千島学説(腸内造血説)に関するFAQ

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はじめに

千島学説とは、千島喜久男博士が提唱した、現代医学とは相容れないユニークな学説です。たとえば、一般的にはヒトの血液に含まれる細胞成分(血球)は骨髄で細胞分裂によってできると考えられますが、千島学説では細胞分裂によらず腸で食べ物から作られると考えます。また、ウイルスや細菌による伝染病は人や動物などから感染する考えるのが普通ですが、千島学説では「細菌・ウイルスは一定条件下で自然発生する」と考えます。普通の医師や学者は、千島学説をトンデモ、インチキ、疑似科学であると考えていますが、みなさんの中には「もしかしたら千島学説のほうが正しいんじゃないかな」と思う人もいるかもしれません。そういう人のためにFAQ(よく尋ねられる質問)をつくりました。もし、このFAQであなたの疑問が解決しなければ、掲示板かメール(natrom@yahoo.co.jp)で質問してくださってもかまいません。現代医学には限界があります。癌や白血病をすべて治すことはできません。もしかしたらと思って千島学説を信じたくなることもあるでしょう。しかし、現代医学と千島学説の両方のことをよく知ってから判断しても遅くはありません。


Q.骨髄からしか血が出来ないとしたら、どうして手足の無い人は、貧血にならないのですか?

A.手足の骨だけではなく、全身の骨で血が作られるからです。骨髄移植のとき、ドナーは骨盤の骨から骨髄液を取ります。


Q.骨髄造血がなされるのは、飢餓状態や大量出血のときだけと聞きましたが?

A.骨髄穿刺といって、骨髄に針を刺して骨髄液をとる検査があります。正常な成人の骨髄液を顕微鏡でみると、たくさんの造血細胞が観察できます。


Q.健康な人の骨髄は脂肪化した白色骨髄となって造血機能を持たないと聞きました。

A.場所によって造血細胞がたくさんいるところと、そうでないところがあります。貧血の原因を調べるために骨髄を調べますが、もしどこの骨髄にも造血機能がないのなら、造血機能が障害されている病気と診断されます。


Q.千島博士や森下博士は、腸で造血しているところを実際に観察したのではないですか?

A.千島博士や森下博士の撮った写真は、単に腸に赤血球があるようにしか見えません。見間違えたのだろうと思います。毎日のように多くの医師、検査技師が腸の組織を顕微鏡で見ていますが、腸内造血を見た人はいません。当時よりも顕微鏡の性能が上がっているはずなのに、不思議ですよね。


Q.現代医学が正しいのなら、癌が増え続けていることが説明できないのでは?

A.癌が増えているのは、医学が進歩して、癌以外の病気では死ににくくなったからです。寿命は昔と比べてとても延びました。癌は高齢者がかかりやすい病気なので、お年寄りが増えると癌も増えます。同じ年齢で比べてみますと、必ずしも癌は増えていませんし癌で死ぬ人はむしろ減りました。


Q.骨髄造血説が正しいのなら、骨髄移植で白血病が治らないのはなぜ?

A.昔と比べて医療が進歩して、白血病も治るようになってきました。病気の進行度や性質は患者さんそれぞれで違うので、全員が治るというわけにはいきません。しかし、骨髄移植をした人としなかった人とを比べたら、した人のほうがよく治ります。


Q.千島学説で癌が治った人もいる

A.千島学説に限らず、さまざまな代替療法で癌が治ったと主張されます。しかし、何人に対して治療して、そのうち何人治ったのか、というデータはあまり聞いたことがありません。もしかしたら、100人が試してたった1人が治ったのかもしれませんよ。


Q.1人でも癌が治った人がいるならすごいのでは?

A.本当にその人が癌で、千島学説以外の治療を行なわずに治ったとしたらすごいです。医師はこうした珍しい症例を見ると症例報告として発表します。診断の根拠、検査のデータ、経過などを客観的に示し、他の患者さんの役に立つようにです。でも、私が知る限り、千島学説で癌が治ったという症例報告はありません。


Q.でも、癌が治ったのでしょう?

A.よくあるのが、現代医学と併用されていたケースです。現代医学による治療のおかげで治ったのに、併用していた千島学説による治療が効いたと誤認したのかもしれません。あるいは、本当は癌ではなかった可能性もあります。「癌の可能性もあります」と医師が説明したのに、患者さんが気が動転して「私は癌だ」と勘違いしたとしたらどうでしょうか。もともと癌ではなかったのだから病状は悪くならず、千島学説による治療が効いたと誤認してしまいます。こういうことがあるので、より正確な経過が分かり客観的に評価できる症例報告が信用されるのです。


Q.骨を持たないおたまじゃくしはなぜ血球を持つのですか?

A.造血の場は種によって違います。おたまじゃくしのころは肝臓で、カエルになったら骨髄で造血します。「おたまじゃくしは骨髄で造血していないから、人間も骨髄で造血していない」とは言えません。


Q.末梢血や臍帯血に造血幹細胞が存在することは、骨髄造血説が間違っている証拠ではないですか?

A.現代医学では「ヒトの出生後の正常造血の場は骨髄である」と言っていますが、「骨髄以外にはまったく造血幹細胞は存在しない」とは言っていません。骨髄から漏れ出てくる少量の造血幹細胞が存在しても不思議ではありません。そもそも、造血幹細胞は分裂・増殖してさまざまな血球に分化していく細胞のことですから、「赤血球は細胞分裂によってできるのではなく、小腸の絨毛で新生される」とする千島学説と矛盾します。


Q.千島学説の追試をしないのに、千島学説を否定するのは良くないのでは?

A.追試をするもなにも、きちんとした論文の形で千島学説は発表されていません。また、日常的な検査・実験で千島学説は否定されています。


Q.酒向猛先生が千島学説を追試する論文を書いたのではないですか?

A.酒向先生が書いた論文(日本癌治療学会誌22巻6号 Page1217-1224,1987)を読みましたが、千島学説を追試する内容ではありませんでした。「癌細胞に赤血球の成分を与えると細胞増殖促進作用を示した」という内容です。千島学説を追試するどころか、千島学説が否定する「癌細胞は分裂・増殖する」という学説に基づいています。千島学説は「赤血球が癌細胞に変化する」という説なのですから、癌細胞なしに、赤血球のみから癌細胞が発生することを実験で示すべきです。


Q.日常的な検査・実験で千島学説は否定されているというのは、どういう意味でしょうか?

A.酒向論文などがそうですが、実験的に癌細胞を培養して増やすことができます。赤血球など使わなくても分裂してどんどん増えます。癌細胞を使った実験はほとんどすべて、「癌細胞は分裂して増える」ことを証明するもので、千島学説による「癌細胞は赤血球から新生される」ことを否定しています。


Q.他にも千島学説を否定する検査・実験はありますか?

A.放射性同位体を使った鉄動態の検査はどうでしょうか。造血機能を見る検査です。造血機能が正常だと、鉄を静脈注射するとまず骨髄に集まり、赤血球にとりこまれ末梢へと移動します。骨髄でヘモグロビンの合成、つまり赤血球の造血がなされている証拠になります。


Q.他にもありますか?

A.骨髄移植を行なうとドナーの血液型に変わります。もし腸で造血されているのなら、骨髄を移植して血液型が変わるのはおかしくないですか?腸を移植して血液型が変われば千島学説が正しいことになりますが、そのような事例は観察されたことがありません。腸を切除しても点滴で十分な栄養を入れれば貧血になりませんが、放射線や抗癌剤で骨髄機能が障害されると貧血になります。


Q.細菌やウイルスは自然発生するのですか?

A.しません。ウイルスや細菌はそれぞれ固有の遺伝情報を持っていますが、もし自然発生するならばそうした遺伝情報がどこからともなく湧き出てくると考えざるを得ません。最近、薬害肝炎が話題になりましたが、輸血や薬に肝炎ウイルスがいるから肝炎になるのです。しかし、「細菌・ウイルスは一定条件下で自然発生する」千島学説では、「肝炎ウイルスがある程度侵入したとしてもそれほど問題にはならない」と考えます。





NATROMの日記でも、千島学説について書きました。
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2008/3/4