確かに、「有利な変異が広がる」というのは「有利な変異が広がらない」という言明を否定しているでしょうが、「有利でない変異が広がる」という言明は否定しないでしょう。
ですから、「有利な変異が広がる」というのは「有利でない変異が広がらない」という言明を否定も肯定もしていません。
「A(有利な変異)ならばBである(広がる)」という命題からは「BでないならばAでない」を導けますが、「AでないならばBでない」を導けないし、「AでないならばBである」とはまったく別の命題です。


ナムニーさんへ 投稿者:クリス  投稿日:10月 5日(木)09時39分33秒

>時々言われることですが、あの巨大な体を、今の動物から考えられる筋力で支えられるわけがありません。
「筋肉の出せる最大力/単位面積は、ほぼ一定である」ということならばすごく足が太ければよいということですね?
そんなに(体重を支えられるほど)太くはないと考えられているということでしょうか?

>個人的には、その当時の大気圧が、現在の何倍も高ければ酸素分圧も高く、筋肉の効率も高かった可能性も在るかなと思ってますが、そう言うことはありえるのでしょうか?
当時の大気圧が現在の何倍もであったという根拠が何かあるのでしょうか?
そのような高い酸素分圧下では高等生物は酸素中毒を起こして死んでしまうはずですし。
それからいくら酸素分圧が高くなっても酸素飽和度は100%以上にはなりませんから、筋肉の効率は変わらないでしょう。
(恐竜もHbで酸素運搬をしていたのなら)

>2で条件でもなんでもない仮定が、3で必要条件であったかのように書かれているし。(可能であることと、それをすることが義務であることが混同されている)
なるほど。レスありがとうございます。
>でも、僕は全能の神(全能は全知を含む)は存在しないし、存在しても存在していないのと同じだと考えます。
前半は同意見ですが、後半は???です。
>なぜなら、「全知全能」の存在は 他一切を必要としない=なにもしない からです。
ではなぜ、「他一切を必要としない=なにもしない」なのですか?


ひとまず 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 5日(木)00時58分56秒

>wadjaさん
書物ですが、たしか
学研「最新科学論シリーズ27『生命圏進化論』」
あたりに載ってたと思います。それ以外でもあちらこちらで見ますが、
どちらかと言うと、怪獣を議論する際などに引用している場合が多く、
「特撮を科学する」ような本です(^^;
スタンスとしては、「筋肉の出せる最大力/単位面積は、ほぼ一定である」
です。


巨大な恐竜>ナムニーさん 投稿者:wadja  投稿日:10月 4日(水)23時55分29秒

>時々言われることですが、あの巨大な体を、今の動物から考えられる筋力で支えられるわけがあ>りません。

そんなに時々言われることなのですか?私は初めてききました。もし、その当たりの議論が詳しく載っているHPなり書物なりをご紹介頂けると感謝致します。一口に筋肉といっても、その効率(性能)にはかなりの差がありそうな気がします。人間の筋肉も一種類ではなく、その性質は相当違っていたような...。マラソンランナーと重量挙げの選手では、発達している筋肉(筋繊維)の種類が全然違いますよね。


増える中立的形質>JA50さん 投稿者:wadja  投稿日:10月 4日(水)23時44分17秒

ある時点で、適応度が中立的な形質も、ずっと中立的であったと短絡的に決めるべきではないとおっしゃる部分には同意致します。しかし、

>中立的な変異は、増えも減りもしないはずです

という部分には、反論が出来る気がします。

ある固体にAとBという二つの変異が生じ、Aは適応度を高める変異。Bは適応度に関して中立な変異だったとします。この場合、Bは中立であるにもかかわらず、Aに付随する形で増えていくのではないでしょうか。NATROMさんも指摘していますが、染色体上の位置が近い遺伝子は交叉によって引き離される確率も少ないので、充分に考えられる事だと思います。この場合、Aに対して自然選択説は適用できますが、Bには出来ません。だからといって、Bの存在は自然選択説の反証にはならないような気がします。

「他の形質の影響を受けない場合は、有利な形質のみが広まる」と自然選択説がさらに狭義な定義となるのなら、話は別ですが...


適応度の計測 投稿者:wadja  投稿日:10月 4日(水)23時37分57秒

PDX.さんが下の

Re: 理論の適用範囲の限界とか2 投稿者:PDX.  投稿日:10月 4日(水)21時36分40秒

で書かれた内容のフォローになればいいのですが...

適応度(淘汰係数)は、モデルの数式の中では子孫の数を決定する要因ですが、直接にそのものだけを計量化できる数値ではありません。ですから、実際には残った子孫の数から逆算することによって推定される類の数字です。このばあいの推定値は、サンプルの取り方によって(例えば、極端に小さい集団をサンプルと下場合など)、または偶然という要素によっても、推定誤差を持つ値となります。

これとは別に定性的な側面から、数値化は出来ないまでも相対的な適応度(淘汰係数)の大小(その形質は生存に有利か不利かといった判断)は比較できます。JA50さんの言われる適応度は前者であり、NATROMさんの言われる適応度は後者です。食い違うことは充分あります。

#統計学的なモデルで、実際には計測できず逆算でしか数値化のできない要因を仮定することはよくあります。その名の通り「因子分析」などは、実際には存在しない「因子」をモデルとして扱います。


突然ですが 投稿者:ナムニー  投稿日:10月 4日(水)22時43分03秒

はじめまして。
突然ですが全然話の趣旨から外れるのですが、質問よろしいでしょうか。
「恐竜はなぜ巨大に進化できたのだろうか」
ということです。
時々言われることですが、あの巨大な体を、今の動物から考えられる筋力で支えられるわけがありません。
筋力(筋肉組織)が退化したと考えるのは、やはり退化ですし、考えにくいと思います。
皆さんの考えをお伺いしたいです。

個人的には、その当時の大気圧が、現在の何倍も高ければ酸素分圧も高く、筋肉の効率も高かった可能性も在るかなと思ってますが、そう言うことはありえるのでしょうか?

>クリスさん
10日ほど前の全能の神の三段論法、既に他の方が書いたかもしれませんが、(あまりの多さに飛ばし読みをしていますので(^^;)2から3がおかしいと思います。
2で条件でもなんでもない仮定が、3で必要条件であったかのように書かれているし。(可能であることと、それをすることが義務であることが混同されている)
でも、僕は全能の神(全能は全知を含む)は存在しないし、存在しても存在していないのと同じだと考えます。
なぜなら、「全知全能」の存在は 他一切を必要としない=なにもしない からです。


Re: 理論の適用範囲の限界とか2 投稿者:PDX.  投稿日:10月 4日(水)21時36分40秒

To JA50さん

> 中立的な変異は、増えも減りもしないはずです

 集団が十分に大きく、その中立的な変異が単独で存在した場合は
そうでしょうね。

 ただ、私が過去に書いた喩えの中には、地理的に隔離された小さ
な集団であるとか、他の有利/不利な形質が存在したとして、それ
とたまたま同じ染色体に乗ってしまった場合ですとかも想定してい
ます。
 上記のような過程(特に後者)により、本来中立的な変異が有利
な形質に便乗して集団内にたまたま定着してしまう可能性は否定で
きません、というか簡単に生じうるでしょう。
 無論不利な形質と同じ染色体に乗ってしまったためにランダムな
増減により期待されるより早く失われることもあるでしょう。

 この場合。全体として平均すれば増えも減りもしない、という結
論は間違いです。増える形質もあれば減る形質もある、という事で
す。たった1つの中立な形質が幸運にも定着して、100の中立な
形質が消えてしまうかもしれません。それでも、その1つの形質は
観察できるでしょう。それがたまたま観察できたからといって、
中立な形質が定着したから自然選択説が反証された、なんて言えま
すか?


Re: 理論の適用範囲の限界とか1 投稿者:PDX.  投稿日:10月 4日(水)21時26分08秒

To JA50さん

> PDX.さんは自然選択説を何に関する仮説なのだと考えてお
>られるのでしょう?

 生物の形質の時間的変化に、ある種の方向性(最適化とか、退化
であるとか)があるように見える理由の説明の仮説、という程度に
考えています。
 ただし、自然選択説はその前提として自然淘汰がかかることを仮
定していますから、自然淘汰にかからない形質の集団中での増減の
説明は対象外だと思っています。これは何度も繰り返していますが。

>自然選択で、非適応的とか中立というような形質が進化しえるのか。

 この文で、JA50さんの文中における「進化」とは「進歩」「向上」
の概念を含んでいますか?
 私は読んでいてこの点がはっきりしないから、今まで何度も JA50
さんの文中における「進化」という語にツッコミを入れていたのですが。

 つまり、中立的な形質が世代とともに単に変化していくだけの
「進化」なのか、中立的であるにも関わらず「進歩」していくと
いう意味での「進化」なのか?
 あるいは「進化」というのを、その集団中において多数派になっ
ていく過程と呼んでいるのでしょうか?

「進歩」「向上」の傾向がない単なる変化であれば、それはランダム
な変異として説明できますよね。ただし、ランダムなものであるから、
向上の方向性が長く続くことはないでしょうし、良くなったり悪くなっ
たりするかもしれません。そして、一定以上生存に有利/不利になっ
た時点で自然淘汰にかかってしまうので、中立的な形質ではなくなり
ます。

 自然淘汰による方向性の決定なしで「向上」し続けることはないだ
ろうと思います。DNAに突然変異が生じるのはランダムな事象でしょ
うから。ただ、進化というのは「変化を伴う由来」ですので、先祖か
ら受け継いだ形質の範囲内からの急激な逸脱はしないでしょうから、
ランダムな変異ではあってもその振幅には制限があって、そこに定向
性を感じてしまうかもしれませんね。

 中立な形質が集団中に増えていく可能性については、今までに何度
も書いているので省略します。補足するなら、有利な形質よりは増え
る可能性は低いだろうし、不利な形質よりは減る可能性は低いだろう、
という当たり前のことです。
 ただ、「有利な形質よりは増える可能性は低い」からといって、
「その形質が定着することなく必ず消える」とは思えないのです。
 おそらくここが、JA50 さんと私の意見の相違点だと思いますが。

> 一方、自然選択説は適応的な形質が進化することについて肯定すると
>いう言及をしているが、非適応的あるいは中立な形質が進化するかどう
>かについては何も言及していない仮説なんだというのなら、もしそうい
>う形質が進化したことが証明されても、それは反証にはならないという
>のにも、私は同意します(PDX.さんはこちらの方の解釈をとられる
>のですよね?)。

 そうです。強いて言えば、非適応的な形質は定着せずに失われる傾向
があるだろうが、優性の致死遺伝子のような強烈なものではなく、生存
に対して少々不利、という程度のものであれば、偶然によって残ってし
まう可能性はある、という解釈にしていただけませんか?


>JA50さんへ 投稿者:NATROM  投稿日:10月 4日(水)21時23分07秒

>どういう基準で、適用するかどうか決めるんでしょうか?
>特に、化石種のように、適応度を測定できないような場合にはどうするんでしょうか?

難しい問題には違いありませんが、「すべての形質は適応的」であるとは限らないのでこの問題から逃げるわけにはいかないでしょう。グールドのエッセイに出てくるキーウィの巨大な卵が好例になると思います。キーウィの巨大な卵が適応的でなく、発生上の制約を受けているためであるとするならば、キーウィに近縁な鳥の体と卵の大きさをグラフにしたときの線上に、キーウィものるはずであろうという検証可能な予測をします。キーウィの巨大な卵の適応度をあれこれ考えたり、人から見たらわからないだけでなんらかの適応度があるはずだと断じたりするよりかは科学的でしょう。


>自然選択説で中立あるいは非適応的な形質が進化しえるとなったというのには違うと言われて
>いたと記憶しているんですが

クリスさんは、「自然選択説で中立あるいは非適応的な形質が進化しえる」などと言ったのでしょうか?私の記憶にはありませんが。むろん私の記憶違いということもありえますが、クリスさんの主張の要点はそんなところではなかったように思います。


>下肢の種子骨が大きいこと(これをNATROMさんは形質とされている)は、上肢
>の種子骨の遺伝子によって形成されていると言われているじゃないですか。下肢の種子骨のじゃ
>なくです。それを形質としていいんですか。私が問題にしているのはこのことです。

上肢の遺伝子によって形成されているというより、ある遺伝子が、上肢および下肢の種子骨の大きさをコントロールしていると言ったほうがいいのでしょう。いずれにしろ、何をJA50さんが問題にしているのか私にはわかりかねます。下肢の大きな種子骨は、「その個体の生存率や繁殖率を高めることに役立たない器管や行動様式で、その形成に一部遺伝が関与しているもの」ではないのですか?


>私は、形質でないもの(つまり下肢の種子骨の大きいこと)を形質だとし、それに意味(適応
>的な意味)を求めたりしていませんよ。

あるものが形質であるかどうか、どうやって決めるのですか?適応的であれば(あるいは適応的であったならば)形質とし、そうでなければ適応的でないとすれば、確かにすべての形質は適応的でしょう。

ちなみに思ったのですが、現代日本の少子化、あるいは子どもを1人以下しかもたないという個人の性質は形質なのでしょうか?もし、形質でないとすれば、少子化を自然選択説が説明できないからといって、自然選択説の反証になったり、動物行動学が意味を持たないことになるのでしょうか。


>NATROMさんの自然選択説の定義を聞かせてください。
>あの「進化と人間行動」の定義でいいですか?

いいんじゃないですか。


>それと、科学の仮説はどういうものでなければならないと考えているのかも。
>ポパー流の条件、境界設定でいいでしょうか?

いいんじゃないですか。ちなみに私の友人は、「万有引力の法則は科学的仮説ではない」と言うのです。「万有引力の法則によれば、質量に関わらずすべての物体が同じ速度で落下するはずだ。しかし、綿と鉛は同時に落下しない」とのことです。綿にも鉛にも同じ加速度がかかっているけど、空気の抵抗が違うから同時に落下しないんだよ、真空中なら同時に落下するんだ、って言ったんですけど、「空気の抵抗のような例外を許すのは科学的仮説の資格がない。そのような例外を認めはじめれば反証不可能ではないか」って反論されました。この友人を説得するにはどうすればいいんでしょうかねえ。


>JA50さん 投稿者:NATROM  投稿日:10月 4日(水)21時22分25秒

>え?、それなら、「ある突然変異した遺伝子の淘汰係数sは他の遺伝子のとの相互作用を考慮に
>入れるとある一つの数字に定まるわけではい。」というのはおかしいのじゃないですか。

その通り、おかしいです。投稿日:10月 2日(月)11時11分53秒の私の投稿をもう一度読んでください。「単純なメンデル遺伝形式を示す表現型については、遺伝子の固定確率の式が適用できる」というのが私の主張。「淘汰係数sはある一つの数字に定まるわけではない」というのは、私の主張に対する予想される反論。予想される反論を述べて予防線を張っていたのです。この反論はおかしいとJA50さんは認めてくださったようです。「単純なメンデル遺伝形式を示す表現型については、遺伝子の固定確率の式が適用できる」という主張になにか他に反論はありますか?「分からない」とは聞きましたが、具体的な反論はないようですが。


>今は分子レベルの話じゃなく、表現型レベルの話なんですよね?
>そして、適応度というのは、自分と同世代に達しえた次世代の子の数という定義なんですよね?

分子進化と同じの適応度と考えてください。ある突然変異遺伝子の淘汰係数sが負でも、集団に固定するチャンスがあるのと同様です。


>その集団中で、色覚異常を持つ個体と持たない個体について調べたら、色覚異常を持つ個体の
>子孫が増えていたんですよね?
>それなのに、その適応度の方が低いとは、、、、
>なんでそうなりえるのか、さっぱり理解できません。

私の友人が「分子進化の中立説によれば、淘汰係数sが負の突然変異遺伝子も集団に固定することがあるという。その突然変異遺伝子は数が増えたんですよね?それなのに、その適応度がマイナスとは、さっぱり理解できません」と申しておりました。ぜひ、JA50さんがこの友人に理解できるように説明してあげてください。

#適応度の実測に寄せて 投稿者:安賀須若人  投稿日:10月 4日(水)20時23分09秒がタイムリーでしたね。これを読んで、私の友人が理解してくればいいのですが。


>いえ、中立あるいは微弱有害の表現型が集団に固定したとしたら、それは自然選択説の「有利
>な変異が広がる」ということの反証です。

「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な表現型が集団に固定することがある」ことには同意されるのですか?「適応的な意味がないとなれば、瓶首効果のような歴史がその民族に起こった可能性を探ることになります」とJA50さんはおっしゃいました。これは「瓶首効果のような歴史がその民族に起こったのであれば、適応的な意味のない表現型が集団に固定することもある」ということですよね。

「中立あるいは微弱有害といった表現型が集団に固定したからといって自然選択説は反証されるわけではない」には同意いただけないようです。それは、JA50さんの考えている自然選択説が、「適応的でない表現型が集団に固定することを認めない」(通常の解釈とは異なる)自然選択説だからでしょう。このJA50流「自然選択説」は反証されていますからね。


>瓶首効果を分子レベルのランダムドリフトのような例としていいのかどうか私にはい
>まいち疑問が残ります。

瓶首効果は、中立な突然変異遺伝子が固定する確率1/2NeのNeが小さくなることによっておこる効果ではないのですか。私は、瓶首効果はランダムドリフトの極端な一例と思っていましたが。


血液型という形質? 投稿者:PepperMyst  投稿日:10月 4日(水)21時13分21秒

>自然選択説の話をしているのですから、ここで言う形質とは、遺伝的にプログラムされている器管や行動様式でないといけませんよね
>血液型のA型だとかB型だとかいうのは変異です。血液型という形質の中の変異です。
で、血液型はJA50さん語で言うと器官なんでしょうか、行動様式なんでしょうか?
器官や行動様式の定義も一般と違うようですね。


Re: イントロンlate 説とイントロンearly説 投稿者:PDX.  投稿日:10月 4日(水)21時02分41秒

To へちさん

> 例えば古細菌は起源が古い、と言われることがありますが、こ
>れは慣用的な表現で、正確には原始生物(共通祖先)が持っていた
>と思われる性質をよく保持している、という意味です。

 この『慣用的な表現』というのを、厳密に扱って欲しかったん
ですよ。こういう議論をする時は特に。

> ここでいう「植物の出現」というのは酸素を発生するタイプの
>光合成生物(特にシアノバクテリア)の出現のことでしょう。

 これにしても。
 
 18srDNAさんの書き込みを見る限り、こういう方面の研究をしてみ
える方のようですから、用語の扱いには慎重なのではないかと思えば
こそ、真核生物の起源であるとうかそういう話題において、光合成を
行う原核生物をわざわざ植物と呼ぶのも変だろう、と思ったものです
から。


適応度の実測に寄せて 投稿者:安賀須若人  投稿日:10月 4日(水)20時23分09秒

適応度の実測についてコメントします。

家畜(イヌでもウシでも)や栽培植物(イネとかコムギ)とかは
かなり違った性質を示す品種に分けられることは皆さんよくご存知でしょう。
例えばサツマイモは芋の中の色が白っぽいのと紫色のもの(ムラサキイモですね)があります。
それはそれなりの選抜育種を経て得られたもの(変異)ですが
両系統の株を同じ数だけ(例えば50株ずつ)ある隔離された島に植えて
以後の人為的な選抜をやめて何十年か野生状態で放置したとしましょう。
(植えたもの以外にサツマイモはないものとして下さい)
その島でサツマイモが絶えなければ
そうすると何十年後には両系統の株の比率は植え付けたときと同一ではなく
どちらかの系統(例えばムラサキイモ)が多数になっているでしょう。
1回の実験ではいろいろな偶然に左右されるので1回の実験からだけでは
ムラサキイモのほうがそうでない系統よりも適応度が高いとか
あるいは両系統の適応度の差はこれこれであるとはいえません。
何十回か何百回か繰り返して偶然による誤差を取り除いて初めて
両系統のその島の環境下での適応度の差を求めることができます。
繰り返される実験の中にはムラサキイモだけが生き残るケースも
逆にムラサキイモが滅んでそうでない系統が生き残るケースもあるでしょう。
例えば100回繰り返して実験して(あくまでも例題として考えて下さい)
10回はムラサキイモだけになり、60回はムラサキイモが滅んだとしましょう。
そうだとしたらこの実験からその環境ではムラサキイモはそうでない系統よりも適応度が低い、
と判断することができるのではないでしょうか。

一方、例えばサツマイモが船荷の箱がどこかの島に流れ着いて増え始めたとしましょう。
(例えばムラサキイモ50個とそうでないの50個にしておいて下さい)
これは一回限りの歴史的事象ですから、たとえムラサキイモの方が適応度が低いとしても
実際に生き残って増殖しているのはムラサキイモかもしれません。

やがて、他の地域ですべてのサツマイモが滅んだ状態で
植物学者がその島を訪れてムラサキイモが繁茂しているのを観察した場合に
例えば、芋が紫色であるという形質について「適応度が高いから固定した」と判断するのは
妥当でないことはご理解いただけますでしょうか?

この例題で話が解決するとも期待していませんが
進化に関する理論は「再現可能な現象」について説明する構造であり
実際の生物進化はそ「再現可能でない」歴史的な事象である、
ということに留意して欲しいと思います。

#申し訳ありませんが、この書き込みの後しばらく応答できかねる状態ですので
 どなたか詳しい方のフォローをお願いします。
 書き逃げのような格好になってしまい申し訳ありません。


偶然と必然>JA50 投稿者:masayuki  投稿日:10月 4日(水)19時56分39秒

>形質とか変異はもちろん、固定とか多型などの用語の理解の差も関係しているんでしょう。自然選択説ってのは難解ということになりますか。

進化という用語も含めて、用語の理解に差があるのは間違いなさそうですね。
一般的に理解されている用語法で考えれば、自然選択説は特別難解ではないと思いますが。

>自然選択説で何かを言っているのであれば、形質と変異というのを区別しないと何を言っているのか分からなくなります。

形質と形質の変異を区別しなくても自然選択説は理解できますが。

>>「進化と人間行動」p23に進化を引き起こすメカニズムとして、自然淘汰と遺伝的浮動をあげています。

何もレスいただけませんでしたが、
JA50さんはどういう解釈をされているのでしょうか。


Re:現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたとは限らない>NATROMさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 4日(水)18時54分03秒

>「あらゆる形質の進化について自然選択説を適用する」方が問題なのではないですか。まさに「自然選択万能論」が批判されている理由がそれです。

どうもよく理解できません。

どういう基準で、適用するかどうか決めるんでしょうか?
特に、化石種のように、適応度を測定できないような場合にはどうするんでしょうか?
また、現存種でも、適応度を測定して、もしそれが1かそれ以下だったら、それは自然選択説
を適用できないもの、1以上なら自然選択説で説明できるものというようにされるんですか?

>そうなの?クリスさんの発言を読んだ限りでは、私は違和感は感じませんでしたが。

え、そうなんですか?
NATROMさんはクリスさんが発現している内容に同意されるんですか?
自然選択説で中立あるいは非適応的な形質が進化しえるとなったというのには違うと言われて
いたと記憶しているんですが。「自然選択説で」じゃなく、ランダムドリフトのような別のメ
カニズムでだと言われていたんじゃないんですか?

私は、クリスさんの主張とNATROMさんの主張には違いがあるとしていたのですが、これからは
過去にクリスさんが言われていたこともNATROMさんの主張の一部みなしていいですか?

>パンダの下肢の大きな種子骨がまさにこの定義にあてはまると思うのですが。下肢の種子骨の形成には一部遺伝が関与しています。

もちろんそうです、それが違うなどと私は言っていません。
そうじゃなく、下肢の種子骨が大きいこと(これをNATROMさんは形質とされている)は、上肢
の種子骨の遺伝子によって形成されていると言われているじゃないですか。下肢の種子骨のじゃ
なくです。それを形質としていいんですか。私が問題にしているのはこのことです。

>そう、そのナンセンスなことをしているのが自然選択万能論者であり、そのために批判の対象になっているのです。

私は、形質でないもの(つまり下肢の種子骨の大きいこと)を形質だとし、それに意味(適応
的な意味)を求めたりしていませんよ。
万能論者のカリカチュアは、形質でないものさえ形質としそこに適応的な意味を求めるもので
す。私は、形質は適応的なもののみが進化しえるというNATROMさんの言われる万能論者でしょ
うが、そういう形質でないものにさえ適応的な意味を求めたりはしません。それなのに、万能
論者を非難するNATROMさんが、そのカリカチュアになってどうするんです?

>進化論の専門家は「現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられた」と主張しているでしょうか。

これについては既にクリスさんから質問があり、その一例としてトリバースを出したのですが。

木村の論文は確か1968年だったと記憶しています。「分子進化の中立説」はその序文の日
付が1982年ですから、たぶん原書は82、3年でしょう。
トリバースの原書は1985年に出されたものです。
なお、そのトリバースの主張をNATROMさんが間違いだとされているのは分かっています。

>形質の定義が問題なのです(JA50さんのいう形質を定義するならば、「自然選択によって進化した、生物の性質」というのがもっとも近いように思えます)

形質の定義が問題なのだというのには同意します。
たぶん変異という用語も認識に違いがあるんでしょう。

私は、NATROMさんの仮定を前提にするなら、パンダの下肢の種子骨の大きいことを形質とする
のは間違いだと思います。それは形質でも変異でもない。あの適応主義者のプログラムのスパ
ンドレルにあたるものだと考えます。
また、アメリカ先住民の血液型の偏りを形質とするのも間違いだと思います。前から言ってい
ることですが、血液型のA型だとかB型だとかいうのは変異です。血液型という形質の中の変
異です。そこに偏りがあるのは多型の問題だと思うのですが、この多型ということについては
私はよく理解できていません。
現代日本の少子化は、自然選択説で説明するのは非常に難しいです。いろいろ考えられますが
(例えば社会進出説とか餌場説などなど)、これらは素人の空想でしかありません。

最後にNATROMさんにお願いです。

NATROMさんの自然選択説の定義を聞かせてください。
あの「進化と人間行動」の定義でいいですか?
それと、科学の仮説はどういうものでなければならないと考えているのかも。
ポパー流の条件、境界設定でいいでしょうか?


Re:表現型の中立進化>NATROMさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 4日(水)18時53分24秒

>その通りです。私が想定している花の色のや色覚異常の表現型の淘汰係数sも同様の解釈でお願いします。

え?、それなら、「ある突然変異した遺伝子の淘汰係数sは他の遺伝子のとの相互作用を考慮に
入れるとある一つの数字に定まるわけではい。」というのはおかしいのじゃないですか。

>色覚異常という表現型と、その遺伝子が1対1対応していれば、分子進化の式をそのまま適用できるというのが、私の主旨です。色覚異常という表現型の淘汰係数sと、集団の有効な大きさNeがわかれば、色覚異常が集団に固定する確率はわかります。

こんなことをしていいのかなぁ、、、

とにかく、私にはこれについて同意も反対もできません。
分かりません。

>「色覚異常を持つ個体がその集団中で拡がり固定したから、色覚異常を持つ個体の方が適応度が高い」とは言えません。集団の大きさが小さければ、負の適応度s(s<0)の突然変異遺伝子Aが集団に固定することもありえますよね。
>「その突然変異遺伝子Aは集団に固定したから、Aのほうが適応度が高い」とは言えないのと同様です。

今は分子レベルの話じゃなく、表現型レベルの話なんですよね?
そして、適応度というのは、自分と同世代に達しえた次世代の子の数という定義なんですよね?
つまり、生存率×繁殖率、もちろんそれを平均化してもいいですが。
その定義で、集団中に広がり固定したのに、その適応度を測ったら1以下という値がなぜ出る
んでしょうか、不思議です。さっぱり理解できない。

その集団中で、色覚異常を持つ個体と持たない個体について調べたら、色覚異常を持つ個体の
子孫が増えていたんですよね?
それなのに、その適応度の方が低いとは、、、、

なんでそうなりえるのか、さっぱり理解できません。

>まさしくそれが、ランダムドリフトで「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な表現型が固定することがある」例となります。中立とみなし得る程度の弱い非適応的な表現型が集団に固定することがある(なぜなら、瓶首効果のような歴史が起こったという可能性もあるから)、中立あるいは微弱有害といった表現型が集団に固定したからといって自然選択説は反証されるわけではないということに同意いただけますか?

いえ、中立あるいは微弱有害の表現型が集団に固定したとしたら、それは自然選択説の「有利
な変異が広がる」ということの反証です。私は、広がるという言明は、広がらないという言明
を否定しているとします。広がるという言明は、広がらないという言明を否定も肯定もしてい
ないなどというのは詭弁ですし、それでは科学の仮説である資格がないと考えます。
ただし、瓶首効果を分子レベルのランダムドリフトのような例としていいのかどうか私にはい
まいち疑問が残ります。いや、同一民族内で適応度の比較をしていると言われているんですか
ら、疑問が残るというより次から次ぎといっぱい。


Re: 理論の適用範囲の限界とか2>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日:10月 4日(水)18時52分26秒

自然選択説の定義は同じなのになぜその解釈が違ってきたのか。これは、最初の質問に関連す
ると思います。科学の仮説とはどういう条件を満たすものでないといけないのか、自然選択説
とは何についての仮説なのかという問題です。

それと、変異という用語の定義に関わってくるのでしょうが、「中立的な変異が増えようが減
ろうが」というのが疑問に思えてきました。
中立的な変異というのはその変異の適応度について言っているのですよね?
ある時点で測定した適応度が1のもの、あるいは1に非常に近いものを(ここでは表現型レベ
ルの話ですので、あのNesを用いた中立の定義が使えるのかどうか分かりません)。そうじゃな
く別の意味だというのなら以下のレスは頓珍漢なことになりますが、そうだとして書きます。

中立的な変異は、増えも減りもしないはずです。
増えたのなら、それは適応度が1より大きいことであり、減ったのなら適応度が1より小さい
ことでないといけない。しかし、それは中立的だという定義に矛盾します。
いや、厳密に1じゃなく、ほぼ1のことを言っているのだと言われるかもしれません。1世代
について見て適応度が1に非常に近いものであれば、別の時期での測定では1より大きくなっ
たり(この時は増えていることになる)、逆に1より小さくなったり(減っている)すること
もあるでしょう。環境は常に変化しているし、環境は同じでも偶然でそうなってもおかしくな
い。そしてこれが「増えたり減ったり」ということなんだとも言えます。
しかし、これだと一時的に増えることがあるというだけに過ぎない。まさに「増えたり減った
り」です。
そういう短期間で見るのじゃなく、長期間で見て、平均をとるべきだというのも当然ですが、
それこそ、最終的に固定したとしたら、その平均の適応度は1以上であったことになるのじゃ
ありませんか。長期間で見て平均の適応度が1以下で、それがその集団中に広がり固定したな
どというのは、適応度の定義からして矛盾しているとしか思えないんですが、、、

適応度が1以上の変異であっても、人からみたら、これが一体何の役に立っているのかという
のは沢山あると思います。しかし、だからと言ってそこに人の価値観をその生物に持ち込んで
はいけない。それこそ、進化を人間の価値基準でもって進歩とみなすのと同じ間違いを犯すこ
とになる。


Re: 理論の適用範囲の限界とか1>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日:10月 4日(水)18時50分30秒

理論の適用範囲とか限界がどこかというのを正しく理解するのは重要なことだと私も思います。
創造論者がよく生命発生について進化論ではどうのこうのと言いますが、これは頓珍漢な反論
です。本来進化論は生物の進化のメカニズムについての仮説であって、生命発生の仮説じゃな
いんですから。しかし、進化論が生物進化について否定も肯定もしないとかいうのであれば、
それは進化論と言われる資格はない。
同じことが自然選択説についても言えます。
PDX.さんは自然選択説を何に関する仮説なのだと考えておられるのでしょう?

それと一般論になるんですが、PDX.さんはポパー流の科学の定義に賛成でしょうか?

以下、レス。

>『変化を伴う由来』という「進化」の定義の上では、上記の例も
>進化と呼んでおかしくはないですよね?

その通りです。
洞窟における動物が目を退化させているというのも進化ですし、ヒトの虫垂が非常に小さいの
もそうでしょう。これらは淘汰圧がゆるんだために退化しているという例でしょう。
また、現在、非適応的、つまり生存や繁殖に不利になっているというのもあります。

それらを私は否定しているのではありません。
何度も、現在、非適応的であってもいいんだ、過去において適応的であったから進化したので
あればいいんだというのを言っているのに、皆さんにどうも誤解されているふしがある。
洞窟内で目を退化させている動物も、その祖先は光のあるところで目が必要だったから目を発
達させた。ほとんど消化に役立っていない虫垂も、我々の祖先には役立っていた。これらは私
は認めているし、またそれらは自然選択説の反証じゃない。逆にそれらは自然選択説の正しい
ことの根拠にさえなるものです。

>ですから、中立的な変異が増えようが減ろうが自然選択説はゆら
>がないと思います。

ここの解釈の違いが原因なのかなぁ、、、

>自然選択説は自然淘汰が(正であれ負であれ)かかる形質でないと議論の対象足り得ないはずで、自然淘汰に対して中立な形質に対しては何も言及していないという点です。

自然選択説の話をしているのですから、ここで言う形質とは、遺伝的にプログラムされている
器管や行動様式でないといけませんよね(なお、何度も言うのもあれなんで、以降はこういう
注釈を入れませんが、「全部がプログラムされている必要はありません」)。もちろん、中立
説が問題にしている分子レベルのことではなく、表現型レベルの進化のこと。
そういう形質が、現在、非適応的(生存や繁殖にとって不利になっている)や中立(生存や繁
殖に役立ってもいないが有害でもない)であることもあるでしょう。しかし、それは前から私
も言っていることであり、私が問題にしているのはそういうものが進化し得るのかどうかです。
自然選択で、非適応的とか中立というような形質が進化しえるのか。

私は、自然選択説は「し得ない」という仮説だと解釈しています。これなら、もし非適応的と
か中立とかいう形質が進化したことが証明されたら、それは反証になるというのには皆さん同
意していただけるでしょう。今までのメッセージを読む限り、一部の方を除いて、皆さんが反
対されているのは、「し得ない」という解釈の方で、その解釈が間違っているんだというもの
だと思います。
一方、自然選択説は適応的な形質が進化することについて肯定するという言及をしているが、
非適応的あるいは中立な形質が進化するかどうかについては何も言及していない仮説なんだと
いうのなら、もしそういう形質が進化したことが証明されても、それは反証にはならないとい
うのにも、私は同意します(PDX.さんはこちらの方の解釈をとられるのですよね?)。
残る問題は、どっちの解釈が正しいのかということになる。

(続く)


分子レベルでの中立でない変異? 投稿者:wadja  投稿日:10月 4日(水)01時08分55秒

To JA50さん

わたしも、JA50さんが文中で使われる「形質」「変異」の定義に混乱してしまった口です。わたしのような素人にも、その文中での用法から大元の定義を推測できるような説明を、最近のJA50さんの書きこみの様に添えて頂けると大変助かります。

わたしも、この掲示板の多くの人は「有利な形質のみが...」
と、「のみ」を付け加えて自然選択説を定義されていないと思っています。「のみ」さえなければ、「中立な形質も広がり得る」という事象とは背反ではありませんものね。

>分子レベルではその多くが中立的な突然変異により、そして表現型レベルでは自然選択による
>というのが私の理解です。

木村先生の中立説をまともに理解してもいないので、質問するのもはばかられますが、「中立でない分子レベルでの変異」というのはどのようなものが考えられるのでしょうか?適応度が生涯に残せる子孫の数だと定義されるのなら、表現型に至る以前での、分子レベルの適応度の差異(適応的、非適応的、中立の差異)というのが理解できないのですが。そう考えると、淘汰係数の概念は、表現型と遺伝子型を同レベルで扱っているような気がするのですが、おかしいでしょうか?


自然選択説の解釈 投稿者:へち  投稿日:10月 3日(火)22時28分12秒

>JA50さんのそもそもの問題は、生物のすべての性質を自然選択説で説明しようとしたこと

PDX.さん、クリスさん他も同様の書き込みをなさっていますが、この原因は、JA50さんが自然選択説の定義を「生存や繁殖に有利な変異のみが集団の中に広まっていく」と理解したことにあると思います。このように理解したことの理由として、JA50さんは

>自然選択説は「生存や繁殖に有利な変異が集団の中に広まっていく」ものであって、有利じゃない中立的(生存や繁殖に役立たない)とか不利(生存や繁殖にとって有害)というような変異が広まっていくという説じゃありません。ですから「のみ」として私は理解しています。

と述べていますが、これには論理的誤りがあります。

>自然選択説は「生存や繁殖に有利な変異が集団の中に広まっていく」ものであって、有利じゃない中立的(生存や繁殖に役立たない)とか不利(生存や繁殖にとって有害)というような変異が広まっていくという説じゃありません。

というのは必ずしも間違ってはいません。
しかしながら、この文章からは「有利な変異のみが集団の中に広まっていく」という解釈をするのは誤りです。
なぜなら、「中立的な変異が広まっていくという説ではない」からといって、「ほぼ中立的な変異が広まらないという説である」とは言えないからです。
つまり、自然選択説は中立的な変異については何も言っていないのです。
ですから、中立的な変異が集団の中に広まっていったとしても自然選択説の反証にはなりません。
ここを間違ったために、生物のすべての性質を自然選択説で説明できないのならば、それは自然選択説の反証になると考えたのでしょう。

集団遺伝学成立以降の自然選択説をより正しく、簡潔に表現するなら、
「生物の持つ性質がその個体にとって有利であるほどその性質は集団の中に広まりやすく、逆に不利であるほど集団の中から消えていきやすい」
あるいは
「生物の持つ性質の有利さとその性質の集団の中での広まりやすさには正の相関関係がある」
となるでしょう。
これに対する反証は「生物の持つ性質の有利さとその性質の集団の中での広まりやすさには相関関係がない」あるいは「生物の持つ性質の有利さとその性質の集団の中での広まりやすさには負の相関関係がある」などがあるでしょう。


イントロンlate 説と early 説 投稿者:へち  投稿日:10月 3日(火)21時25分30秒

この問題については私が答えていいものかどうか迷ったのですが、18srDNAさんからのレスが無いようなので、私が知っている範囲でお答えします。

     原核生物(上記引用部で細菌類とあるもの)はイントロンを
    持たなくて、真核生物はイントロンを持つということですよね?
     イントロンが後から進化したのであればこれは別に不思議で
    はないと思います。(late説はこれですか?)

     また、原核生物はイントロンを持っていたが、真核生物と
    別れた後、原核生物はイントロンを失ったが、真核生物はそれ
    を保持しているというのが early 説?

     上の late 説と early 説について私が誤解しているのかも
    しれませんが、どちらにしても、原核生物よりも真核生物の方
    が起源が古い、という結果が導きだせるのかわからないのです
    が。
     おそらくどちらかの説を誤解しているような気がしますので、
    このあたりについて指摘していただけると幸いです。

まず前提として重要なのは(その辺はよくご存じかもしれませんが)、現在生息している生物同士ではどちらが古いか、という議論自体あまり意味を持たないということです。
例えば古細菌は起源が古い、と言われることがありますが、これは慣用的な表現で、正確には原始生物(共通祖先)が持っていたと思われる性質をよく保持している、という意味です。

そういったことを考慮すると、イントロンearly 説というのは、共通祖先がイントロンを持っていたという説であり、真核生物は真性細菌と比べると共通祖先が持っていたと思われる性質をよく保持している、という意味では真核生物の方が古いと言えるかもしれません。
私の古い記憶では共通祖先はイントロンを持っていたというのが一般的だったような気がします。

それから、細かいことですが、

    >「共生」が起こるキッカケになったのは植物の出現により、
    >地球上に酸素が大量に供給され、細菌類の生存をかけた戦いの中で
    >異種の細菌と共生せざる得なくなったと考えられる。
    >そこで、現在の細胞の祖先が誕生した。

     植物だってミトコンドリアを内包する多細胞生物であって、
    『現在の細胞の祖先』の子孫なんじゃないですか?

ここでいう「植物の出現」というのは酸素を発生するタイプの光合成生物(特にシアノバクテリア)の出現のことでしょう。

また、

    古細菌(シアノバクテリア類)と細菌(グラム陰性菌)との共生関係が
    起こったと推測されている。

とありますが、シアノバクテリアは古細菌ではありません。


Re: 理論の適用範囲の限界とか 投稿者:PDX.  投稿日:10月 3日(火)19時53分00秒

 しつこくこの題名を採用します。

To JA50さん

> ただ言い訳になりますが、ここで使った退化というのは、洞窟
>内の動物が目を退化させていくような進化(!)をイメージして
>いました。

『変化を伴う由来』という「進化」の定義の上では、上記の例も
進化と呼んでおかしくはないですよね?
 別に洞窟の中だからといって、視覚が弱いことが、特別適応的
というわけではないからです。聴覚や嗅覚が鋭いことは適応的と
言えると思いますが、視力はあってもなくても無関係なので、積
極的に視力を衰えさせる理由はないと思います。(使わない器官
を維持するのはエネルギーの無駄、というのはともかく)
 視覚に頼った生活をしている場合、視覚を失う方向の変異は淘
汰の対称となりますが、視覚に頼っていないのであれば視覚を失
う変異が生じても淘汰の対象たりえないわけですし。


> 私の「自然選択説は適応的な形質のみが進化しえるという説だ
>から、非適応的とか中立とかいう形質が進化したという例が見つ
>かればそれは反証になる」のですから、明らかに反証可能です。

 上の一文は、モデルとして単純すぎる感がします。
 上のモデルによって反証されたとしても、それが自然選択説を一
気に全否定することはありえず、その限界を示すだけだ、というの
が私の感想です。
(だから、題名で何度も『理論の適用範囲の限界』という言葉を使っ
ていたつもりだったのですが)

 上のモデルが敢えて除外しているいくつかのファクターにより、
中立的な形質や、非適応的な形質ですら保存されうると思いますか
ら、自然選択の影響力と、それ以外の要素の影響力を天秤にかける
必要があるのではないでしょうか?
(実際その天秤をかけた結果、ガチガチの自然淘汰万能論が否定さ
れたのは、まさに反証だと言えると思います。この反証により、自
然選択説に修正が加えられたのが、現在の標準的な理論だと思うの
ですが)

 上の一文に私が首を傾げてしまうのは、まず、自然選択説は自然
淘汰が(正であれ負であれ)かかる形質でないと議論の対象足り得
ないはずで、自然淘汰に対して中立な形質に対しては何も言及して
いないという点です。
 最初からその理論が対象としていないものについてその理論と矛
盾するからと言って反証になるとは思えません。
(相対性理論は「質量をもつ物体は光速を超えられない」と言って
いますが、質量を持たない物体はこれに反しても矛盾ではありませ
んよね?)
 ですから、中立的な変異が増えようが減ろうが自然選択説はゆら
がないと思います。

 そして、非適応的なものは負の淘汰圧がかかるわけですから当然
淘汰されますが、それはその形質が単独で存在するという前提が必
要になります。生存性を30%低下させる『非適応的な形質』が存在
したとして、同じ染色体に生存性を80%向上させる形質が同時に存
在してしまったら、そちらの影響のほうが強くて存続してしまう可
能性があります。
 そのうち世代を重ねていくうちに非適応的だった変異が役に立つ
こともあるかもしれないし、更なる突然変異により生存性を低下さ
せる可能性が高まり、有利な形質の影響を上回ることもありえるで
しょう。



現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたとは限らない 投稿者:NATROM  投稿日:10月 3日(火)19時16分16秒

>NATROMさんの立場で問題なのは、化石種のにしろ現存種のにしろ、ある形質について、それが
>適応的かどうか分かっていないときには、その形質の進化について自然選択説を適用していい
>のかどうか分からないことです。

「あらゆる形質の進化について自然選択説を適用する」方が問題なのではないですか。まさに「自然選択万能論」が批判されている理由がそれです。


>例えばクリスさんとNATROMさんも自然選択説については異なった理解のしかたをしています

そうなの?クリスさんの発言を読んだ限りでは、私は違和感は感じませんでしたが。


>その個体の生存率や繁殖率を高めることに役立たない器管や行動様式で、その形成に一部遺伝
>が関与しているもの。これが中立な形質の定義です(私なりの)。

パンダの下肢の大きな種子骨がまさにこの定義にあてはまると思うのですが。下肢の種子骨の形成には一部遺伝が関与しています。


>下肢の種子骨の大きいことは、それが手の種子骨を大きくする遺伝子によって形成され
>ていると仮定しているんですから、それに意味(適応的な意味です)を求めること自体がナン
>センスなんじゃありませんか

そう、そのナンセンスなことをしているのが自然選択万能論者であり、そのために批判の対象になっているのです。


>>「現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたものではない」ということには同意されますか?
>この質問には分からないと答えます。

では質問を変えましょう。進化論の専門家は「現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられた」と主張しているでしょうか。それとも、「現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたとは限らない」と主張しているでしょうか。後者のような主張をしている進化論の専門家はいますね。前者のような専門家っているのでしょうか。とくに中立説が一般的になった後に。


>私は現在の生物の形質の中で、それが自然選択説で説明できない例を知りません。

自然選択説で説明できないものは形質ではないとしているからでしょう。形質の定義が問題なのです(JA50さんのいう形質を定義するならば、「自然選択によって進化した、生物の性質」というのがもっとも近いように思えます)。JA50さんは、現在の生物の性質の中で、自然選択説で説明できない例をご存知ですか?例えば、ネイティブアメリカンの部族における血液型の偏りを自然選択説で説明できると思いますか?現代日本での少子化が自然選択説で説明できるとお考えでしょうか?

JA50さんのそもそもの問題は、生物のすべての性質を自然選択説で説明しようとしたこと、そして、すべての性質が自然選択説で説明できなければ自然選択説には意味がない、としたことです。私は(およびおそらくはJA50さん以外の掲示板の参加者、および専門家の方々は)、現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたとは限らないし、だからといって、自然選択説には意味がないわけではないと考えているのです。


表現型の中立進化 投稿者:NATROM  投稿日:10月 3日(火)19時11分42秒

>>まったく同様の論理でもって分子進化の中立説に反論できる。いわく、「ある突然変異した遺伝>>子の淘汰係数sは他の遺伝子のとの相互作用を考慮に入れるとある一つの数字に定まるわけではい。
>淘汰係数sは、他の遺伝子が同じで、考慮対象の突然変異遺伝子のみが異なる場合について求
>められるものじゃありませんか。
>実際そういうような実例が自然界にあり得るかどうか、それは分かりませんが、少なくともそ
>ういうように仮定して数学モデルを作り、あの固定確率の式や進化速度を求めたはずです。

その通りです。私が想定している花の色や色覚異常の表現型の淘汰係数sも同様の解釈でお願いします。


>>その有害の程度が低くて集団が十分に小さければ色覚異常という表現型が集団の全体を占めるこ
>>とはありえますね。
>こういう実例を私は知りませんし、またそういうのを書いている文献も知りません。またこう
>いう数学モデルを作って予測する能力も私にはありませんので、責任をもってあり得るとは答
>えられません。ただし、直感的にはあり得るだろうとは思います。

色覚異常という表現型と、その遺伝子が1対1対応していれば、分子進化の式をそのまま適用できるというのが、私の主旨です。色覚異常という表現型の淘汰係数sと、集団の有効な大きさNeがわかれば、色覚異常が集団に固定する確率はわかります。


>その民族内における色覚異常のない人との間での適応度の比較なんですか?

そうです。


>もしそうだとすると、その民族集団では色覚異常を持つ個体がその集団中で拡がり固定したん
>ですから、色覚異常を持たない個体の方が適応度が高いことになりませんか?

「色覚異常を持つ個体がその集団中で拡がり固定したから、色覚異常を持つ個体の方が適応度が高い」とは言えません。集団の大きさが小さければ、負の適応度s(s<0)の突然変異遺伝子Aが集団に固定することもありえますよね。「その突然変異遺伝子Aは集団に固定したから、Aのほうが適応度が高い」とは言えないのと同様です。


>そして、適応的な意味がないとなれば、瓶首効果のような歴史がその民族に起こった可能性を
>探ることになります。

まさしくそれが、ランダムドリフトで「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な表現型が固定することがある」例となります。中立とみなし得る程度の弱い非適応的な表現型が集団に固定することがある(なぜなら、瓶首効果のような歴史が起こったという可能性もあるから)中立あるいは微弱有害といった表現型が集団に固定したからといって自然選択説は反証されるわけではないということに同意いただけますか?


tomiさんへ 投稿者:商学部  投稿日:10月 3日(火)18時29分15秒

進化論も創造論も知らない僕ですが、進化論者の中を色々と発言する以上は、
いい所もあると思います。みんなのように否定したくありません。
よろしければ、あなたのホームページを教えてください。
進化論者の主張ばかりじゃ勉強にならないと思うので。
少なくとも、検索に使えるキーワードは教えてください。


あ、言われる通り!>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日:10月 3日(火)15時51分03秒

>以前にも似たようなことを指摘したつもりなのですが、上の文でJA50
>さんは「進化」という語を「退化」という語の反意語として用いてお
>り、「進化」という言葉に「進歩」という概念を含ませているように
>感じられます。

ご指摘の通りですね、まさに灯台もと暗し。

ただ言い訳になりますが、ここで使った退化というのは、洞窟内の動物が目を退化させていく
ような進化(!)をイメージしていました。

なお、なぜ二者択一かということですが、これには反証可能性という問題がからんでいます。
NATROMさんの自然選択説の定義というか、私のあの理解でいいとしたら、NATROMさんのは反証
不可能じゃないという気がするんです。
そこらあたりのことはNATROMさんとまた議論になるでしょう。

PDX.さんはどう思われますか?

私の「自然選択説は適応的な形質のみが進化しえるという説だから、非適応的とか中立とか
いう形質が進化したという例が見つかればそれは反証になる」のですから、明らかに反証可
能です。
NATROMさんの反証可能性はどういうものか私には分からないんですが。


Re:理論の適用範囲の限界とか 投稿者:PDX.  投稿日:10月 3日(火)11時22分22秒

To JA50さん

>  私は自然選択説は定量的な言明じゃなく定性的な言明だと思って
>いますので、それは二者択一的言明となります。ですから、二者択一
>で語っています。

 このあたりが私と理解が異なる、もしくは、自然選択説を適
用する範囲が私と異なるせいで会話が噛み合わないような気が
します。
(どちらが正しいのか私にはわかりません)

>有利でなければ淘汰され消えるというのが自然選択説だと私は思ってい
>ます。より適応度の高い変異に置き換わっていくと。これは全く二者択
>一です。

 上記の文で、JA50さんとの視点の相違点の一つに気付きました。
「より適応度の高い変異に置き換わっていく」という前提を私は
考えていませんでした。確かに、『対立する』より適応度の高い
変異があれば、そちらの方が集団内に定着していくでしょう。こ
れには同意できます。
 私が「自然淘汰が働かないような形質が定着する」と考えてい
たものは、既存の形質とは相違点があるけど特別有利でも不利で
もない形質が、対立するより適応度の高い形質が存在しない状況
で定着する場合でしたから。(JA50さんの定義では「変異」と呼
ばれてしまうかもしれませんが)
 より適応度の高い形質をおしのけてまで定着する可能性は低い
と思いますよ、さすがに。(ない、と言いきらないのは、例えば
有利な形質が広がりつつある大集団が洪水・旱魃などの災害で全
滅し、中立的な形質が普及しつつあった地域的な集団がたまたま
生き残った結果、環境が回復した後で後者が適応放散することも
ないわけではないだろうと思うからです。まぁこれは特殊な事例
ですが)

> それは偶然によって増えたり減ったりするでしょうが、実際に
>固定されるかどうかはまた別問題ですし、逆に消えることもある
>でしょう。

 これについては同意見です。固定することもあるし、固定せずに
消えることも考えています。「必ず固定する」なんて言った憶えは
ありませんし。「固定することもありえる」という程度の認識なの
で、「偶然に支配される」と考えていました。

> 固定するにしろ、消え去るにしろ、そうなるまでには非常に長
>い世代時間がかかるはずです。

 それは集団のサイズにもよるでしょう。隔離された小さな集団内で
その形質が急速に定着し、多数派との分化が進む事は容易におこりう
ると思っています。

> 私は、非適応的な形質は進化しえないし、もし過去においては適
>応的であって進化したとして、後の環境の変化で非適応的になって
>くれば、次第にそれは退化ないし消えていくと思います。それが自
>然選択説の結論だと思っています。

 以前にも似たようなことを指摘したつもりなのですが、上の文でJA50
さんは「進化」という語を「退化」という語の反意語として用いてお
り、「進化」という言葉に「進歩」という概念を含ませているように
感じられます。
 私にとって「進化」とは「変化を伴う由来」ですので、「退化」と
言われるものでも「進化」の範疇に含まれます。

 その認識の上においては、

> この後の共生説に関連する部分は、PDX.さんが何を主張された
>いのか、どうも理解できません。

と言われても仕方ない気がいたします。
 私が「進化」と呼んでいる現象が JA50 さんにとっては「退化」なの
ですから。


偶然と必然>masayukiさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 3日(火)10時55分26秒

>瓶首効果はまさしく遺伝的浮動の一例ではないでしょうか。もちろん鎌上赤血球のように何か適応的な意味が隠されているかもしれませんけれど。偶然を逃げ道にしているわけではありません。

瓶首効果は、偶然による遺伝子頻度の変化(浮動)だと私も思います。
集団の個体数がごく少数になれば、偶然によって大きく遺伝子頻度が変化するというのは、中
立説の寄って立つものですし。
ただ、それが私の主張(適応的な形質のみが進化しえる)の反証例だというのは、よく理解で
きない。
アメリカ原住民にはある血液型だけが多いというような部族がいるそうですが、これらは主に
瓶首効果によるものでしょう(淘汰がかかっていないという証明もできないでしょうが)。遺
伝子頻度が偶然で変化するよい例だと思います。ただ、これがどうして私の主張の反証だとい
うのか、よく理解できません。たぶん、形質とか変異はもちろん、固定とか多型などの用語の
理解の差も関係しているんでしょう。自然選択説ってのは難解ということになりますか。

逃げ道というのは言葉のアヤです、無視して下さい。

>それと一つ質問です。
>形質と形質の変異との間には本質的な差がないと思うのですが。なぜJA50さんはそこにこだわるのでしょうか。

masayukiさんの言われる「本質的な差」の意味がいまいち理解できないのですが、自然選択説
で何かを言っているのであれば、形質と変異というのを区別しないと何を言っているのか分か
らなくなります。
私の理解が絶対正しいんだというつもりはありませんが、次のように理解しています。

変異に自然淘汰が働き、その蓄積として形質が作られる(その結果として形質がある)。
また、パンダの下肢の種子骨について言えばこうなるでしょうか。種子骨が大きいことは変異、
種子骨の大きさは形質。種子骨の大きさ(形質)の個体間の違い(変異)に淘汰がかかる。


Re:パンダの足の親指>よもぎさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 3日(火)10時52分20秒

>こんちは。横やり失礼します

どうもはじめまして(ですよね?)。

>一般に「種」ってそれが確立した後も、時を経る間に微妙に変化してきてますよね。
>これは淘汰には関係ない遺伝的変化の一つでは?

種分化後も種内における遺伝子頻度は変化しています。
分子レベルではその多くが中立的な突然変異により、そして表現型レベルでは自然選択による
というのが私の理解です。

日本人の頭蓋骨が時代によって変化してきていることですが、それが遺伝子頻度の変化による
としたら、自然選択で説明できると思います。ただし、頭蓋骨の変化が全て遺伝子頻度の変化
によるとは思えません。食べ物の変化とか生活習慣の違いとかもあるでしょう。
私は、NATROMさんの言われる自然選択万能論者になると思いますが、分化とか生活習慣などに
よる後天的な変化も皆自然選択の結果だなどというような自然選択万能論者(これは万能論者
のカリカチュア)じゃありません。


Re:理論の適用の限界とか>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日:10月 3日(火)10時51分25秒

>二者択一で語っているように思える

私は自然選択説は定量的な言明じゃなく定性的な言明だと思っていますので、それは二者択一
的言明となります。ですから、二者択一で語っています。

>実際には表面に現れている形質の中にも、有利でも不利でもないような形質はあると思いますし、有利でないから除外されるべきとも思えません。

有利でも不利でもない形質(こういう言い方の時は変異を使うべきかも)というのはあるでし
ょうが、有利でなければ淘汰され消えるというのが自然選択説だと私は思っています。より適
応度の高い変異に置き換わっていくと。これは全く二者択一です。

ただし、「自然淘汰が働かないのであれば、それは偶然によって増えたり減ったりするだろう」
というのはその通りと思います。それは偶然によって増えたり減ったりするでしょうが、実際
に固定されるかどうかはまた別問題ですし、逆に消えることもあるでしょう。固定するにしろ、
消え去るにしろ、そうなるまでには非常に長い世代時間がかかるはずです。より有害であれば
あるほど速く消えるし、より有利であればあるほどその固定には短い時間しかかからないでし
ょうが、淘汰にかからないとしたら、もし固定することがあるとしてもそれには非常に長い時
間がかかるに違いない(私の直感的なもので数学的な根拠があるわけじゃありません)。
なお、中立的な形質(変異?)が固定されるかどうかというのに、あの突然変異遺伝子の固定
確率の式を使っていいのかどうか、私には分かりません。もし使えるとしても、点突然変異に
よるものだけ(これを形質とするのはおかしいですから、変異を使うべきかも)というような
非常に限定されたものじゃないでしょうか。

>非適応的ではあるが、致命的ではない(生存性を僅かに下げる程度)
>形質が、先祖から子孫に受け継がれる程度のことであればありうると
>思います。
>ただ、そのためには、その形質と対立するより有利な形質を持つ集団
>から隔離されているとか、そういう条件が必要かとは思いますが。

この部分は、私の理解と一番異なるところです。

私は、非適応的な形質は進化しえないし、もし過去においては適応的であって進化したとして、
後の環境の変化で非適応的になってくれば、次第にそれは退化ないし消えていくと思います。
それが自然選択説の結論だと思っています。

また、他の集団から隔離されているとしたら、その集団におけるその形質なるものはその集団
においては適応的だから広がり固定されるとすべきだと思います。
他の集団とは、集団が違い(隔離されているんですから同じはずがない)、また周囲の環境も
違うでしょうから、同じ形質(変異?)であっても、適応的であるかどうかは分からない。

この後の共生説に関連する部分は、PDX.さんが何を主張されたいのか、どうも理解できま
せん。


続き 投稿者:  投稿日:10月 3日(火)01時49分24秒

>形質と形質の変異との間には本質的な差がないと思うのですが。
>なぜJA50さんはそこにこだわるのでしょうか。

重大な意味があるんです。
例えば、血液型の各型を「変異」ではなく「形質」だと認めて
しまうと「中立な形質が進化したこと」を認めることになって
しまうからです。

だから、誰に何を言われようと、「それは変異だ」と言い張る
わけです。NATROM さんが指摘している通りだと感じます。


ちと翻訳 投稿者:  投稿日:10月 3日(火)01時39分54秒

意識的かどうかわからないが、無責任暴言医師JA50氏の
いう「変異」は大まか三つの意味で用いられており、それら
が文脈上区別されずにちりばめられているため、非常にわかり
にくい。
その三つとは、
variation (例えば、血液型A,B,Oのそれぞれの型を個別または
      包括的に指す)
mutation  (遺伝子上のヌクレオチドの変化、突然変異)
alteration (ごく普通に「変化」)

せめて前二者だけでも英単語で使い分けていただくのは
無理かな?    > 無責任暴言医師JA50氏

ちなみに、同氏の用語法では、例えば
「血液型」=形質、 A型、B型などそれぞれの型=変異(variation)
と厳密に区別して言う。
(下の例では、「種子骨」を「形質」といい、「種子骨が大きいこと」
 あるいは「大きい種子骨」を「変異(variation)」というのであろう)

しかし、
「血液型がA型であること」までを「形質」という立場もある。
私はそのどちらも肯定する。

ただし、「肝臓そのもの」=「形質」と言うのには同意しない。

(この辺のことは、複数の人が数次にわたり指摘しています)


>JA50さん 投稿者:masayuki  投稿日:10月 2日(月)23時34分04秒

NATROMさん色覚異常に関して解りやすく補足していただきありがとうございました。
私も自然淘汰が生物の進化を方向付ける重要なメカニズムであると理解しています。

>JA50さん
私のような自然選択万能論者にすれば、その民族でなぜ色覚異常が増加したのか、その適応的な意味を確かめようとします。なぜ適応度が高くなるのか、普通は適応度を低めると思われる変異なのになぜ増加したのか。何か環境の変化があったのかもしれないとか。
そして、適応的な意味がないとなれば、瓶首効果のような歴史がその民族に起こった可能性を探ることになります。
偶然という逃げ道に逃げ込むのは、最後であるべきだと思うからです。

瓶首効果はまさしく遺伝的浮動の一例ではないでしょうか。もちろん鎌上赤血球のように何か適応的な意味が隠されているかもしれませんけれど。偶然を逃げ道にしているわけではありません。

「進化と人間行動」p23に進化を引き起こすメカニズムとして、自然淘汰と遺伝的浮動をあげています。

それと一つ質問です。
形質と形質の変異との間には本質的な差がないと思うのですが。なぜJA50さんはそこにこだわるのでしょうか。


Re:パンダの足の親指 投稿者:よもぎ  投稿日:10月 2日(月)21時38分43秒

こんちは。横やり失礼します(的はずれかもしれないけど・・・)

>私は形質の進化について、自然選択説以外の仮説を知りませんし、自然選択説でその進化が説
>明できないと証明された形質も知りません。
日本人の頭蓋骨が時代によって変化してきている(鎌倉時代長頭ー>現在短頭)のはどーでしょう。
あとはクロマニヨン人と現代人とか。
一般に「種」ってそれが確立した後も、時を経る間に微妙に変化してきてますよね。
これは淘汰には関係ない遺伝的変化の一つでは?
(進化とはレベルが違う話かもしれませんが)


ご意見、ご要望がございましたら、掲示板か、e-mail:natrom@yahoo.co.jpへどうぞ。


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