進化論と創造論についての掲示板ログ33

2000年09月27日〜2000年10月02日
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Re:パンダの足の親指 投稿者:よもぎ  投稿日:10月 2日(月)21時38分43秒

こんちは。横やり失礼します(的はずれかもしれないけど・・・)

>私は形質の進化について、自然選択説以外の仮説を知りませんし、自然選択説でその進化が説
>明できないと証明された形質も知りません。
日本人の頭蓋骨が時代によって変化してきている(鎌倉時代長頭ー>現在短頭)のはどーでしょう。
あとはクロマニヨン人と現代人とか。
一般に「種」ってそれが確立した後も、時を経る間に微妙に変化してきてますよね。
これは淘汰には関係ない遺伝的変化の一つでは?
(進化とはレベルが違う話かもしれませんが)


Re:パンダの足の親指>NATROMさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 2日(月)18時10分42秒

>同じ遺伝子でしょう、おそらく。その仮定のもとで話をしています。

なるほど。
でもそれじゃ、その下肢の種子骨が大きいということを形質としては、あの適応主義者のプロ
グラムの揶揄がそのまま当てはまるように思うんですが、、、

>「中立な形質が進化することはない」という命題に合うように「形質」を定義してはいませんか?

その個体の生存率や繁殖率を高めることに役立たない器管や行動様式で、その形成に一部遺伝
が関与しているもの。これが中立な形質の定義です(私なりの)。
遺伝が全く関与していないものは形質じゃないのはNATROMさんも納得されると思います。問題
は前項でしょう。

>私が批判しているのは、「下肢の種子骨は生存率に寄与していたに違いない」「自然選択説で下肢の種子骨の大きさが説明できないとしたら、自然選択説は無価値だ」「下肢の種子骨は自然選択説の反証だ。違うというのなら、自然選択説は反証不能にはなりはしないか」といった主張です。

すみませんが、正確には「下肢の種子骨の大きいこと」ですよね?

私は、大きいことというのは変異だと思うのですが、NATROMさんはそれを形質とされている。
しかし、「下肢の種子骨」自体は私もそれを形質としますから、その差は大違いです。
そして、下肢の種子骨自体は、手とは違う(同じのもあるでしょうが)複数の遺伝子によって
形成されたものでしょうし、また適応的でもある。それはヒトでも同じでしょう。関節の動き
をスムーズにするし、力もてこの原理でよけい入る。

一方、下肢の種子骨の大きいことは、それが手の種子骨を大きくする遺伝子によって形成され
ていると仮定しているんですから、それに意味(適応的な意味です)を求めること自体がナン
センスなんじゃありませんか。

>もし誰かが、「自然選択説では中立的あるいは非適応的な形質でも進化しえるとなっている」と言ったとしても、他人の発言までは責任負えませんので、その方とご自由に議論されてください。

言われる通りで、そんな責任をNATROMさんに負えなどと言ってはいません。
他人が言っている頓珍漢なことにまで責任を負う必要など誰にもない。

>「適応的な形質のみが進化するのか、それとも、自然選択によらずに適応的でない(中立あるいは弱有害な)形質も進化することがありえるのか」

この問いには、分からないと答えるしかありません。
私は形質の進化について、自然選択説以外の仮説を知りませんし、自然選択説でその進化が説
明できないと証明された形質も知りません。


Re:表現型の固定>NATROMさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 2日(月)18時07分23秒

>まったく同様の論理でもって分子進化の中立説に反論できる。いわく、「ある突然変異した遺伝子の淘汰係数sは他の遺伝子のとの相互作用を考慮に入れるとある一つの数字に定まるわけではない。

これはおかしいです。
淘汰係数sは、他の遺伝子が同じで、考慮対象の突然変異遺伝子のみが異なる場合について求
められるものじゃありませんか。
実際そういうような実例が自然界にあり得るかどうか、それは分かりませんが、少なくともそ
ういうように仮定して数学モデルを作り、あの固定確率の式や進化速度を求めたはずです。

>その有害の程度が低くて集団が十分に小さければ色覚異常という表現型が集団の全体を占めることはありえますね。

こういう実例を私は知りませんし、またそういうのを書いている文献も知りません。またこう
いう数学モデルを作って予測する能力も私にはありませんので、責任をもってあり得るとは答
えられません。ただし、直感的にはあり得るだろうとは思います。

>「色覚異常は中立あるいは弱有害であるが、自然選択以外の要因でこの民族に固定した」という考えも考慮に入れるべきです。

その色覚異常が中立あるいは弱有害だというのは、どれの比較なんでしょうか?
その民族内における色覚異常のない人との間での適応度の比較なんですか?
もしそうだとすると、その民族集団では色覚異常を持つ個体がその集団中で拡がり固定したん
ですから、色覚異常を持たない個体の方が適応度が高いことになりませんか?

あるいは、他の民族集団との間で比較したんでしょうか?
もしそうなら、そういう比較に意味はあるのか疑問なんですが。環境も違うだろうし。

で、私のような自然選択万能論者にすれば、その民族でなぜ色覚異常が増加したのか、その適
応的な意味を確かめようとします。なぜ適応度が高くなるのか、普通は適応度を低めると思わ
れる変異なのになぜ増加したのか。何か環境の変化があったのかもしれないとか。
そして、適応的な意味がないとなれば、瓶首効果のような歴史がその民族に起こった可能性を
探ることになります。
偶然という逃げ道に逃げ込むのは、最後であるべきだと思うからです。

それと、色覚という能力がなぜ獲得されたのか、それは自然選択説で説明するしかないと私は
思うのですが、NATROMさんはどうなんでしょう。別のメカニズムを想定するんでしょうか?。
もし、自然選択説で説明するのなら、色覚に関して、何を形質とし何を変異としてその進化を
説明するんでしょうか、非常に興味があります。
色覚を獲得する段階において、少しよけいに色がよく見える変異、逆に見えない変異というの
があって、そこに適応度の差があるために選択されて色を見ることのできる能力を獲得した、
というような説明をしますが、NATROMさんはどうされますか?
相手が創造論者で、色覚が中途半端でしかないときには適応的じゃない、そんなものが偶然で
進化したはずがないなどと言っている人に、色覚の進化を説明する場合はどうされるんでしょ
うか?

>「現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたものではない」ということには同意されますか?

まとめというのがどこのまとめなのか理解に苦しむのですが、この質問には分からないと答え
ます。私は現在の生物の形質の中で、それが自然選択説で説明できない例を知りません。
非存在言明は証明できないというのはご存じだと思います。説明できない例を私が知らないか
らと言って、ないとは言えないですから、分からないと答えるしかありません。

NATROMさんは、自然選択説でその進化を説明できない形質(その形成に遺伝が一部関与してい
る器管とか行動様式のことです)というのをご存じなんでしょうか?
実際例を何かご存じでしょうか?

>「現在の生物の性質すべてが自然選択説によって説明できないからといって、自然選択説は無価値であるとはいえない」には同意されますか?

「性質すべてが自然選択説によって説明できるか」というのがどういう意味なのかいまいち理
解できないのですが、それが遺伝的に一部プルグラムされたものであり、自然選択説でその進
化を説明できなければ、と問われているのなら、もしそういう実例が見つかれば自然選択説の
価値を著しく減じるものだと私は考えます。
もしそういう実例が見つかれば、自然選択説の定義をそれに合うように変えるか、自然選択説
を捨て全く新しい仮説をうち立てる必要があるのではないかと思います。


Re:理論の適用の限界とか 投稿者:PDX.  投稿日:10月 2日(月)15時37分46秒

To JA50さん

> 私は自然選択説は形質の進化を説明する仮説だと考えています。
>「形質の」です。進化全般を説明するものじゃない。それは当然
>のことです。

 了解しました。
 

> ですから、形質の進化について、自然選択説が予言するものと
>は反する実例が見つかれば、それは自然選択説の反証だと主張して
>います。

 ここなのですが、今回話題になっている「中立的な形質」(JA50
さんの意図を汲んだつもりですが、遺伝子レベルの中立な変異につ
いては話題から外し、表面に現れた形質の話とします)が、自然淘汰
によって常に「有利な形質だから広まる」「不利な形質だから除外さ
れる」の二者択一で語っているように思えるのです。
 私が JA50 さんの意図を読み違えているのかもしれませんが、実際
には表面に現れている形質の中にも、有利でも不利でもないような形
質はあると思いますし、有利でないから除外されるべきとも思えませ
ん。単に自然淘汰というチェック機構にかからない程度の有利/不利
であれば、『自然淘汰というチェック機構にかからない』という意味
においては中立なんだろうと思う、そして、自然淘汰が働かないので
あれば、それは偶然によって増えたり減ったりするだろう、それだけ
のことです。

 JA50 さんは自然選択説の反証だとおっしゃっていますが、自然選択
説の前提として、自然淘汰が働く状況というのが前提になっていると思
います。だとすれば、自然淘汰が働かない状況というのが存在すれば、
それは自然選択説が否定された、と解釈なさいますか? 私は、自然選択
説の適用範囲の限界を出た状況だと解釈しますが。
 その形質がどんなに中立的であっても大なり小なり有利/不利かもし
れません。ただ、それが自然選択のチェックにとって測定誤差程度の小
さな影響であれば、偶然の方が大きな影響力を持っても不思議ではあり
ません。

>ただし、そうであっても非適応的な形質というのが進化したというの
>が証明できれば、それは自然選択説で説明できないものだというのは
>どちらも同じです。

 非適応的ではあるが、致命的ではない(生存性を僅かに下げる程度)
形質が、先祖から子孫に受け継がれる程度のことであればありうると
思います。
 ただ、そのためには、その形質と対立するより有利な形質を持つ集団
から隔離されているとか、そういう条件が必要かとは思いますが。

>>「偶然退化するような変異が生じたとしても、その個体が淘汰されなかった」
> どうも意味がよく理解できません。
> 痕跡器官は自然選択説では説明できないものだPDX.さんはされてい
>るのでしょうか?
> 痕跡器官は創造論者がよく自然選択説の反証例として持ち出しますが、
>それと同じ事を言われているのですか?

 ??????
 どうしてそう解釈されるのでしょうか?
 例としてあげたミトコンドリアが共生状態になった後、固有の遺伝情報
を失うような変異が生じる例で上のような解釈がなされますか?

 従来必須であった形質を失うことは、多くの場合生存に不利なはずですが、
それが必須でなくなるのであれば(例えば共生とか)、その形質を失ったと
しても不利でなくなるので、(共生を維持している限り)その形質の有無は
中立的なものとなり、その形質を失っても生存に支障はありません。
 上記のような場合において、その生物が共生しているということを無視し
てしまうと、「非適応的な進化が生じたが淘汰されない」という解釈になっ
てしまいますが、これはその環境を無視した解釈ですよね?

 まぁ、「一見非適応的に見えるが周囲の環境も解釈に含めれば実は適応的
なのだ」という説明が可能なので、適応的な進化の例として自然選択説の擁護
も可能ですが、

>(そして、「どちらであれミトコンドリアは存続できる」程度には中立的です)

という解釈も成り立つはずです。



ミトコンドリア再訪 投稿者:安賀須若人  投稿日:10月 2日(月)13時16分02秒

時機を失した観がありますが、ミトコンドリアについての書籍紹介です。

河野重行「ミトコンドリアの謎」(講談社現代新書)

ミトコンドリアの起源についての記述はわずか一章ですが
科学史的な記述も豊富で、生化学的な記述がコンパクトながらgoodです。

それから未読&未購入ですが検索していたらずばりこういうのがでてきました。

黒岩常祥「ミトコンドリアはどこからきたか―生命40億年を遡る」(日本放送出版協会)
リン・マーギュリス「共生生命体の30億年」(中村桂子訳、草思社)

言い訳めいて恐縮ですが、手があいたら読んでみようと思っています。
取り急ぎご紹介まで。


批判の対象が違っています。 投稿者:へち  投稿日:10月 2日(月)13時04分16秒

>それとも布山さんを持ち出して私を批判しているようですが、布山さんが書いている内容についての責任はとらないのかな?

私が批判しているのは専門家を批判するのに批判的な態度であって、専門家を批判する態度ではありません。


Re:基本的な認識の違い>masayukiさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 2日(月)12時27分30秒

色覚異常が「表現型のレベルに現れていることには間違いない」というのはその通りだと思い
ます。また、「この変異は分子レベルでも変異し、形質上でも変異している。」のも言われる
通りです。
色覚異常は、後天性のものもありますが、もちろん遺伝性の疾患による色覚異常もあります。
それら遺伝性の色覚異常は、遺伝子の変異が表現型レベルに現れたものです(ちょっと用語の
使い方に問題がありますが、言いたいことは分かっていただけますよね?)。

ただ、このことが「色覚異常は、色覚という形質の中の変異だというのがその一つ。」という
私の主張に当てはまらないと言われるとしたら、その理由が分かりません。

ここで問題になっているのは表現型レベルのことであり、表現型に現れない遺伝子の突然変異
(これは淘汰に関して厳密に中立)については、表現型進化に関する自然選択説にとればそう
いうのは無いも同然、全く無関係なことです。
で、問題の表現型に現れる遺伝子突然変異ですが、それは名前の通り変異じゃないでしょうか。
色覚は遺伝子によって一部プログラムされているものですから形質とすべきだし、その中で、
赤色など色を感じることができる、できない、どれほど感受性があるかというのが個体によっ
て違うでしょう。これを変異としないとしたらいったい何になるのか、私は理解に苦しみます。
そして、それら変異の中で適応度に違いがあれば、そこに自然淘汰が働き、一番適応度の高い
ものがその集団中に広がっていくでしょう。
哺乳類の祖先は、たぶん恐竜時代に色覚という形質を失った。そして、再び我々の祖先である
霊長類が樹上生活や昼行性になる段階で再獲得したんでしょう。その再獲得がどうして起こっ
たのか。それは自然選択で説明する以外にないと思います。その説明をするにあたって、私が
しているような形質や変異の使いかたをせずにいったいどうやるのでしょうか。
私は、色を少し感じられるような変異が突然変異で出現し、それが選択されというのが長い期
間かけて行われ、色覚という形質が獲得されたと説明しますが。

なお、淘汰圧が弱く、また突然変異が出やすいとしたら、たぶん多型が維持されるのじゃない
かと思いますが、ここらのことは私はよく理解できていません。

>上の記述は自然淘汰のことを語っていますが、遺伝的浮動であっても同じようにとらえることができると考えます。

言われたい意味が理解できません。


Re:専門用語は難しい>wadjaさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 2日(月)12時25分36秒

>とJA50さんが定義されるのは、「生存や繁殖に有利な変異のみが集団の中に広まっていく」という意味でしょうか?
>これだと、他のみなさんとは根本的に異なって来ますね。

自然選択説は「生存や繁殖に有利な変異が集団の中に広まっていく」ものであって、有利じゃ
ない中立的(生存や繁殖に役立たない)とか不利(生存や繁殖にとって有害)というような変
異が広まっていくという説じゃありません。ですから「のみ」として私は理解しています。

他の方とは違うようですが、自然選択説の理解のしかたが違うのは、私とだけじゃなく、例え
ばクリスさんとNATROMさんも自然選択説については異なった理解のしかたをしています。
自然選択説というのは、簡単なようでいて非常に難解な理論なんでしょう。

>JA50さんの「中立」は遺伝子型の変異のみに適用すべき基準だとお考えなのでしょうか?
>私自身は、遺伝子型の表現型としての形質もあるので、厳密に区別する必要は無いと思っていたのですが、まずいのかな?

「中立」というのが、適応度が1ということを指しているのなら、それは表現型レベルのこと
でしょう。
しかし、「中立説」というのであれば、それは分子レベルのことであり、中立説を表現型レベ
ルの進化に適用するのは慎重でないといけません。
少なくとも中立説をそのまま表現型レベルの進化に適用するのは間違っていると思います。
例えば、中立説は適応的な突然変異(適応的としているのですから、この突然変異は表現型に
現れる変異です)は分子レベルの進化には寄与しない、と仮定していますが、そんな仮定を表
現型レベルの進化に適用できるわけがないというのは誰にでも分かることだと思いますが、、、


Re:JA50さんの行動と判断の基準って?>へちさん 投稿者:JA50  投稿日:10月 2日(月)12時21分23秒

ほんと、クリスさんのご同類というのが分かるレスですね。

少しは内容のあるメッセージを書きましょうよ。
こういう専門家が、これこれのことを書いているが、それについてへちさんはどういうように
考え、それは私のこれこれの見解に反するのではないかというようにです。
それもその内容についてへちさんが責任を持って書きましょう、引用者がそう書いているんで
あって、自分はその内容については知らないというような無責任なことはしないで。

私は、クリスさんやへちさんとは違い、専門家の意見は尊重します。自分勝手に「聞いている」
とか「理論的に導ける」とか言うだけの人ではありません。私は素人ですので。
ただし、専門家であっても、専門家どうしで見解の違うことを言っていることがあります。
例えば、evolution という言葉の意味について、布山さんとグールドでは異なりますよね。
私は専門家の意見を尊重しますが、その見解が専門家で異なれば、より権威があると私が判断
する方の人の見解をとります。
evolution では、グールドの方を私は選びます。なんたって英語を母語としているんですから。
そして、却下された方は、以降疑いの目で見ることになります。あの中原さんもそうやってき
て、この人はトンデモさんだとなったんです。

さらに布山さんについて言えば、いろいろおかしいことを書いているところがあるんですが、
それらについてへちさんは擁護できるのかな?
それとも布山さんを持ち出して私を批判しているようですが、布山さんが書いている内容につ
いての責任はとらないのかな?

さんざ、引用者責任について議論したのに、未だにこんな無内容なメッセージを書くようじゃ、
ちっとも進歩してないと言わざるをえない。


Re:理論の適用の限界とか>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日:10月 2日(月)12時19分05秒

wadjaさんとmasayukiさんも読んで下さい。レスに関連しますので。

>『自然選択が進化の唯一の動因である』という、コチコチの自然淘汰万能
>論を反証したいのですか?

いいえ違います。
私は自然選択が進化の唯一の動因であるなどと言ってはいません(ただし、NATROMさんの言わ
れる自然選択万能論者というのに私は入るかもしれません)。
私は自然選択説は形質の進化を説明する仮説だと考えています。「形質の」です。進化全般を
説明するものじゃない。それは当然のことです。
なお、ここでいう形質とは遺伝によってプログラムされている器管や行動様式という意味です。
また、全部がプログラムされているというのではありません。一部です。
(なぜ一部だというのかは、自然選択説の定義から来ています。)

ですから、形質の進化について、自然選択説が予言するものとは反する実例が見つかれば、そ
れは自然選択説の反証だと主張しています。
自然選択説の予言とは、あのトリバースの言っていることです(私の引用はだいぶ前になりま
すが、NATROMさんも引用されたので分かりますよね)。適応的な形質のみが進化しえるという
やつ(自然選択説の定義からもこうなる、定義からは中立的あるいは非適応的な形質が進化し
えるなどというのは出てこないんですから、適応的な形質のみが進化しえるとするしかない、
これはNATROMさんの言われる自然選択万能論になるかもしれません)。
もちろん、環境というのは変化するものですから、現在、非適応的になっていても、過去にお
いて(進化してくる段階で)生存や繁殖に有利であったのなら、それは反証になりません。

一方、NATROMさんは、自然選択説が形質の進化を説明するものだというのは私と同じのようで
すが、さらに限定しているようです。
その形質が適応的なもののみ、それは自然選択で進化した、としているように思えます(この
理解でいいでしょうか?>NATROMさん、もし違っていたらNATROMさんのカリカチュアを批判す
ることになりますので、以下のレスはナンセンスになります)。

ただし、そうであっても非適応的な形質というのが進化したというのが証明できれば、それは
自然選択説で説明できないものだというのはどちらも同じです。私の立場では、それは自然選
択説の反証であり、もしそういうものが見つかれば自然選択説をそれらも説明できるように修
正するか(この場合には、それは例外だというようなアドホックな修正ではダメです)、ある
いは全て捨てて新たな仮説を立てるかしないといけない。NATROMさんの立場では、もともと、
そういうものは自然選択説が説明すべき範囲に入らないことになっていますので、修正も棄却
もする必要はないことになりますか。

NATROMさんの立場で問題なのは、化石種のにしろ現存種のにしろ、ある形質について、それが
適応的かどうか分かっていないときには、その形質の進化について自然選択説を適用していい
のかどうか分からないことです。
特に化石種の場合には、実際に適応的かどうかを証明するのは不可能です。たぶん、こういう
適応的な意味があったのだろうと推測することしかできないが、でもそれって自然選択万能論
になるのじゃないでしょうか?

なお、中立説と共生説ですが、何度も言っていることですが、中立説は分子レベルの進化を説
明する学説であり、表現型レベルの進化を説明するものではありません。これはつとに木村が
強調しているものです。また共生説は自然選択説に何ら反するものじゃないと思いますが。そ
れぞれ種の違う個体が相互に関与しあう中で、時には寄生になったり共生になったりとして、
その中から一番適応度の高い方法を選択してきたものじゃないでしょうか。少なくとも私の立
場ではそう説明しますが、これはNATROMさんの言われる自然選択万能論的説明でしょう。

>「偶然退化するような変異が生じたとしても、その個体が淘汰されなかった」

どうも意味がよく理解できません。
痕跡器官は自然選択説では説明できないものだPDX.さんはされているのでしょうか?
痕跡器官は創造論者がよく自然選択説の反証例として持ち出しますが、それと同じ事を言われ
ているのですか?


自然選択説と中立形質の進化との関係 投稿者:へち  投稿日:10月 2日(月)12時06分51秒

>NATROMさんは自然選択説の定義からは、中立的あるいは非適応的な形質が進化し
>えるというのは導けないというのには同意していただけるのでしょうか?

私も同意します。
また、私はツリー式掲示板の[1235]で「自然選択説では中立的あるいは非適応的な形質でも進化しえるとなっている」と似た表現を使っていますが、これは「自然選択説では中立的あるいは非適応的な形質でも進化しえるというのは否定できない」の意味です。お間違えなきよう。
私が思うに、JA50さんの問題点は「自然選択説の定義からは、中立的あるいは非適応的な形質が進化しえるというのは導けない」という論理から「自然選択説の定義からは、中立的あるいは非適応的な形質が進化するのを否定する」という結論を導いてしまっている点だと思います。
「自然選択説では中立形質の進化を導けない」のと「自然選択説では中立形質の進化を否定する」は論理的に見て同一ではありません。


パンダの足の親指 投稿者:NATROM  投稿日:10月 2日(月)11時13分13秒

>大きくしている遺伝子は手の種子骨を大きくする遺伝子とは別個のものなんでしょうか、
>それとも同じ遺伝子が関与しているのでしょうか

同じ遺伝子でしょう、おそらく。その仮定のもとで話をしています。


>手の種子骨および下肢の種子骨の大きさという、その両方をひっくるめて形質と
>しないとおかしいと思うのです

JA50さんの定義する「形質」というのはどのようなものですか?大きさをコントロールする遺伝子が同一か否かで、上肢および下肢の種子骨の両方ひっくるめて形質なのか、それともそれぞれ形質とするのかが決定されるのでしょうか。「中立な形質が進化することはない」という命題に合うように「形質」を定義してはいませんか?


>下肢の種子骨の大きさ自体は生存率についてなんら寄与していないかどうか、それ
>を実際に確かめもせず、「なんら寄与していなかった」としていいんでしょうか?

いけません。なので私は、「下肢の種子骨の大きさそれ自体は生存率についてなんら寄与していなかったかもしれません」と書いたのです。私が批判しているのは、「下肢の種子骨は生存率に寄与していたに違いない」「自然選択説で下肢の種子骨の大きさが説明できないとしたら、自然選択説は無価値だ」「下肢の種子骨は自然選択説の反証だ。違うというのなら、自然選択説は反証不能にはなりはしないか」といった主張です。


>NATROMさんは自然選択説の定義からは、中立的あるいは非適応的な形質が進化し
>えるというのは導けないというのには同意していただけるのでしょうか?

同意します。ここの掲示板のみなさんも同意するでしょう。そんなことが問題になっているのではなく、「適応的な形質のみが進化するのか、それとも、自然選択によらずに適応的でない(中立あるいは弱有害な)形質も進化することがありえるのか」というのが問題になっているのでは。もし誰かが、「自然選択説では中立的あるいは非適応的な形質でも進化しえるとなっている」と言ったとしても、他人の発言までは責任負えませんので、その方とご自由に議論されてください。


表現型の固定 投稿者:NATROM  投稿日:10月 2日(月)11時11分53秒

>ドリフトで表現型が固定するというのを論理的に導いていただけますか?

ランダムドリフトで「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な表現型が固定することがある」例として、(なぜだか現在使用できないが)ツリー式掲示板で花の色の例を出して示しました。あるいはここんとこ話題になっている色覚異常の件ですが、たとえ色覚異常が有害であったとしても、その有害の程度が低くて集団が十分に小さければ色覚異常という表現型が集団の全体を占めることはありえますね。


>形質の遺伝形式なんて多種多様なのにそれをどうやって一般化するのか

単純なメンデル遺伝形式を示す表現型あります。遺伝型と表現型が1対1対応する場合は、遺伝子の固定確率の式がそのまま表現型に適応できます。

#メンデル遺伝を示す表現型といえども、実際には多様な遺伝子の相互作用の結果である(ex.ある単一の遺伝子によって色覚異常は起こるが、色覚は多様な相互作用の結果である)という反論が予想されるが、まったく同様の論理でもって分子進化の中立説に反論できる。いわく、「ある突然変異した遺伝子の淘汰係数sは他の遺伝子のとの相互作用を考慮に入れるとある一つの数字に定まるわけではない。よって突然遺伝子の固定確率の式は意味をなさない」。この反論に対する再反論が、そのまま表現型の議論にも適用できよう。

仮にすべての個体が色覚異常である民族があったとしても、「かの民族が暮らしていた環境では色覚異常によってなんらかの生存率の向上があったのだ」とは結論できません(もちろんその可能性を否定するものではない)。「色覚異常は中立あるいは弱有害であるが、自然選択以外の要因でこの民族に固定した」という考えも考慮に入れるべきです。私なら「かつてこの民族は人口が激減した世代を経験した」という仮説が見込がありそうと考えます。個体数が少ない程、ある遺伝子(たとえ弱有害であっても)が集団に固定するチャンスが大きくなるからです。この仮説は、集団の遺伝的多様性について予測を行うので検証可能です。

まとめ
「現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたものではない」ということには同意されますか?「現在の生物の性質すべてが自然選択説によって説明できないからといって、自然選択説は無価値であるとはいえない」には同意されますか?


基本的な認識の違い>JA50さん 投稿者:masayuki  投稿日:10月 2日(月)05時11分49秒

>色覚異常は、色覚という形質の中の変異だというのがその一つ。

ご存じのように色覚異常は遺伝によって発現する変異です。「この変異は分子レベルでも変異し、形質上でも変異している。」とはなぜ言えないのでしょう。「形質の中の変異」の意味がいまいちはっきりしませんが、表現型のレベルに現れていることには間違いないと思うのですが。

>また現在では適応度にはほとんど関係ないなどというのはおかしいというのが二つ。狩猟採集生活をしていた時よりは適応度に関係していないでしょうが、中立と見なせるかどうかは実際測定してみないと分からない。

私も実際測定したデータを知りませんが、現在でも事故に遭う確率などを考えればむしろ微弱に有害であり、適応度を高める変異では無いと推測するに困難ではないと考えます。

「生物進化を考える」P147
集団内に異なった遺伝子型の個体があり、それらの間で次代に寄与するこの数(適応度)に差があれば、自然淘汰が働いているといえる。ただし、これは厳密にいうと、遺伝子型レベルでの淘汰と呼ぶべきものである。具体的には、自然淘汰の・・・・しかし一般には、遺伝子型と淘汰とをはっきり結びつけることは容易ではなく・・・・。

遺伝子型レベルの遺伝のメカニズムが生物の遺伝のメカニズムにフィードバックされるのは当然のことではないでしょうか。上の記述は自然淘汰のことを語っていますが、遺伝的浮動であっても同じようにとらえることができると考えます。


専門用語は難しいですね 投稿者:wadja  投稿日:10月 1日(日)21時11分57秒

masayukiさんの指摘されたように、言葉の定義の少しのずれで、JA50さんと他の皆さんの議論がかなりすれ違ってしまっているような気がします。

PDX.さんも既に指摘されてますが、

>自然選択とは「生存や繁殖に有利な変異が集団の中に広まっていく」というもののはず

とJA50さんが定義されるのは、「生存や繁殖に有利な変異のみが集団の中に広まっていく」という意味でしょうか?これだと、他のみなさんとは根本的に異なって来ますね。

また、私にはJA50さんが布山さんの「色覚異常は現代では適応度は中立」に反論する理由の一つとして、

>色覚異常は、色覚という形質の中の変異だというのがその一つ

とおっしゃっていた意味が良く分からなかったのですが、JA50さんの「中立」は遺伝子型の変異のみに適用すべき基準だとお考えなのでしょうか?私自身は、遺伝子型の表現型としての形質もあるので、厳密に区別する必要は無いと思っていたのですが、まずいのかな?


JA50さんの行動と判断の基準って? 投稿者:へち  投稿日:10月 1日(日)11時49分44秒

>なお、布山さんの説ですが、私は同意できません。

そういう考えだったら、

>なお私は、自分の判断より、その分野における研究者の判断の方を尊重します。
>自分の今までの判断や知識と反することを、その分野で重んじられている研究者が述べておられたら、たぶん私の方が間違っているのだろうとします。

とか、

>前にも書きましたが、私はその分野における研究者の権威を尊重します。
>進化生物学については私は素人です。そういう素人の見解よりもその道に生涯を賭けている専門家の主張をより尊重します。
>しかし、これは私がそうだということであって、素人だろうが専門家の主張を間違っていると主張するのはその人の勝手です。お偉いですねというだけのこと。

>>しかし、「お偉いですね」のくだりは、他人が専門家の主張に対してそれが間違っていると主張することにも批判的なように思われますし、、、

>他人というのが素人であれば、これもその通りです。
>私は批判的です。この私の態度が「お偉いですね」という感想に結びついているんでしょう。
>そして、間違っていると主張している根拠について、その人にいろいろ尋ねたいです。
>その答えが頓珍漢なら、その人をトンデモさんの可能性の高い人と私はしますし、逆にその答えがきちんとしたものなら、私はその人を専門家以上の素人というすごい人なんだろうと尊敬します。

なんて言わなきゃいいのに。
それともJA50さんは布山さんを素人、あるいはその分野で軽んじられている研究者だと思っているのかな?
少なくとも、クリスさんに引用を要求していた理由の一つ、

>私は、他の方とは違い、自分の見解とは違っていても、素人の私の見解よりも専門家の見解の方を尊重します。ですから、あの3つのことを引用していただければ、私は自分の見解が間違っている可能性が強いと判断します。

そう書かれていれば信用する、という姿勢とはだいぶかけ離れているように思います。
べつに専門家を信用しないという姿勢が必ずしも悪いとは思いませんが。


理論の適用の限界とか 投稿者:PDX.  投稿日: 9月30日(土)20時21分59秒

 横レス失礼(^_^;

To JA50さん


> 自然界では、中立あるいは非適応的な形質が進化することがあるが、
>それは自然選択とは別のメカニズム(ランダムドリフト理論でもなん
>でも)で進化したのであり、もしそのような例があるとしたら、それ
>は自然選択説では説明できない進化の例であるということでいいんで
>すよね。

 上はいいと思います。

> もしそうなら、自然選択説の反証には、そのような実例を提示すれば
>いいことになります。
> 生存や繁殖になんら寄与しない形質、あるいは逆に有害な形質という
>のが、実際に進化したという実例を示せばそれは自然選択説の反証にな
>ることになります。

 ここの論旨が理解できません。
『自然選択が進化の唯一の動因である』という、コチコチの自然淘汰万能
論を反証したいのですか?
 この掲示板で進化論を肯定している人の中で、そんなことを主張してい
る人はいないでしょうし、中立説や共生説と自然選択説は併存し得ると考
えている人が多数なのではないでしょうか?

 どんな理論にも適用の限界はあると思いますし、たった一つの理論で全
ての事象が説明できるとは思えません。
(中立説や共生説は、自然選択説で説明しがたい事象をうまく説明できる
がゆえにその限界を示すことはできるが、かといって自然選択説が全否定
されるわけでもないと思います)


> また、tomiさんがミトコンドリアの進化について疑問を提示されており、
>それにも関連しますが、なぜミトコンドリアのゲノムが核に移動したのかと
>いうメカニズムも、そこに適応的な意味を持ちだして説明するのは、自然選
>択万能主義であり、あまり意味はないということなんでしょうか?

 全ての形質が適応的だとは私には思えません。かつては意味の有る器官
だったが現在は痕跡になってしまったものであるとか、探せばいくらでも
あると思います。(『あってもなくても生存に支障のないもの』は、通常
「退化」していきますが、これは「偶然退化するような変異が生じたとし
ても、その個体が淘汰されなかった」ことであり、「退化することに何か
適応的な意味があった」わけではないと思います。無論、無駄なものは作
らずに済むなら作らないほうがエネルギーの浪費が少ないという視点もあ
りますが)

 ミトコンドリアのDNAの核への移動にしても、「そうでなければなら
なかった」理由はないのだと思います。強いて言うなら、上で書いたよう
なエネルギーの節約くらいしか思いつきません。1つの細胞内に存在する
個々のミトコンドリアが同じ遺伝子のコピーを持っていたとしても、それ
は無意味な重複であり、1つに纏めてしまったほうが無駄が少ない。複数
のミトコンドリアの中から『代表』してどれかがそれを管理するというの
は非現実的(そのミトコンドリアのみ、他のものと違うものになってしま
うから)であり、ミトコンドリア同士の同一性を維持しつつDNAを一ヶ
所で管理する場として核が相応しかったということでしょう。
 もしここで、ミトコンドリア『だけ』に着目してしまうと、自身を複製
するために必要な遺伝子を失うことは非適応的な現象の筈ですが、細胞内
共生体としての細胞−ミトコンドリア系全体として考えると、重複DNA
の一元化によるコスト軽減という適応的な現象となります。
(そして、「どちらであれミトコンドリアは存続できる」程度には中立的
です)


形質の事>NATROMさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月30日(土)17時45分49秒

すみません、表現型ということで結構ですので、論理的に導いてください。
形質とか表現型とか、とにかくより分かりやすかったらいいんですから、私はどちらでも結構です。


続き 投稿者:JA50  投稿日: 9月30日(土)17時41分18秒

最後に、自然選択説についてですが、NATROMさんは自然選択説の定義からは、中立的あるいは
非適応的な形質が進化しえるというのは導けないというのには同意していただけるのでしょう
か?
「自然選択説では非適応的な形質の進化は説明できません。」と書かれているので、この理解
で間違いないと思いますが、再度確認させてください。
自然界では、中立あるいは非適応的な形質が進化することがあるが、それは自然選択とは別の
メカニズム(ランダムドリフト理論でもなんでも)で進化したのであり、もしそのような例が
あるとしたら、それは自然選択説では説明できない進化の例であるということでいいんですよ
ね。

もしそうなら、自然選択説の反証には、そのような実例を提示すればいいことになります。
生存や繁殖になんら寄与しない形質、あるいは逆に有害な形質というのが、実際に進化したと
いう実例を示せばそれは自然選択説の反証になることになります。
これは、あの少子化行動についての私の主張そのものです(少子化行動が非適応的な行動様式
かどうかというのはおいときます、これは次の問題ですので)。そこに自然選択説では中立的
あるいは非適応的な形質でも進化しえるとなっているとか言い出すからおかしくなる。誰がと
は言いませんが。

また、tomiさんがミトコンドリアの進化について疑問を提示されており、それにも関連します
が、なぜミトコンドリアのゲノムが核に移動したのかというメカニズムも、そこに適応的な意
味を持ちだして説明するのは、自然選択万能主義であり、あまり意味はないということなんで
しょうか?
となると、そのメカニズムはどういうものなんでしょう?
単なる偶然なんでしょうか、もし偶然なんだとすると、それこそよくそういう偶然がうまく起
こってくれたものだということになります。創造論者なら、進化論者は偶然でみんな説明しよ
うとしていると揶揄するかもしれません。
そうじゃない、自然選択は偶然じゃないのだとよく進化論者は言いますが、この反論が色あせ
たものになりませんか。


論理的に導ける>NATROMさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月30日(土)17時39分06秒

>分子進化の中立説から論理的に導けます。

へちさんもよく論理的に導けるということを言われているんですが、実際に論理的に導いてく
れたことがない。
すみませんが、中立説(この定義については「分子進化の中立説」にあります)からランダム
ドリフトで形質が固定するというのを論理的に導いていただけますか?
私も非常に興味があります。
特に形質の遺伝形式なんて多種多様なのにそれをどうやって一般化するのか、さらにその固定
確率とか進化速度の式とか、それらをどうするのか非常に興味があります。

次にパンダの下肢の種子骨についてですが、よく理解できないのでお尋ねします。

それを大きくしている遺伝子は手の種子骨を大きくする遺伝子とは別個のものなんでしょうか、
それとも同じ遺伝子が関与しているのでしょうか(全部が関与している必要はありません、一
部でいいんです)?

もし、手の種子骨を大きくする遺伝子によって下肢の種子骨が大きくさせられているのなら、
その下肢の種子骨が大きいという形質(私はこれは変異にすべきだと考えるのですが、それは
おいときます)は、変異だというのとは別の意味で形質とするのはおかしいのではないでしょ
うか?
手の種子骨および下肢の種子骨の大きさという、その両方をひっくるめて形質としないとおか
しいと思うのです。それ自体に遺伝は関与していなく、別の遺伝子が関与していて、ただ引き
ずられているだけというのを形質としてしまうことになるからです。
よく自然選択万能論者を揶揄する例に「適応主義者のプログラム」というのがあるそうですね。
へちさんがよく持ち出される「進化論の見方」のP35にあるんですが、スパンドレルという
のは建物を支えるアーチという構造の副産物としてできたもので、初めからそれを目的として
設計されたものではないとか。にもかかわらず、そこに何か目的があるのではないかと説明し
ようとする試みを揶揄しているものです。
この例えをパンダの下肢の種子骨にあてはめれば、下肢の種子骨が大きいことは初めからそれ
を目的として設計されたものではないということになります。
もし、それを何か意味があるのではないかと説明しようとしたらそれは「適応主義者のプログ
ラム」になって、NATROMさんが最後に書かれているのと同じ態度になってしまう。ところが、
適応主義者はそんなバカなことをしていないのに、適応主義者を批判する側がそれを形質とし
て、そこに適応的な意味がないのに進化したのはおかしいとしては、それこそ「適応主義者の
プログラム」の誤りを、批判する側が犯していることになります。

それと、単純な疑問ですが、下肢の種子骨の大きさ自体は生存率についてなんら寄与していな
いかどうか、それを実際に確かめもせず、「なんら寄与していなかった」としていいんでしょ
うか?
さらに言えば、実際に確かめることさえ不可能な化石種について、逆に何か寄与していたはず
だというのを進化論者は言いますね。
創造論者が、飛べない羽根(鳥の羽根だけじゃなく昆虫の翅も含めます)は役立たないはずな
のになぜ羽根が進化しえたんだというのを持ち出します。それに進化論者は、いや飛べなくと
も別の機能があったのだという反論をします。飛べない羽根や翅でも、熱交換に使われたり、
滑空に使われたりしたんだとか。しかし、これってNATROMさんの言われる自然選択万能主義じ
ゃないんですか。「一見何の役にも立っていないように見えるが、実は何らかの適応的な意味
があるんだ」と考える、自然選択万能主義者になりませんか?

続く


おもいもよらない・・・ 投稿者:masayuki  投稿日: 9月30日(土)13時15分05秒

JA50さん、
自然選択説であることには同意します。これについてはクリスさんやNATROMさんと同意見です。
色覚については全く見解が違いますが、あらためて反論いたします。
形質の変異とは表現型レベルのことですよね。色覚異常は正の適応であるとは言えないとおもいますが、
今の仕事が片づいたら、また
ご存じとは思いますが,布山さんは都立大学で細胞遺伝学を研究している人です。


色覚異常の適応度>JA50さん 投稿者:wadja  投稿日: 9月30日(土)12時47分27秒

横レスでスミマセン。さして重要な部分では無いのですが

布山さんのHPでは、「適応度=ある固体が障害に残せる平均的な子供の数」と定義されていました。この定義を踏まえると、「ヒトの色覚異常などは...現在では、適応度にはほとんど関係ありません。つまり、中立とみなせるのです。」というのは、結構うなずけるのではありませんか?

とは言うものの...。

昨日たまたま赤緑色弱の人と話をしている時、「やっぱり交通信号を見間違えることが多い」と言ってましたね。仮に「現代社会では交通事故を起こす確率が正常な人に比べて劇的に多い」といったような事実があれば、「色覚異常は平均寿命や平均的な子孫の数に差をもたらす」可能性はありますので、おっしゃられる「実際測定してみないと分からない」ということも否定は出来ないのですが...。


自然淘汰万能主義? 投稿者:NATROM  投稿日: 9月30日(土)12時21分33秒

>ランダムドリフトで形質が固定することがあるというのは、なんという説なんでしょうか?

分子進化の中立説から論理的に導けます。形質という言葉について共通の理解が得られないようですので、「表現型」という用語を使用しましょう。「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な表現型が固定することがある」ならば、JA50さんの賛同は得られるでしょうか。


>パンダの下肢の種子骨が大きいということですが、どれが形質でどれが変異にあたるのでしょう?

「パンダの下肢の種子骨が大きい」というのは「表現型として現れる遺伝的性質」なので形質としてもよいと私は思います。パンダの祖先において、下肢の種子骨の大きさに変異があったかもしれませんが、下肢の種子骨の大きさそれ自体は生存率についてなんら寄与していなかったかもしれません。


>自然選択説を、適応的な形質(器管というような形態だけじゃなく繁殖行動とか社会行動のよ
>うな行動様式も含めます)のみが進化しえるとする説とするのか(これが私の認識)、中立的
>(つまり生存や繁殖に役立っていない)、非適応的(生存や繁殖に不利)な形質も進化しえる
>とする説だとするのかの違いです。

「自然選択説を、適応的な形質のみが進化しえるとする説」とみなす認識は間違いであるように思います。それはまさしく自然淘汰万能主義なのではないでしょうか。「自然選択説を、非適応的な形質も進化しうるという説」とみなす認識も正確ではありません。自然選択説では非適応的な形質の進化は説明できません。私の(そしてクリスさん他みなさんの)言いたいことは、「現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたものではない」ということです。「自然選択説を、適応的な形質は自然選択によって進化したとする説」とみなすのが私の認識です。そのような認識のもとでは、適応的でない形質の存在は自然選択説を否定するものではありません。

生物の性質のうち、適応的なものはおそらくは自然選択によってつくられたものでしょう(現在のところ)。一見非適応的、あるいは中立的な生物の性質が観察されたときに、我々はどうするべきかが問われているのです。かつての自然選択万能主義者は、「適応的な形質のみが進化しえるはずだから、一見非適応的に見えても実はなんらかの適応的な意味がある、あるいは過去にあったはずだ」と考えました。この考え方は、例えばグールドによって批判されています。

「現在の生物の性質すべてが自然選択によってつくられたものではない」ならば、何によってつくられたかについては、単に偶然によるもの(ランダムドリフトを含む)、他の形質の進化に引きずられたもの、発生上の制約によるものが考えられます。他にもあるかもしれません。

自然選択万能主義者ならば、パンダの下肢の種子骨の大きさの適応的意義についてあれこれ類推するでしょう。もちろんその試みがまったくの無意味であるとは限りません(ひょっとしたらなんらかの適応的意義がが発見されるかもしれない)。問題は、「パンダの下肢の種子骨が大きいのには、なんらかの適応的意義があるはずだ」「自然選択によって種子骨の大きさを説明できないのなら、自然選択説は無価値になる」といった態度です。


JA50さん。 投稿者:クリス  投稿日: 9月30日(土)11時26分55秒

>>「中立あるいは非適応的な」形質の進化については自然選択説は、否定も肯定もできないしろものでしょう。別にそれで自然選択説の価値が下がるわけじゃあるまいし。
>いや、ほとんど無価値になります。
胃薬が風邪に効かないから無価値だと言ってるようなものですね。

>ところで、クリスさんは自然選択説が「中立あるいは非適応的な形質でも進化しえる」となっ
たというのは取り下げたのですか?
>取り下げて、否定も肯定もしていないというのに変えたのですか?
ちょっと主語その他の省略が多すぎて文章自体の意味がよく分からないのですが?
現在の自然選択説は「中立あるいは非適応的な形質の進化」を否定しない。が正確でしょう。
以前にそれと矛盾することを言っていたならそれは撤回します。

>>そもそもダーウインの時代だって「自然選択で進化の全てを説明することはできない」ことは分かっていたんですから。
>あのね、ダーウィンは自然選択で進化の全てを説明してはいないし、そんなことは「種の起源」を読んだことがある人ならだれでも分かっていることです。
そうですよね。安心しました。
>また、私も自然選択で進化の全てを説明できるなどと言ってもいない。
進化には適応的、中立、非適応的の三つしかありません。
このうち自然選択で説明できるのは適応的な進化だけで「中立、非適応的な進化」は説明できない。
そしたら「無意味」だと言ったのはあなたです。

>そうそう、あの引用はどうなっているのでしょうか?
>少しは有益なことをしたらどうだ、ほんとに。
あなたにとって「だけ」有益なことはしたくありません。


ご挨拶 投稿者:安賀須若人  投稿日: 9月30日(土)11時15分28秒

掲示板への参加を自粛してから1ヶ月になりましたので、
また参加させていただこうと思います。

それから遅くなりましたが、T8848さん、無神論者5号さん、BeZenさん
私の「謝罪と削除のお願い」(投稿日: 8月29日(火)09時47分05秒 )に対して
暖かいお言葉をありがとうございました。
また、管理人のNATROMさんには謝罪文中でお名前を書き間違えてしまい
大変失礼いたしました。改めてお詫びいたします。
また、DrTMさん、Kosukeさんツリー掲示板では過分なお言葉ありがとうございました。
ただ、この掲示板のような公共的な場所での発言には責任が伴うと
考えていますので、謝罪文中で述べた事に関しては遵守いたしました。

さて、masayukiさんが言及されている宮田隆さんについては
良い一般向けの著作があります。
岩波書店の「ゲノムから進化を考える」というシリーズ物の第1巻である
「DNAからみた生物の爆発的進化」です。
カンブリア大爆発や分子進化について興味のある方には
大変面白いのでお薦めいたします。
ミトコンドリアの起源についての推測についても
分子系統学的な研究成果の紹介があります。
それから、共生説について少しだけコメントです。
ミトコンドリアではまだ諸説があるようですが
(共生説内部でも色々な学説があるようです)
葉緑体については、真性細菌であるシアノバクテリア(=らん藻)に由来することは
ほぼ確実であると考えられています。
また、一部の細菌(クラミジア、リケッチア)は
細胞外では増殖できない偏性細胞内寄生細菌として知られています。
また細胞内共生についても他種の例が知られており
中でも単細胞性緑藻クロレラ(真核生物です!)を細胞内共生させた
ミドリゾウリムシ(Paramecium bursaria)が有名です。
※皆様のご参考になれば幸いです。

#ぐだぐだと書き込んでいながら大変申し訳ないのですが
 現在仕事が非常に忙しくて、書き込みと返答が頻繁にできる状態ではありません。
 ここのような流れの速いところでの「論争」にはとても参加できませんし
 あくまでも情報交換とかのために書き込んでいるということで、
 ご容赦お願い申し上げます。


masayuki さん。 投稿者:クリス  投稿日: 9月30日(土)11時02分00秒

どうもです。
これでも表現には気を使っている積もりなんですが、ご不快にさせて申し訳ありません。
論争が始まると高名な学者同士でも文壇でも、低級化していく傾向があるのは有名なので。。。
しばらく無視していたのですが、第三者との会話にこちらの名前を持ち出して、
「事実」と異なることを断定したり、「言ってもいないこと」を言ったことにされると、
複数の人間に迷惑が掛かりますので。。。

ただ、あなたが指摘しているようなことはツリー式掲示板などでも、色々な人が繰り返し説明しているのですが、納得いただけないようです。
根本的な問題点は「自然選択説で全ての進化過程を説明できなければいけない」とか、
「動物行動学で(人を含む)全ての動物の行動が説明できなければいけない」とか、
「人の(行動を含む)全ての形質は全て遺伝子の働きで説明できなければいけない」とか、
そういう還元論的な先入観だと思います。


基本的な認識の違い>masayukiさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月30日(土)10時57分46秒

自然選択説にあるのじゃないでしょうか。
自然選択説をどのように理解しているかに、根本的な違いがあるからだと私は思うのです。

自然選択説を、適応的な形質(器管というような形態だけじゃなく繁殖行動とか社会行動のよ
うな行動様式も含めます)のみが進化しえるとする説とするのか(これが私の認識)、中立的
(つまり生存や繁殖に役立っていない)、非適応的(生存や繁殖に不利)な形質も進化しえる
とする説だとするのかの違いです。

私は、私が認識しているのが常識だとここに参加するまで思っていました。
そうじゃないと知って驚きました。
自然選択とは「生存や繁殖に有利な変異が集団の中に広まっていく」というもののはず(この
定義にさえ認識の違いがあるかもしれないので、はずとしました)なのに、そこからどうして
生存や繁殖に役立っていない、あるいは不利な形質が進化しえるとなるのか、私にはさっぱり
分からない。不思議でしかたありません。形質というのは変異の蓄積で作られるものです。そ
れなのにその結果としてできた形質が何の役にもたっていないとか逆に不利でさえるというの
はどういうことなのか、不思議でしかたがない。もちろん、環境が変わり、それまで有利だっ
た形質が不利になったというのはあり得るし、それがあることが生物を神が創ったものでない
ことの有力な根拠でもある。
また、自然選択説で、中立的や非適応的な形質が進化しえると書かれている文献も私は知りま
せん。

それと、形質の進化のメカニズムに、自然選択以外の機構があるのかどうか、私には分かりま
せん。自然選択というのを狭い意味にとれば、性淘汰や血縁淘汰という別の機構があるように、
何か他の機構があるかもしれない(ラマルクの説や今西の説も、そうだと言えないこともない)。

なお、布山さんの説ですが、私は同意できません。
理由は、色覚異常は、色覚という形質の中の変異だというのがその一つ。また現在では適応度
にはほとんど関係ないなどというのはおかしいというのが二つ。狩猟採集生活をしていた時よ
りは適応度に関係していないでしょうが、中立と見なせるかどうかは実際測定してみないと分
からない。
それに先にも書きましたが、同じ変異であっても環境の変化に伴って、その適応度が変わるの
は当然です。色覚という形質は、我々の祖先が恐竜のくびきから逃れるため樹上生活を始め、
さらに夜行性から昼行性に変わったころに獲得したものでしょう(哺乳類のほとんどが色覚能
力を持っていないのをご存じですよね?)。それが環境が変わり、それに伴いその適応度も変
わる、これは自然選択説そのものです。

>分子進化では適応的な突然変異を無視しています。ほとんど観察することができないからでしょう。しかし実際には適応的に進化した現実がある。そのギャップを埋めるために断続平衡説などの理論が提唱されているのではないでしょうか。

断続平衡説は、分子レベルと表現型レベルのギャップを埋める理論じゃありませんが。表現型
における進化に急速な時期と、ほとんど停滞している時期があるいう説です。グールドもエル
ドリッチも古生物学者です。ですから、彼らもドーキンスと同じで、分子レベルにおける中立
論者と淘汰論者の論争には第三者の立場に立っている。
その断続平衡説が、分子進化と表現型進化のギャップを埋めるのに役立つのかどうか、私には
分かりません。木村は断続平衡説に言及してますが、あくまでも分子レベルから断続平衡説を
このようにも解釈できるというものじゃないでしょうか。


(無題) 投稿者:masayuki  投稿日: 9月30日(土)04時06分12秒

分子進化では適応的な突然変異を無視しています。ほとんど観察することができないからでしょう。しかし実際には適応的に進化した現実がある。そのギャップを埋めるために断続平衡説などの理論が提唱されているのではないでしょうか。
少し長くなりますが、宮田隆さんのHPからいんようします。

分子進化学は誕生当初表現型レベルの進化を分子レベルから理解することを目指していたが、中立説・適応説論争が予想以上に長く続いた結果、最近まで当初目指していた研究はほとんど省みられることはなかった。中立説が確立した現在、生物の進化と分子の進化の関連を理解することは、今後の分子進化学に残された最重要課題である。我々はこの認識のもとに、平成六年度から平成八年度の間重点領域研究「分子進化学の新展開」(代者・宮田 隆)を発足させ、生物の多様性と遺伝子の多様性の関連を追究した。その結果、哺乳類に至る真核生物の進化の過程で、遺伝子の多様化は徐々に起きたのではなく、ごく限られた期間に断続的に起きていたことが明らかになった。顕著な例として、先カンブリア時代とカンブリア紀の境で、多細胞動物が爆発的に多様化したとされるが(カンブリア爆発)、この時期には新しい機能を持つ遺伝子の生成がほとんど見られず、カンブリア爆発に約2億年も先行して動物進化のごく初期に遺伝子の爆発的な多様化が起きていたという予想外の事実が明らかになった。この結果は、動物の爆発的多様化を分子レベルから理解するには、新しい遺伝子の生成という「ハード」の視点ではなく、既存の遺伝子どう利用したかという「ソフト」の視点が重要であることを強く示唆する。本プロジェクソフトの視点に立って、分子細胞生物学及び分子発生生物学の最近の知見を取り入れて生多様性の分子機構を解明し、併せて新しい分子進化学の構築を目指す。


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>JA50さん 投稿者:masayuki  投稿日: 9月30日(土)03時43分44秒

私はこの数ヶ月間この板をromしています。何度か質問もさせていただきました。
その中での一番の疑問はなぜJA50さんが他の方々と対立してしまうかという点です。ほとんど、皆同じテキストを読んでいるにも関わらず、なぜ話が食い違ってしまうのか。
たぶんJA50さんは皆が前提としている基本的な認識を欠いているのではないかと推測しています。
「皆が前提としている基本的な認識」を明らかにしてJA50さんにも納得していただければ論争の半分は解決するものと思います。
自然選択
自然選択説
ネオダーウィニズム
総合説
上の言葉は似ているようですが、それぞれの意味があります。
しかも最近は総合説の中に中立説も取り入れられているようです。この掲示板で進化論というとほとんど総合説を基準にして議論しているように見受けます。
「皆が前提としている基本的な認識」は総合説のことだと思いますが、JA50さんどうお考えですか。

「ヒトの色覚異常などは、人類がまだ狩猟・採集生活をしていた時代には命に関わるような重大な遺伝病であったと考えられていますが、現在では、適応度にはほとんど関係ありません。つまり、中立とみなせるのです。」
上の文章はこの掲示板で以前紹介された、布山善章さんのHPから引用したものです。
生物の進化には、適応的な進化だけでなく、遺伝的浮動の影響もけっして無視できない例としてあげられたものと思われます。
この例は自然選択説だけでは説明できません。しかし集団遺伝学を取り入れ、遺伝的浮動などの理論を加えることができた総合説では説明できるようになったのです。
分子進化では適応的な突然変異を無視しています。ほとんど観察することができないからでしょう。しかし実際には適応的に進化した現実がある。そのギャップを埋めるために断続平衡説などの理論が提唱されているのではないでしょうか。


Re:進化速度について(概略)>へちさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月29日(金)19時47分40秒

>おおよその概略は木村の「分子進化を考える」p224-226、「進化論の見方」河田、p182-183にあります。

う〜ん、どう答えていいやら、、、
私の意図とは違うんですが、そうとられても仕方ない書き方を私はやってますから、責任は私
にあります。

ご紹介どうもありがとうございます。


「自然選択で」じゃない>NATROMさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月29日(金)19時46分31秒

>もちろん、「自然選択で」ではなく、ランダムドリフトによってです。JA50さんの用語使用法でいえば、「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な突然変異が固定することがある」という意味です。ツリー掲示板で花の色を例に出しています。

なるほど「自然選択でではなく」なんですね。
どうもおかしいと思っていた。

ツリーの方でもレスしましたが、ランダムドリフトで形質が固定することがあるというのは、
なんという説なんでしょうか?
何度も言っていることですが、それは木村の中立説じゃないですよ。
「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な突然変異が固定することがある」というのは中立説
(の結論の一つ)でしょうが、突然変異を形質に代えたものは、それは中立説とは全く別個の
ものです。

それと「その変異以外の形質に引き摺られて」ということですが、パンダの下肢の種子骨など
の実例も含めていまいち分かりません。どれが形質でどれが変異になるのでしょうか、特にこ
の部分について説明していただけないでしょうか?
パンダの下肢の種子骨が大きいということですが、どれが形質でどれが変異にあたるのでしょ
う?

また、NATROMさんは、それらは自然選択説で説明できない進化の例として提示されたんでしょ
うか?
形質についてのランダムドリフト理論とでもいうような、ある進化学説の例として提示され
ているように見えますがどうなのでしょう?


Re:短期記憶障害ですか?>クリスさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月29日(金)19時45分16秒

おお、ここまで堕ちますか、、、

舞さんといい、ご同類というのがよく分かります。


クリス説じゃ価値は下がる>クリスさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月29日(金)19時44分55秒

>「中立あるいは非適応的な」形質の進化については自然選択説は、否定も肯定もできないしろものでしょう。
>別にそれで自然選択説の価値が下がるわけじゃあるまいし。

いや、ほとんど無価値になります。

ある形質の進化について、それが適応的だったら適応的だから進化したと言い、中立や非適応
的だったら自然選択説では説明できないことだとしてしまえる。

ところで、クリスさんは自然選択説が「中立あるいは非適応的な形質でも進化しえる」となっ
たというのは取り下げたのですか?
取り下げて、否定も肯定もしていないというのに変えたのですか?

>そもそもダーウインの時代だって「自然選択で進化の全てを説明することはできない」ことは分かっていたんですから。

あのね、ダーウィンは自然選択で進化の全てを説明してはいないし、そんなことは「種の起源」
を読んだことがある人ならだれでも分かっていることです。また、私も自然選択で進化の全て
を説明できるなどと言ってもいない。
どこからこういう頓珍漢なことが言えるのか、ほんと不思議でならない。
自分の無知蒙昧さを少しは自覚して黙っていたらどうですか。
tomiさんへのレスも、どれほど頓珍漢なもので、ただ混ぜっ返しただけなんだというのを少し
は自覚したら?

そうそう、あの引用はどうなっているのでしょうか?
少しは有益なことをしたらどうだ、ほんとに。


進化速度に対する質疑 投稿者:へち  投稿日: 9月29日(金)09時34分27秒

>楽しみに、より詳しい説明をお待ちしております。

期待はずれにならないように気合いを入れます。

>でも取り敢えず質問させて下さい、年当たりの分裂回数は種によっても違
>うのでしょうか?だとすると、上記の進化速度が一定でも、生殖細胞の平
>均分裂速度(時間辺りの回数)が、解っていないと分子時計としては使え
>ませんよね。絶滅した種なんかは、結構種分化からの時間の経過を推定す
>るのが難しくなりませんか?

年当たりの生殖細胞の分裂回数は種によって違います。
また、進化速度も種によって違います。
ですから、塩基配列の違いを分子時計として使うことの有効性に対する疑問もあります。
それから、絶滅種の中でDNA配列が明らかになった例ってあったでしょうか?
それがわからないと分子時計は使えませんよね。


ちなみに・・・ 投稿者:ヘルメス☆  投稿日: 9月29日(金)07時19分10秒

こんなのが見つかりました。

タイ北部でアジア最古の類人猿化石発見(読売新聞オンラインから)
http://www.yomiuri.co.jp/00/20000929i501.htm

http://www.yomiuri.co.jp/00/20000929i501.htm


ミトコンドリアとウィルス感染 投稿者:ヘルメス☆  投稿日: 9月29日(金)07時11分34秒

なんだか議論が凄く活発化している・・・
風邪が長引いて寝込んでいるヘルメス☆には追っかけていくだけで大変です。
で、なんだかエキサイトしている一角が見えてきていて、なんだか。ねぇ。

>tomiさんへ
ミトコンドリアは必ず数や分裂などを制御されていないといけない、という考えのようですが、実際に共生関係を持つにあたっては、むしろその必要性はあまりありません。
例えば、人間の体内だけを見てみても、無数のバクテリアや細菌と共生しています。
しかし、人間のゲノム内には彼らをコントロールする遺伝子など存在しません。
ですが彼らは自律的に数を調整し合い、人間にとって許容範囲で生存しています。

生物においてウィルスに感染していない存在は殆どないといっても過言ではなく、何らかのウィルスやバクテリアに感染しているのは常識です。
それでも全ての生物が安定して生存しているのは、それぞれのバクテリア、ないしはウィルスがそれぞれの環境内で安定して数を制御しているからと考えられます。
むしろ、宿主を破壊してしまえばそのウィルスやバクテリアは原則的に生存環境を失ってしまうので、増殖のスピードや頻度を変えて、共存を図るというのが自然界では当たり前に見られます。

例として有名なエボラ・ウィルスを引き合いに出しますと、この人間にとっては危険なウィルスも、別の本来の宿主にとっては安全な存在だと考えられます。
(でなければ今まで存在しているはずが無い)
エボラ・ウィルスも、最初に宿主を見つけるまでは、相当な(宿主候補に)被害を出したと思いますが、最終的に安定した共生関係を作り出しています。

ですから、ミトコンドリアも同様に宿主を殺してしまわない、自分達も吸収されきってしまわないという関係を作り出したと考えられます。
(件のアメーバの実験でも、それはわかると思います)

ウィルスと宿主、ミトコンドリアと細胞では依存の頻度が違うと思いますが・・・
また、それらのミトコンドリアも自律して存在していた以上、独自の分裂や増殖を行っても不思議ではありません。
ここの常連さん達がレスをしておられるように、むしろ細胞の分裂に同期などしなくても問題はないでしょう。

と言うことで、風邪薬を飲んでもう一度寝ます・・・
ここ一週間程度、ベッドでひっくりかえっているなぁ。

とほほ。


煽るのはやめよう 投稿者:masayuki  投稿日: 9月29日(金)02時45分52秒

舞さんも・・・・!
大人なんだから、煽ったら次にどうなるか解るでしょう。
結構長い付き合いなのだから。


詳しい説明はお待ちしますが>へちさん 投稿者:wadja  投稿日: 9月29日(金)01時30分14秒

>より正確に書くなら、進化速度は生殖細胞の年当たりの分裂回数に比例する、というものです。

楽しみに、より詳しい説明をお待ちしております。でも取り敢えず質問させて下さい、年当たりの分裂回数は種によっても違うのでしょうか?だとすると、上記の進化速度が一定でも、生殖細胞の平均分裂速度(時間辺りの回数)が、解っていないと分子時計としては使えませんよね。絶滅した種なんかは、結構種分化からの時間の経過を推定するのが難しくなりませんか?


ツリーの方、決着? 投稿者:  投稿日: 9月29日(金)01時20分00秒

論破されそうになると逃げ出すんですよね。無責任暴言屋JA50氏。

でも、ABO式血液型の各型なんて、(ほぼ)中立な形質が進化した
代表例だと思うけどなぁ。でも、一種類になってないからって認めな
いんだよね、上記の方は。
体毛はどう? 特に腋毛とか恥毛とか。髪の毛のもみあげとか眉毛だっ
て人間独特の形に進化してない?

PS
>...はっきり言って見苦しい。...(後略)

なにせ無責任暴言家ですもの(クリスさんじゃなくて、JA50氏)。


Re:ミトコンドリア 投稿者:PepperMyst  投稿日: 9月29日(金)00時37分30秒

tomiさん>
> もしミトコンドリアが後から細胞に追加され、そのまま残ったという説が正しいとすれば、その新たに追加されたミトコンドリアが分裂した新しい細胞の中にも登場するためには、DNAレベルの変化がおこっていなければならない。

ミトコンドリアが分裂して数を増やし、その後細胞分裂すれば、ミトコンドリアは大体2分されるので、DNAレベルの変化は必要ありません。現にプラスミドの中にはそのような挙動を示すものがあります。

>  しかし、ミトコンドリアの数を決定する遺伝子は、もともとミトコンドリアにあったはずはない。なぜならば、ミトコンドリアがどれだけの数、細胞にいるべきかを支配する必要はミトコンドリア自身にはなかったから。単体として活動していたミトコンドリアに、もともとそのような遺伝子は必要なかったであろう。

"単体として活動していたミトコンドリア"にも、分裂するかどうかを決める機構は必要でした。分裂できる状態でないのに分裂しようとすると死んでしまうからです。分裂を制御できれば数も調整できます。だからミトコンドリアの外部=細胞内部の物質濃度などの調整によってコントロールできるし、濃度のコントロールはすでに細胞が行っていたはずです。


お願い 投稿者:masayuki  投稿日: 9月28日(木)23時37分48秒

クリスさん、JA50さん
ROM者からのお願いです。二人の経緯はある程度知っています。しかし、ここまで露骨にやり合うことは、はっきり言って見苦しい。二人とも私の言いたいことは理解できると思います。ぜひ自重していただきたい。


訂正 投稿者:PepperMyst  投稿日: 9月28日(木)23時06分21秒

> 適応度が0、すなわち中立
適応度の差が0、すなわち中立
に訂正します。


進化速度について(概略) 投稿者:へち  投稿日: 9月28日(木)20時23分32秒

>>進化速度が年当たり一定に見えるのは、生殖細胞の年当たりの分裂回数が種によらず一定だからだ、と言う説は確かに存在します。

>ホントですか、始めて聞きました。
>どなたがその説を主張されているのでしょうか、その文献を紹介していただけますか?

おおざっぱに書きすぎて、よく見ると不正確な文になっています(ちょっと反省)。
より正確に書くなら、進化速度は生殖細胞の年当たりの分裂回数に比例する、というものです。
おおよその概略は木村の「分子進化を考える」p224-226、「進化論の見方」河田、p182-183にあります。
進化速度についての詳しい説明はそのうち書こうと思っています。


軽い指摘 投稿者:匿名希・望  投稿日: 9月28日(木)19時13分04秒

え〜、ちょっと古い上に横から差し出がましいとは思いますが・・・・・

・JA50さん  

>それとね、あなたは以前、こう書いているんですよ。
>>投稿者:クリス  投稿日: 7月25日(火)12時37分41秒
>>1、中立説が形質の進化についても成り立つと考えていること。
>>2、中立説では非適応的な突然変異も固定されるとしていると考えていること。
>>3、中立説成立以降は、自然選択説では非適応的な形質も広がり固定されることがあると変わったと考えていること。
>これは全て上に紹介した「進化論」に書いてあります。
>
>3を声をあげて読みなさいよ。
>「自然選択説では」ときちんと明示している。
>それをあなたは、「全て上に紹介した「進化論」に書いてあります」と大見得を切っているんですよ、
>何をいまさら、「「自然選択で」進化するのではなく」などと言えるもんだ。

・中立説成立以降は、自然選択説では非適応的な形質も広がり固定されることがあると変わったと考えていること。

これは「自然選択説(主語)では〜変わった(述語)と考えている」ではなくて、
「自然選択説では非適応的な形質も(主語)、広がり固定されることがある(述語)〜」と読むのでは?
「変わった」の主語は「形質の進化についての学説一般」ですが


短期記憶障害ですか? 投稿者:クリス  投稿日: 9月28日(木)17時03分03秒

>NATROMさんも、自然選択で「非適応的な形質でも進化しえる」と発言されていましたか。
>私の記憶にないのですが、NATROMさん、本当ですか?

>否定を「ない」とさらに否定しているんですから「肯定する」ということになりますね。つまり「進化を肯定する」ということなる。

>「科学は神の存在を否定しない」ということの意味は、否定も肯定もしない、科学には神の存在ということに関して何もいう資格や能力がないということです。

すみません。脳梗塞の後遺症か何かで短期記憶の障害が残ったのですね?
知らなかったものですから、今まで色々ときついことを申しました。


非適応的な形質が進化しうるか? 投稿者:NATROM  投稿日: 9月28日(木)16時55分26秒

>舞さんもそうだというのは当然としても、NATROMさんも、自然選択で「非適応的な形質でも進
>化しえる」と発言されていましたか。
>私の記憶にないのですが、NATROMさん、本当ですか?

2000年07月08日〜2000年07月15日の掲示板
非適応的な形質が固定する確率について 投稿者:NATROM  投稿日:07月15日(土)14時14分21秒

のことでしょう。もちろん、「自然選択で」ではなく、ランダムドリフトによってです。JA50さんの用語使用法でいえば、「中立とみなし得る程度の弱い非適応的な突然変異が固定することがある」という意味です。ツリー掲示板で花の色を例に出しています。

ランダムドリフト以外にも、PDX.さんが「その変異以外の形質に引き摺られて増えたり減ったりするのではないでしょうか?」と指摘したような要因もありえると思います。一番簡単なのが、連鎖。多少不利な表現型を発現する遺伝子も、染色体上で有利な遺伝子のすぐ近くにあれば集団中に広がることもありうるでしょう。

あとはグールドがよくネタにしていますが、個体発生途上での遺伝子間の相互作用のため、一見無意味あるいは不利に見える表現型が進化してしまうことです。パンダの下肢の種子骨の腫大は、おそらくは上肢の種子骨の腫大に引きずられておこったもので、生存に有利な点はなく、おそらくは中立であると思います。私にとってもっとも印象的だったのは、キーウィの産卵直前のX線写真です。よくもまああの小さな体にあれだけ大きな卵が入るものだ、といった写真です。キーウィの卵は体の1/3もの大きさですが、そのような大きさの卵は生存に不利なように見えます。キーウィは体の大きさを減らす方向に進化した際、発生上の制約から同比率で卵も小さくできなかったと説明されています。キーウィと近縁な鳥の体と卵の大きさは発生上制約があり(グラフが付いていた)、卵をより小さくすることが不可能であったのです。(記憶で書くので細部は間違っているかも)

>一見、無駄(中立、生存や繁殖に有利でも不利でもない)とか有害(非適応的、生存や繁殖に
>とって不利)な形質にみえても、実はそれを研究している人たちの方が愚かで、有利さを見つ
>けていないだけかもしれない。

自然淘汰万能論では、「一見不利に見える形質でも、よく探せば有利さを見つけられるはずだ」と考えますが、グールドが再三批判しているように、現在はその考え方ははやりません。パンダの下肢の種子骨や、キーウィの卵の異常な大きさ、あるいは近代社会における少子化について、必ずしもなんらかの遺伝的有利さが見つかるとは限らないのです。


Re)見苦しい言い訳 投稿者:クリス  投稿日: 9月28日(木)16時48分41秒

>「科学は神の存在を否定しない」ということの意味は、否定も肯定もしない、科学には神の存在ということに関して何もいう資格や能力がないということです。
>自然選択説もそうなんですか?
>形質の進化について否定も肯定もできないしろもなんですか?
「中立あるいは非適応的な」形質の進化については自然選択説は、否定も肯定もできないしろものでしょう。
別にそれで自然選択説の価値が下がるわけじゃあるまいし。

>自然選択説は形質の進化についての仮説じゃないですか。
>いったい何を言っているのか、ほんと見苦しい。
だから「自然選択説は、形質の進化について全てを説明できるものじゃない」というだけのこと。
「いったい何を言っているのか」ってそういうことを言ってるんです。
ご自分に理解できないからと言って「ほんと見苦しい」「見苦しい言い訳」で済ませてしまうとは楽でしょうね。
複数の人から指摘されているでしょう?JA50さんのような考え方を「自然選択万能説」と言うんですよ。そしてそれは時代遅れというか、多くの証拠により否定されている考え方です。そもそもダーウインの時代だって「自然選択で進化の全てを説明することはできない」ことは分かっていたんですから。


Re: ミトコンドリア2 投稿者:PDX.  投稿日: 9月28日(木)16時21分29秒

To tomiさん

> もしくは、付け加えるだけで、このような超高度な機能が追加
>するのを待っていられるほど、ミトコンドリアは何億年もの間、
>無数の細胞に対してしきりに侵入を企てたということは想定でき
>ないとするほうが自然ではないだろうか。

 バクテリアの数なんて何京も何該も…というオーダーでしょうから、
それこそ試行の機会はいくらでもあるような。増して10億年程度の
時間的余裕があれば。
(最も古い原核細胞の化石と、最も古い真核細胞の化石との間の差は
それくらいだったはず)


 何度も例に出しているアメーバとバクテリアの例では、両者が共生
関係を成立させるまでほんの数週間だかせいぜい数年というオーダー
だったんですけどね。しかも、シャーレの中という狭い空間で、限ら
れた数のアメーバしか使ってないのに。
(ちなみに、これは『もともと共生する傾向のあるバクテリア』を用
いて人為的に行われた操作ではなく、もともとはアメーバの培養中に
ヘマをしてアメーバがバクテリアに感染してしまったのが発見のきっ
かけとなっています。なんとなく、ペニシリンの発見の時のアオカビ
のエピソードみたいですよね(笑))

 類似の実験が他の科学者によって再現されている以上、「ありがち
な現象」とすら言えるかもしれません。



Re: 偶然によって? 投稿者:クハ72  投稿日: 9月28日(木)16時10分45秒

tomiさんのご質問は2つあると思われます。
1.生命が偶然に発生する確率は限りなく0に近いのではないか?
・言い換えれば正しく機能する核酸や蛋白質が合成される確率。

2.ある種の生物が新たな形質を獲得して別の種へと進化するためには、
  いくつもの変異が同時に起きていなければならないのではないか?
・地蜘蛛が巣を張るように進化することや細胞の共生説。

これら2つは区別されるべき問題です。

1.について
どんな低い確率でも試行を重ねれば……なんて素人考えもあります。
が、今の生命のDNA配列だけが生命を誕生しうるとは限らないのです。
生命誕生には塩基配列が最低どれだけの長さ必要だったか、あるいは
生命誕生に繋がる配列は何通りあったのか、を考慮すべきだと思います。
詳しいことは研究者じゃないのでわかりませんが。

2.については、すでに沢山の方が回答されているので省略。
要するに中間の段階の変異でも少しは生存に有利に働いているってコト。

> 中途半端な凝固システムを持つ個体と、
> まったく凝固システムを持たない個体との生存力の差は、
中途半端な凝固でも出血はある程度抑えられるでしょう。
それだけ致死率が低下し生存に有利なはずです。
今の凝固システムだって頚動脈切れば役に立たないんですから。

> 一対のボルトとナットですら、自然にできることを期待するなど不可能
ボルトとナットという単純なものでさえ不可能なんだから、って理屈ですね。
ボルトやナットは人工物ですから無駄なものはありません。
ところが生物の体には虫垂や哺乳類のオスの乳首などの痕跡器官があります。
さらに「歴史に由来する不完全性」などがあり、進化の根拠となっています。
例えていうなら遠く離れた2つの場所で独立にボルトを発明したために、
溝の深さや間隔が違ってしまい部品の互換性がない、ということでしょうか。
これはお互いのボルトが2つ別の発明に由来しているからです。


Re: ミトコンドリア 投稿者:PDX.  投稿日: 9月28日(木)16時06分22秒

To tomiさん

> もしミトコンドリアが後から細胞に追加され、そのまま残った
>という説が正しいとすれば、その新たに追加されたミトコンドリ
>アが分裂した新しい細胞の中にも登場するためには、DNAレベルの
>変化がおこっていなければならない。では、DNAはどのような過程
>でミトコンドリアの定着を可能にしたのか、という問題ですが…。

 最初に細胞に共生したミトコンドリア(の先祖であるバクテリア)
がもともと複数存在し、分裂するときに原形質が分かれるときに適当
に分配された、という過程において、細胞の側にDNAの変化が必要
でしょうか?
 通常ミトコンドリアは細胞内に多数存在しますので。
(ヒトの精子とかだと1つしかないのかな。ごく小さな真核細胞で、
ミトコンドリアが1つしかないような種が存在した場合、細胞の分裂
に先駆けてミトコンドリアが分裂して、2つの娘細胞にうまく分配さ
れないと駄目でしょうね)

> しかし、ミトコンドリアの数を決定する遺伝子は、もともとミト
>コンドリアにあったはずはない。なぜならば、ミトコンドリアがど
>れだけの数、細胞にいるべきかを支配する必要はミトコンドリア自
>身にはなかったから。単体として活動していたミトコンドリアに、
>もともとそのような遺伝子は必要なかったであろう。

 ミトコンドリア(の先祖であるバクテリア)が無制限に増えてしまっ
たらそれは単なる感染症であり、宿主である細胞は食い尽くされて死
んでしまいます。しかし、たまたま増殖率の低い種であったり、宿主
の側の消化能力が高かったりしてそのバランスがつりあってしまうの
であれば、『数を制御する遺伝子』なしに均衡が成立します。
 現に、バクテリアに感染して死なずに生き残ったアメーバの例では、
死ぬ直前のアメーバの細胞内のバクテリアの数より、生き残ったアメー
バの細胞内のバクテリアの数のほうが少なかったそうです。
(人間だって、食中毒で発病するか否かは、菌の毒性の強さや、食べた
食品中の菌の数というファクターが大きく影響します)


ミトコンドリア2 投稿者:tomi  投稿日: 9月28日(木)15時29分24秒

ミトコンドリアの数を調節できるには、ミトコンドリアだけを認識するための仕組みがなければならない。ミトコンドリアも葉緑体もゴルジ体もいっしょくたにして調節しても意味はありません。ミトコンドリアだけを認識する仕組みというものが偶然に成立するものだろうか。
また、恐らく、ミトコンドリアの数が「多すぎても少なすぎてもいけない」と判断し、ミトコンドリアが分裂しすぎたら、分裂を抑制したり、場合によってはそれを何らかの方法で減らす機能がある、また、逆に少なすぎると判断したら、分裂を促進し、限度までそれを許容するサーモスタットのような機能がある、と思われるが、そのような仕組みを偶然のDNAの変異だけによって獲得できるのだろうか。ミトコンドリアの分裂を制御する物質があるならば、それを偶然作るように、はたしてDNAが偶然に変化するのだろうか。そのような物質や調整機能を待たないうちに、寄生したすべての細胞において、ミトコンドリアが勝手に異常増殖し、細胞そのものがパンクしてしまい、それ以上の進化が起こらなかったということはなかったのだろうか。共生説が正しければ、運良く、ミトコンドリアが暴走増殖する前に細胞側のDNAが数調整機能を身につけたということなのだろうが…。まったくのくず鉄の中から偶然の作用だけによってコンピュータが出現したということは何百億年かかっても不可能であるのと同じように、4つの塩基の並び方をデタラメに変える、もしくは、付け加えるだけで、このような超高度な機能が追加するのを待っていられるほど、ミトコンドリアは何億年もの間、無数の細胞に対してしきりに侵入を企てたということは想定できないとするほうが自然ではないだろうか。


ミトコンドリア 投稿者:tomi  投稿日: 9月28日(木)15時28分46秒

もしミトコンドリアが後から細胞に追加され、そのまま残ったという説が正しいとすれば、その新たに追加されたミトコンドリアが分裂した新しい細胞の中にも登場するためには、DNAレベルの変化がおこっていなければならない。では、DNAはどのような過程でミトコンドリアの定着を可能にしたのか、という問題ですが…。

 ミトコンドリアの身体や機能は、細胞のDNAではなく、ミトコンドリア自身のDNAに支配されている。これは、ミトコンドリアのDNAの一部が細胞の核のDNAにスプライスされたからだ、とのご説明をいただきました。
 しかし、ミトコンドリアの数を決定する遺伝子は、もともとミトコンドリアにあったはずはない。なぜならば、ミトコンドリアがどれだけの数、細胞にいるべきかを支配する必要はミトコンドリア自身にはなかったから。単体として活動していたミトコンドリアに、もともとそのような遺伝子は必要なかったであろう。

 それでは、細胞がミトコンドリアを取り込んだ際に、細胞の核のDNAに、ミトコンドリアからのDNAのスプライスははたしてあったのか、という本質的な疑問がでてきます。ミトコンドリアの身体も機能もすべてミトコンドリアのDNA自身が制御しているならば、そして、ミトコンドリアの数はそもそもミトコンドリア自身のDNAには含まれていないならば、じゃあ、一体どの部分がミトコンドリアのDNAから細胞のDNAに移ったのか、いや、そもそも、そのようなスプライスがあったのか、という問題になります。

 もし、いかなるスプライスもなかったならば、すでに述べた大きな疑問が生じます。

寄生したミトコンドリアの数、細胞自体がミトコンドリアから出る諸物質をどのように利用するか、または、細胞の側からミトコンドリアへの物質・エネルギーの供給の仕方、他の構造物との物質・エネルギーのやりとりの方法や、物理的連関(分裂時の誘導なども含めて)、細胞分裂に同期させるための共時性制御の仕組み、その他、ミトコンドリアと細胞との間にある複雑な関連性について、DNAの変化がどのように推移したのか。つまり、これらの要素が一つ一つ整うまで、変異と淘汰を繰り返して、適者だけが残ったのか。それとも、偶然の一撃によってこれらの要素が一挙に揃ったのか。
しかし、このどちらも、可能性は非常に低いでしょう。
おそらく、細胞とミトコンドリアとの間には極めて複雑な関連があるでしょうが、それらの関連が(A)一つ一つ変異と淘汰を繰り返して、または、(B)一挙に成立したということの可能性はほぼ0でしょう。
(A) たとえ、淘汰という「非偶然的」動因があったとしても、淘汰の前に、ふるいにかけられるべきメンバーが揃わねばならないが、そのメンバーが揃うのは、まったくの「偶然による」。例えば、ミトコンドリアの数を制御する遺伝子を備えた細胞と、備えない細胞とが淘汰のふるいにかけられ、その結果、数を制御できる細胞が生き残ったとします。しかし、そもそも、「数を制御する遺伝子を備える」ということ自体は純粋に偶然の作用による(なぜならば、数を制御する機能を完全に獲得していない進化途中の細胞は生存力が優れていると言えないから、淘汰の原理はここでは作用しない)わけですから、いくら淘汰があると言っても、細胞進化はやはりそのかなりの部分を偶然に依存せざるをえない。では、数を制御する遺伝子とは偶然に成立するものなのであろうか、という切実な問題が現われるのです。つづく


Re: 偶然によって 投稿者:PDX.  投稿日: 9月28日(木)15時22分13秒

To tomiさん

> しかも、その配列がちょうど、その反応が成立するためにRNAの中の
>必要な場所にきちんと収まるために並ぶ確率は、天文学的な小ささになるでしょう。

 そのような塩基が最初からできあがるにはそんな確率になるでしょうね。
 
 しかし、塩基が100連なった化合物が1度にできるはずもなく、最初
は塩基が2つ連なったものが(様々な組み合わせで)多数蓄積していった
と考えられます。やがて2つが3つ、4つ…と色々な組み合わせが蓄積さ
れていく過程の中で、分子の形状によりまとまり易いものや、酵素という
ほど強くはなくてもなんらの化学反応を示すものが登場したと考えられま
す。
 それらの中に、反応を促進する特性のものがあったとしたら、確率には
大きな変化があるでしょう。

 また、上の『天文学的な小ささになるでしょう』についてですが、
1回あたりの確率が小さくても、試行回数が十分に多ければ、その
偶然が成立する可能性は高まります。
 サイコロを振って10回連続で1の目が出るのはよほどのことがな
いといけませんが、100万回、1億回…とやっていればいつかは出
ます。
 当時の海には塩基の分子がいったいどれくらいあったのでしょうね?

 当時の海にどの程度の濃度で有機物が蓄積されていたか直接調べる
すべはありませんが、当時は大気中にも海水中にも酸素分子がなかっ
たため、有機物は今の環境よりは長持ちしたかもしれません。
(なんせ酸化されにくいのですから。無論、有機物を食べてしまうバ
クテリアもまだいません)

> 例えば、血液凝固の問題にしても、血液が凝固するまでにはいくつか
>の複雑な化学反応を経ねばなりませんが、その途中までしか凝固の仕組
>みが成立しなかった個体は、まったく他の個体との間に生存力の差がな
>いわけで、それゆえ生き残って、次の個体に仕事をつなげるということ
>ができないわけです。

 この部分は少し論理が飛躍していませんか?
 他の個体との間に生存力の差がないことは、すなわち生き残れないという
ことになるのでしょうか?
 他の面で生存に不利でないのなら、他の個体との競争にまけない事もあり
えるでしょう。それこそ偶然まかせで。
 生き残れない可能性もありますが、その僅かな変異が次の変異により強化
されるまでの間存続できる可能性もあるわけです。


スペンサーだそうです>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日: 9月28日(木)15時07分45秒

>エヴォリューションという言葉が「変化を伴う由来」の同義語として英語の中に入ったのは、あの、ほとんどあらゆるものについて倦むことを知らなかったヴィクトリア朝の碩学、ハーバード・スペンサーの宣伝によっている。

とありますので。


見苦しい言い訳>クリスさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月28日(木)15時04分54秒

>>「自然選択説は生存に役立たない形質の進化を肯定する」と。
>「(積極的に)肯定する」というのは「否定しない」とはニュアンスが違いますけれど。
>JA50さん式解釈では「科学は神の存在を否定しない」というのは「科学は神の存在を肯定する」になるわけですね?
>相変わらず、独特の日本語感覚をなさっておられるようで。

「科学は神の存在を否定しない」ということの意味は、否定も肯定もしない、科学には神の存
在ということに関して何もいう資格や能力がないということです。
自然選択説もそうなんですか?
形質の進化について否定も肯定もできないしろもなんですか?

自然選択説は形質の進化についての仮説じゃないですか。
いったい何を言っているのか、ほんと見苦しい。


Re:集団遺伝学講座>wadjaさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月28日(木)14時59分52秒

ご紹介のサイトですが、進化速度に関する部分は、第39回に解説されていますね。
そこにも書いてありますが、突然変異遺伝子が固定に要する時間(これが第30回で解説され
ていること)と分子進化速度とは違うようです(ようですとしているのは、私もよく理解して
いないからです)。
「生物進化を考える」のP216にあるのですが、、、

>したがって、このこのように定義した置換率(引用者注、これは分子進化速度のこと)は、一
つ一つの突然変異体の集団内頻度の増減速度(引用者注、これは固定に要する時間のこと)と
は無関係である。

それと速度の一定性についてですが、性懲りもなく続けます(不思議なもので)。
P222からも解説されているんですが、そこには、、、

>ここですぐ問題になるのは世代との関係である。従来の遺伝子突然変異の研究結果によると、ヒト、マウス、ショウジョウバエといった世代の長さが著しく違う生物の間でも、自然に起こる突然変異の率は、年あたりでなく世代あたりでほぼ同じくらいである。

とあります。
突然変異率が世代あたりでほぼ同じくらいなら、例えばマウスとヒトではその世代の長さの差
(約40倍とか)に匹敵する進化速度の差があるはずです(あの k=v が正しければ)。
しかし、観測結果はそうはなっていない。

また次のようにも木村は書いています。

>一方、物理的時間でいうと、ヒトの一世代はショウジョウバエのそれより大ざっぱに言って1000倍長く、もし自然に起こる劣性致死突然変異が物理的時間に比例して生ずるとしたら(引用者注、もしこの仮定が成り立つなら進化速度の年あたりの一定性は当然となります)、ヒトではショウジョウバエでの突然変異率(v=10^(-5))の1000倍すなわち、毎代遺伝子あたり1%という異常な高率で起こることになり、これは観測事実に合わない。

どっちなんだ、どっちも観測事実に合わないでは済まないじゃないかと言いたくなります。

で、この矛盾を逃れる方法として、劣性致死突然変異のような「表現型的にはっきり効果を表
す可視突然変異や致死遺伝子の出現率とは違って」、分子レベルの進化に寄与する突然変異(
中立説ではこれが中立な突然変異ということになります)の出現率は「ほぼ物理的時間に比例
して起こっているはずである」と木村は書いているのですが、さてこんな都合のいいことがあ
り得るのかどうか、、、

とにかく、私にはよく分かりません。
ただし、少なくとも淘汰説では分子進化速度の一定性はよけい説明できないから、分子進化速
度が一定であるという観測事実は中立説の正しいことの一つの根拠になっている(ということ
なんでしょう、たぶん、、、)。
以上考えてみると、私がtomiさんにレスしたのは、私の間違いということかな、、、


偶然によって? 投稿者:tomi  投稿日: 9月28日(木)13時46分21秒

少し順序が前後してしまうのですが、申し訳ございません。

> 100個のアミノ酸が連なったタンパク質がいきなりできる確率は
>たしかに上記の計算で求められます。ただしこれは、アミノ酸だけが
>他の物質の手出すけなしに適当に結合した場合の確率ですので、何ら
>かの触媒が存在した場合は、特定のアミノ酸同士の結合の頻度が高く
>なるでしょうから、計算がかなり変わってくるはずです。
> 現に、酵素のように触媒として作用するRNAも発見されており、
>リボザイムと名づけられています。これは、DNAやRNAによって
>コード化されて、リボゾームで作られる酵素が存在しなくても、酵素
>として働く触媒が存在し得たことを示します。

 そもそもこの触媒RNAそのものの偶然的成立の可能性に疑いを感じてしまいます。
 偶然にその触媒となる配列が成立すること自体、大変稀なことでしょう。
 その配列がいくつの塩基から成り立つか不明ですが、例えば、100個の塩基で成立したとしても、4種類の塩基が一つの塩基の枠に入る可能性がある(もちろん、特定の塩基の入りやすさはあるで、このような単純なモデルを考えることは難しい面があることは認めますが)わけですから、4の100乗分の1=10の60乗分の1、50個の塩基であっても、10の30乗分の1、10個の場合でも100万分の1です。
 しかも、その配列がちょうど、その反応が成立するためにRNAの中の必要な場所にきちんと収まるために並ぶ確率は、天文学的な小ささになるでしょう。
 つまり、触媒となる配列が偶然に揃うだけではなく、その配列が、ある特定の化学的反応の過程でアミノ酸同士の結合を促すために機能すべくRNAの中にバッチリ収まる確率はまさに限りなく0に近いでしょう。なぜならば、その並び方は、触媒コードだけに限ったことではなく、RNA全体との関連が出てくるからです。RNA全体の中でどこにその触媒用遺伝子セットが並ぶかが偶然に決定されるとなれば、それは偶然にRNA全体がどのように並ぶかという問題にまで拡大するでしょう。

 このような生物内の化学反応において働く様々な酵素一つとっても、偶然に成立するには、きわめて小さな確率しかないとすれば、無数の酵素を適材適所で必要とする生物内の反応全体が偶然に成立する確率がいかにありえない話であるかは、容易に推察できるでしょう。

 しかも、反応は最初から最後まで成立しなければ、ほとんど無意味であり、仕事を途中でやめてしまえば、目的のエネルギーなり、物質なりを獲得できないのですから、どんなにそれを仲介する酵素やたんぱく質が途中まで偶然にうまく揃っても無意味です。

 例えば、血液凝固の問題にしても、血液が凝固するまでにはいくつかの複雑な化学反応を経ねばなりませんが、その途中までしか凝固の仕組みが成立しなかった個体は、まったく他の個体との間に生存力の差がないわけで、それゆえ生き残って、次の個体に仕事をつなげるということができないわけです。つまり、中途半端な凝固システムを持つ個体と、まったく凝固システムを持たない個体との生存力の差は、ほとんど存在しないわけです。それゆえ、とくにこういった複雑な化学反応を必要とする機能の進化の過程において、淘汰を進化の動因とすることはできないのではないかと思います。

 となれば、もちろん、このような化学反応における物質一つ一つが成立するのに、ほとんど純粋な「偶然による進化」というモチーフを適用せざるを得ないわけで、進化論はここにおいて非常に大きな壁にぶちあたるということになるわけです。

 ある酵素(A)が偶然によって成立し、その少しの変異によって別の酵素(B)ができることがたとえあったとしても、それらの酵素が、触媒として必要な化学反応の部分A'とB'にぴたっと機能するようになることを期待することはできないでしょう。しかも、それらの仕組み全体ができるべく、DNAが「偶然に」変化するなどということを期待することはまず不可能でしょう。

 なにせ、一対のボルトとナットですら、自然にできることを期待するなど不可能なのですから。


JA50さん、恐縮です 投稿者:クリス  投稿日: 9月28日(木)13時22分05秒

>なぁんも知らない、というよりもっとたちの悪いことにあっちの方向に行ってしまっている人が横からごちゃごちゃ言うのは止めましょう。

っていうのは撤回ですか?
恐れ入ります。お声をかけていただいて。

さて、
>「自然選択説は生存に役立たない形質の進化を肯定する」と。
「(積極的に)肯定する」というのは「否定しない」とはニュアンスが違いますけれど。
JA50さん式解釈では「科学は神の存在を否定しない」というのは「科学は神の存在を肯定する」になるわけですね?
相変わらず、独特の日本語感覚をなさっておられるようで。

>それなら、私が言っているのと同じになってしまいますが。
あなたが言ったのは「生存に役立たなくとも自然選択で進化する」でしょう?
『自然選択で』というのがおかしい(間違っている)と指摘しているのです。


Re: 進化という語 投稿者:PDX.  投稿日: 9月28日(木)12時58分10秒

To JA50さん

>進化に「向上」とか「進歩」など、価値を含ませないように注意
>しているつもりですが、そういうように読めますか、、、

 と言うより、相手の言葉にそういう意図を含ませて、それを
批判しているかのように見えたと言いますか…漠然と感じたイ
メージですので、表現しきれなくて歯がゆいのですが(^_^;

 進化という語に相当する evolition については、英語でも
不適切(誤解を招き易い)というのはご指摘の通りグールドの
著書で書かれていますし、そもそもダーウィンや当時の進化論
者は用いていないはずです。
(誰が最初に、進化という意味でこの語を使って定着させたの
かが気になりますね)

>進化を「向上」や「進歩」と誤解するのは、それほど根深い
>ものなんだということになりますし、日本だけの特殊事情で
>もないようですね。

 ヒトが究極の進化者であるかのような自負ですとか、ヒト以
外の生物を非適応的とみなす視点と、共通する根源を持ってい
るのだと思います。

 とりあえず、親から子へ受け継がれながら変異していく現象
を進化と呼ぶのであれば、中立的な変異であっても進化だと言
えると思います。それが集団の中に広がるか、広がらずに消え
てしまうかは偶然に左右されるにしても。
(正であれ負であれ、自然淘汰のチェックにかかった時点でそ
れは中立とは言えない変異でしょうしね)


> しかし、じゃ本当に有利だから進化したのかというのも、
>それを実際に確かめるのは非常に困難です。それが自然界で
>確かめられた正の淘汰の実例が少ないことの理由の一つじゃ
>ないでしょうか(ここを創造論者がついてくる)。

 自然淘汰万能論者が主張するほどの威力はないにしても、自然
淘汰による進化への影響力は大きいのだと思いますよ。ただ、そ
れだけでは足りなくて、中立説や共生説という複数の理論により
互いに補い合って説明せざるを得ないほど、生物というものが複
雑だということなのだと思います。
(ただの無機物の塊である惑星や衛星の地表の様子ですら、質量
だけでは満足に予測できないではありませんか)


Re:集団遺伝学講座>wadjaさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月28日(木)11時47分58秒

ご紹介のサイトに行ってきますが、何度も書いているように集団遺伝学のような数学を駆使す
る学問は私の理解の範囲を越えています。

感想はまた後ほど。


進化という用語>PDX.さん 投稿者:JA50  投稿日: 9月28日(木)11時46分24秒

>う〜ん、なんか上の文だと、「進化」という言葉に「向上」「進歩」
>という概念が含まれているみたいに思えてしまいますね。

進化に「向上」とか「進歩」など、価値を含ませないように注意しているつもりですが、そう
いうように読めますか、、、
もし、そういう概念が含まれていると思われたのなら、そうじゃないですと付け加えさせてく
ださい。

グールドによると(「ダーウィン以来」(上)の3章です) evolution という用語にも「日常
語では、エヴォリューションという言葉は進歩(progress)の概念と強く結びついていた」と
書いていますから、日本語訳に進化という用語を持ってきたのが誤解のもとじゃなく、元の英
語の用語自体が不適切だったのだということになります。
進化を「向上」や「進歩」と誤解するのは、それほど根深いものなんだということになります
し、日本だけの特殊事情でもないようですね。
ダーウィンが用いた「変化を伴う由来」と言うべきなのかもしれない。

>生存に対して特に有利でも不利でもない変異は、それ単体では特に増
>えもせず、減りもしないでしょうけど、その変異以外の形質に引き摺ら
>れて増えたり減ったりするのではないでしょうか?

そうかもしれません。

>そして、周囲の環境が変化したとき、それまで中立的な形質だったの
>が有利(不利)な形質になったのだとか。

中立的(適応度が1)だろうがなかろうが、環境の変化があればその適応度が変わるのは当然
でしょう。

>なお、中立な変異というのは、『自然選択に対して中立』ということ
>でしょうから、中立な変異が自然選択にかかること自体が、なんだか変
>な言い方ですよね(^_^;

言われる通りで、同じことをドーキンスが書いていたと記憶しています。
「ブラインド・ウォッチメイカー」だと思うのですが、分子進化についての中立論者と淘汰論
者の論争には自分は第3者だと書いていた。どちらが勝とうがダーウィニストには関係ないこ
とだというようなことを。さらに、どちらかと言えば木村の主張に見方するみたいなことを書
いていました。

>中立な変異が、中立であるが故に淘汰されずに変化しつつ保存され、
>新たな進化のきっかけになることはあり得ると思います。

木村は、微弱有害突然変異がほぼ中立ということで保存され、それが新たな進化の種になるん
じゃないかというようなことを書いていたと記憶しています(中立突然変異ではいけない理由
は、例えば同義置換のことを想定したら分かると思います)。
ただし、これは分子レベルの話で、表現型レベルではどうなのか、、、

ミトコンドリアの共生説における必須栄養素のことですが、中立か適応的かというのは難しい
問題です。PDX.さんが書かれているようにどちらともとれる。
中立のように見えるが、実は隠れた(人がまだ見つけていないということ)有利さというのが
ある可能性もあるし、さらにその有利さを実験や観察で確かめることはさらに難しいと思いま
す。
トリバースが書いていることですが恩師の言葉。
「君たちの研究している動物が、それを研究している人たちと同じように愚かだなんて考えちゃ
いけないよ」
一見、無駄(中立、生存や繁殖に有利でも不利でもない)とか有害(非適応的、生存や繁殖に
とって不利)な形質にみえても、実はそれを研究している人たちの方が愚かで、有利さを見つ
けていないだけかもしれない。

しかし、じゃ本当に有利だから進化したのかというのも、それを実際に確かめるのは非常に困
難です。それが自然界で確かめられた正の淘汰の実例が少ないことの理由の一つじゃないでし
ょうか(ここを創造論者がついてくる)。


メリットがある以上、、、>PepperMystさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月28日(木)11時43分53秒

>適応度が0、すなわち中立という事は同種の他個体と適応度が同じということなのだから、
>他の個体にないか、数が多い器官については、メリットとコストが等しいということです。
>メリットがある以上、「器官は生存に役立っている」といえます。

ほんと、全部が頓珍漢なんで、どう直したらいいのかさえ分からない。
自然選択説の初歩の初歩から説明しないといけないのか、、、

適応度が0ということの意味はどういうことか、成書を読んでみたらと言いたい。
たぶん、淘汰係数と混同しているんでしょうけど。

メリットがある以上、「器管は生存に役立っている」と言える!?
なんとまぁ、あきれてものも言えない。
メリットとかコストの定義を知らないからというのもあるでしょうが、、、

>そもそも、進化し得るということと進化したという事は全く別のことです。

どういうこっちゃこれは。
まぁ、苦しい言い訳になるのは分かりますが、もうちっと意味のあることを言って欲しい。


おお、NATROMさんもそうなんですか?>クリスさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月28日(木)11時42分46秒

>これは間違いです。へちさん、PepperMystさん、NATROMさん、舞さんほか殆どの参加者が
>「非適応的な形質でも進化しえる」と発言していますが、「木村の中立説成立以降変わった」と言ったのは私(クリ
>ス)だけであり他の方はその点については意見を保留しています。

そうですか、それはそれは失礼しました。

舞さんもそうだというのは当然としても、NATROMさんも、自然選択で「非適応的な形質でも進
化しえる」と発言されていましたか。
私の記憶にないのですが、NATROMさん、本当ですか?

>自然選択説は生存に役立たない形質の進化を否定するものではない、

否定するものではない、、、おお、二重否定の構文。
なつかしい、笑ってしまうなぁ。

「進化を否定するものではない」の意味ですが、否定を「ない」とさらに否定しているんです
から「肯定する」ということになりますね。つまり「進化を肯定する」ということなる。
「自然選択説は生存に役立たない形質の進化を肯定する」と。
それなら、私が言っているのと同じになってしまいますが。

それとも違うんでしょうか?
「越さぬ程度でないと」という構文を正反対の意味にとったお方ですし、確かめさせて下さい。
同じじゃないとしたら、どこがどう違うのか、日本語に詳しいらしいクリスさんの解釈をお聞
かせ下さい。

>「確率浮動で」進化する(場合がある)ということ。

確率浮動?

初めて聞きました、そんな用語。
木村の言う「遺伝子頻度の偶然的浮動」のことですか?

自分の言っていることさえ意味を理解していないのじゃないかしら。

それとね、あなたは以前、こう書いているんですよ。
>投稿者:クリス  投稿日: 7月25日(火)12時37分41秒
>1、中立説が形質の進化についても成り立つと考えていること。
>2、中立説では非適応的な突然変異も固定されるとしていると考えていること。
>3、中立説成立以降は、自然選択説では非適応的な形質も広がり固定されることがあると変わったと考えていること。
>これは全て上に紹介した「進化論」に書いてあります。

3を声をあげて読みなさいよ。
「自然選択説では」ときちんと明示している。
それをあなたは、「全て上に紹介した「進化論」に書いてあります」と大見得を切っているん
ですよ、何をいまさら、「「自然選択で」進化するのではなく」などと言えるもんだ。


追加 投稿者:クリス  投稿日: 9月28日(木)03時55分03秒

>生存に役立たなくとも自然選択で進化するんだそうですから、

「自然淘汰から見て中立、適応度が中立」というのを「生存に役立たない」と理解してたのかあ。。。
それは違うでしょ。
すごく優秀で効率的な形質から見れば劣っている(=非適応的な)形質でも「生存に役立たない」とは限らないでしょう(役立たない場合もあるでしょうが)。


あう(笑) 投稿者:PDX.  投稿日: 9月28日(木)00時54分05秒

>「立的な変異について」

だなんてなってるし(笑)

// 単なる Cut&Paste の失敗です(^_^;


補足(^_^; 投稿者:PDX.  投稿日: 9月28日(木)00時52分04秒

 えっと、自己フォローです(^_^;

 先に書き込んだ「立的な変異について」ですが、
 
> 中立な変異が、中立であるが故に淘汰されずに変化しつつ保存され、
>新たな進化のきっかけになることはあり得ると思います。

までの部分と、

> ここしばらくこの掲示板で繰り返されてきたミトコンドリアの

からの部分は話が繋がっていません(笑)

 書いていてふと思いついたから後で書き足したんです。
 このあたりご了承くださいませm(__)m


中立的な変異について 投稿者:PDX.  投稿日: 9月28日(木)00時42分52秒

> このBBSの進化論者の中には、適応的な形質が進化するというの
>は同じですが、木村の中立説成立以降、自然選択説は中立的な形質
>や非適応的な形質でも進化しえるということに変わったと主張して
>いる人がいます。

 う〜ん、なんか上の文だと、「進化」という言葉に「向上」「進歩」
という概念が含まれているみたいに思えてしまいますね。
 進化というのは『変化を伴う由来』という表現に要約されるように、
そこに何らの向上が認められなくても、先祖から伝えられた、なおかつ
変化してきた(変化しつつある)ものであれば進化と言えてしまうわけ
ですので。

 生存に対して特に有利でも不利でもない変異は、それ単体では特に増
えもせず、減りもしないでしょうけど、その変異以外の形質に引き摺ら
れて増えたり減ったりするのではないでしょうか?
 例えば、たまたま有利な形質と同じ染色体に乗ってしまったがために
拡がることができたとか。(当然逆もあり得ます)
 そして、周囲の環境が変化したとき、それまで中立的な形質だったの
が有利(不利)な形質になったのだとか。

 なお、中立な変異というのは、『自然選択に対して中立』ということ
でしょうから、中立な変異が自然選択にかかること自体が、なんだか変
な言い方ですよね(^_^;
 中立な変異が、中立であるが故に淘汰されずに変化しつつ保存され、
新たな進化のきっかけになることはあり得ると思います。

 ここしばらくこの掲示板で繰り返されてきたミトコンドリアの
共生進化ですが、共生することにより必須栄養素を自分で生産で
きなくなるという進化は、単体で生きるバクテリアにとっては中
立どころか生存に不利な進化ですが、共生したが故に栄養素の供
給が確保できたため中立なものとなり、そのような変化も許容さ
れたと言えるかもしれませんね。
 必須栄養素の供給が確保されたことで、自力で作る必要がなく
なったので無駄な遺伝子を減らし、自身の分裂(複製)の効率を
高める、(共生細胞内部という限定された環境での)生存性を高
める変異だ、という解釈も成り立ちますが。


集団遺伝学講座>JA50さん 投稿者:wadja  投稿日: 9月27日(水)23時45分38秒

多分NATROMさんが依然紹介されたのではなかったかと思いますが、

http://www.primate.gr.jp/yasuda/index.html

にある集団遺伝学講座第30回では、「突然変異遺伝子の固定するまでの時間(世代)」という表記が何度も使用されています。数式の内容は難しすぎてさっぱり解りませんが、時間=世代として言葉が使用されているらしい事実のみから類推するに、「年数=世代×世代の平均年数」なんですかね?とりあえず報告させて頂きます。

お時間ありがとうございました。
それでは、

#いやはや、やっぱ統計学は難しい。


Re:適者生存>PepperMystさん、tomiさん 投稿者:PepperMyst  投稿日: 9月27日(水)23時43分41秒

JA50さん>
> 私からすれば当然そうなんだけど、PepperMystさんはいつからそうなったんですか?
昔から。
> 前は確か、何の役にも立たなくても、さらには驚いたことに非適応的であっても進化しえると
> していたのじゃなかったですか(それとも私の記憶違いかな、過去ログを見てみましょうか?)。
そう言う解釈してたのか、道理で話しがかみ合わないはずだ。
適応度が0、すなわち中立という事は同種の他個体と適応度が同じということなのだから、
他の個体にないか、数が多い器官については、メリットとコストが等しいということです。
メリットがある以上、「器官は生存に役立っている」といえます。

そもそも、進化し得るということと進化したという事は全く別のことです。


Re:適者生存>JA50さん 投稿者:クリス  投稿日: 9月27日(水)23時18分37秒

>木村の中立説成立以降、自然選択説は中立的な形質や非適応的な形質でも進化しえるということに変わったと主張している人がいます。実名を上げればクリスさん、へちさん、PepperMystさんです。

これは間違いです。へちさん、PepperMystさん、NATROMさん、舞さんほか殆どの参加者が
「非適応的な形質でも進化しえる」と発言していますが、「木村の中立説成立以降変わった」と言ったのは私(クリス)だけであり他の方はその点については意見を保留しています。

>生存に役立たなくとも自然選択で進化するんだそうですから、

これも違います。自然選択説は生存に役立たない形質の進化を否定するものではない、ということをこう表現するのは間違いです。「自然選択で」進化するのではなく「確率浮動で」進化する(場合がある)ということ。
自分が理解できていない概念を他人に通訳しようなどと無謀なことを試みないように。

>これは非適応的じゃないか、それなのになぜ進化したのか、こんな器管がいったい何の役に立つんだ、そういう適応力の低い種がなぜ生き残っているのだとか指摘しても、彼らには反論になりません。

「偶然に、幸運にも」生き残ったんですよ。神の意志も淘汰圧もそれを消し去ることはできなかったんでしょう。


Re:適者生存>PepperMystさん、tomiさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月27日(水)17時55分20秒

>PepperMystさん

>むしろ進化のどの段階においても生存に役立つ器官であり、時にはその数や役割が変わることがあるとされています。

私からすれば当然そうなんだけど、PepperMystさんはいつからそうなったんですか?
前は確か、何の役にも立たなくても、さらには驚いたことに非適応的であっても進化しえると
していたのじゃなかったですか(それとも私の記憶違いかな、過去ログを見てみましょうか?)。

もし転向されたのなら、クリスさんは未だに、中立説成立以降の自然選択説では「非適応的な
形質も広がり固定されることがある」としているようですから、ちょっと意見していただけま
せんかね?

しかし、ほんと笑ってしまうよ、都合のいいことだ。

>tomiさん

このBBSの進化論者の中には、適応的な形質が進化するというのは同じですが、木村の中立説成
立以降、自然選択説は中立的な形質や非適応的な形質でも進化しえるということに変わったと
主張している人がいます。実名を上げればクリスさん、へちさん、PepperMystさんです。その
他の方はどうなのか分かりません。
自然選択説を持ち出す場合には、その人が自然選択説についてどう考えているのか、予めきち
んと確かめておいた方がいいと思います。

生存に役立たなくとも自然選択で進化するんだそうですから、いくらこれは非適応的じゃない
か、それなのになぜ進化したのか、こんな器管がいったい何の役に立つんだ、そういう適応力
の低い種がなぜ生き残っているのだとか指摘しても、彼らには反論になりません。


Re:ガンマ分布>wadjaさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月27日(水)16時54分04秒

ガンマ分布なんて私も知りません。
またその数式もとても私に理解できるようなしろものじゃありません。
あのレスは、ただその結論をまとめただけにしか過ぎません。

>へちさんの教えてくれた、種に関わらず生殖細胞の分裂速度が一定だと言う説は、進化速度が種に関わらず時間辺り一定だという説を支持しますね。

へちさんの言われていることが事実なら、答えは簡単で、その通りでしょう。
木村が頭を悩ます必要は全くない(しかし悩ましているんです)。

>理解はできていないのですが、分子時計もそのような前提に立った仮説ではないでしょうか。

たぶん違うと思います。


ほんとですか?>へちさん 投稿者:JA50  投稿日: 9月27日(水)16時53分29秒

>進化速度が年当たり一定に見えるのは、生殖細胞の年当たりの分裂回数が種によらず一定だからだ、と言う説は確かに存在します。

ホントですか、始めて聞きました。
どなたがその説を主張されているのでしょうか、その文献を紹介していただけますか?
(あ、できれば何頁にこうあるというような仕方でやっていただけるとありがたい)


ご意見、ご要望がございましたら、掲示板か、e-mail:natrom@yahoo.co.jpへどうぞ。


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