進化論と創造論についてのツリー式掲示板

ダーウィンの進化論、聖書による創造科学(科学的創造論)について、または科学と疑似科学について、なんでもご意見、ご感想、ご質問をどうぞ。進化論を否定するための主張も別に書き込みを禁止していません。


[1200] 科学的思考法について
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月26日 15時22分
悪霊をきるさん、レスどうもありがとうございます。

>ただ、科学的思考法も知識の一種であること(だからこそ教育の必要がある)は無視できませんし、「知識」と「科学的思考法」は正の相関があるのは間違いなさそうです。
>科学的思考法ばかりを偏重して「知識」の方が疎かになっても困りますし。

「知識」という言葉の定義にもよるのでしょうが、
私は「知識」と「技能」を分けて考えています。
格闘家や技の名前、あるいは技のコツや戦術を言葉として知っているのが「知識」、
実際に技が使いこなせて闘えるのが「技能」です。
「技能」は時間を掛けて訓練して初めて身に付くものです。
私は「科学的思考法」は「知識」ではなく「技能」であり、
訓練なしには身に付くものではないと考えています。
もちろん、基礎的な「知識」なしでは「技能」の使いようがありませんから
知識教育が重要だと言う点に異存はありません。

「皆が皆、高等教育を受ける能力がある」という主張をするつもりはありませんが、
地球科学と「創造科学」の洪水地質学のどちらが科学的かについて
理解・判断できない人が大部分であるならば、
疑似科学批判も「権威主義的」方法によらなければならなくなるという危惧を持ちます。
本格的な「科学的思考法」は理系の大学院でやらないと無理かもしれませんが
初歩の手ほどきくらいなら、中学高校でも可能なのではないでしょうか。

[1201] Re: 科学的思考法について(1)
投稿者  : DrTM

投稿日時: 2000年8月26日 17時03分
安賀須若人さん、悪霊をきるさん、こんにちは。DrTMです。

(1)「判断を専門家にだけ委ねるべきでない」について
安賀須さんが例として挙げられたように専門家の判断が正しいとは限りません。そしてその
分野の専門家でない一般市民にも判断に関与させる必要があるとのご意見に賛成です。し
かし、その理由は私の場合、民主主義の精神によるものであって科学的事項とは異なります
。この違いが起こった要因は次の安賀須さんの文がよく示していると思います。

>実験や調査自体を専門家でない人物が行うことは困難ですが、
>結果を判断するのであれば、健全な科学的判断ができると思います。

私の感覚(物理系)ではある程度訓練をすれば一般市民でも実験や調査自体を行える可能性
はあるが、結果を判断するのはその分野の科学者でないととても無理だと思うのですが・。
実験上、遭遇する問題はそれを判断、対策を立てるブレイン(=専門家)がいるとなんとか
なるケースはあるかもしれません。ただし、理論の場合だと簡単な調査的な計算でも一般市
民にはまず無理で、さらに結果の判断はとても無理だと思います。

現代物理は理解するのに敷居が非常に高くなってきているということがあるかもしれません
。しかし、生物も本当に学校教育で最近の生物学をある程度理解し判断ができるところまで
到達できるでしょうか?私は悪霊をきるさんのご指摘のように、現在の学校教育はそれどこ
ろではないのではないかと思うのです。

続きます。

[1202] Re: 科学的思考法について(2)
投稿者  : DrTM

投稿日時: 2000年8月26日 17時05分
続きです。

(2)「論理性を教育では重視すべき」について
安賀須さん、悪霊をきるさん共に「知識」と「論理性」のどちらも重要であるとのご意見で
私も賛成です。ただ「論理性」の教育がどれだけ可能かと言う点に関しては私は厳しいと思
います(悪霊をきるさんも同じ意見かも)。「論理性」の教育は指導者の力量が問われ、「
知識」の教育より難しい課題です。しかし現在の学校教育は「分数のできない大学生」に象
徴されるように「簡単な知識」さえ危なくなってきています。

そうなると安賀須さんの仰る、
>疑似科学批判も「権威主義的」方法によらなければならなくなるという危惧を持ちます。

という問題が生じます。私は既に「権威主義的」方法に頼っている面は存在するのではない
かと思います。つまり、専門家でも自分の専門外の事項になると時間的制約、能力的制約に
より全てを理解して判断するわけには行きません。そのような場合にこれは正しそうかどう
かを判断するのにとりあえずは権威主義的方法にある程度頼っているのではないでしょうか


ただ、あくまでも権威主義的方法はtemporaryに採用する方法であって本来は内容を理解し
て判断することが正しい方法であるという認識を持つのが重要ではないでしょうか?

私が非常に危機感を持つのは文系の一部の学生、あるいは大学教官でさえ、科学は本来は内
容を理解して判断すべきという認識がない人が存在するように感じられることです。確か安
賀須さんが以前書かれておられた「生物は科学ではないという哲学関係の人がいた」という
出来事と関連していると思います。

またまた続きます。

[1203] Re: 科学的思考法について(3)
投稿者  : DrTM

投稿日時: 2000年8月26日 17時06分
またまた続きです。

(3)「悪平等」について
この話題は公的空間ではどうも慎重になってしまうのですが・・・。私も現在の教育は「悪
平等」であると思います。個性重視といいつつ、何故全員が全ての科目において同じ進度な
のでしょうか?結局「平均より上の生徒」と「平均より下の生徒」は切り捨てられています
。そのために基本的知識さえ身につかない生徒が増え、また逆にその科目で優秀な生徒を個
性として十分に認めないために科学離れの一因になっているのでははないかと思います(も
ちろん科学離れの要因は複雑であることは承知です)。

長々と書いてしまったのでテーマが散逸しがちですが、とりあえず「学校教育で科学的判断
ができるかとうか」がこの議論で最も重要であるように思うのですがいかがでしょうか?

申し訳ないことに私は現在激忙しいのでなかなかレスできないこともあるかと思いますが、
お許しください。

[1204] Re: 市民のための科学教育(3)市民と科学的判断
投稿者  : 舞

投稿日時: 2000年8月27日 13時48分
ほう、このようなツリーができていたのですね。
安賀須さんのご意見には「総論賛成」ですが、現実的に可能なレベル
なのでしょうか。
例えば、「遺伝子治療で用いられたVectorによる副作用で死亡例
が出た」という論文が出たとしましょうか。この「事実?」を正確に
吟味するためには究極的にはその学術論文を読んで理解し、さらには
そこに提示されている観察結果や実験結果が信じるに足るものであるか
の検証(追試という意味ではなくて)まで自分で行わねばなりません。
単に「論文が読める(字面の上だけでなく)」ということのためにすら、
極めて膨大な知識と経験が必要になってきます。

市民レベルで「判断を下す」というシチュエーションに至る前の段階
に、既に「その道の専門家」による「やさしく噛み砕いた説明」という
フィルターがどうしても必要になってしまうように思われます。それで
は現行のシステム以上のものではないですよね。

ちなみに、
「遺伝子治療で用いられたVectorによる副作用で死亡例が出た」
…この表現にもバイアスが入っています。

[1205] 市民と専門家
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月27日 15時23分
DrTMさん、レスどうもありがとうございます。

(1)「判断を専門家にだけ委ねるべきでない」について
少々誤解を招いたようですが、私の場合も理由は民主主義の精神によるものです。
確かに仰るとおり、一般市民どころか知識人・教養人と呼ばれる人であっても
実験や調査の結果(データそのもの)から結論を導くことは無理だと思います。
また、能力の問題ではなく労力の問題ですが、
大規模な地質調査や疫学的な調査は専門家にやってもらわないと
研究を職業としていない一般市民が行うのはちょっと無理でしょう。
私が言いたかったことは、
あるデータから導かれる判断あるいは説明が複数存在したときに、
どれがもっとも合理的かを判断するということであれば
それほど専門家でなくてもある程度できるだろうということです。

(続きます)

[1206] 市民と専門家(続き)
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月27日 15時28分
一般市民の側に科学的思考力が必要とされている点について補足します。
社会的に争点になるような問題の専門家は、
一つの学問母体から選べばよいと言うわけにはいきません。
遺伝子組み換え作物の問題であれば、
分子生物学者、生態学者、(純粋科学ではないですが)食品学者といったところでしょうか。
それぞれ背景とする学問母体が異なるために、
まず関連する他分野の専門家の意見を理解できないとお互いに話すらできません。
(例えば分子生物学者は食品加工中に起きる化学反応に詳しいわけではありません)
意見が収束するときは良いのですが、意見が割れたときには
どの専門家の意見を採用するべきかを誰かが判断する必要があります。
例えば消費者運動家の人達がこの判断に合理的にコミットしようと考えたら
その人達はできる限り科学的に判断するしかありません。

#政治的には情緒的に反対というのもありでしょうが、市民の利益になりません。

また、もう一つ心配なのは一般市民の側に科学的判断力がないと
「学識経験者からなる専門委員会」の結論を上意下達的に伝えるだけの説明会を開催して
責任所在を曖昧にして政策判断を行いがちな行政のいいなりになってしまうことです。
原子力問題では高木仁三郎さんのような市民派の科学者もいましたが、
すべての問題について彼のような市民派の科学者がいるだろうと期待はできません。
市民自らが科学的知識と思考になじむように心がける必要があると思います。

ですから、専門家と同じ水準でなくても(というかそれは無理です)
市民が政策決定の過程にコミットしようと思ったら、
ある程度の科学的知識と判断力が必要になると思うのです。

[1207] 理想と現実のギャップ
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月27日 15時42分
舞さんこんにちは、

>ほう、このようなツリーができていたのですね。

ええ、もう一つの掲示板の方だと、何か書いても大量書き込みに流されてしまうので、、、

>安賀須さんのご意見には「総論賛成」ですが、現実的に可能なレベル
>なのでしょうか。

いやぁ、少なくとも現時点では現実的には難しいですね。
ただ、このままだともっと事態は悪化しそうですし、
せめて一般市民の方に科学教育の必要性について理解してもらいたいし、
理解してもらうための方策にもっと力を注がないとまずいのではないか、
そういう問題意識で書き込みしました。
大学の教科書一つとっても、日本は翻訳に頼っている状況なので
啓蒙活動というかそういう方面の努力に
もっと予算と人をつぎ込んでもらいたいと思います。

それと、啓蒙書を山盛り読んで、雑学的知識が豊富でも、
科学的思考と縁遠い人は珍しくないようなので(笑)、
教育の中での科学的思考法の必要性を訴えたっかたと言うのもあります。

[1208] 権威主義的方法
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月27日 16時11分
権威主義的方法での説得は問題がありすぎると思います。
DrTMさんは確か、CSICOPのメンバーであったと記憶していますから、
記憶や情報の不確かさについては詳しいと思うので、釈迦に説法かもしれませんが
人間にはもともとの情報の送り手の信憑性が高かろうが低かろうが、
時間が経てばその情報の内容を受け入れるようになってくるという心理的傾向があります。
これで怖いのはウソも繰り返し繰り返し垂れ流されていると
受け入れる人が多くなってしまい、一旦そういう情報を受け入れると、
今度は少々のことでは反対方向の情報を受け付けなくなり、
(UFO信者なんか、そういうことないでしょうか?)
権威主義的な方法ではなかなか考えを改めてくれないということがあります。
しかも、一般市民の間では「科学」の権威が下がってきていて
(科学を装う疑似科学よりもオカルトの方が蔓延しているのではないかという気もします)
権威主義的方法では声がとどかないのではないか、という危惧を持っています。
少なくとも「創造科学」はかなり組織化されていて、
進化論のあら探しや屁理屈が巧みでそれなりに博識な反進化論の「専門家」がいるので
事情に詳しくないと同程度の権威でしかないと見なされかねないと思います。

>私が非常に危機感を持つのは文系の一部の学生、あるいは大学教官でさえ、科学は本来は内
>容を理解して判断すべきという認識がない人が存在するように感じられることです。確か安
>賀須さんが以前書かれておられた「生物は科学ではないという哲学関係の人がいた」という
>出来事と関連していると思います。

随分前の書き込みを覚えていて下さって感謝しています。
相変わらず事態は改善してないようで、非常に問題だと思います。

[1209] 科学教育は可能か
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月27日 16時18分
>長々と書いてしまったのでテーマが散逸しがちですが、とりあえず「学校教育で科学的判断
>ができるかとうか」がこの議論で最も重要であるように思うのですがいかがでしょうか?

賛成です。
少しだけ私の意見の補足をすると
一般市民(=非研究者)といってもメーカーの開発・設計スタッフや工場の検査技師、
あるいは開業医、理科の高校教師といったある程度の理系の専門的知識を持った人もいれば
法律家のような高度の訓練を納めた人文系分野の専門家もいます。
市民の専門家からの距離は多様で、連続的なスペクトルをなしているものです。
全市民に科学的思考法を身につけさせるのは難しくても
今よりも多くの人に科学的思考法を身につけてもらうべく教育することは可能と思います。

>申し訳ないことに私は現在激忙しいのでなかなかレスできないこともあるかと思いますが、
>お許しください。

いえいえ、これからは私も忙しくなるのでレスが遅れがちになると思いますので
こちらこそ、よろしくお願いします。

[1210] Re: 若い地球(お礼)
投稿者  : クハ72

HP    : http://www.interq.or.jp/hokkaido/kuha-72/

投稿日時: 2000年8月27日 18時35分
みなさんありがとうございました。今後の参考にしたいと思います。

[1211] 生命科学は最悪の事態へ?
投稿者  : 舞

投稿日時: 2000年8月28日 01時26分
>いやぁ、少なくとも現時点では現実的には難しいですね。
>ただ、このままだともっと事態は悪化しそうですし、
>せめて一般市民の方に科学教育の必要性について理解してもらいたいし、
>理解してもらうための方策にもっと力を注がないとまずいのではないか、
>そういう問題意識で書き込みしました。

そうですねぇ。日本ではライフサイエンスの知識は一昔前では
考えられないぐらい普及してきたと思うんですがね。TVでもタレ
ントたちが科学クイズ番組やっているじゃないですか。ただ、
問題は生命科学そのものがそれを「はるかに」上回るスピードで
進み始めていることなんですね。特に企業が金任せで進めている
ものには括目すべきものがあります。なんというか、生命科学に
までビッグサイエンスの要素が持ち込まれて来たというか。
ちょっと前にNHKの番組で、胚操作などの生命操作が実用レベルに
達しつつあって、いまや米国では金儲けのネタになりつつあると
かやってました。さらに怖いのは、団体さんがその手の科学者を
せっせと招聘しているという…

#日本では法律で罰までつけて禁止するとか? 愚かなり。日本
#以外の場所でどんどこ進められちゃうだけじゃないですか。
#市民が科学に参加することも必要でしょうが、科学者がもっと
#ちゃんと「社会参加(or 政治参加)」することの方が先かもし
#れません。

>それと、啓蒙書を山盛り読んで、雑学的知識が豊富でも、
>科学的思考と縁遠い人は珍しくないようなので(笑)、
>教育の中での科学的思考法の必要性を訴えたっかたと言うのもあります。

おお、こりゃまた、なんとタイムリィな(笑)

[1212] RE: 科学教育は可能か
投稿者  : T8848

投稿日時: 2000年8月28日 01時46分
安賀須若人さん、DrTMさん、こんばんは。

>>長々と書いてしまったのでテーマが散逸しがちですが、とりあえず「学校教育で科学的判断
>>ができるかとうか」がこの議論で最も重要であるように思うのですがいかがでしょうか?
>
>賛成です。
>今よりも多くの人に科学的思考法を身につけてもらうべく教育することは可能と思います。

科学について言えば「なぜ」「どうして」「へー」「なるほど」「じゃあこれは?」ということが無ければ、ほんとにつまらないものになります。でもその「なぜ」を一つ説明しようとすると、そこからはもう限りない「なぜ」と「へー」の連続です。
「なぜ物が見えるの」という質問からでも、光の性質、目の構造、脳での認識などから、波、電磁波、素粒子、宇宙論、解剖学、進化論、生化学、分子生物学、認知心理学、科学史、技術史、更に絵画、映画…。きりがありません。
こう言う世界への道案内をすることが、科学教育では必要だと思います。

学校教育については、教科書をもっと充実させることから始めるべきでしょう。
これは科学に限りませんが、現在の教科書は学習指導要領で教えることになっていることだけしか載っていません。これでは平均以上の生徒には面白くないし、平均以下の生徒も逃げ場がありません。
授業がつまらなければ、たとえ断片的な知識にしかならなくても、自分で勝手にどんどん読んでいけるような教科書が必要だと思います。
囲み記事でもなんでも、より詳しいデータ、背景、論争史、参考文献などを載せておくべきでしょう。

まず理科離れへの対策。次に権威主義的かもしれませんが、教科書に書いてあればそれを基に判断するでしょうし。

[1213] RE: 宗教と科学教育について(2)
投稿者  : T8848

投稿日時: 2000年8月28日 01時46分
>その理由は、我々の未来についての政策判断に
>自然科学的説明を拒否する人達にも一緒になってコミットしていただきたいからです。

そればかりではなく、怪しげな健康器具だとかに対抗するためにも(いやぁ低級ですね)学んで欲しいですね。特に「一般信徒」には。

>ですから少なくとも宗教教義と対立しない多くの問題に関しては
>自然科学の思考法を学ぶために科学教育を受けるべきではないでしょうか。

まずはここからですね。

>教義との間に緊張関係があるような問題であっても、
>相手の言っていることをできる限り合理的であるように解釈するという
>コミュニケーションの基本を思い起こせば、
>自分と違う宗教を信じている人(違う前提に立った人)が
>何故そのような結論に到ったかについては考えられるはずです。

科学的なというとそれだけで反発する人もいますが、科学も含めた哲学的思考ということではどうでしょうか。哲学というと科学よりももっと拒否反応を示す人もいますが、論理的に思考するものとして見直しても良いと思います。誰がどう言った、ということではなくね。
それと文化人類学のようなことも学んで欲しいですね。宗教をこのように分析されるのは信者としては嫌われるでしょうが、他所の宗教についてなら反発も少ないでしょうし。

[1214] RE: 宗教と科学教育について(3)
投稿者  : T8848

投稿日時: 2000年8月28日 01時46分
>宗教教義と科学的説明のいずれかを選ぶにあたっては
>どちらも深く理解した上での個人の主体的な選択として行われるべきではないかと、

どちらかを選ぶ、という人もいると思いますが、どちらも受け入れる、というのもあるでしょう。
特にこういう↓方は。
>科学について充分に理解した上で、それでもなお宗教教義を選択された方については
>深い内面的葛藤を克服された上でのことでしょうから、

>逆説的ですが、
>信仰者の方に科学を充分に理解した上で主体的な選択をしていただくためにも
>質の高い科学教育を受けていただくことは役に立つと思います。

先に書きましたが、文化人類学や比較宗教学のようなことも学んで欲しいですね(科学はもちろん)。
例えば神学校ではキリスト教以外の宗教や哲学についても学びます。

ここで槍玉に挙げられている創造科学信者をはじめとしてもっと科学を学んで欲しい人々は、、科学のみならず他の宗教への、もっとはっきり言えば自分の宗教への、或いは人間への理解が−−理解しようとする姿勢が、非常に表面的であるようです(私からでさえそう見えるくらいに)。

[1215] Re: 生命科学は最悪の事態へ?
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月28日 18時49分
>そうですねぇ。日本ではライフサイエンスの知識は一昔前では
>考えられないぐらい普及してきたと思うんですがね。TVでもタレ
>ントたちが科学クイズ番組やっているじゃないですか。ただ、
>問題は生命科学そのものがそれを「はるかに」上回るスピードで
>進み始めていることなんですね。特に企業が金任せで進めている
>ものには括目すべきものがあります。なんというか、生命科学に
>までビッグサイエンスの要素が持ち込まれて来たというか。

本当に最近の生命科学の進歩は速すぎて目が回りそうです。
はっきり言って私なんかは時代から取り残されてしまったくちのようです。
教科書の版も変わるのが速すぎて、大学入学時に買った教科書は
教養課程が終わるころには買い直さないといけない感じですね。
例えばLewinの"Genes"なんか6版が1997年だったのに7版は去年ですからねぇ。
(今の状況だときっと8版は7版の翻訳がでるより先にでるんでしょうね。)
一方で世間ではかなり古めの学説の通俗的誤解が流布しているわけですから、
考えるとホントにクラクラしてきます。

>#日本では法律で罰までつけて禁止するとか? 愚かなり。日本
>#以外の場所でどんどこ進められちゃうだけじゃないですか。
>#市民が科学に参加することも必要でしょうが、科学者がもっと
>#ちゃんと「社会参加(or 政治参加)」することの方が先かもし
>#れません。

仰る通り、科学者の社会参加が必要なんだと思います。

[1216] 宗教と人文系学問
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月28日 19時00分
T8848さん、レスどうもありがとうございます。

>科学的なというとそれだけで反発する人もいますが、科学も含めた哲学的思考ということではどうでしょうか。哲学というと科学よりももっと拒否反応を示す人もいますが、論理的に思考するものとして見直しても良いと思います。誰がどう言った、ということではなくね。
>それと文化人類学のようなことも学んで欲しいですね。宗教をこのように分析されるのは信者としては嫌われるでしょうが、他所の宗教についてなら反発も少ないでしょうし。

文化人類学等については、私の知識はお寒いばかりです。
科学に限らず、まともな人文系の学問も学ばなければならないのは
(自分ができているかどうかは棚上げしておいて偉そうですが、、、、)
全く仰るとおりで、基本的に賛成です。

[1217] 宗教学校での教育について
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月28日 19時15分
>先に書きましたが、文化人類学や比較宗教学のようなことも学んで欲しいですね(科学はもちろん)。
>例えば神学校ではキリスト教以外の宗教や哲学についても学びます。

キリスト教原理主義系(根本主義というんでしょうか)の神学校(あるのでしょうか?)では
このあたりはどうなっているのでしょうか?
「創造科学」の信者にはカトリックへのあからさまな敵意を見かけることが多いのですが
他宗派のキリスト教について否定的な紹介しかされていないような気がするんですが、、、

[1218] 教科書
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年8月28日 19時27分
>学校教育については、教科書をもっと充実させることから始めるべきでしょう。
>これは科学に限りませんが、現在の教科書は学習指導要領で教えることになっていることだけしか載っていません。これでは平均以上の生徒には面白くないし、平均以下の生徒も逃げ場がありません。
>授業がつまらなければ、たとえ断片的な知識にしかならなくても、自分で勝手にどんどん読んでいけるような教科書が必要だと思います。
>囲み記事でもなんでも、より詳しいデータ、背景、論争史、参考文献などを載せておくべきでしょう。

まったく、その通りですね。
特に初等的な教科書・副読本を充実するようにすべきだと思います。
しかし、対象とする生徒を平均レベルに設定して授業しようとすると
「平均以上の生徒には面白くないし、平均以下の生徒も逃げ場がない」
という授業にもなりかねないので、
生徒を学習の進捗状況(習熟度)別に教える必要があるのかもしれません。
(これはこれで運用が難しそうですが、、、)



[1219] 教科書、習熟度別授業
投稿者  : T8848

投稿日時: 2000年8月29日 01時41分
>特に初等的な教科書・副読本を充実するようにすべきだと思います。

小中学校時代を思い返して、こんなんだったら良かったのに、というのを書いてみました。
教科書って本文よりも囲み記事が面白かったもので。本文でも授業と違うところばかり読んでいたり。

それはともかく、小中学校の教科書の記述は、ちょっと物知りになると「こう書いてあるけどホントは違うんだぜ」と言いたくなるようなものが多いのです。いや、間違ってるわけじゃないんだけど。
要はつまらなければ読まないし勉強しないということですね。

>しかし、対象とする生徒を平均レベルに設定して授業しようとすると
>「平均以上の生徒には面白くないし、平均以下の生徒も逃げ場がない」
>という授業にもなりかねないので、
>生徒を学習の進捗状況(習熟度)別に教える必要があるのかもしれません。
>(これはこれで運用が難しそうですが、、、)

難しいでしょうね。
平等か、公平か。
ますます教師の力量が問題になりそうです(その前に親が問題かな、いや組合か)。
1クラス20人くらいにすれば同じ教室でもできるかもしれませんね。少子化(を!)で教室は空いているし教師予備軍は余ってるし、できないことはないと思うんだけどな。
でもここに受験だのなんだのが絡んでくるとややこしいんだろうなぁ…。

[1220] RE: 宗教と人文系学問
投稿者  : T8848

投稿日時: 2000年8月29日 01時41分
>文化人類学等については、私の知識はお寒いばかりです。
>科学に限らず、まともな人文系の学問も学ばなければならないのは
>(自分ができているかどうかは棚上げしておいて偉そうですが、、、、)
>全く仰るとおりで、基本的に賛成です。

いや、えらそうに書いといて、私なんか科学も文化人類学も一般書を拾い読みしたぐらいですので。哲学なんてソフィーの世界くらい(^^ゞ

哲学を持ち出したのは、科学も元を正せば自然哲学だということで、哲学のうち実際の物・事を扱う部分が独立したものだと理解しているからです(誰が何を言ったかなんて全然知らない)。
論理的に考える、というところは今でも共通しているでしょうから、反科学の人でもそう言う意味での哲学からならどうかな、と。哲学的思考で議論ができれば反科学や偽科学や反宗教の接点もできるだろうと。

文化人類学(広い意味でね)は面白いですよ。いろいろ想像できて。
もっとも私も場合はちっとも身についていませんが。本を読んで、面白いと思って、それだけ。
でも相対的に見れるようにはなったかな。
未開だとか残酷だとか汚いとか不潔だとか野蛮だとか、不平等だとか不合理だとか、迷信だとか…。
神話や伝説、昔話でも、ただの子供だましの御伽噺じゃない(まして主を知らない野蛮人の迷妄ではない)ということくらいは納得できています(そうでなければそんな話があんなに面白いわけがない)。

[1221] 最悪の事態へいく可能性が高い化も
投稿者  : ヘルメス☆

投稿日時: 2000年9月1日 16時02分
>>そうですねぇ。日本ではライフサイエンスの知識は一昔前では
>>考えられないぐらい普及してきたと思うんですがね。TVでもタレ
>>ントたちが科学クイズ番組やっているじゃないですか。ただ、
>>問題は生命科学そのものがそれを「はるかに」上回るスピードで
>>進み始めていることなんですね。特に企業が金任せで進めている
>>ものには括目すべきものがあります。なんというか、生命科学に
>>までビッグサイエンスの要素が持ち込まれて来たというか。
>
>本当に最近の生命科学の進歩は速すぎて目が回りそうです。
>はっきり言って私なんかは時代から取り残されてしまったくちのようです。
>教科書の版も変わるのが速すぎて、大学入学時に買った教科書は
>教養課程が終わるころには買い直さないといけない感じですね。
>例えばLewinの"Genes"なんか6版が1997年だったのに7版は去年ですからねぇ。
>(今の状況だときっと8版は7版の翻訳がでるより先にでるんでしょうね。)
>一方で世間ではかなり古めの学説の通俗的誤解が流布しているわけですから、
>考えるとホントにクラクラしてきます。
>
>>#日本では法律で罰までつけて禁止するとか? 愚かなり。日本
>>#以外の場所でどんどこ進められちゃうだけじゃないですか。
>>#市民が科学に参加することも必要でしょうが、科学者がもっと
>>#ちゃんと「社会参加(or 政治参加)」することの方が先かもし
>>#れません。
>
>仰る通り、科学者の社会参加が必要なんだと思います。

[1222] 最悪の事態へ行く可能性が高いカモ〜(うにゅう、投稿失敗しちった・・・↑)
投稿者  : ヘルメス☆

投稿日時: 2000年9月1日 16時17分
復帰したばかりで、いきなり投稿をポカってしまった(恥)。

何でも、任意の遺伝子をクリティカルに操作する技術に目処が立ちそうで・・・
こうなるともうなんでもありの世界になりそうですね。

やっぱり、優生学的な考え方によるだろう人類の品種改良にまで発展すると思います。
(リー・シルヴァー教授の『複製されるヒト』より)
どうしても金を持っている人は、そうしたい人は多いだろうなぁ。
今の技術は目茶目茶進んでいて、リー・シルヴァー教授が予想していたよりも早くその日が来そうです。
それに、既に完成された(成長した)成体にさえ、遺伝子操作をする技術まで研究しているらしいので、もしかしたら自分達が生きている間に起こる出来事になってしまうカモ・・・

う〜ん、もしそうなったら実際にどう判断するだろう、自分・・・
イヤだと言う自信は・・・無いなぁ。

皆さんはどう考えます?
こう言った議論をするにも、やはり正しい知識と教育は必要でしょうね。
ちょっと左がかった教師の居る地域ではアヤシイですが。
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/seiron.html
の記事を読むと、まともな教育を受けられるかどうかも不安ですね。
これじゃ悪平等を助長するところが多そうだ。

[1223] やはり、個人の適性や能力に合わせたほうが・・・
投稿者  : ヘルメス☆

投稿日時: 2000年9月1日 16時30分
>難しいでしょうね。
これはめちゃめちゃ難しい問題ですね・・・

>平等か、公平か。
基本的に僕は、「個人の資質や能力に合わせたカリキュラムこそが真の平等であり、公平な教育だ」と考えています。
社会人だった頃、仕事をしていた時につくづくそう思ったものです。
現実に仕事が出来ない奴(才能が無いのか、能力が無いのかはともかくとして)は、結局のところ、仕事を完成させられないのだ、という事です。
(自分はシステム・エンジニアだったので、実際にプログラムや設計が必要でした)
そして、自分は仕事をもう前倒しにして完成させていても、仕事が無いまま残業をさせられましたね。
ただ机でぼ〜っとしている事を余儀なくされました。
これは各々の能力に対する極めて端的な「悪平等」でしょう。

>ますます教師の力量が問題になりそうです(その前に親が問題かな、いや組合か)。
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/seiron.html
に在るように、左がかった教師が多いと、極めて悪質な「悪平等」の教育しかしない地域も出てきそうですね。

>1クラス20人くらいにすれば同じ教室でもできるかもしれませんね。少子化(を!)で教室は空いているし教師予備軍は余ってるし、できないことはないと思うんだけどな。
>でもここに受験だのなんだのが絡んでくるとややこしいんだろうなぁ…。
はは、結局は理想は現実に対して妥協せざるを得ないのでしょうね。
(ニヒルじゃのう、自分・・・)

[1224] やはり、個人の適性や能力に合わせたほうが・・・
投稿者  : ヘルメス☆

投稿日時: 2000年9月1日 16時31分
>難しいでしょうね。
これはめちゃめちゃ難しい問題ですね・・・

>平等か、公平か。
基本的に僕は、「個人の資質や能力に合わせたカリキュラムこそが真の平等であり、公平な教育だ」と考えています。
社会人だった頃、仕事をしていた時につくづくそう思ったものです。
現実に仕事が出来ない奴(才能が無いのか、能力が無いのかはともかくとして)は、結局のところ、仕事を完成させられないのだ、という事です。
(自分はシステム・エンジニアだったので、実際にプログラムや設計が必要でした)
そして、自分は仕事をもう前倒しにして完成させていても、仕事が無いまま残業をさせられましたね。
ただ机でぼ〜っとしている事を余儀なくされました。
これは各々の能力に対する極めて端的な「悪平等」でしょう。

>ますます教師の力量が問題になりそうです(その前に親が問題かな、いや組合か)。
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/seiron.html
に在るように、左がかった教師が多いと、極めて悪質な「悪平等」の教育しかしない地域も出てきそうですね。

>1クラス20人くらいにすれば同じ教室でもできるかもしれませんね。少子化(を!)で教室は空いているし教師予備軍は余ってるし、できないことはないと思うんだけどな。
>でもここに受験だのなんだのが絡んでくるとややこしいんだろうなぁ…。
はは、結局は理想は現実に対して妥協せざるを得ないのでしょうね。
(ニヒルじゃのう、自分・・・)

[1225] Re: 最悪の事態へ行く可能性が高いカモ〜(うにゅう、投稿失敗しちった・・・↑)
投稿者  : hitou

投稿日時: 2000年9月1日 21時04分
>こう言った議論をするにも、やはり正しい知識と教育は必要でしょうね。
>ちょっと左がかった教師の居る地域ではアヤシイですが。

ところが,「自由主義史観」な人も史実より「神話」を重視したりするので,
そっちの方もやっぱりアヤシイわけです。私などは創造「科学」などと五十歩
百歩な感じがするのですが,さてさて。


[1226] 左がかった…
投稿者  : T8848

投稿日時: 2000年9月2日 01時23分
ヘルメス☆さん、こんばんは。

>http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/seiron.html
>に在るように、左がかった教師が多いと、極めて悪質な「悪平等」の教育しかしない地域も出てきそうですね。

↑はあの所沢高校の関連ですね。
まぁ、背景(組合が強いとか)はよく知りませんが、あの騒ぎに関していえばどっちもどっちだな、と思っています。
(ところで、何かそういう左がかったのに対して含むところがあるのでしょうか。いや、1222にも引用しているので。)

左がかった教師なのか、求める(文句を言う)親なのか、どちらが首謀者か知りませんが、運動会の徒競走で手を繋いで一緒にゴールインするようなのは(そういう教育は)勘弁してもらいたいものです。

[1227] Re: 最悪の事態へ行く可能性が高いカモ〜
投稿者  : T8848

投稿日時: 2000年9月2日 01時24分
>>こう言った議論をするにも、やはり正しい知識と教育は必要でしょうね。
>>ちょっと左がかった教師の居る地域ではアヤシイですが。
>
>ところが,「自由主義史観」な人も史実より「神話」を重視したりするので,
>そっちの方もやっぱりアヤシイわけです。私などは創造「科学」などと五十歩
>百歩な感じがするのですが,さてさて。

道の真中を歩きなさい。
左右を良く見て渡りましょう。

それぞれ理想があるのでしょうが、事実を見ない(見えない?)、論理が通じないのは同じですね。

[1228] Re: 最悪の事態へ行く可能性が高いカモ〜
投稿者  : ヘルメス☆

投稿日時: 2000年9月4日 07時27分
>道の真中を歩きなさい。
>左右を良く見て渡りましょう。
バランスの取れたお話が丁度良いと言う事で。
確か、生物も極端に触れると新しい環境に適応できなくなって滅びていくのだそうですね。

>それぞれ理想があるのでしょうが、事実を見ない(見えない?)、論理が通じないのは同じですね。
ま、お互いに極論に飛びこまないように気を付けましょうね!

ではでは、お天気の良い初秋のコロラドからでした。
幸せな三連休!

[1229] 何処にもこまったちゃんがいるのだわさ
投稿者  : ヘルメス☆

投稿日時: 2000年9月4日 07時31分
>ところが,「自由主義史観」な人も史実より「神話」を重視したりするので,
>そっちの方もやっぱりアヤシイわけです。私などは創造「科学」などと五十歩
>百歩な感じがするのですが,さてさて。
そうそう!
あれには困ったもんだ。
ま、第二次世界大戦は結局「全世界総悪党」だった結果だと思っているし。
アメリカのあのやり口は卑怯などと言うレベルじゃなかったと考えています。
(メキシコ人の友人は、同じ手口で領土を奪われたと言って、日本人には特に親近感を感じるそうです)

そう言う意味で、僕は自由主義史観に近い考え方だけど、流石に神話を歴史には混同し無いなあ。

[1230] 賛成です。
投稿者  : DrTM

投稿日時: 2000年9月8日 00時43分
安賀須若人さん、こんにちは。DrTMです。
超亀レス申し訳ありません。ご覧になられていないかも。

安賀須若人さんの他のレスも読みました。
学校教育で科学的判断ができるようになるかについては
私と意見の相違があるものの、これは程度の問題なので重要で
はないでしょう。

いずれにせよ、市民が最終的に判断するためにはなんらかの
科学的判断をする必要があるので、学校教育でなんとかしなければ
ならないのは確かだと思います。

よって基本的に安賀須若人さんの御意見に賛成です。

ところで、ひさしぶりに掲示板を覗いて驚いたのですが、投稿自粛
宣言されているとか。私は理性的な議論が成立するために安賀須若人
さんは重要な存在だったと思います。

これはこの掲示板の大きな損失であると私は感じます。
投稿が途絶えたのも単にお仕事が忙しいとか、自由意志によるもので
あると良いのですが・・・。謹慎する必要はないと思います。

#私は最近めったに覗けなくなりました

[1231] 教科書問題〜2002年新指導要領について
投稿者  : DrTM

投稿日時: 2000年9月8日 01時02分
DrTMです。
最近の大学に入ってくる学生の学力低下は凄まじいようです。
私は院生としか接さないのですが、かなり低下しています。
これらも疑似科学の蔓延と無関係ではないと思います。

全員が同じ授業をするために、全員が付いて来れるように教科
書の内容がどんどん薄くなっています。現在、学力低下問題が
存在する関わらず2002年の新指導要領では、さら学習内容
の3割が削減されるそうです。

もちろん、詰め込み教育の問題点はあるでしょうが、現時点で単に
内容を減らすだけでは学力低下はさらに加速されるだけでしょう。

この問題に興味ある方は以下のHPを参照してください。
http://www.naee2002.gr.jp/

[1232] Re: 私も賛成です。
投稿者  : Kosuke

投稿日時: 2000年9月8日 12時39分
DrTMさんWrote
>ところで、ひさしぶりに掲示板を覗いて驚いたのですが、投稿自粛
>宣言されているとか。私は理性的な議論が成立するために安賀須若人
>さんは重要な存在だったと思います。
>
>これはこの掲示板の大きな損失であると私は感じます。
>投稿が途絶えたのも単にお仕事が忙しいとか、自由意志によるもので
>あると良いのですが・・・。謹慎する必要はないと思います。

同感です。
お忙しいのでなければ、ぜひ戻ってきて下さい。

[1233] 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月8日 18時23分
>>「突然変異遺伝子」だけでは何とも答えようがないんですよ。
>
>>「突然変異遺伝子」の何が中立、有利、不利なのか、はっきりと書いていただかないと。
>
>「突然変異遺伝子」の何が?
>
>どうもよく理解できない。
>突然変異遺伝子の「何が」って、どういうものをへちさんは期待されているんでしょうか?

突然変異遺伝子の「適応度」なのか、「集団内行動(遺伝的振る舞い)」なのか、ですよ。
「適応度」ではないと言うのだから、「集団内行動(遺伝的振る舞い)」だと解釈しますが、誤解を招かないために、きちんと区別して書いて下さい。

> すみませんが私の返事の参考のために、前にも書いたのですが「突然変異遺伝子の適応度」という「適応度」っていうのはどういう定義なのか、説明していただけませんか?
> 私は、変異は、それが形質のにしろ遺伝子のにしろ、それを持つ個体の適応度で有利、不利というのを決めるんだと理解しています。ですから、突然変異遺伝子の「適応度」が有利、不利と言われても、どういうことなのかいまいち理解できないんです。

「突然変異遺伝子の適応度」は突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度でいいんじゃないですか?
ただ、普通は差を見るものなので、「突然変異遺伝子の適応度が有利」といった場合は、「突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度と突然変異遺伝子を持たない個体の平均適応度を比較したとき、突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度のほうが高い」という意味だと思って下さい。
そしてそれは陶太係数が正(s>0)と同義です。

[1234] 非適応的および中立な形質は固定するか(1)
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月8日 18時41分
>1、中立説が形質の進化についても成り立つと考えていること。

ですが、これだけではなんとも言えないので、以下のように解釈します。
中立説の定義は「分子進化の中立説」では、このように説明しています。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
読者は「中立説」という語は、「分子レベルにおける進化的変化と多型は、主に、自然
淘汰に関して、ほとんど中立でその行動と運命が主として突然変異と偶然的浮動によっ
て決定されるような突然変異遺伝子によるものであるとする説」の省略であることを理
解しておいていただきたい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
これが「形質の進化についても成り立つ」わけですから、最初の文は

「形質の進化的変化と多型は、主に、自然淘汰に関して、ほとんど中立でその行動と運命が主として突然変異と偶然的浮動によって決定されるような突然変異遺伝子によるものである」と考えていること。

と解釈できます。
あなたはそう考えているか、と問われれば、「おそらく違うだろう」と答えておきます。

[1235] Re: 非適応的および中立な形質は固定するか(2)
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月8日 21時01分
>>3、中立説成立以降は、自然選択説では非適応的な形質も広がり固定されることがあると変わったと考えていること。

>特に、3についてへちさんがどう考えているのか知りたいです。

さて、肝心の部分ですね。
これについて私の言葉で表現すると、

中立説成立以前から、自然選択説では非適応的、あるいは中立な形質であってもそれが存在するのならばそれが広がり固定されることがあると変わっていたと考えています。

ここでいう「非適応的、あるいは中立」というのは(S=<0)を意味しています。
また、ここでいう「形質」は辞書的な意味での形質(単位形質を含む)を意味しています。

なぜこのようなことが言えるのか、疑問でしょう。
JA50さんの主張には何度も「表現型進化と分子進化を一緒にするな」というのがありましたからね。
確かに、その主張は正しい。間違っているのは中立な遺伝子の固定確率の式(例のやつです)が分子進化の方程式で、中立説そのものだと思っている点です。
あの式は対立遺伝子に関するもので、分子進化だろうが、表現型進化だろうが対立遺伝子の概念が適用できる系ならば成り立ちます。例えば、メンデルが用いたエンドウの「丸種子」遺伝子と「しわ種子」遺伝子という対立形質についても成り立ちます。
また、あの式は中立説以前に成立しています。つまり、あの式は「中立説」ではないんです。
この辺りについての詳しい解説は既に2ヶ月近くも前に安賀須若人さんが
> 中立説のインパクト 投稿者:安賀須若人  投稿日: 7月19日(水)21時44分33秒
で述べています。

[1236] Re: 非適応的および中立な形質は固定するか(3)
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月8日 21時01分
さて、こうなるとなぜ中立説が成立するのに時間がかかったのか不思議に思うかもしれません。
なぜ「中立な遺伝子が進化しうる」のに、中立説が自然淘汰万能論者から認められなかったのか、と。
それは、自然淘汰万能論者は「中立な遺伝子はほとんど存在しない」と考えていたためです。
つまり、中立説成立までの論争は「中立な遺伝子が進化するか、しないか」の論争ではなく、「中立な遺伝子が存在するか、しないか」の論争だったのです。
表現型の進化についても同じことが言えます。
「中立な形質が進化するか、しないか」ではありません。中立な形質が存在すれば進化しうるというのはとっくの昔から認められています。
問題は「中立な形質が存在するか、しないか」です。
これについては私ははっきりしたことは言えません。ただ、中立な形質は少なくとも分子レベルのものよりはずっと少ないだろうということ、中立な形質の違いも存在するという報告例があるらしいことは述べておきます。
また、木村が「表現型進化と分子進化は違う」と言ったのはこのような理由からです。

[1237] Re: 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月9日 18時51分
>突然変異遺伝子の「適応度」なのか、「集団内行動(遺伝的振る舞い)」なのか、ですよ。
>「適応度」ではないと言うのだから、「集団内行動(遺伝的振る舞い)」だと解釈しますが、誤解を招かないために、きちんと区別して書いて下さい。

何が言いたいのか分からない、、、

突然変異遺伝子は、集団の大きさと淘汰係数によって、その固定確率が求まるんでしょう?
なんでそこに「適応度」などというのを間に持ち込むんでしょう、さっぱり分からない。

sはその突然変異遺伝子を持つ個体の適応度を測ることで、数学的処理をして求めているのに、それじゃトートロジーじゃないか、という前にも書いた疑問が出てくる。
突然変異遺伝子はsで表されると以前言っていたんし(覚えておられますか、あの表)。

また「「突然変異遺伝子の適応度」は突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度でいいんじゃないですか?」と言っているんですが、「突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度」ってW(淘汰値)ですよね。そして元の遺伝子のWを1としたときの突然変異遺伝子のそれを(1+s)としたのがs(淘汰係数)なんですから、「突然変異遺伝子」はsで表されると言っておきながら、さらに「突然変異遺伝子の適応度」もsで表されると言っていることになる。これってどういうことです?

それと、遺伝的振舞いというのが、へちさんはNeとsの関数で、いろいろあると言われていましたが、Nesではないんですよね、これを確かめさせてください。

[1238] Re: 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月9日 18時52分
>「突然変異遺伝子の適応度が有利」といった場合は、「突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度と突然変異遺伝子を持たない個体の平均適応度を比較したとき、突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度のほうが高い」という意味だと思って下さい。

そういう意味だと思えというのなら、思いますけど、なんでこんなことをしないといけないのか、それが分からない。
木村がそうしているとか、進化生物学ではそうなっているとかいうのなら分かるんですが、へちさんが勝手にそうだとしていることに、私がなんでおつきあいしないといけないのだろう、、、

[1239] 例の方程式を中立説そのもだと思っている?
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月9日 18時53分
>間違っているのは中立な遺伝子の固定確率の式(例のやつです)が分子進化の方程式で、中立説そのものだと思っている点です。

すみませんが、勝手にそうだと決めつけないでください。へちさんは、よく勝手にこれこれだと決めつけて、ああだこうだ言いますが、止めてくれませんか。
私は、例の固定確率の式を中立説そのものだなどと思ってはいませんし、そうだと言った記憶もありませんが。

私は、例の固定確率の式は中立説という理論を構成する一つの式だと思っていますが、そのものだなどとは思っていません。
中立説とはこれこれだというのは、「分子進化の中立説」に書かれている木村の定義を持ってくるのが一番正確でしょう。

それと、安賀須さんの解説云々のことですが、中立説の解説は素人の解説を読まずとも、木村が書いた本を読むほうがよっぽど正確だと思いますけど、、、
また、へちさんがこれこれだと中立説についての主張をしたいのであれば、引用者責任ということについてさんざ議論したんですから、それに合うように、安賀須さんでもどなたでも結構ですから、きちんと引用し、そこにご自分の見解を付け加えてこれこれだと主張されたらどうでしょうか?

[1240] Re: 非適応的および中立な形質は固定するか(3)
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月9日 18時55分
>表現型の進化についても同じことが言えます。

私は同じことが言えるとは思えません。
なんで、こういう大それたこと(もし事実なら、進化生物学上の大問題)をシラーっと言えるのか、ほんと不思議でなりません。
それも、なぜかという説明もなく、文献的な根拠も示さず、ただ「同じことが言えます」と言うんだから、、、

>「中立な形質が進化するか、しないか」ではありません。中立な形質が存在すれば進化しうるというのはとっくの昔から認められています。

自然選択によって「中立な形質が進化するか、しないか」というのは重要な問題です。
生存や繁殖に有利な変異が集団にだんだんと広がっていくというのが自然選択だというのなら、そこからは「有利な形質が進化しえる」というのは導かれますが、「不利なあるいは中立な形質が進化する」などというのがどうして出てくるのか、私はさっぱり理解できません。

前にもお尋ねしましたが、へちさんは、自然選択説をどういうように定義しており、その定義からどうやれば「非適応的あるいは中立な形質が進化する」となるのか説明していただけますか?

また、「中立な形質が存在すれば進化しうるというのはとっくの昔から認められています。」ってどういう意味なんでしょう?
ある形質について、その進化メカニズムはどうなのか議論しているのに、それが存在すれば進化しうるって、何が言いたいのかさっぱり分からない。
「とっくの昔から認められています」って、私は知らないのですが、どういう文献に書かれているのでしょうか、教えていただけますか?

それと、「また、木村が「表現型進化と分子進化は違う」と言ったのはこのような理由からです。」と書かれていますが、いったい木村はどこでそのように言っているのでしょうか?

[1241] 科学史探訪:「常識」はどのように異説に勝利してきたのか
投稿者  : LucifeR

投稿日時: 2000年9月10日 06時58分
 たんに天動説では語り尽くされてるとおもったのでタイトルこうして見ました。原子量とか重力定数とか、十三歳児に起源と検証法が即答できないモノって、結構ありますよね。

[1242] Re: 非適応的および中立な形質は固定するか(3)-1
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月11日 00時25分
>>表現型の進化についても同じことが言えます。

>私は同じことが言えるとは思えません。

だいぶずれた発言をなさっているようですね。
もう一度よく読んで的を射た反論をしてください。

ま、それとは別の話ですが、

>それも、なぜかという説明もなく、文献的な根拠も示さず、ただ「同じことが言えます」と言うんだから、、、

説明したいのは山々ですが、なぜ同じだと言えないのか、その論理が分からないので、説明のしようがないのですよ。

>>「中立な形質が進化するか、しないか」ではありません。中立な形質が存在すれば進化しうるというのはとっくの昔から認められています。

>自然選択によって「中立な形質が進化するか、しないか」というのは重要な問題です。
>生存や繁殖に有利な変異が集団にだんだんと広がっていくというのが自然選択だというのなら、そこからは「有利な形質が進化しえる」というのは導かれますが、「不利なあるいは中立な形質が進化する」などというのがどうして出てくるのか、私はさっぱり理解できません。

>前にもお尋ねしましたが、へちさんは、自然選択説をどういうように定義しており、その定義からどうやれば「非適応的あるいは中立な形質が進化する」となるのか説明していただけますか?

JA50さんと同じ意味で定義するのなら、そこからは「非適応的あるいは中立な形質が進化する」というのはでてこないでしょう。
自然選択とは別の概念です。

[1243] Re: 非適応的および中立な形質は固定するか(3)-1
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月11日 00時26分
>>また、「中立な形質が存在すれば進化しうるというのはとっくの昔から認められています。」ってどういう意味なんでしょう?
>ある形質について、その進化メカニズムはどうなのか議論しているのに、それが存在すれば進化しうるって、何が言いたいのかさっぱり分からない。

そんな議論をしているつもりはありませんよ。
中立形質(辞書的な意味です)進化説という仮説が理論的に成立するかどうかの議論でしょう。

>「とっくの昔から認められています」って、私は知らないのですが、どういう文献に書かれているのでしょうか、教えていただけますか?

たぶんどの論文にも書かれていないと思いますよ、当たり前すぎて。

>それと、「また、木村が「表現型進化と分子進化は違う」と言ったのはこのような理由からです。」と書かれていますが、いったい木村はどこでそのように言っているのでしょうか?

「生物進化を考える」p252-254からそのように読みとれます。

[1244] Re: 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月11日 13時04分
>sはその突然変異遺伝子を持つ個体の適応度を測ることで、数学的処理をして求めているのに、それじゃトートロジーじゃないか、という前にも書いた疑問が出てくる。
>突然変異遺伝子はsで表されると以前言っていたんし(覚えておられますか、あの表)。

忘れてた・・・(笑)

>また「「突然変異遺伝子の適応度」は突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度でいいんじゃないですか?」と言っているんですが、「突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度」ってW(淘汰値)ですよね。そして元の遺伝子のWを1としたときの突然変異遺伝子のそれを(1+s)としたのがs(淘汰係数)なんですから、「突然変異遺伝子」はsで表されると言っておきながら、さらに「突然変異遺伝子の適応度」もsで表されると言っていることになる。これってどういうことです?

「突然変異遺伝子」=「突然変異遺伝子の適応度」です。
以前は「突然変異の有利・不利」と言っていましたが、「突然変異遺伝子の適応度の有利・不利」の方がわかりやすそうなので、途中から表現を改めました。

>それと、遺伝的振舞いというのが、へちさんはNeとsの関数で、いろいろあると言われていましたが、Nesではないんですよね、これを確かめさせてください。

本質的にはNesでいいと思います。

[1245] Re: 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月11日 13時07分
>>「突然変異遺伝子の適応度が有利」といった場合は、「突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度と突然変異遺伝子を持たない個体の平均適応度を比較したとき、突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度のほうが高い」という意味だと思って下さい。
>
>そういう意味だと思えというのなら、思いますけど、なんでこんなことをしないといけないのか、それが分からない。

じゃあ、「突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度と突然変異遺伝子を持たない個体の平均適応度を比較したとき、突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度のほうが高い」というのはどのような表現にすればいいと思いますか?

[1246] 自然選択とは別の概念?
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月11日 15時05分
言っていることがさっぱり理解できない。

>JA50さんと同じ意味で定義するのなら、そこからは「非適応的あるいは中立な形質が進化する」というのはでてこないでしょう。
>自然選択とは別の概念です。

私が書いた自然選択説はあれでいいんですね(あれは「進化と人間行動」に書かれていることをそのまま引き写したものです)。
また「非適応的あるいは中立的な形質が自然選択で進化しえる」というクリスさんの主張は間違っているということでいいんですか?

それと、「自然選択説とは別の概念」ってのは何なのでしょうか?

>説明したいのは山々ですが、なぜ同じだと言えないのか、その論理が分からないので、説明のしようがないのですよ。

どういうこっちゃ、これは、としか言いようがない。
自分から言いだしておきながら、、、
へちさんの主張でしょうに。

[1247] どの論文にも書かれていない!(1)
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月11日 15時07分
どの論文にも書かれていない、つまりへちさんの勝手な主張ということになる。

>たぶんどの論文にも書かれていないと思いますよ、当たり前すぎて。

その根拠に「当たり前」というのを持ってくるんですから、あきれます。
「当たり前」というだけでは根拠にはなりませんよ。どう当たり前なのか説明しないと。

>中立形質(辞書的な意味です)進化説という仮説が理論的に成立するかどうかの議論でしょう。

私とクリスさんの論争の一つは、自然選択で中立な形質が進化しえるかということです。そこにへちさんが横から口を出してきたのに、これはないでしょう。
が、まぁいいです。
で、「中立形質(辞書的な意味です)」というのはどういう定義なのでしょうか?
その生物にとって生存や繁殖に不利でもないが何の役にもたっていない形質、というのでいいですか?
また、「中立形質進化説」というのははじめて聞きました。これもどういう説なのでしょう?
いったいどなたがそういう説を唱えているのでしょうか、それともへちさん独自の説ですか?

[1248] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月11日 15時08分
>「生物進化を考える」p252-254からそのように読みとれます。

ここからどうやれば、へちさんの主張が読みとれるのか不思議でならない。

それになんで今頃、この部分を持ち出すのかも理解できない。
この部分は、分子進化と表現型進化の違いについてクリスさんの主張に対する私の反論の根拠となるものじゃないですか。
クリスさん宛にだいぶ前に書いたことがあると記憶していますが、木村は、分子進化を支配している法則は表現型進化を支配している法則とは違うと、明確に主張している。中立説からは表現型進化の説明ができない。じゃ、なぜ違うのか、また分子進化と表現型進化の橋渡しをどうすればできるのか、ということでさらに別のこれこれの仮説(検証されてはいないが、こういうことも考えられるということ)などはどうだろうとして「分子進化と表現型進化の橋渡し」という章を書いているのじゃないですか。

へちさんは、クリスさんの「1、中立説が形質の進化についても成り立つと考えていること。」という主張は間違っているという私の主張に同意されるんですか?
もし、同意しているのなら、なぜそれをクリスさんに言わなかったのですか?

[1249] Re: 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月11日 15時12分
>忘れてた・・・(笑)

すみませんが、あの表を、書き改めていただけますか?

突然変異遺伝子=突然変異遺伝子の適応度、さらに遺伝的振舞い=Nesだそうですので、だいぶ違ってきますね。

それにしても、木村がそう書いているわけでもないし、主張しているのはへちさんだけなのに、なんで突然変異遺伝子=突然変異遺伝子の適応度てなことにするんだろう、、、
よけい理解しずらくなると思うけどなぁ、、、

[1250] Re: 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月11日 15時23分
>じゃあ、「突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度と突然変異遺伝子を持たない個体の平均適応度を比較したとき、突然変異遺伝子を持つ個体の平均適応度のほうが高い」というのはどのような表現にすればいいと思いますか?

え、既に書いていると思うけど、、、

これです。
>突然変異遺伝子は、集団の大きさと淘汰係数によって、その固定確率が求まるんでしょう?
>なんでそこに「適応度」などというのを間に持ち込むんでしょう、さっぱり分からない。

突然変異遺伝子の有利、不利、中立で分かるし、これは表現型でも同じじゃないですか。
ある変異が有利、不利であって、変異の適応度が有利とか不利とか言いますか?

[1251] 天動説
投稿者  : K

投稿日時: 2000年9月11日 23時05分
現在地動説に反対して天動説を唱えるのは科学的ではありません。しかし創造説
と同じようにコペルニクスの時代は天動説も科学であったわけです。
 天動説は周転円が必要になるから不合理だみたいな言い方をする人もいますが、
どちらの説の方が観測結果に合っているかと点では優劣はありませんでした。
 地動説の方が観測結果をうまく説明できるようになるのは、楕円軌道が導入
されてからのことです。そういう意味では天文学に革命を引き起こしたのは
コペルニクスよりもケプラーの方かなという気がします。

[1252] 分子レベルと表現型レベルの違い
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月13日 19時53分
>>説明したいのは山々ですが、なぜ同じだと言えないのか、その論理が分からないので、説明のしようがないのですよ。
>
>どういうこっちゃ、これは、としか言いようがない。
>自分から言いだしておきながら、、、
>へちさんの主張でしょうに。

時間がないのでとりあえずこれだけ返事します。
「同じだと言えない」というのはJA50さんの主張でしょう。
その論理がわからないから困っているんです。
1つの遺伝子(対)を対象とした理論がなぜ分子レベルで成り立って表現型レベルで成り立たなかったり、またその逆だったりすると言えるのかがわからないのです。
その理由について説明してもらえませんか?

申し訳ありませんが、夏休みのためしばらくお休みします。

[1253] RE: 科学史探訪:「常識」はどのように異説に勝利してきたのか
投稿者  : T8848

投稿日時: 2000年9月16日 01時14分
こんなのはどうですか。(趣旨が違う?)

生命の自然発生説(蛆が湧く?)
発生(受精、卵子、精子の発見など)
四元素説
周期表
原子論
飛行の理論(羽ばたき飛行)
超低温、超高温、超高圧
化学物質悪者論
原子力悪者論
東洋医学礼賛

最後の方は科学史というより社会学かな。

[1254] Re: RE: 科学史探訪:「常識」はどのように異説に勝利してきたのか
投稿者  : 前玉 睦子

投稿日時: 2000年9月18日 18時12分
本題から逸れるかも知れないんですが、
その昔「細菌」や「感染」について知られていなかった頃の外科医にとっては、
手術着や器具が汚れていることが名医の証だったという話を読んだことがあります。

[1255] Re: 科学史探訪:「常識」はどのように異説に勝利してきたのか
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月19日 21時21分
> たんに天動説では語り尽くされてるとおもったのでタイトルこうして見ました。原子量とか重力定数とか、十三歳児に起源と検証法が即答できないモノって、結構ありますよね。

文章が日本語としておかしいし、何が言いたいのかもよく分かりません。
始まりからして唐突ですが、何かのトピックスの続きなのですか?
そもそもあなたの立場は、天動説は「常識」であるのか「異説」であるのかすら判然としません。
一体何が目的で何を希望しているんですか?


[1256] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月21日 18時51分
夏休みから帰ってきました。
正直言ってお相手するのも億劫なんですが(理解できていないのJA50さんだけのようだし)、ポイントを絞ってお答えします。

>>「生物進化を考える」p252-254からそのように読みとれます。
>
>ここからどうやれば、へちさんの主張が読みとれるのか不思議でならない。
>
>それになんで今頃、この部分を持ち出すのかも理解できない。
>この部分は、分子進化と表現型進化の違いについてクリスさんの主張に対する私の反論の根拠となるものじゃないですか。
>クリスさん宛にだいぶ前に書いたことがあると記憶していますが、木村は、分子進化を支配している法則は表現型進化を支配している法則とは違うと、明確に主張している。中立説からは表現型進化の説明ができない。じゃ、なぜ違うのか、また分子進化と表現型進化の橋渡しをどうすればできるのか、ということでさらに別のこれこれの仮説(検証されてはいないが、こういうことも考えられるということ)などはどうだろうとして「分子進化と表現型進化の橋渡し」という章を書いているのじゃないですか。

「中立説からは表現型進化の説明ができない」ことと「中立な形質が進化しない」のは別なんですが、それはわかりますか?

>へちさんは、クリスさんの「1、中立説が形質の進化についても成り立つと考えていること。」という主張は間違っているという私の主張に同意されるんですか?
>もし、同意しているのなら、なぜそれをクリスさんに言わなかったのですか?

解釈のしようによっては間違いとは言えないので傍観していました。
それに、私自身もどう解釈すべきか迷っていましたし。

[1257] Re: どの論文にも書かれていない!(1)
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月21日 19時00分
>どの論文にも書かれていない、つまりへちさんの勝手な主張ということになる。
>
>>たぶんどの論文にも書かれていないと思いますよ、当たり前すぎて。
>
>その根拠に「当たり前」というのを持ってくるんですから、あきれます。
>「当たり前」というだけでは根拠にはなりませんよ。どう当たり前なのか説明しないと。

そうなんですが、当たり前のことがわかっていない相手に説明するのってけっこう難しいんですよね。

>で、「中立形質(辞書的な意味です)」というのはどういう定義なのでしょうか?

辞書を読んで下さい。私が説明するより正確でしょう。

>また、「中立形質進化説」というのははじめて聞きました。これもどういう説なのでしょう?

中立な形質が進化し得るという説です。

>いったいどなたがそういう説を唱えているのでしょうか、それともへちさん独自の説ですか?

「中立形質進化説」という名前ではないでしょうが、1950年代には既に成立していたようです。

[1258] Re: 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月21日 19時01分
>それにしても、木村がそう書いているわけでもないし、主張しているのはへちさんだけなのに、なんで突然変異遺伝子=突然変異遺伝子の適応度てなことにするんだろう、、、
>よけい理解しずらくなると思うけどなぁ、、、

じゃ、変更しません。

[1259] Re:中立形質進化説
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月22日 09時18分
>「中立形質進化説」という名前ではないでしょうが、1950年代には既に成立していたようです。

1950年代ですか、、、

となると中立説の論文を木村が出した前ですね。

すみませんが、誰がその仮説を唱え、そのメカニズムはどういうもので(どうやったら中立形質なるものが進化しえるのか)、その仮説の検証はどのようにやられたのか、教えていただけませんか?
辞書を読めなどという無責任なことを言わずにです。

[1260] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月22日 09時22分
>「中立説からは表現型進化の説明ができない」ことと「中立な形質が進化しない」のは別なんですが、それはわかりますか?

中立説からは表現型進化の説明ができないという私の立場からは、別だというは当然ですよ。
分子レベルと表現型レベルは違うんだとずっと言っている私に、なんでこういうことを聞くんだろう、、、

[1261] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月22日 13時07分
>>「中立説からは表現型進化の説明ができない」ことと「中立な形質が進化しない」のは別なんですが、それはわかりますか?
>
>中立説からは表現型進化の説明ができないという私の立場からは、別だというは当然ですよ。
>分子レベルと表現型レベルは違うんだとずっと言っている私に、なんでこういうことを聞くんだろう、、、

では木村のどの文章に「中立な形質が進化しない」という主張が入っているのでしょうか?
私には「中立説からは表現型進化の説明ができない」という主張しか読めませんが。

[1262] Re:中立形質進化説
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月22日 19時24分
>すみませんが、誰がその仮説を唱え、そのメカニズムはどういうもので(どうやったら中立形質なるものが進化しえるのか)、その仮説の検証はどのようにやられたのか、教えていただけませんか?

科学史はあまり得意ではないので年代、人名等に矛盾が生じるかもしれませんが、その辺はご勘弁を。
まずは用語の説明について。
形質は通常、表現型として現れる各種の遺伝的性質を指して形質と言います。
また、このうち単位的な性質を特に単位形質と呼びます。
ですから、メンデルの実験で使われたエンドウマメの茎の長さと言ったものは単位形質と言えます。
さて、1930年代、フィッシャー、ホールデーン、ライトらは既に成立していたハーディ・ワインベルグの法則(メンデルの法則の拡張版のようなものです)をより現実に即したものにするために、ハーディ・ワインベルグの法則が成立する条件について検討し、集団が有限の場合はどうなるか、異なる遺伝子型で、生存力や妊性に相違がある場合はどうなるか、といった場合についての理論を成立させました。
その一つが例の対立遺伝子の固定確率の式です。
ここでいう対立遺伝子は理論の成立当時はDNAのような生々しいものではなく、メンデル因子(単位形質)という抽象的なものでした。
つまり、例の固定確率の式はもともとは分子レベルの話ではなく、単位形質に関するものだったようです。
これに対してマイヤー、フォードら自然淘汰万能主義者達は、進化の原動力は自然淘汰のみであり、中立形質はほとんど存在せず、遺伝的浮動は進化になんの影響ももたらさないとの立場でした。
むろん、現在は自然淘汰では説明できない現象があることはよく知られています。

[1263] Re:中立形質進化説
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月25日 17時16分
ご説明された説が中立形質進化説と言うというのは始めて知りました。
私としてはへ〜そうですかというしかありませんが、そうだとしている文献はあるんでしょうか、それともへちさん独自の用語なんですか?

それと、そういう説から、どうやったら中立形質なるものが進化しえるんでしょう?
そのメカニズムが書かれていませんが。
その個体の生存や繁殖に有害ではないが、だからと言って何の役にも立っていないという形質が、いったいどうやったら進化しえるのか。

[1264] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月25日 17時23分
>では木村のどの文章に「中立な形質が進化しない」という主張が入っているのでしょうか?
>私には「中立説からは表現型進化の説明ができない」という主張しか読めませんが。

中立説からは表現型進化の説明はできない、その通りじゃないですか。
だから、中立説からは、「中立な形質が進化しえる」などというクリスさんのトンデモナイ説も出てくるわけがないんです。
そもそも表現型進化の説明はできないんだから。

私が「中立な形質は進化しえない」としているのは、自然選択説からの演繹です。
自然選択説は、適応度の高める変異のみが進化しえる、つまり適応度が1以上であって始めて拡がり得るというのですから、それからは何の役にも立たない変異が増加するなどということは出てきません。
ですから、もし「中立な形質が進化した」としたら、それは自然選択説の反証になると言っているのです。

[1265] Re: 分子レベルと表現型レベルの違い
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月25日 17時30分
>「同じだと言えない」というのはJA50さんの主張でしょう。

私の主張でもありますが、もともとは木村の主張です。

>その論理がわからないから困っているんです。

いろいろありますが一つだけ書きます。
中立説は、適応的な突然変異はほとんどないとして理論が組み立てられているのはご存じでしょうか?
有害な突然変異遺伝子は淘汰されて進化に寄与しない。一方有利な突然変異遺伝子は中立なものよりはるかに高い確率で固定するが、有利な突然変異はほとんど0であると仮定することで、これも分子レベルでは進化に寄与しないとしている。
で、残る中立な(ほぼ中立ですよ)突然変異のみが分子レベルでは進化に寄与することになるというのが中立説の一つの主張のはず。
一方、表現型進化はどうですか。
そもそも、有利な変異を無視しては、自然淘汰説が成り立たないじゃないですか。

[1266] Re:中立形質進化説
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月25日 18時14分
>ご説明された説が中立形質進化説と言うというのは始めて知りました。
>私としてはへ〜そうですかというしかありませんが、そうだとしている文献はあるんでしょうか、それともへちさん独自の用語なんですか?

私が勝手に作りました。
さすがにこの理論で「中立な形質は進化し得る!」と声高に主張した人はいないと思ったので。
もちろん、この理論から簡単に中立形質なるものが進化しえるというのは簡単に導けます。
というか、なぜ理解できないのか理解に苦しみます。

>それと、そういう説から、どうやったら中立形質なるものが進化しえるんでしょう?
>そのメカニズムが書かれていませんが。
>その個体の生存や繁殖に有害ではないが、だからと言って何の役にも立っていないという形質が、いったいどうやったら進化しえるのか。

ごくごく単純化された例を考えます。
個体の生存や繁殖に有害ではないが、だからと言って何の役にも立っていないという形質を形作る遺伝子をAとし、それと対立する(そのような形質を作らない)遺伝子をaとします。
2個体しかいない集団があり、これが子供を2個体作り、それが繰り返されるとします。
自家受粉みたいな感じです。
Aa,aaの2個体だったとして、それが子供を作ります。
どの遺伝子が配分されるかは確率の問題ですが、進化し得るかどうかの問題なので、幸運にもAa,Aaという子供ができたとします。
その次の世代も幸運にもAを持つ個体ができたとします。
AA,AAという2個体ができます。
はい、中立な形質が進化しました。

[1267] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月25日 18時21分
>私が「中立な形質は進化しえない」としているのは、自然選択説からの演繹です。
>自然選択説は、適応度の高める変異のみが進化しえる、つまり適応度が1以上であって始めて拡がり得るというのですから、それからは何の役にも立たない変異が増加するなどということは出てきません。
>ですから、もし「中立な形質が進化した」としたら、それは自然選択説の反証になると言っているのです。

それをもって「自然選択説」と言うのなら(科学史的には「自然選択(陶太)万能説」と言うのでしょうが)、それは分子進化の中立説によって反証されているのですが。

[1268] Re: 分子レベルと表現型レベルの違い
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月25日 18時29分
>いろいろありますが一つだけ書きます。
>中立説は、適応的な突然変異はほとんどないとして理論が組み立てられているのはご存じでしょうか?
>有害な突然変異遺伝子は淘汰されて進化に寄与しない。一方有利な突然変異遺伝子は中立なものよりはるかに高い確率で固定するが、有利な突然変異はほとんど0であると仮定することで、これも分子レベルでは進化に寄与しないとしている。
>で、残る中立な(ほぼ中立ですよ)突然変異のみが分子レベルでは進化に寄与することになるというのが中立説の一つの主張のはず。
>一方、表現型進化はどうですか。
>そもそも、有利な変異を無視しては、自然淘汰説が成り立たないじゃないですか。

論点はそこじゃないですよ。
私は「中立説が表現型でも適用できる」から「同じことが言える」と言っているわけではありません。
「中立な遺伝子が存在するか、しないか」の論争がある(あった)、という点については分子進化についても表現型進化についても同じだ、と言っているだけです。
もう一度よく読んでから的確な返事をお願いします。

[1269] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月26日 12時23分
>>では木村のどの文章に「中立な形質が進化しない」という主張が入っているのでしょうか?
>>私には「中立説からは表現型進化の説明ができない」という主張しか読めませんが。
>
>中立説からは表現型進化の説明はできない、その通りじゃないですか。
>だから、中立説からは、「中立な形質が進化しえる」などというクリスさんのトンデモナイ説も出てくるわけがないんです。
>そもそも表現型進化の説明はできないんだから。

「中立な形質が進化しえる」というのは別に「中立説だけから」導かれた結論ではない。
というのがへちさんの主張でしょうね。
この辺は私も誤解してましたのでそのように訂正します。
ただ、「中立な形質が進化しえる」というのはJA50さん以外の全ての人は理解しているし、以前どなたかが紹介した学者さんのHPにも明記されています。
「中立な形質は進化しえない」という説こそ、今では「トンデモ」なんですけど。

JA50さんも、本当はもういい加減に気がついているんじゃないですか?
ただそれを認めて「自分が間違っていた」とか「自分が悪かった」とは言えない人なんでしょう。舞さんのクレームへの対応を見ても。
へちさんも少し時間を置いて頭を冷やしてもらった方がいいと思いますよ。

[1270] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月26日 22時26分
>「中立な形質が進化しえる」というのは別に「中立説だけから」導かれた結論ではない。
>というのがへちさんの主張でしょうね。

まあ、そういったところです。
「中立な形質が進化しえる」という結論を導き出すのにわざわざ「分子進化の中立説」を持ち出す必要はないです。

>JA50さんも、本当はもういい加減に気がついているんじゃないですか?
>ただそれを認めて「自分が間違っていた」とか「自分が悪かった」とは言えない人なんでしょう。舞さんのクレームへの対応を見ても。
>へちさんも少し時間を置いて頭を冷やしてもらった方がいいと思いますよ。

私はどちらかというと「自説に都合の悪い理論を聞いた瞬間に思考停止をおこす」人なんだと思っていましたけど。
自身のプライドを守るには都合がいいんでしょうけど。
いずれにせよ、そろそろ潮時かもしれません。
どうです、JA50さん。そろそろやめませんか。

[1271] Re:中立形質進化説
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月27日 09時46分
>私が勝手に作りました。

そうだろうと思ってました。

>はい、中立な形質が進化しました。

「幸運にも」というのは便利な言葉ですね。
神というのと同じです。
へちさんの説に反証するのは不可能です。

[1272] Re:中立形質進化説
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月27日 09時58分
>>はい、中立な形質が進化しました。
>
>「幸運にも」というのは便利な言葉ですね。
>神というのと同じです。
>へちさんの説に反証するのは不可能です。

単純に確率で説明したほうがいいでしょう<へちさん。
こういう頓珍漢な解釈をする人が相手の場合は。

[1273] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月27日 10時41分
クリスさん

あなたは「進化論」なる文献の引用をすればいいんです。
なぁんも知らない、というよりもっとたちの悪いことにあっちの方向に行ってしまっている人が横からごちゃごちゃ言うのは止めましょう。

[1274] やはりご同類か
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月27日 10時43分
>私はどちらかというと「自説に都合の悪い理論を聞いた瞬間に思考停止をおこす」人なんだと思っていましたけど。
>自身のプライドを守るには都合がいいんでしょうけど。

やはりくりすさんのご同類か。

>どうです、JA50さん。そろそろやめませんか。

お好きなように。
このツリーを立ち上げたのはへちさんです。

包括適応度のことでもそうだけど、理論的に成り立つとか偉そうに言いながら、その理論なるものの説明はしない(まぁ包括適応度については無知なんだからできるわけもない)。
今回の中立形質進化説のように素人の癖して勝手に用語を作る。そしてあたかもそのような説があるかのように言う。
これじゃ、クリスさんを相手にしているのと同じです。

[1275] Re: 分子レベルと表現型レベルの違い
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月27日 10時45分
>「中立な遺伝子が存在するか、しないか」の論争がある(あった)、という点については分子進化についても表現型進化についても同じだ、と言っているだけです。

ん?

>もう一度よく読んでから的確な返事をお願いします。

すみませんが、何が論争点なのか最初に帰ってから返事してくれませんかね?

[1276] Re:中立形質進化説
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月27日 10時48分
>単純に確率で説明したほうがいいでしょう<へちさん。
>こういう頓珍漢な解釈をする人が相手の場合は。

面白い。
私もやってもらいたいですね。
どういう数式を持ち出すのか楽しみです。

しかし、確率とか統計とか言うくせにその式を出せない人が、何を偉そうに。
ほんと笑ってしまうよ。

[1277] Re: 「適応度」と「集団内行動(遺伝的振る舞い)」
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月27日 10時49分
>じゃ、変更しません。

なんと!

ほんと都合のいいことですね。

[1278] Re: 分子レベルと表現型レベルの違い
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月27日 13時12分
>>もう一度よく読んでから的確な返事をお願いします。
>
>すみませんが、何が論争点なのか最初に帰ってから返事してくれませんかね?

何が論争点なのかわからずに論争していたんですか?
だから「ズレている」と言われるんですよ。

[1279] Re: やはりご同類か
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月27日 13時19分
>>どうです、JA50さん。そろそろやめませんか。
>
>お好きなように。

と言いつつ全然理解できていないと思われる発言をしているということは、自分の間違いに気づいていないと解釈します。
ならば、JA50さんの間違いを指摘して差し上げましょう。

[1280] Re:中立形質進化説
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月27日 13時51分
まさか、あれで理解できないとは思っても見ませんでした。
あれだけ単純な系で固定確率が計算できないとは・・・

>面白い。
>私もやってもらいたいですね。
>どういう数式を持ち出すのか楽しみです。

ではやってみましょう。
Aa,aaの両親からAa,Aaの子供2個体ができる確率は1/2*1/2=1/4です。
Aa,Aaの両親からAA,AAの子供2個体ができる確率は1/4*1/4=1/16です。
よってAa,aaの2個体から2世代後にAA,AAの2個体ができる確率は1/4*1/16=1/64です。
これでどの程度「幸運」なのかが数字でわかります。
反証したければどうぞ。

ちなみに、上の固定確率は2世代後に固定される確率です。
任意の世代後に(究極的に)固定される確率は1/(2*2)=1/4になります。

[1281] 中立な形質は固定するか?花の色の例
投稿者  : NATROM

HP    : http://doko.totto.to/~tosakai/board000708.html

投稿日時: 2000年9月27日 21時29分
「生物の社会進化」P104の引用、「すべての形質はある種の中で希な状態から出発しなければならず、その形質を持つ個体の生存率や繁殖率を高める場合に限って、頻度を増すことができる」から、「中立な形質」議論がはじまったわけですが、私はトリヴァースのこの言葉は間違いであると思います。(この辺の議論はURLを参照)

ある仮想的な植物の個体群(Nを個体群に含まれる個体数とします)があるとします。その個体群では花の色はすべて青色ですが、この個体群に赤い花をつける1個体が侵入したとしましょう。花の色が青か赤かは、ある一つの遺伝子のみで決定され、赤い花の色は青い花の色に対して優性とします。もし赤い花も青い花も生存率に差がなかったとしたら、この個体群に赤い花という中立な形質が固定する確率は1/2Nだと思います。

仮に赤い花が青い花よりも不利だったとしても、赤い花の色という形質が集団に固定する確率はゼロではなく、集団の大きさや不利の度合いに依存した値をとるはずです。Nが小さく、不利の度合いが小さければ固定確率は現実的な値になります。この意味で、私は「中立、あるいはごく軽度に非適応的な形質が集団に固定することもありえる」と考えます。おそらく、へちさん、クリスさんの言いたいことも同様の意味であるかと思います。

[1282] 中立な形質は固定するか?『形質』、『変異』という用語の使用法
投稿者  : NATROM

HP    : http://doko.totto.to/~tosakai/board000708.html

投稿日時: 2000年9月27日 21時30分
JA50さんは、「それは花の色という『形質』における、赤い花という『変異』が固定したに過ぎない」とおっしゃるかもしれません。それならばまず、『形質』、『変異』という用語について共通の理解を得ないことには議論がすれ違うだけでしょう。

私の『形質』、『変異』という用語の使用法と、JA50さんの用語の使用法のどちらが正しいかはわかりません。私自身は「赤い花の色という形質」という言い方にあまり違和感は感じませんが、例えば『遺伝子座』と『遺伝子』という用語が厳密に使い分けられるべきであるように、『形質』、『変異』も同様なのかもしれません。

ただ仮にJA50さんの用語の使用法が正しいとしても、例えばマルピーギ管は黄色であるそうですが、「マルピーギ管の色」という形質が「個体の生存率や繁殖率を高める」とは思えません。中立な形質はいくらでもあるように思えます。そもそも、「動物行動学はヒトも含めた動物の行動を、自然選択説を使いうまく説明できないといけない」という意見に対する反論としては、「中立な『変異』が固定することもありうる」で十分でしょう。行動に『変異』がないというのならば話は別でしょうが。別に動物行動学がすべての動物の行動を説明できなくても良いと思います。動物行動学で説明できる行動もあれば、できない行動もあると考えるべきです。

#そろそろ安賀須若人さんの復活を期待したいところですが

[1283] Re:中立形質進化説
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月27日 22時57分
>Aa,aaの両親からAa,Aaの子供2個体ができる確率は1/2*1/2=1/4です。

より正確に表現すると 「Aa,aaの両親から2人の子供が産まれ、それが雌雄である場合の組み合わせから、その2個体が Aa,Aaである確率は1/2*1/2=1/4」ですね。

[1284] Re:中立形質進化説
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月28日 09時21分
>しかし、確率とか統計とか言うくせにその式を出せない人が、何を偉そうに。
>ほんと笑ってしまうよ。

よく笑う人ですが、笑って(自分まで)ごまかしているのですか?
それはともかく、「式を出さない」ことは「式を出せない」こととは違います。
そういう杜撰な理論構築をするから誰にも相手にされなくなってしまうんですよ。
どこの世界に生徒の試験中に(相手の理解力を探っている最中に)答である式を出す教師がいるものですか。


[1285] Re: やはりご同類か
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月28日 09時28分
>と言いつつ全然理解できていないと思われる発言をしているということは、自分の間違いに気づいていないと解釈します。
>ならば、JA50さんの間違いを指摘して差し上げましょう。

掛けても良いんですが、幾ら指摘しても「自分が間違えていた」とは認めないですよ。
私やへちさんが言うことなら1+1=2だって違うと言い張りかねないですもん。
今は何を言っても無駄でしょう。それどころか逆効果ですよ。

[1286] Re:「生物進化を考える」p252-254
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月28日 09時36分
>クリスさん
>
>あなたは「進化論」なる文献の引用をすればいいんです。

ん?私の行動は私が決めます。

>なぁんも知らない、というよりもっとたちの悪いことにあっちの方向に行ってしまっている人が横からごちゃごちゃ言うのは止めましょう。

あれれ?「あっちの方向に行ってしまっている人」は発言しちゃいけないんですか?
おかしいなあ。創造論を信じている人にもそう言わないんですか?
いつも感じるんですが、あなたのルールとか基準って独特過ぎて世間に通用しないと思いますよ。
いわゆる二重規範(ダブルスタンダード)だし「人に厳しく自分に甘い」だもの。

[1287] Re: 中立な形質は固定するか?『形質』、『変異』という用語の使用法
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月28日 09時44分
>JA50さんは、「それは花の色という『形質』における、赤い花という『変異』が固定したに過ぎない」とおっしゃるかもしれません。それならばまず、『形質』、『変異』という用語について共通の理解を得ないことには議論がすれ違うだけでしょう。
>
>私の『形質』、『変異』という用語の使用法と、JA50さんの用語の使用法のどちらが正しいかはわかりません。私自身は「赤い花の色という形質」という言い方にあまり違和感は感じませんが、例えば『遺伝子座』と『遺伝子』という用語が厳密に使い分けられるべきであるように、『形質』、『変異』も同様なのかもしれません。

この件に関しては以前にも指摘しましたが、変異は形質の部分集合でしょう。
また舞さんも指摘したように「肝臓という形質」というような使い方が正しいとは思えません。
共通の理解を得ようと努力したこともあります(過去ログから明らかなように)が、相手の協力が得られなくては(あの調子ですから)不可能でしょう。

[1288] とみさんとそっくり
投稿者  : クリス

投稿日時: 2000年9月28日 13時12分
>しかし、確率とか統計とか言うくせにその式を出せない人が、何を偉そうに。
>ほんと笑ってしまうよ。

今気がついたんですが、JA50さんて、tomiさんとそっくりですよね。
1)相手が偉そうなのは気に入らないらしい。「何を偉そうに」って2人とも言ったし、2人しか言ってない。
2)教科書やこの本を読んで下さい。と言われると怒り出す。
3)おかしな日本語を使う。相手の言ってもいないことに反論する。
4)理論が無茶苦茶。3段論法すらまともに通じない。

[1289] Re:中立形質進化説
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月29日 09時12分
>ではやってみましょう。
>Aa,aaの両親からAa,Aaの子供2個体ができる確率は1/2*1/2=1/4です。
>Aa,Aaの両親からAA,AAの子供2個体ができる確率は1/4*1/4=1/16です。
>よってAa,aaの2個体から2世代後にAA,AAの2個体ができる確率は1/4*1/16=1/64です。
>これでどの程度「幸運」なのかが数字でわかります。
>反証したければどうぞ。

いったい、ご自分が何の計算をしているのか、それさえ分かっていないのですか?

信じられん、私はこんなお人を相手にしていたのか、、、

[1290] Re: 分子レベルと表現型レベルの違い
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月29日 09時16分
>何が論争点なのかわからずに論争していたんですか?
>だから「ズレている」と言われるんですよ。

クリスさんのご同類というのがよく分かる。
同じレトリックを使っている。

何が論争点かというのを明示せず、こういうように言いだしたのはへちさんですよ。
さらに言えば横から口を出してきたのもへちさんです。

にもかかわらず、答えに窮すると、こういうようなレトリックを持ち出してくる。
クリスさんのご同類。

[1291] これでは話は進みません
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月29日 12時56分
>いったい、ご自分が何の計算をしているのか、それさえ分かっていないのですか?
>
>信じられん、私はこんなお人を相手にしていたのか、、、

別に何を書こうが書くまいが勝手ですがね、これでは私が間違いを犯しているのか、JA50さんが間違いを犯しているのか、はたまた旗色が悪くなったので捨てぜりふを吐いて逃げ出すつもりなのかわからないでしょう。
自分の主張を認めてもらいたいのならば、相手の間違いを的確に、論理的に指摘する必要があるでしょうね。

[1292] ズレた原因(1)
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月29日 19時23分
この枝においての「表現型についてもおなじことが言える」「言えない」の議論の大元は[1236]の

>つまり、中立説成立までの論争は「中立な遺伝子が進化するか、しないか」の論争ではなく、「中立な遺伝子が存在するか、しないか」の論争だったのです。
>表現型の進化についても同じことが言えます。
>「中立な形質が進化するか、しないか」ではありません。中立な形質が存在すれば進化しうるというのはとっくの昔から認められています。

です。
この部分での「表現型の進化についても同じことが言えます」の意味は、前後を読めばわかるように、「中立な遺伝子が存在するか、しないか」の論争がある(あった)、という点については分子進化についても表現型進化についても同じだ、ということなんです。
ですから、この枝における「表現型についてもおなじことが言える」「言えない」の議論の論点は、「過去分子進化について中立な遺伝子が存在するか、しないかという議論があったのと同様に表現型進化についても中立な遺伝子が存在するか、しないかという議論があるかどうか」というものです。

[1293] ズレた原因(2)
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月29日 19時24分
これに対して、JA50さんの「表現型についてもおなじことが言えない」ことの根拠にあたる発言は[1265]に見られますが、

>いろいろありますが一つだけ書きます。
>中立説は、適応的な突然変異はほとんどないとして理論が組み立てられているのはご存じでしょうか?
>有害な突然変異遺伝子は淘汰されて進化に寄与しない。一方有利な突然変異遺伝子は中立なものよりはるかに高い確率で固定するが、有利な突然変異はほとんど0であると仮定することで、これも分子レベルでは進化に寄与しないとしている。
>で、残る中立な(ほぼ中立ですよ)突然変異のみが分子レベルでは進化に寄与することになるというのが中立説の一つの主張のはず。
>一方、表現型進化はどうですか。
>そもそも、有利な変異を無視しては、自然淘汰説が成り立たないじゃないですか。

これは「中立説が表現型でも適用できる」というものに対する反論になっています。
「表現型進化についても中立な遺伝子が存在するか、しないかという議論がある」という私の主張とまったく噛み合っていません。

[1294] ズレた原因(3)
投稿者  : へち

投稿日時: 2000年9月29日 19時25分
ですから、私は[1268]で

> 論点はそこじゃないですよ。
> 私は「中立説が表現型でも適用できる」から「同じことが言える」と言っているわけではありません。
> 「中立な遺伝子が存在するか、しないか」の論争がある(あった)、という点については分子進化についても表現型進化についても同じだ、と言っているだけです。
> もう一度よく読んでから的確な返事をお願いします。

というように、論点がずれている、論点はここだと表明している。
にもかかわらず、[1290]では

> 何が論争点かというのを明示せず、こういうように言いだしたのはへちさんですよ。

と、何が論争点かというのを明示されていることすら気づいていない。
また、次の行では

> さらに言えば横から口を出してきたのもへちさんです。

との発言が見られます。
この発言から類推するに、JA50さんは[1236]の

>表現型の進化についても同じことが言えます。

という私の発言を、前後をよく読まずに、「(中立な遺伝子が進化しえるという点において、分子進化と同様に)表現型の進化についても同じことが言えます」と間違った解釈をしてしまった点にあるのではないかと思いますが。

[1295] 問題点は2つ(1)>NATROMさん
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月29日 19時42分
NATROMさんのメッセージで疑問に思ったのは2つあります。
形質とか変異という用語の定義についてと、進化のメカニズムの仮説である自然選択説は何を提示すれば反証できるのかいうことの2つです。
この(1)ではまず形質と変異について私の疑問を書きます。

NATROMさんが提示された花の色について考えてみます。その花の色はどうやって進化したのかです。最初、青い色をしていたそうですが、その青い色を発現する遺伝子はどういうメカニズムで進化したのかです。たぶん自然選択された結果と言われると思います。
一方、そこに赤い色を発現する遺伝子を持った個体が侵入したとするとされていますが、その赤い色を発現させる遺伝子はどうやって進化したのでしょうか?
青い色を発現させる遺伝子の点突然変異によるのでしょうか、それとも青い色とは別個に進化したものなのでしょうか?

後者なら、赤い色とか青い色というのは私も別個の形質と思います。しかしそれなら青い色と同じく、トリバースの言うことに合致することになります。たぶん、同じ赤でも少し赤いとかいうことで選択されて進化したんでしょうから。

一方前者なら、青いとか赤いとかいうのは花の色という形質の変異とすべきだと思います。
もし、赤い色が別個の形質だと言うのなら、その赤い色という形質の変異は何になるのでしょうか?
その赤い色という形質には変異が存在するのでしょうか、それともその赤い色という形質には変異が存在しないのでしょうか?
自然選択は、変異が存在し、そこに適応度の差があり、その一部が遺伝されて始めて働きます。その赤い色という形質に変異が存在しないとしたら、自然選択説ではその進化を説明できない形質になるのは当然でしょうし、ひいてはトリバースの言うことに合致しないのも当然でしょう。

[1296] Re: 問題点は2つ(2)>NATROMさん
投稿者  : JA50

投稿日時: 2000年9月29日 19時43分
次に、自然選択説を反証するにはどうすればいいのかということです。
まずNATROMさんの自然選択説の定義をお聞かせ下さい。

自然選択説がNATROMさんの言われるように「中立、あるいはごく軽度に非適応的な形質が集団に固定することもありえる」のなら、これは何の役にも立ってない形質(生存や繁殖率を低めも高めもしない形質)じゃないかといくら提示しても自然選択説の反証にはなりません。
また、「軽度に非適応的な形質」ですが、これは非常にあいまいです。軽度とはどういう意味なのでしょうか?
赤い花が青い花に比べ、どれほど適応度が低ければ、軽度に非適応的となるのでしょう?

そして、これら中立とか軽度に非適応的なというのが、NATROMさんの自然選択説の定義から、いったいどうやったら導けるのか教えていただけますか?
あの、「進化と人間行動」に書かれているような自然選択説の定義からはとても導けないと思いますが。
それとも、「中立、あるいはごく軽度に非適応的な形質が集団に固定することもありえる」というのは、自然選択説とは全く別の説だということなのでしょうか?
赤い花とか青い花という形質は自然選択説ではその進化を説明できないのだが、そのNATROMさんが提示された説では説明できるということを言われたいのですか?

もしそうなら、そのNATROMさんの言われる「中立、あるいはごく軽度に非適応的な形質が集団に固定することもありえる」という説は、どなたの説なのか教えていただけますか?
その進化学説は、誰がいつどこで発表したものなんでしょう?

何度も言っていることですが、中立説は分子レベルの進化学説です。表現型レベルの進化を説明する学説ではありません。

[1297] Re: 問題点は2つ(2)>NATROMさん
投稿者  : NATROM

HP    : http://doko.totto.to/~tosakai/board000708.html

投稿日時: 2000年9月29日 20時52分
>後者なら、赤い色とか青い色というのは私も別個の形質
>一方前者なら、青いとか赤いとかいうのは花の色という形質の変異とすべき

点突然変異によるものか、あるいは別個に進化したかどうかわからない限り、赤い色とか青い色というのが形質であるか変異であるかについて何も言えないのでしょうか。そのような用語の使用法は奇妙に思います。JA50さんの形質の定義は、「自然選択により進化したものは形質、そうでないものは変異」というものなのでしょうか。


>これは何の役にも立ってない形質じゃないかといくら提示しても自然選択説の反証にはなりません。

その通り、なりません。「すべての形質は自然選択によって進化した」という自然選択万能主義に対する反証にはなります。自然選択万能主義は実際に反証されて、今では誰も信じていないはずですが。通常の意味での自然選択説を反証したければ、自然選択以外の適応的な形質を進化させるようなメカニズム(例えば獲得形質の遺伝など)を呈示すればいいのではないでしょうか。

[1298] Re: 問題点は2つ(2)>NATROMさん
投稿者  : NATROM

投稿日時: 2000年9月29日 20時52分
>「軽度に非適応的な形質」ですが、これは非常にあいまいです。軽度とはどういう意味なのでしょうか?赤い花が青い花に比べ、どれほど適応度が低ければ、軽度に非適応的となるのでしょう?

この場合は単一の遺伝子によって花の色が決定されるとしましたので、Ne×sが1より小さくなるようなsを想定して「軽度に非適応的」と申しました。(Neは集団の有効な大きさ、sは淘汰係数)



>自然選択説がNATROMさんの言われるように「中立、あるいはごく軽度に非適応的な形質が集団に固定することもありえる」

通常掲示板でも言っていますが、「自然選択で」ではなく、ランダムドリフトによってです。


>その進化学説は、誰がいつどこで発表したものなんでしょう?

「現在の生物の性質のすべてが自然選択によって形成されたものではない」というのは十分にコンセンサスが得られていると思っていましたが。

[1299] Re: 賛成です。
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年10月2日 17時14分
DrTMさん、
こちらこそ、超々亀レス申し訳でありません。
ご覧になられていれば良いのですが。。。

>安賀須若人さんの他のレスも読みました。
>学校教育で科学的判断ができるようになるかについては
>私と意見の相違があるものの、これは程度の問題なので重要で
>はないでしょう。

DrTMさんはアカデミックポジションにおられますから
研究者の卵達に科学的方法を身につけさせるために
大変なご苦労をなさっていることでしょう。
ですから、一般の方が「科学的判断」することに厳しい見方をされていると思います。
私も一般の方がプロの研究者と同じ水準で判断できるなどとは夢にも思っていませんので
書き込みの文章から表面的に受ける印象よりは意見の相違は小さいと思います。

>いずれにせよ、市民が最終的に判断するためにはなんらかの
>科学的判断をする必要があるので、学校教育でなんとかしなければ
>ならないのは確かだと思います。
>
>よって基本的に安賀須若人さんの御意見に賛成です。

元々、意見の相違はほとんどないものと考えていましたが、
改めて賛成していただきありがとうございます。
また、過分なお褒めの言葉をいただき非常に恐縮しています。

このツリーもいい加減大きくなってきたので
続きは別ツリーを設けて行いたいと考えています。
(レスの遅いことについてはご海容お願いいたします)

[1300] 遺伝的浮動に関する学説
投稿者  : 安賀須若人

投稿日時: 2000年10月2日 17時31分
遺伝的浮動(=ランダムドリフト)が進化に果たす役割については
学説史的に有名なのはS.ライトの平衡遷移説(シフティング・バランス説)でしょう。
(木村資生の「生物進化を考える」にも出ていたはずです)
生物集団が相互の遺伝子交流のほとんどない小集団からなるとして(島モデル)
考えられた説です。
集団の規模が小さいので遺伝的浮動の効果が大きくなるため
適応的でない形質も進化しうることになります。
木村自身がライトの弟子筋ですので中立説によって
一度滅ぼされていたライトの学説をリバイバルさせたような面もなきにしもあらず
といったところでしょうか。


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