進化論と創造論についてのツリー式掲示板

ダーウィンの進化論、聖書による創造科学(科学的創造論)について、または科学と疑似科学について、なんでもご意見、ご感想、ご質問をどうぞ。進化論を否定するための主張も別に書き込みを禁止していません。


[1000] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月3日 12時33分
>しかし、現在疾病的な発現をしている方が妥当だと感じます。

どういう疾病を想定されているのでしょう?

>「子供を産み、育てる」という行為は非常に複雑ですから、社会的な要因がほとんどだろうという「憶測」です。
>全く無いと云うのは、断言できませんから、「ほとんど全て」なのです。

ほとんど全てと全てとは違うのじゃないでしょうか。
自然選択説は、変異の一部が遺伝によるものなら、ということですから。
同じ淘汰圧にかかっている変異でも、その変異がどれほど遺伝の影響下にあるかで、遺伝子頻度の変化に差があるのじゃないでしょうか。
ここらになると、集団遺伝学の範疇でしょうし、その数学は私の理解の範囲を越えています。

>その「産み控え」は心理的行動でもあり、打算的、理知的な行動では?
>遠出して、厳しい環境で妊娠を避けるのは知能を持っているなら、当然では?

もちろん、当然です。
そして、打算や理知的な行動、知能なども一部遺伝子に影響されているはずです。
もしそうなら、それは自然選択される。

>ヒト以外の動物で、同様の行為が見られるなら、遺伝的な基盤を考えてもいいかも知れません。
>(もちろん、ヒト特有の遺伝子である可能性も否定はしません)

私はヒト特有ではないと思います。
ヒト以外でも、子供をどれほど産み育ているかというのはやっているのじゃないですか。
特にK淘汰の動物はその傾向がよく見られるのじゃないでしょうか。
毎年子供を産むか、複数にするか、しても皆育てようとするかなどなど、いろいろ。

[1001] Re:具体的な遺伝子>
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月3日 13時06分
>>しかし、現在疾病的な発現をしている方が妥当だと感じます。
>
>どういう疾病を想定されているのでしょう?
>

[1002] すみません無視して下さい
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月3日 13時07分
>>>しかし、現在疾病的な発現をしている方が妥当だと感じます。
>>
>>どういう疾病を想定されているのでしょう?
>>

[1003] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月3日 13時43分
>>しかし、現在疾病的な発現をしている方が妥当だと感じます。
>
>どういう疾病を想定されているのでしょう?

「疾病的」という表現が不味かったようです。
もっと、軽い意味です。診断できるようなものではありません。

それに疾病と云うのは「少子化」です。
ただ、この疾病が起きる作用機序はまったく見当がつかないだけです。
(もちろん、環境ホルモンだの化学物質だと適当に云うこともできますが、
これ以上無責任に話を広げたくもないので作用については沈黙します。)

それと、私が云いたかったのは、少子遺伝子が一時でも適応的でなく、
むしろ、今までも、これからも不適応な場合もあり得ることが云いたいのです。

少子化によって、少子遺伝子をもつ集団が絶滅するなら、まさしく自然選択では?

[1004] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月3日 14時03分
>同じ淘汰圧にかかっている変異でも、その変異がどれほど遺伝の影響下にあるかで、遺伝子頻度の変化に差があるのじゃないでしょうか。

 すみません、良く分からないのですが。「遺伝」をどのような意味で使われていますか?

>>その「産み控え」は心理的行動でもあり、打算的、理知的な行動では?
>>遠出して、厳しい環境で妊娠を避けるのは知能を持っているなら、当然では?
>
>もちろん、当然です。
>そして、打算や理知的な行動、知能なども一部遺伝子に影響されているはずです。
>もしそうなら、それは自然選択される。

1.理知的な行動は遺伝子の影響下に有る
2.産み控えは理知的な行動である
3.よって、産み控えは遺伝子の影響下に有る

ここまでは理解できますし、同意します。
しかし、理知的な行動に対する遺伝子の影響はそれほど大きいのでしょうか?
「遠出した時に身籠った子供は鬼の子である」という文化的要因があったら、
どちらに大きな影響を受けるでしょうか?

>ヒト以外でも、子供をどれほど産み育ているかというのはやっているのじゃないですか。
>特にK淘汰の動物はその傾向がよく見られるのじゃないでしょうか。
>毎年子供を産むか、複数にするか、しても皆育てようとするかなどなど、いろいろ。

この子供を産む数や育て方などは全て本能的なものなのですか?
後天的な学習が全く無いのでしょうか。ここらへんは無学なので分かりません。

[1005] 少子化の原因は遺伝的要素ではなく環境の変化
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月3日 16時14分
> 数十年で遺伝子構成が変わるはずがありません。
> なんでこういう誤解をされるのか、私の書き方が悪かったのか、、、
「自然選択説の反証ではないか?」といっていたからです。
>
> あえて遺伝子という用語を使って説明すれば、環境が変わって、それまで発現しなかった少子化遺伝子が働きだしたのです。
> しかし、そういう環境に多くの人が少子化しているのは、その少子化遺伝子を日本人の多くが持っているとしか考えられません。
それまで発現していなかったのならば、自然選択も働いていなかったということです。
適応的であるとする予断がナンセンスなのです。
「自然選択説が正しければ増えるはずが無い」というのもナンセンスです。
そして、そういうことであれば、少子化の原因は遺伝的要素ではなく環境の変化です。
環境が変化すれば自然選択も変化し、それまで適応的であった形質や遺伝子も適応的でなくなることがあるのは、
自然選択説から予測されることです。

> とにかく「その割合を1年だけ一時的に大きく増やしたことになるはずです。」などとは考えてもいません。
なら、自然選択説とは矛盾しません。

[1006] 遺伝的影響はむしろ増やすほうに働いていた?
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月3日 16時15分
> 産んだ子供の数に遺伝的影響が一部あれば、産んだ子供数というのは自然選択説の対象になり得ると言っています。
自然選択の対象になるからといって、適応的であると決まるわけがありません。
また、遺伝的影響が一部でしかないのなら、遺伝的影響が子供の数を減らしたともいえません。
遺伝的影響はむしろ増やすほうに働いていたのに、他の要素による減少効果のほうが大きく、
結果として減ったということだってありえます。実際そうであったろうと思います。

> >だったら、「必ず特殊合計出産率が2以下になる」とはいえないし、
> >「遺伝子が増えるはずが無い」ともいえないはずです。
>
> そういうことは言っていないはずです。
Yahoo!から引用
> 2以下にするような遺伝子は、そうじゃない遺伝子によって淘汰されるでしょう
>(さらにこういう競争によらなくてもほっといても消えていくんです)。
>これは自然選択説の当然の予測です。自然選択説上、そういう遺伝子が増えるはずがないんです。


> 現在、日本人という集団においては、合計特殊出産率が2を切っているということは、子供を少なく産もうとする個体が沢山いる、優勢であるという結果です。
> なぜ、そうなっているのかというのを自然選択説ではどう説明できるのか。
“子供を少なく産もうとする個体が沢山いる、優勢である”ことの原因が自然選択であるとは限りません。
「自然選択の結果ではない現象がある」という事は、自然選択説の反証ではありません。
#「子供を少なく産もうとする」というのもはなはだ疑問ですが。産もうとすれば必ず産めるわけじゃないし。
#不妊症や無精子症なども増えているはずですよ。

[1008] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月3日 18時42分
> すみません、良く分からないのですが。「遺伝」をどのような意味で使われていますか?

あらたまって尋ねられると、はたと立ち止まってしまいます。
私は、個体というのはその一代限りだが、親から子へと伝えられる因子があり、それが形態や行動様式などの形質を一部決定している、、、
曖昧ですが、こんな感じでしょうか。
思いつきですので穴もあると思います。おかしいところがあれば指摘して下さい。

>しかし、理知的な行動に対する遺伝子の影響はそれほど大きいのでしょうか?
>「遠出した時に身籠った子供は鬼の子である」という文化的要因があったら、
>どちらに大きな影響を受けるでしょうか?

遺伝によるのが「それほど大きいか」とか、遺伝と文化の「どちらがより大きいか」ではなく、遺伝の影響が一部あるかどうかを今問題にされているのではないのですか?
一部遺伝によるものなら、それは自然選択説の範疇に入る。

>この子供を産む数や育て方などは全て本能的なものなのですか?
>後天的な学習が全く無いのでしょうか。ここらへんは無学なので分かりません。

全部が遺伝で決定されている行動などあるはずがありません、特に哺乳類のような大脳の発達した動物に。
ほとんどの(たぶん全部かも)行動様式は、遺伝と環境(後天的な学習など)の両方によるものでしょう。
そして(再度言わせて下さい)一部遺伝によるものなら、それは自然選択説の範疇に入る。

自然選択説が正しければ、動物(全部じゃありません)は自ら適応度を下げるような行動をするはずがない。
その環境において適応度を最大にするように行動するはずなんです。

[1010] Re:だからそれは何か?
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月3日 18時49分
>環境が変化すれば自然選択も変化し、それまで適応的であった形質や遺伝子も適応的でなくなることがあるのは、
>自然選択説から予測されることです。

だから、それは何かと。
それまで適応的であったのは何で、どういう環境の変化によって非適応的になっただろうかと。

私は最初、少子化というような行動は、どんな環境下においても非適応的だと思ってました。
これはNATROMさんの指摘で間違いに気づいた。
で、残るはこの問いです。

[1011] Re:自然選択説の反証
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月3日 18時57分
>“子供を少なく産もうとする個体が沢山いる、優勢である”ことの原因が自然選択であるとは限りません。
>「自然選択の結果ではない現象がある」という事は、自然選択説の反証ではありません。

一般化してみます。
その集団を構成している個体の多くの形態や行動に自然選択の結果でないものがある。
それがあることは自然選択説の反証ではないという意味ですか?

それとも、少子化という行動だけは例外だという主張でしょうか?

なお、少子化遺伝子というのは撤回します。
こういう言い方は、誤解ばかりを生む。
私が意図している部分とは違う部分で説明ばかりしないといけない。

[1012] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月3日 19時23分
>私は、個体というのはその一代限りだが、親から子へと伝えられる因子があり、それが形態や行動様式などの形質を一部決定している、、、
1000でJA50さんは
>同じ淘汰圧にかかっている変異でも、その変異がどれほど遺伝の影響下にあるかで、遺伝子頻度の変化に差があるのじゃないでしょうか。

遺伝の影響下と云う言葉に違和感を感じたものですから。因子とは遺伝子ですよね。

>遺伝によるのが「それほど大きいか」とか、遺伝と文化の「どちらがより大きいか」ではなく、遺伝の影響が一部あるかどうかを今問題にされているのではないのですか?
>一部遺伝によるものなら、それは自然選択説の範疇に入る。

論点がずれてしまいました、申しわけ有りません。
少子化が遺伝子の影響を受けているのは認めますが、二次的な影響でしかないのでは有りませんか?
少子が社会的に有利である、と理知的に判断した場合まで遺伝子の所為ですか?

>一部遺伝によるものなら、それは自然選択説の範疇に入る。

私に理解できないのは、少子化を説明するのにわざわざ理知や知能に対する微々たる遺伝的傾向を上乗せして、
説明する必要が有るのかということです。

>自然選択説が正しければ、動物(全部じゃありません)は自ら適応度を下げるような行動をするはずがない。
>その環境において適応度を最大にするように行動するはずなんです。

人間を種属全体で見れば適応度を下げているように見えるでしょう。
しかし、今、種属のために子供を増やそうと考える人がいますか?
個人が子供を産み、育てるのでしょう?
少子が個人の社会的な適応度を上げるならなんらおかしなことでは有りませんよね。

[1013] 横やりで済みません
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月3日 20時24分
どうもJA50さんは「自然選択説」を非常に強い意味で、しかも決定論的に考えておられる。
そのため話が噛み合いにくくなっているのではないでしょうか。

ここである行動(形質)Aにかんする遺伝子aを仮定します。
遺伝子aをもっているものは持っていないもの(−a)より行動Aをとりやすいとします。
aも−aも行動Aそのものをとることはできるが、
2つの遺伝子型の間で行動Aが見られる頻度に差があるというわけです。
(仮想された少子化遺伝子はこんなものではないでしょうか?)
Aが適応度を低めるような行動であるとしたら
自然選択説ではaが広がることは期待薄であるというところまでは同意できます。
さて、決定論的と表現したのは
元々の集団が−aのみで構成されている場合にaが生じても自然選択で「必ず」除去され
元々の集団がaのみで構成されている場合に−aが生じたら自然選択で「必ず」置換される
と見なす考え方のことです。
しかしaと−aの適応度の差は生存率や繁殖率といったあくまでも確率の差ですから、
自然選択による遺伝子型の頻度の変化は「必ず」ではなくて「高い確率で」しか言えません。
また、確率過程であることを考えれば
−aが増加するケースについても単調ではなくジグザクになると考えるべきです。
つまり、ある時期aが増えることも起こりうるわけです。
さらに、行動Aをとる傾向性みたいなものがあったとしても
それ自体が行動Aをとる確率として表現されますから
ある時点で行動Aをとる個体の比率はaよりも−aの方が多いことも起こり得ます。
(そういうことが少ないということは確率論的に示せますが)
これらのことを考慮に入れていただければ
動物が「常に」適応度が最大になるように行動していると考えなくても良いように思います。

[1014] Re:だからそれは何か?
投稿者  : へち
投稿日時: 2000年7月4日 09時12分
>それまで適応的であったのは何で、どういう環境の変化によって非適応的になっただろうかと。

少子化遺伝子がどのような環境でも少子化を引き起こすとは限りません。
環境が変わると機能?を変える遺伝子は数多くあります。

[1015] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月4日 10時38分
>遺伝の影響下と云う言葉に違和感を感じたものですから。因子とは遺伝子ですよね。

そのつもりで書きました。

>少子化が遺伝子の影響を受けているのは認めますが、二次的な影響でしかないのでは有りませんか?

二次的だろうが100次的だろうが、一部遺伝の影響を受けておればいいはずです。

>少子が社会的に有利である、と理知的に判断した場合まで遺伝子の所為ですか?

その理知的に判断し、子供を産まないと判断したところに、全く遺伝子の影響がなかったのなら、その行動を自然選択説では説明できないでしょう。
それも、ある特定の個人についてでは全く無意味です。
ある集団全体の統計的なものでしか言えない。

>人間を種属全体で見れば適応度を下げているように見えるでしょう。

種族全体の適応度ってのは、どういう定義なんでしょうか?

>しかし、今、種属のために子供を増やそうと考える人がいますか?

少ないでしょう。

>個人が子供を産み、育てるのでしょう?

そうです。
個人が子育てを放棄する場合も近頃は増えてきましたが、多くが親が子育てをしている。

>少子が個人の社会的な適応度を上げるならなんらおかしなことでは有りませんよね。

社会的な適応度というのはどういう意味でしょうか?
社会的階級とかいうのなら分かるんですが、社会的な適応度というのはよく分かりません。

[1016] Re:確率論的仮説の反証可能性
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月4日 10時59分
>どうもJA50さんは「自然選択説」を非常に強い意味で、しかも決定論的に考えておられる。
>そのため話が噛み合いにくくなっているのではないでしょうか。

その可能性は大いにありますね。
決定論的にならないようにしているつもりですが、私は無意識にそういう考え方をしている可能性が大いにある。

>(仮想された少子化遺伝子はこんなものではないでしょうか?)

そんな感じです。
それに、クリスさんがあっちの掲示板で書かれていますが、aは単数じゃなく複数。
さらに、本来は他の機能を持つものが多数関与しているというような、、、

>しかしaと−aの適応度の差は生存率や繁殖率といったあくまでも確率の差ですから、
>自然選択による遺伝子型の頻度の変化は「必ず」ではなくて「高い確率で」しか言えません。

確かに言われる通りなんですが、これを言い出すと、自然選択説は皆「高い確率」の話になってしまわないでしょうか。

>ある時点で行動Aをとる個体の比率はaよりも−aの方が多いことも起こり得ます。
>(そういうことが少ないということは確率論的に示せますが)
>これらのことを考慮に入れていただければ
>動物が「常に」適応度が最大になるように行動していると考えなくても良いように思います。

ポパーも確率論的仮説についていろいろ書いていました。
内容が難解でよく理解できませんでした。
そういう私の反論ですから話半分でお願いします。

ある現象(今回の話では少子化という現象)が自然選択説にとって確率としては少ないことが起こっているのだというのなら、そういう仮説は反証可能なのでしょうか?

[1017] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月4日 11時39分
>二次的だろうが100次的だろうが、一部遺伝の影響を受けておればいいはずです。

では、私がJA50さんと議論するのも遺伝の影響なのですね?

>>少子が社会的に有利である、と理知的に判断した場合まで遺伝子の所為ですか?
>
>その理知的に判断し、子供を産まないと判断したところに、全く遺伝子の影響がなかったのなら、その行動を自然選択説では説明できないでしょう。

影響が全く無いわけではない、と合意しました。
しかし、影響がほんのわずかな場合、選択を受ける度合いが極端に低くなりませんか?
#適切な表現ではないかも知れません。

>それも、ある特定の個人についてでは全く無意味です。
>ある集団全体の統計的なものでしか言えない。

人間は他の動物にくらべ行動のばらつきが大きすぎませんか?
その行動すべては遺伝子のばらつきによるものですか?
特定の宗教を信じるのも遺伝子の所為ですか?

>>人間を種属全体で見れば適応度を下げているように見えるでしょう。
>
>種族全体の適応度ってのは、どういう定義なんでしょうか?

 安易に適応度などと云ってしまいました。申し訳ない。
 繁殖率ぐらいのニュアンスでお願いします。

>>少子が個人の社会的な適応度を上げるならなんらおかしなことでは有りませんよね。
>
>社会的な適応度というのはどういう意味でしょうか?
>社会的階級とかいうのなら分かるんですが、社会的な適応度というのはよく分かりません。

個人的な言い回しですので勝手に定義します。
個人が社会において精神的、肉体的コストを低く押さえることができるのが適応度の高い状態です。
なおかつ、余剰なコストを非生産的な事柄にまわせれば一段と高くなるとしましょう。

[1018] Re:確率論的仮説の反証可能性
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月4日 11時49分
>確かに言われる通りなんですが、これを言い出すと、自然選択説は皆「高い確率」の話になってしまわないでしょうか。

そうです。
自然選択説による説明は確率論的説明です。
ですから、確率論的法則であるメンデルの法則(及び集団遺伝学)と
うまく統合されて「総合説」が成立したんです。

>ポパーも確率論的仮説についていろいろ書いていました。
>内容が難解でよく理解できませんでした。
>そういう私の反論ですから話半分でお願いします。
>
>ある現象(今回の話では少子化という現象)が自然選択説にとって確率としては少ないことが起こっているのだというのなら、そういう仮説は反証可能なのでしょうか?

ポパーについてですが「科学的発見の論理」とかでは
確率論的仮説についてはある有意水準εを設定して
それ以下の確率事象が起きたとき「反証」と見なすという規約を提案していたと思います。
この規約については内井惣七さんが「科学哲学入門」(世界思想社)の中で批判を加えています。
(内井さんは「進化論と倫理」の著者でもあり日本の科学哲学者の中では屈指の進化論通でもあります)
内井さんの議論の要点は、この規約が「反証主義」に
確率論的法則を合わせるためだけに提出されたものだということです。
(反証主義からは導けない、いわゆるアドホックな規約)

内井さんの本でも言及されていますが
統計的検定論ではポパーの規約よりももっと洗練された
仮説検定の手法が開発されています。
集団遺伝学的な計算で確率を求めて当該の現象ついて
仮説をテスト(検定)することは可能です。

#余談ですが進化論と集団遺伝学の統合に大きく貢献した
R.A.フィシャーは近代推測統計学の祖の一人であります。

[1019] Re:環境が変わると機能を変える遺伝子
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月4日 12時34分
そのような遺伝子があるだろうというのは分かります。
特に、過去においてはAという適応的な機能を果たしていたが、現在はBという適応的な機能を果たしているというのはたくさんあると思います。

問題は、現在Cという非適応的な機能を果たしており、過去のAという適応的な機能が何か分からない場合です。
現在少子化という非適応的な行動を引き起こしている遺伝子が過去においてはどのような機能を果たしていたのか分からないのなら、それまで適応的であったのが現在非適応的になったために少子化しているのだという仮説は、反証不能な仮説となるように思いますが。

[1020] Re:確率論的仮説の反証可能性
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月4日 12時47分
>集団遺伝学的な計算で確率を求めて当該の現象ついて
>仮説をテスト(検定)することは可能です。

今回の少子化現象に具体的にはどうやるのでしょう?

たぶん説明されても理解できない可能性が強いというエクスキューズをしておきます、というのは、、、

>ポパーについてですが「科学的発見の論理」とかでは
>確率論的仮説についてはある有意水準εを設定して
>それ以下の確率事象が起きたとき「反証」と見なすという規約を提案していたと思います。

そうだったような記憶が、、、
とにかくこの意味が理解できないのです、具体的にどうやるのだろうと、、、

医学研究、特に臨床研究では、よく5%の有意水準がどうのとかいうのをやっていた記憶があるんですが、これと同じようなものなのかしら、、、

[1021] Re:ローマ貴族の研究
投稿者  : 横レスしました
投稿日時: 2000年7月4日 12時51分
レス遅れて済みません。
皇帝の例は適切ではなかったようです。これは人口減についての説明で出てきた説で、どちらにしてもあまり影響はないそうです。
公共事業というのは、身分の高いローマ人がある種の義務として、私財を投じて公共に役立つ建物などをつくる習慣があったことを言います。
(この時代には公共財などの概念はなく、国の財産=皇帝の私有財産です。)
「選挙」(今の民主主義選挙とは違いますが)で高官の地位を得るためにも、多くの貴族ら(皇帝も含めて)が建設ラッシュを行いました。
いわゆる「パンとサーカス」もその一つの現れです。
実はこの部分は現代日本との対応を本当に真剣に考えるべきところではないかと、ひそかに思っています。
現代日本でも、国だけでなく多くの国民が他の快楽を求めるため、出産、子育に費やす金を減らしているのではないでしょうか。

[1022] Re:確率論的仮説の反証可能性(2)
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月4日 12時57分
仮説のテストについて補足します。

統計的検定でもそうですが、
仮説のテストはある特定の現象について
その仮説が成立するかどうかのテストに過ぎません。
ここで問題になっているケースに即して言えば
1)「少子化現象は自然選択説で説明できる」という
仮説についてはテストできます。
しかし、このようなローカルな仮説のテストと
2)「動物行動は全て自然選択説で説明できる」というような
グローバルな仮説についてのテストを同一視することはできません。
前者のようなローカルな仮説は
2’)「動物行動の多くは自然選択説で説明できる」という立場や
2’’)「動物行動の一部は自然選択説で説明できる」とする立場であっても
とることのできる仮説だからです。
ハミルトンの血縁淘汰の理論の成功以来、
動物行動学の中で自然選択説的な説明の比重は増えていると思いますが
2)のような強い形での自然選択説など極端な人以外とってないのではないでしょうか?
具体例をあげます。
チンパンジーの蟻釣りや石による木の実割りは
本能(遺伝)によらない学習による文化的現象として知られています。
こういうことを研究しているジェーン・グドールのような動物行動学者は
「全ての動物行動を自然選択説で説明する」等と考えてないのは
火を見るよりも明らかです。

[1023] Re:自然選択説の反証
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月4日 13時12分
> 一般化してみます。
> その集団を構成している個体の多くの形態や行動に自然選択の結果でないものがある。
> それがあることは自然選択説の反証ではないという意味ですか?
その通りです。例えそれが“これから”淘汰されて行くものであっても。
もっとも変異の原因が遺伝的変異によるもので無ければ自然選択も淘汰につながりませんがね。


> こういう言い方は、誤解ばかりを生む。
> 私が意図している部分とは違う部分で説明ばかりしないといけない。
複数の遺伝要素によるという事は理解しているつもりです。
同時に、それらが少子化という結果だけを起こすという事は
考えにくいということも指摘しておきます。
一家全員飢え死にしない様に子供を制限できることは非常に有利だったであろうと思います。
その能力が少子化のプロセスに噛んでいるのは間違いありません。


たとえばこんな遺伝子も考えられます。
y染色体に載っていて、男だけに伴性遺伝する遺伝子で、これを持っていると決して結婚しようとしない代わり
非常に女性にもてるため、持っていない男に比べてたくさん(倍以上)の子供を残すことができる。
この遺伝子は適応的であるためその頻度を増やすが、
そうすると一人で子育てをしなければならない女性が増えるため、
女性は以前ほど多くの子供を育てられなくなり、出生率は下がる。

[1024] Re:確率論的仮説の反証可能性
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月4日 14時12分
>今回の少子化現象に具体的にはどうやるのでしょう?

極端に単純化したモデルでしか議論するとしても非常に多くの前提が必要です。
少子化の話では生存率に差がなくて繁殖率の差だけが問題とされていましたが、
例えば極端に考えて対立遺伝子を子供が3人のものと子供1人のものを仮定したとしても、
子供3人形質の親(第1世代)が「必ず」3人生むと考えずに0人、1人、2人、3人、4人、5人、、、生む確率を考えないといけません。
子供1人形質についても同様です。
すなわち子供3人形質では1人10%、2人20%、3人40%、4人30%とかの分布を考える必要があります。

何よりも必要なのは少子化について遺伝的な寄与がどのくらいあり、
集団内にはどのような対立遺伝子があるかを知らなければ話ができません。
知能でもそうですが、一卵性双生児で出生率に関する相関が見られるかどうかとか、親と子供の出生率に相関があるかとかから調べるべきです。
ことこの少子化問題に関して言えば、1970年以降に見られる現象と言うことですから、
親の世代と子供の世代で出生率に差がある現象と見なせます。
従って、出生率に親子間の相関が認めがたい現象です。
これにより、少子化現象に関する遺伝的寄与はほとんどないと判断するのが健全な判断と思います。


>医学研究、特に臨床研究では、よく5%の有意水準がどうのとかいうのをやっていた記憶があるんですが、これと同じようなものなのかしら、、、

荒っぽく言えば同じようなものです。
ポパーの素朴な規約と違って統計的検定論では、
間違って正しい仮説を捨棄却してしまう危険性(リスク)を定量的に評価して
「5%の有意水準」といういい方をしているのです。


[1025] Re:自然選択説の反証
投稿者  : cakra
投稿日時: 2000年7月4日 14時30分
別の枝で横レスしますと名乗ってローマの話をしているものです。
高度な議論の展開を見て参加をためらっていました。お手柔らかに願います。
少子化の説明として、1、適応的である、2、確率論的な揺らぎ、3、かつて適応的だが環境の変化で不適応の3種の説があげられているようですが、1、2は無理でしょう。そこで3を考えます。
それには遺伝子と行動の関係の間接性をもっと考慮すべきではないでしょうか。
ほかにも言われていますが、学習能力が関係していると思います。しかし学習能力そのものは自然淘汰によって進化してきたものです。
学習とは単純に言えば、入力と出力の連合をある種の量(快楽と呼ぶことにします)を最大化するよう調整することです。
このような学習能力が進化するための環境要因は、全く不変ではないので柔軟な行動が必要ではあるが、快楽の追求が適応度最大化とほぼ一致する程度に不変であるというものでしょう。
かつてはこの条件が成り立ち、故に人間は大成功しました。しかし今は成り立っていないように思います。
分かりやすい例で言えば、食肉嗜好は果実食では補えない栄養素を補給する上で有利でした。しかし現在、肉があまりに用意に手にはいる環境では肉を食べすぎ肥満という不適応を産みます。
少子化も同様な理由で起っていると考えられないでしょうか。
つまり少子化のための遺伝子と慣用的に呼ばれるものは、まさしく上の学習能力のための遺伝子という事です。
そして自然淘汰は今も働いています。学習能力そのものは捨てることができないので、おそらく「快楽」を微調整すると予測できます。

[1026] 少子化形質に関する遺伝的寄与の分析
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月4日 16時22分
補足です。

>知能でもそうですが、一卵性双生児で出生率に関する相関が見られるかどうかとか、親と子供の出生率に相関があるかとかから調べるべきです。

一卵性双生児に見られる出生率の相関係数R1と
二卵性双生児(同胞兄弟でもよい)に見られる出生率の相関係数R2との比較
加えて、同一家庭で育てられた一卵性双生児の出生率の相関係数R3と
養子に出されたりして異なる家庭で育てられた一卵性双生児の出生率の相関係数R4の比較を調べれば
出生率の差に遺伝的寄与があるかどうか調べられます。
遺伝的寄与が全くなければ
R1とR2は同じような値になりその差はR3とR4の差より大きくならないはずです。

このようなテストで少子化に関する遺伝的寄与が認めれられない限り
少子化現象は自然選択説に対する反証にはなりません。
例えば学習能力遺伝子とかそういう遺伝子(群?)によって
少子化が引き起こされているとしても
学習能力遺伝子なりと少子化現象の間に直接の関係がないので
自然選択説で問題にしているような「形質に対する選択」が起きていないので
単に自然選択説で説明できる対象でないということに過ぎません。

それから少し訂正です、
>間違って正しい仮説を捨棄却してしまう危険性(リスク)を定量的に評価して
は、
>間違って正しい仮説を棄却してしまう危険性(リスク)を定量的に評価して
です。

[1027] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月4日 20時15分
>では、私がJA50さんと議論するのも遺伝の影響なのですね?

違うでしょう。

>影響が全く無いわけではない、と合意しました。

これを是非記憶しておいて下さい。

>しかし、影響がほんのわずかな場合、選択を受ける度合いが極端に低くなりませんか?

その場合、変異が選択を強く受けても、遺伝子の方はその影響を受ける度合いが低くなると思います(推測です、ここらは数学的な処理が必要かも)。

>人間は他の動物にくらべ行動のばらつきが大きすぎませんか?

私は、人間も動物だと思っています。
それに、どの程度のばらつきがあれば、自然選択説は適用できないというような合理的な基準を示さないと、アドホックな言い訳になってしまうと思います。

>その行動すべては遺伝子のばらつきによるものですか?

ある行動が全て遺伝子の影響下にあるなどというは皆無だと思いますが、、、

>特定の宗教を信じるのも遺伝子の所為ですか?

一部、遺伝子の影響があると思います。
それがどの程度なのかは全く分かりません。

[1028] Re:ローカルな仮説とグローバルな仮説
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月4日 20時17分
難解でよく理解できないのですが、私が感じている疑問を書いてみます。

「動物行動は全て自然選択説で説明できる」、あるいは、実際にはできなくともできるという可能性がないといけない、という前提が成り立たないと、動物行動が自然選択説で説明できなくとも、それはできない行動なのだという言い訳を許すことになってしまいます。
(これは確率論的言明は本質的には反証不能であるというのと同じかな、、、)

言い換えてみます。
動物行動についての自然選択説を適用できるのかどうか、できるとする仮説が反証可能であるためには、2の仮説(条件)が必要だと思うのです。そうでないと、これは自然選択説で説明出来ない行動だという反証を示しても、その行動は自然選択説では説明できない例外行動なのだとされてしまいます。
これでは、動物行動に自然選択説を適用できるという仮説は反証不能と言われてもしかたないと思うのですが。

それと、蟻釣りや木の実割りは文化行動ですが、それらは適応的な行動ですよね、またその行動は一部遺伝的影響を受けているのではありませんか?
文化で蟻釣りや木の実割りを説明するなというのではありません。ある行動について、自然選択説で説明する(適応的な意味を考える)やり方もあるということなんですが。それぞれの分野で、それぞれの理論を使って説明する、それでいいのじゃないでしょうか。

[1029] Re:少子化現象は自然選択説の反証たり得ない
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月4日 20時19分
>このようなテストで少子化に関する遺伝的寄与が認めれられない限り
>少子化現象は自然選択説に対する反証にはなりません。

少子化現象に遺伝的寄与があることを証明しないと、例え少子化現象が非適応的な行動の結果であっても、自然選択説の反証たり得ない、というのは分かりました(というか既にNATROMさんに指摘されました)。
問題は、どうやったらそれができるかです。
安賀須さんのメッセージを読む限り、かなり困難なような、、、

反証が困難な仮説は価値の低い仮説?

なお、これですが、、、
>ことこの少子化問題に関して言えば、1970年以降に見られる現象と言うことですから、
>親の世代と子供の世代で出生率に差がある現象と見なせます。
>従って、出生率に親子間の相関が認めがたい現象です。
>これにより、少子化現象に関する遺伝的寄与はほとんどないと判断するのが健全な判断と思います。

1970年以降、特殊合計出産率が2を切ったのです。
少子化傾向はそれ以前より見られていました。
「親の世代と子供の世代で出生率に差がある現象」なのは事実ですが(出生率が次第に減っているんですから)、しかし「従って、出生率に親子間の相関が認めがたい現象です。」となるのがどうしてなのか分かりません。

[1030] Re:自然選択説の反証
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月4日 20時24分
>> 一般化してみます。
>> その集団を構成している個体の多くの形態や行動に自然選択の結果でないものがある。
>> それがあることは自然選択説の反証ではないという意味ですか?
>その通りです。例えそれが“これから”淘汰されて行くものであっても。
>もっとも変異の原因が遺伝的変異によるもので無ければ自然選択も淘汰につながりませんがね。

ここが理解できないのです。
私が示した一般例が反証たり得ないなら、どういう反証例があり得るのか、、、
どうやったら自然選択説の反証例を示すことができるのか、できないことになりはしないのか、、

ある生物の形態や行動を示して、これは自然選択説の反証だ言っても、それは自然選択説の結果ではないから反証ではないと言われてしまいます。
こういう言い訳を許さないためにはどうすればいいのでしょう?

[1031] Re:自然選択説の反証
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月5日 07時50分
> 私が示した一般例が反証たり得ないなら、どういう反証例があり得るのか、、、
> どうやったら自然選択説の反証例を示すことができるのか、できないことになりはしないのか、、
自然選択説が反証不可能なら、なおさらJA50さんの主張は正しいはずがないことになるではありませんか。
けりがつくまでは矛盾する主張をしないでください。混乱のもとです。

> ある生物の形態や行動を示して、これは自然選択説の反証だ言っても、それは自然選択説の結果ではないから反証ではないと言われてしまいます。
> こういう言い訳を許さないためにはどうすればいいのでしょう?
形態や行動だけでは駄目です。それが遺伝することと以前からあったことも示さないと。
遺伝しない変異について自然選択説は言及していないし、
環境変異や突然変異についても言及していません。

「利己的な遺伝子」に出てくる例では、寄生虫が宿主のカタツムリの形質を変化させます。
自分に都合が良く、カタツムリにとっては不利な形で。

[1032] Re:具体的な遺伝子
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月5日 09時23分
>>では、私がJA50さんと議論するのも遺伝の影響なのですね?
>違うでしょう。

あれ、一次的ではなくとも、それこそ100次的でも影響がないのですか?
少子の選択は遺伝の影響が有るのに、誰かと理知的に議論することが有意義であると判断することが(僅かでも)遺伝の影響を受けてないんですか。

>>しかし、影響がほんのわずかな場合、選択を受ける度合いが極端に低くなりませんか?
>その場合、変異が選択を強く受けても、遺伝子の方はその影響を受ける度合いが低くなると思います(推測です、ここらは数学的な処理が必要かも)。

数学的な処理が必要でしょう。私も門外漢なので数式はたてられませんが。
しかし、影響の度合いが分からないのに「選択を受ける」といって良いのでしょうか。

>それに、どの程度のばらつきがあれば、自然選択説は適用できないというような合理的な基準を示さないと、アドホックな言い訳になってしまうと思います。

産児数のばらつきはどうでしょうか。10人以上子供を産んでいる人もいるし、全く産まない人もいる。
両者に遺伝的ばらつきが有りますか?

>ある行動が全て遺伝子の影響下にあるなどというは皆無だと思いますが、、、

行動は全て遺伝子の影響を僅かでも受けているはずです。
ただ、極々わずかで問題にもならないでしょう。
ですから、行動(少子も含め)を遺伝子で説明する必要はない。
環境なら大きなばらつきがあるから、環境を問題にすべきです。

>>特定の宗教を信じるのも遺伝子の所為ですか?
>一部、遺伝子の影響があると思います。
>それがどの程度なのかは全く分かりません。

私も分かりません。でも、問題にする程大きい影響だとは考えられません。

[1033] Re:自然選択説の反証
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月5日 10時36分
>自然選択説が反証不可能なら、なおさらJA50さんの主張は正しいはずがないことになるではありませんか。

逆です。自然選択説が反証不能なら、それは私の主張が正しいことになります。

[1034] Re:特定の個人の特定の行動
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月5日 10時49分
>あれ、一次的ではなくとも、それこそ100次的でも影響がないのですか?
>少子の選択は遺伝の影響が有るのに、誰かと理知的に議論することが有意義であると判断することが(僅かでも)遺伝の影響を受けてないんですか。

>産児数のばらつきはどうでしょうか。10人以上子供を産んでいる人もいるし、全く産まない人もいる。
>両者に遺伝的ばらつきが有りますか?

>行動は全て遺伝子の影響を僅かでも受けているはずです。
>ただ、極々わずかで問題にもならないでしょう。
>ですから、行動(少子も含め)を遺伝子で説明する必要はない。
>環境なら大きなばらつきがあるから、環境を問題にすべきです。

これらは全て自然選択説の誤解に基づいていると思います。
うまく説明できるかあれなんですが、、、

ある特定の個人のある特定の行動というのを自然選択説の反証にすることはできません。
自然選択説は、ある特定の個人のある特定の行動を予測する仮説じゃないからです。

あるヒトが子供を一人も産まなかったというのは自然選択説の反証ではありません。
しかし、沢山のヒトが、子供を沢山産む環境にあるのに、産もうとしないとしたら、それは非適応的な行動で、自然選択説の反証になるのではないか。
これが、ここに私が提示している疑問です。
ある特定の個人が子供を産むとか産まないかという話ではありません。

遺伝の影響を全面的に受けている行動なら、それを持っている人はまず確実にそういう行動をとるでしょう。
その場合には、対象となる人の数が少なくてもいい。
しかし、ごくわずかしか影響しないものなら、その影響を明らかにするには母集団をよほど大きくしないといけないはずです。
例えば、日本人全体とか。

[1035] Re:比較対象を定めませんか?
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月5日 13時00分
>これらは全て自然選択説の誤解に基づいていると思います。

そうですね。私自身は誤解している点が有ると思います。

>ある特定の個人のある特定の行動というのを自然選択説の反証にすることはできません。
>自然選択説は、ある特定の個人のある特定の行動を予測する仮説じゃないからです。

分かりました。個人云々は止めにします。

>しかし、沢山のヒトが、子供を沢山産む環境にあるのに、産もうとしないとしたら、それは非適応的な行動で、自然選択説の反証になるのではないか。
>これが、ここに私が提示している疑問です。

この疑問が私としてはおかしいと思っているのです。
「子供をたくさん産む環境にあるのに」と云いますが、果たしてそうでしょうか。
子供を沢山産めない環境なのかもしれませんよね。
多くの人が育児に莫大なコストを掛けてる時代ですから。

>しかし、ごくわずかしか影響しないものなら、その影響を明らかにするには母集団をよほど大きくしないといけないはずです。
>例えば、日本人全体とか。

「日本人」で括るのはデータ的にあまりに恣意的ではありませんか?
均一とは言えませんが遺伝的には余り差がないでしょう。しかし、環境も余り差がありませんよね。
これでは、環境がどれくらい影響しているか計れないではありませんか。
バックグラウンドやコントロールと云った比較対象が必要ではないでしょうか。
少子が遺伝的影響によるものだと云うなら、適切な比較対象を考えてみませんか?

[1036] Re:ローカルな仮説とグローバルな仮説
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月5日 13時04分
全て自然選択で説明できるという強い形での自然選択説は
性淘汰に関する説明を含みませんから、クジャクの羽とかの問題を説明できません。
従ってグローバルな仮説としては既に成立しない(反証された?)ものと考えるべきです。
ただ、現代の自然選択にしても性選択にしても、あるいは中立遺伝子の浮動にしても
準拠している理論的枠組みは共通(集団遺伝学)です。
ですから現在の標準的な進化学説の準拠している理論的枠組みの中では
自然選択も性選択も進化のメカニズムとして理論的に可能です。
そこで、観測されている現象を説明するメカニズムとして
どれがふさわしいか(事実としてどのメカニズムが働いているか)という問題が争点になるのです。
私の理解では今日、自然選択説という言葉で考えられているのは
こういうローカルな理論(=説明の道具)であるか、
グローバルな理論としては進化のメカニズムとして自然選択を含んだ弱い形のもの
(主要なメカニズムが自然選択なので違うメカニズムを含んでいても「自然選択説」)
と思います。
例えば、血縁淘汰の理論は不妊ワーカーが存在する真社会性動物(アリとかハチとか)が
いかにして進化してきたか(あるいは進化できたか)を説明する理論ですが
当然のこと真社会性動物以外には適用できません。
不妊ワーカーの存在しない動物に見られる利他行動に関しては
別の説明が要求されます(互恵的利他行動に関する理論)。
だからといって血縁淘汰の理論が無意味ではないように
ローカルな自然選択説も無意味ではなく
より大局的な理論(標準的進化学説)の一部として組み込まれているのです。

[1037] Re:少子化現象は自然選択説の反証たり得ない
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月5日 13時44分
>少子化現象に遺伝的寄与があることを証明しないと、例え少子化現象が非適応的な行動の結果であっても、自然選択説の反証たり得ない、というのは分かりました(というか既にNATROMさんに指摘されました)。

私が言いたいのは少子化現象に遺伝的寄与があるのなら
自然選択説では説明不可能な進化現象と認めるが、
遺伝的な寄与が無視できる程度なら対象外(=自然選択説とは無関係)
ということです。

>反証が困難な仮説は価値の低い仮説?

あいまいだとかの理由で論理的に反証されにくい仮説はそうでしょう。
しかし、確率論的仮説はポパーの古典的(?)な「反証」には馴染みませんが
期待しがたい(確率の低い)現象が起きれば仮説の信頼性は下がるという
仮説と現象の間の一種の緊張関係のようなものがあり
また、仮説相互の優劣の比較が可能ですから価値が低いなんて思いません。
確率論的法則だから価値が低いということなら
量子力学はどうなるんだといいたいし、
反証主義がそんなものならポパーの方が悪いとしか言いようがありません。

>1970年以降、特殊合計出産率が2を切ったのです。
>少子化傾向はそれ以前より見られていました。
>「親の世代と子供の世代で出生率に差がある現象」なのは事実ですが(出生率が次第に減っているんですから)、しかし「従って、出生率に親子間の相関が認めがたい現象です。」となるのがどうしてなのか分かりません。

遺伝現象は親子が似ていることです。
わかりやすく言えば多産少産が遺伝的形質であるなら
例えばベビーブーマーは多産である親と遺伝的に似ていて多産であるはずです。
ところが出生率はベビーブーマーでも一貫して低下している。
ベビーブーマーが親に似ず少産なら
少産形質を親から遺伝的に受け継いだと考えられない、
そういうことです。

[1038] 質問
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月5日 14時58分
もう一つの掲示板の方で
JA50さんが「性淘汰も血縁淘汰も自然選択説に含む」と仰っていたので質問します。
(普通の用語では性淘汰は自然選択(自然淘汰)に含まれないように思います。)

ある形質が非適応的でも、配偶者獲得競争に圧倒的な強みを持っていれば
進化の過程で集団内に広まるというのが性淘汰の理論だと理解しています。
(これはあくまでも対立形質に対してです)
適応度×繁殖率で定義される相対適応度が最大のものが選択されるという点では
広い意味での自然選択説としても良いのかもしれませんが
この場合の繁殖率は性選択の係数(正確な用語は忘れた)と出生率の積でしょう。
そうだとしたら、少子化は性選択で起こり得るし、
JA50さんのいう自然選択説の範囲で説明可能なんじゃないですか?

[1039] Re:自然選択説の反証
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月5日 17時44分
> 逆です。自然選択説が反証不能なら、それは私の主張が正しいことになります。
私が言っている「JA50さんの主張」とは「少子化現象が自然選択の反証である」という奴ですよ。

[1040] Re:比較対象を定めませんか?
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月5日 18時46分
>子供を沢山産めない環境なのかもしれませんよね。

もちろん、子供を沢山産めない環境であるという可能性はあるでしょう。
しかし、「子供を沢山産めない環境なのかもしれない」というだけでは反論になりません。その環境とはどういう環境なのかを具体的に示さないといけない。そして、それを検証して初めて科学になります。
私らは研究者ではありませんので、実際に検証までする必要はないでしょうが、それでもこれこれの環境だから子供を産まないとか1人しか産まないという選択を多くの人がしているのだという仮説だけでも示すべきでしょう。


>少子が遺伝的影響によるものだと云うなら、適切な比較対象を考えてみませんか?

これは言われるとおりだと思います。

環境もよく似ている、遺伝的差異もほとんどない、だから同じ様な行動を多くの人がやっている。その結果として特殊合計出産率が2を切るなどという驚くべき現象が出現したのでしょう。
で、他の国家や民族ではどうかと比較するのは問題解決の一手段だと思います。
例えば東南アジアなどは人口増加率が高いが、東南アジアと日本では、子供を産み育てるという環境にどのような差があるのかなど。私は、日本の方が食糧事情や医療事情、さらに教育制度など全て環境はいいと思うのですが。
東南アジアでも、モンゴロイド系と例えばインド系では遺伝的差異はモンゴロイド系の民族の方が日本に近く、インド系の方が遠いと思います。それに差があるのかどうかなど面白いかも。

[1041] Re: 質問
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月5日 19時11分
>もう一つの掲示板の方で
>JA50さんが「性淘汰も血縁淘汰も自然選択説に含む」と仰っていたので質問します。
>(普通の用語では性淘汰は自然選択(自然淘汰)に含まれないように思います。)
>
>ある形質が非適応的でも、配偶者獲得競争に圧倒的な強みを持っていれば
>進化の過程で集団内に広まるというのが性淘汰の理論だと理解しています。
>(これはあくまでも対立形質に対してです)
>適応度×繁殖率で定義される相対適応度が最大のものが選択されるという点では
>広い意味での自然選択説としても良いのかもしれませんが
>この場合の繁殖率は性選択の係数(正確な用語は忘れた)と出生率の積でしょう。
>そうだとしたら、少子化は性選択で起こり得るし、
>JA50さんのいう自然選択説の範囲で説明可能なんじゃないですか?

[1042] 性淘汰、血縁淘汰、自然淘汰
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月5日 19時13分
前のメッセージは投稿ミスです。すみません。
それと、このメッセージだけ先にレスします。非常に興味深いもので。
後は勝手ですが明日に、、、

動物行動学で、ある行動がなぜ進化してきたのか、どういう適応的な意味があるのかなどを研究するとき、それには性淘汰や血縁淘汰、(狭い意味での)自然淘汰を総合して説明しようとしているはずです。
自ら適応度を下げる動物はいないということにそれら全てを含ませているとならないでしょうか?

>適応度×繁殖率で定義される相対適応度が最大のものが選択されるという点では
>広い意味での自然選択説としても良いのかもしれませんが
>この場合の繁殖率は性選択の係数(正確な用語は忘れた)と出生率の積でしょう。

こういうことで、性淘汰も自然淘汰に含むと。


で、興味深いのはこれです。

>そうだとしたら、少子化は性選択で起こり得るし、
>JA50さんのいう自然選択説の範囲で説明可能なんじゃないですか?

少子化という行動が性淘汰でも血縁淘汰でも、さらに(狭い意味での)自然淘汰でも起こり得るというのは分かるのです。少子化することで適応度を上げている、自らの子孫を増加させていることがあり得るというのは分かります。

問題は、現在の日本やヨーロッパなどに見られる少子化です。
これはどう説明できのか分からないことです。
この少子化現象を性選択で説明可能なのでしょうか?
いったいどういう説なのか、私には想像もつきません。
是非教えて下さい。


[1043] 本気にしないで下さいね!
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月5日 19時51分
>問題は、現在の日本やヨーロッパなどに見られる少子化です。
>これはどう説明できのか分からないことです。
>この少子化現象を性選択で説明可能なのでしょうか?
>いったいどういう説なのか、私には想像もつきません。
>是非教えて下さい。

言っておきますが、決して本気にしないで下さい

先進国ではお尻の小さい女性(あるいは腰のくびれたいい女)が好まれる→
お尻の小さい女性は骨盤が小さいので妊娠出産に負担が掛かり生涯に産む子供の数は少ない
(=少子化形質)→
男性の好みのために(性選択で)お尻の小さい女性でないと結婚できず子孫が増えない→
お尻の小さい女性が増える(=少子化が進む)

そこで研究者は
出生率とヒップサイズに相関があるか調べる
先進国と開発途上国で平均ヒップサイズに差があるか調べる
(どっちもテスト可能)

あぁ、もう完全に竹内久美子の世界ですね(涙)

[1044] Re:経済学から。
投稿者  : nut
投稿日時: 2000年7月6日 02時33分
はじめまして。久しぶりに訪れたら面白そうな話題があったので参加させてもらいます。

>私は、日本の方が食糧事情や医療事情、さらに教育制度など全て環境はいいと思うのですが。

経済学方面の人間は、それ(↑)ゆえにこそ、少子化なのだと考える人が多いようです。
遺伝子の個体行動に対する影響と言うものは、間接的なものですよね。基本的に門外漢なので表現が上手くないかもしれませんが、「子供を産ませる遺伝子」があるのではなく、「子供を産むことを個体に魅力的に見せる遺伝子」があるのだという意味です。
いわば遺伝子は、馬(個体)の背中に乗っていて、馬の鼻面にニンジンを吊り下げている。もし遺伝子が美味い餌を正しい方向に吊り下げれば、馬はより一生懸命に騎手の望む方向へと走るでしょう。このコントロールに失敗した騎手は、馬もろともレースから脱落します。

で、経済学はこのレースの環境が変わったのだと考えます。今まで騎手の示す餌に猛然と食らいついていた馬たちの周囲の環境がです。端的に言って、馬の周囲には非常に多様で、しかも一層魅力的な「餌」がたくさんあります。しかも、これら「新しい餌」と「従来の餌」の間には一定のトレードオフが存在し、どちらかを得ようとすればもう一方の幾分かを諦めねばならない。結局、人類はこのあたりを小賢しく計算することができ、避妊をしたり出産を遅らせたり、場合によっては出産そのものを望まなかったりします。

もちろんいまだに「子供を産む」ことは魅力的な「餌」の一つではありますが、かつてと違ってその相対的な影響力が低下していることは否めません。NATRONさんも避妊について言及されていますが、我々はもう「出産」と「交尾」を分離してしまっています。動物として根本的に魅力を感じるのは、「出産」よりむしろ「交尾」でしょう。

[1045] Re: Re:経済学から。
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月6日 06時37分
>はじめまして。久しぶりに訪れたら面白そうな話題があったので参加させてもらいます。
どうも、こんにちは。

>遺伝子の個体行動に対する影響と言うものは、間接的なものですよね。基本的に門外漢なので表現が上手くないかもしれませんが、「子供を産ませる遺伝子」があるのではなく、「子供を産むことを個体に魅力的に見せる遺伝子」があるのだという意味です。
>いわば遺伝子は、馬(個体)の背中に乗っていて、馬の鼻面にニンジンを吊り下げている。もし遺伝子が美味い餌を正しい方向に吊り下げれば、馬はより一生懸命に騎手の望む方向へと走るでしょう。このコントロールに失敗した騎手は、馬もろともレースから脱落します。

非常に分かりやすい例えですね。このあとでnutさんご自身もおっしゃているように、
「子供を産むことを個体に魅力的に見せる遺伝子」というより
「交尾をすることを個体に魅力的に見せる遺伝子」かも知れません。確かに(^^;

>で、経済学はこのレースの環境が変わったのだと考えます。今まで騎手の示す餌に猛然と食らいついていた馬たちの周囲の環境がです。端的に言って、馬の周囲には非常に多様で、しかも一層魅力的な「餌」がたくさんあります。しかも、これら「新しい餌」と「従来の餌」の間には一定のトレードオフが存在し、どちらかを得ようとすればもう一方の幾分かを諦めねばならない。結局、人類はこのあたりを小賢しく計算することができ、避妊をしたり出産を遅らせたり、場合によっては出産そのものを望まなかったりします。

そうですね。私は動物行動学もその位のことは考慮して発展している学問だと思うのですが。

ところで話は変わるのですが、「こたつじいさん」と何かありました?
なんか、目の敵にされてるような印象が。。。

[1046] Re: 本気にしないで下さいね!
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月6日 06時44分

>先進国ではお尻の小さい女性(あるいは腰のくびれたいい女)が好まれる→
>お尻の小さい女性は骨盤が小さいので妊娠出産に負担が掛かり生涯に産む子供の数は少ない
>(=少子化形質)→
>男性の好みのために(性選択で)お尻の小さい女性でないと結婚できず子孫が増えない→
>お尻の小さい女性が増える(=少子化が進む)
>
>そこで研究者は
>出生率とヒップサイズに相関があるか調べる
>先進国と開発途上国で平均ヒップサイズに差があるか調べる
>(どっちもテスト可能)
>
>あぁ、もう完全に竹内久美子の世界ですね(涙)

どわっはっはっは(^^)
無茶苦茶受けました。壺にきてしまいました。

[1047] Re:自然選択説の反証
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月6日 06時52分
>>自然選択説が反証不可能なら、なおさらJA50さんの主張は正しいはずがないことになるではありませんか。
>
>逆です。自然選択説が反証不能なら、それは私の主張が正しいことになります。

自然選択説が反証不能なら、それは宗教的信念であり、それに基づく進化論も宗教ということです。
JA50さんの主張はそういうことだったのですか?(違うでしょう?)

要するに「自然選択説の反証」となるものはこれこれこういうものである、というJA50さんの条件が不十分だということです。

[1048] Re:比較対象を定めませんか?
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月6日 09時16分
>しかし、「子供を沢山産めない環境なのかもしれない」というだけでは反論になりません。その環境とはどういう環境なのかを具体的に示さないといけない。そして、それを検証して初めて科学になります。

待って下さい。まず、比較対象が必要です。「少子の一群」と「非少子の一群」を較べて、両群が置かれた環境の差異、遺伝的な差異、これらから、仮説をたてるべきです。
仮説を調べるために検証するのではなく、まず、調べた結果から仮説をたてるべきです。仮説のための検証では話が逆ではないではないでしょうか。仮説に対する思い込みも生じますし。

>環境もよく似ている、遺伝的差異もほとんどない、だから同じ様な行動を多くの人がやっている。その結果として特殊合計出産率が2を切るなどという驚くべき現象が出現したのでしょう。

環境も似ているが遺伝的差異が大きい場合がもっとも分かりやすいのですが、
人間の遺伝的差異なんて、ほとんど無いに等しいですよね。そこが大きな問題だとは思います。
同じ環境に置かれてどの民族も小子化しても、それが、環境か人類全体に広がっている遺伝子の影響かは判別しにくいのですよね。

>私は、日本の方が食糧事情や医療事情、さらに教育制度など全て環境はいいと思うのですが。

[1044] でnutさんが云われているように環境のよさがネガティブに働いていることもあり得ますね。
人間の特殊な能力として、価値や動機の付加と云うものがありますし。

>東南アジアでも、モンゴロイド系と例えばインド系では遺伝的差異はモンゴロイド系の民族の方が日本に近く、インド系の方が遠いと思います。それに差があるのかどうかなど面白いかも。

できれば、宗教が単一であることが望ましいですね。宗教が変わると生活が変わってしまいますし。

[1050] Re: 本気にしないで下さいね!
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月6日 11時47分
>言っておきますが、決して本気にしないで下さい

いや、こういうのこそ面白いんです。
私は研究者じゃありませんから、こういう屁理屈をあれこれやるのが楽しいんです。
どしどし、こういうのを上げて下さい。

で、その仮説ですが、反論を一発。

腰のくびれている女性が男性に好まれるというのは分かります(あ、実際に本当かは知りません)。
しかし、腰がくびれていれば骨盤が小さいというのが間違いじゃないでしょうか。
骨盤が大きいから、腰のくびれが強調されるのでは?

確か、この問題、「愛の解剖学」にあったような記憶が、、、、
ちょっと調べてみます。

[1051] Re:経済学から。
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月6日 12時30分
>はじめまして。久しぶりに訪れたら面白そうな話題があったので参加させてもらいます。

どうぞ。

人参の例えはその通りだと思います。
遺伝子というのは、少子化しろと命令するのではなく、人参を示して少子化方法へ誘導するというやり方を取ることが多い。これは形態の方にも言えます。

nutさんの仮説は、他の方が既にやれている快楽説とも通じるものだと思います。

過去においては出産、育児に感じる快楽(人参)以外にあまり快楽(人参)はなかったが、現在の高度産業化社会には、そういうものが他にたくさんあり、出産、育児に投資しなくなった。
魅力的な仮説だとは思うのですが、問題は、この仮説をどうやったら検証できるかです。

なお、交尾が生殖と分離している動物は他にもいます。
ボノボなんて典型で、彼らは交尾を挨拶というか緊張緩和のためのコミュニケーションにも利用している。
ヒトでも、メスが生殖可能時期でもないのにいつでも交尾可能なのは、オスとのつながり補強のために進化したのだというのもあります。
このように、生殖と分離した交尾も、適応的です。
ボノボにしろ、ヒトにしろ、そういう交尾も、結果としてその個体の適応度を高めているのですから、それらは自然選択説の反証というより補強証拠です。
問題は、生殖と分離した交尾が、非適応的な場合で、これが快楽説の中心的な主張部分でしょう。そして、どうやったらその仮説を検証できるか、これが問題です。

[1052] Re:比較対象を定めませんか?
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月6日 12時31分

>待って下さい。まず、比較対象が必要です。「少子の一群」と「非少子の一群」を較べて、両群が置かれた環境の差異、遺伝的な差異、これらから、仮説をたてるべきです。

これは、少子化という現象に遺伝因子の関与が実際にあるのかの検証ですよね。
確かにこれは重要なことです。
そして、その検証は実際には難しいことが多い。
環境要因をどうやって排除するか、文化は、偶然はなどなど。

ただし、形態の進化でも、その形態が実際に遺伝の関与があるかを皆必ず実際に調べているわけではないです。
例えとしてどうかあれなんですが、キリンの首は長い、自然選択説で説明可能ですが、実際にキリンの首の長さって遺伝するのでしょうか?
また、どの程度の関与があるのでしょうか?
キリンの首の長さについて親と子の間に相関があるのだろうか、、、

[1053] お誉めにあずかり光栄ですRいね!
投稿者  : 安賀須若人安
投稿日時: 2000年7月6日 12時36分
>どわっはっはっは(^^)
>無茶苦茶受けました。壺にきてしまいました。

クリスさん、お誉めにあずかり光栄です。
でも、JA50さんには意味するところがわからなかったみたいです。
ギャグをかましたのに「深遠な芸術だ」とかいわれた気分です。

#芸の道は厳しい(涙々)


[1054] 打ち損じ失礼いたしました
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月6日 12時45分
1053は完全な打ち損ないです。
失礼いたしました>皆様(とりわけてもクリス様)

[1055] そんな馬鹿な!
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月6日 13時12分
>いや、こういうのこそ面白いんです。
>私は研究者じゃありませんから、こういう屁理屈をあれこれやるのが楽しいんです。
>どしどし、こういうのを上げて下さい。

調べるべきことを調べず、確かめるべきことを確かめない
既に他の人が調べていることを確認もしないで発言する
専門家の定説についてちゃんと調べない
他の人の発言を曲解する、、、

こういうのは疑似科学に典型的に見られる態度です。
限られた題材をつないで整合性のある話を作るだけだったら
落語の三題話と変わるところがありません。
個々の項目がたとえ反証可能であろうと
具体的データ(過去の積み上げ)を無視するのは
竹内久美子とかのトンデモと変わるところがありません。

こういう掲示板が学術的な討論の場とは思いませんから
面白いお話をすること自体は全然否定しませんが
遺伝しない形質(?)について理屈のための理屈をこね回して
自然選択説を適応を云々するのはナンセンスです。
少子化について遺伝的な寄与があるかどうかは
双子の出生率を例にしてテスト方法を提示したはずです。
「愛の解剖学」を読まれるくらいでしたら
メーナード・スミスの「進化遺伝学」であるとか
クローの「基礎集団遺伝学」であるとかを読んでいただいた方が
多分、JA50さんとの間で実りのある議論ができると思います。

[1056] Re:比較対象を定めませんか?
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月6日 13時59分
>環境要因をどうやって排除するか、文化は、偶然はなどなど。

完全にはできないでしょうが、少しでもモデル化して操作しなければ仮説もたてられないでしょう。
仮説をたててから、モデル化するのは恣意的ですから。

>ただし、形態の進化でも、その形態が実際に遺伝の関与があるかを皆必ず実際に調べているわけではないです。

形態の進化に遺伝が関与していない場合があるとすれば、それは次の世代に伝わらないでしょう。
次の世代に遺伝しないのに形態が伝わるんですか?
哺乳類であれば、形態形成が終わるのは妊娠8週目ぐらいの母親の子宮内です。母親ごとに子宮内の環境が大きく変わるとでも云うんですか。
環境が大きく影響するなら、動物園で出産された個体と比べればいいでしょう。数が少ないですけど。

>例えとしてどうかあれなんですが、

無茶苦茶に不適切だと思います。形態を持ち出した時点で無茶苦茶だと思います。

>キリンの首は長い、自然選択説で説明可能ですが、実際にキリンの首の長さって遺伝するのでしょうか?
>また、どの程度の関与があるのでしょうか?
>キリンの首の長さについて親と子の間に相関があるのだろうか、、、

遺伝してるじゃないですか。キリンの首が(他の動物と較べて)長いのは親から子へ遺伝しています。
個体のあれこれを問うのなら、キリンじゃなくて人間の方が分かりやすいでしょう。サンプルも多いですし。
例えば人間の場合、子の身長は両親の身長からおおよそで求められるぐらい遺伝します。
だいたい、遺伝的に決まってなかったら、もっと様々な長さの首を持ったキリンが産まれてきそうですけど。

[1057] Re:あ、終わり?
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月6日 19時36分
くびれの話は終わりなんですか?

まいったなぁ、、、

そんな馬鹿なという話しでもいいと思うのですが、実りのある話である必要もないし。
私は専門家でもない、単なるディレッタントなんです。
進化生物学上、動物行動学上の何かの寄与などする必要はない。

安賀須さんには他にもいろいろ聞きたいことがあったのですが、どうもこういう態度をとられてはそれもできない。

[1058] Re:形態は遺伝するに決まっている
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月6日 20時01分
>遺伝してるじゃないですか。キリンの首が(他の動物と較べて)長いのは親から子へ遺伝しています。

少子化という行動を私が持ち出したとき、それが遺伝するのかどうかに質問が集中しました。
自然選択で進化を論じるのですから、遺伝的関与があるかどうかは確かに重要な問題だと思います。
それを確認していないのは主張としては弱点だとは分かっています。

ところが、形態の話になると、遺伝しているじゃないかで終わらせるとしたら、それは不公平です。
例えば、キリンの首の長さを調べ、親と子の間にその相関があるのかどうか実際に調べたのでしょうか?
また、少子化という行動の場合には環境の関与があるはずだからというのもよく言われました。
キリンの首の長さに環境の関与はないと言えるのでしょうか?
例えば、首の長いキリンの子は、その親がいる環境と同じところで長く生活するだろうから、その影響ではないのかなど。

>形態の進化に遺伝が関与していない場合があるとすれば、それは次の世代に伝わらないでしょう。
>次の世代に遺伝しないのに形態が伝わるんですか?

この文の形態というのを行動という言葉に代えてはダメでしょうか?

キリンが他の哺乳類に比べ長い首を持っているというのは遺伝する、遺伝するからキリンの首は長いのだ。
確かにそうです。言われるとおりだと思います。
人間のある行動傾向について、それは遺伝する、遺伝するからそういう行動傾向をするようになったのだとしてもいいことになりませんか。

[1059] Re:自然選択説の反証
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月6日 20時18分
>私が言っている「JA50さんの主張」とは「少子化現象が自然選択の反証である」という奴ですよ。

私の前のレスはショートカットし過ぎている。連合弛緩と言われてもいいくらいです。
PepperMystさんの言われるように、自然選択説が反証不能なものなら、私の「少子化現象が自然選択の反証である」というのが成り立たないはずです。
その通りです。

で、自然選択説の反証ということで改めて、、、

今のところ、私の「少子化現象が自然選択の反証である」という主張は誰からも認められていない。皆さん、偽だと主張されている。
対偶をとれば、「少子化現象が自然選択の反証である」が真なら、「自然選択説は反証可能だ」となるんだが、、、

私は今まで自然選択説の反証というのにお目にかかったことがありません。
どうやれば反証できるのだろうといろいろ考えていたのですが、その一つが少子化現象です。
自然選択説に反証するのは、明らかに適応度を下げている形質(形態や行動)が、ある集団中の多数の個体に見られたらできるのではないかと考えたのです。
少子化というのは適応度を下げる行動としてこれ以上明かなものはないと思ったのですが、いろいろ難しいようです。

で、PepperMystさんは、自然選択説に反証するのはどういう例があればいいとお考えですか?

これは、自然選択説を科学的仮説だと考え、かつそれを今のところは反証されていないと考えておられる、他のかたにもお尋ねしたいですね。
NATROMさんはどうですか(とここで聞いても読んでおられるだろうか)。

[1060] Re:形態は遺伝するに決まっている
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月6日 20時19分
>人間のある行動傾向について、それは遺伝する、遺伝するからそういう行動傾向をするようになったのだとしてもいいことになりませんか。

すべての生物は神が創造した。神が創造したから…
っというの全く同じ論理ですな。

[1061] え、もっとウソを?
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月6日 20時27分
>そんな馬鹿なという話しでもいいと思うのですが、実りのある話である必要もないし。
>私は専門家でもない、単なるディレッタントなんです。
>進化生物学上、動物行動学上の何かの寄与などする必要はない。

ディレッタントを自認なさっておられるのなら
「聖書」の記述をできる限り字義通り解釈して化石や生物学的多様性を説明できる
「若い地球派」の創造論づくりに挑戦されてはいかがでしょうか?
ひょっとすると現存する「創造科学」よりましなものができるかも、
何せ、広義の自然選択による進化を含んでもOKですから。

>安賀須さんには他にもいろいろ聞きたいことがあったのですが、どうもこういう態度をとられてはそれもできない。

性選択なら別バージョンもありますよ
「多産は養育費がウザいので性選択で少産化した」とか
「多産の×××の緩い女が性選択で減ってきた」とかね。

遺伝学を無視してもOKなら、
ラマルク的獲得形質として「少子化」を考えても良いし
「人類は少子化するべくして少子化した」という今西説でも
「少子化ウィルスによる遺伝病だ」というウィルス進化説でも
同じようなものでしょう。
現代において自然選択について論じる以上、遺伝学抜きでは話にならないのです。

自然選択説の反証可能性とかそういうのでしたら
まだ話は終わってないのかもしれませんが
何人もの方に「少子化に遺伝的背景はない」と指摘された時点で
少子化そのものの話は終わりじゃないんですか?

[1062] Re:自然選択説の反証
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月6日 20時32分
>連合弛緩と言われてもいいくらいです。
何ですか、それ?

>今のところ、私の「少子化現象が自然選択の反証である」という主張は誰からも認められていない。皆さん、偽だと主張されている。
>対偶をとれば、「少子化現象が自然選択の反証である」が真なら、「自然選択説は反証可能だ」となるんだが、、、
はあ?対偶というのは「AならばB」という形の命題でないとつくれませんが?

>で、PepperMystさんは、自然選択説に反証するのはどういう例があればいいとお考えですか?
1。適応度の低い遺伝子が奇跡的に増えていく。
2。適応的な遺伝子のほとんどが自然選択によらずに広まったことが立証される。

[1063] Re:自然選択説の反証
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月6日 21時53分
>今のところ、私の「少子化現象が自然選択の反証である」という主張は誰からも認められていない。皆さん、偽だと主張されている。
>対偶をとれば、「少子化現象が自然選択の反証である」が真なら、「自然選択説は反証可能だ」となるんだが、、、

「少子化現象が自然選択の反証である」の対偶は「自然選択の反証でなければ、少子化現象ではない」です。
さらに「自然選択説は反証可能だ」の対偶は「反証可能でなければ自然選択説ではない」でしょう。
すなわち、この二つの命題は全く別のものです。
いったい、何の対偶をとったのか。そもそも対偶を道理解しているのか。極めて疑問です。

>私は今まで自然選択説の反証というのにお目にかかったことがありません。
当たり前じゃないですか。反証を示すことができたら、自然選択説は誤りだと証明できたことになります。
ノーベル賞間違いなしです。反証をどういうふうに理解していたのか非常に疑問。

[1064] Re: Re:経済学から。
投稿者  : nut
投稿日時: 2000年7月6日 23時42分
>このあとでnutさんご自身もおっしゃているように、
>「子供を産むことを個体に魅力的に見せる遺伝子」というより
>「交尾をすることを個体に魅力的に見せる遺伝子」かも知れません。確かに(^^;
ああ!
すみません、仰るとおりですね。これが言いたいことです。

>ところで話は変わるのですが、「こたつじいさん」と何かありました?
>なんか、目の敵にされてるような印象が。。。
やっぱりそう見えますか?
でも、こたつじいさんとは、あそこで初めて会ったんです(少なくとも自分の
記憶の限りでは)。私もレスを見て「あれぇ?」とは思ったんですが、
そういう雰囲気の掲示板なのだろうと納得しようと思っていたところです。

[1065] Re:経済学から。
投稿者  : nut
投稿日時: 2000年7月7日 00時07分
>問題は、この仮説をどうやったら検証できるかです。
社会科学ではとにかく実験ができません。少なくとも理系で行われるような「管理実験」は絶望的だと言わねばなりませんよね。その意味では「検証」にも限界があって、結局統計的な有意性に根拠を求めねばなりません。
その観点での検証としては、単純に経済水準と出生率の相関を見ることが一つの方法ですね。良く知られるように、この点の相関関係は強いものです。経済的に成熟した社会はほとんど例外無く、出生率の低下を経験しています。人口問題の双璧と目されるインドにおいてさえ、所得水準と出生率とに負の相関が見られると、食糧問題を勉強してる知り合いから聞きました。また、日本経済は急激な成長を遂げた典型的な社会ですから、上の見方が正しければ、少子化のスピードも他の社会に比べて急激なものであったかもしれませんね。
もちろん、これだけで因果関係を主張できるかとなると。。難しいかもしれません。

>なお、交尾が生殖と分離している動物は他にもいます。
>ボノボなんて典型で、彼らは交尾を挨拶というか緊張緩和のためのコミュニケーションにも利用している。
やや、面白い話をありがとうございます。
ボノボは「交尾可能時期」を広げ、その上でヒトは「生殖可能時期」を複数の可能な選択肢から意図的に選ぶようになったと言うことですね。

[1066] Re:自然選択説の反証
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月7日 00時50分
> で、自然選択説の反証ということで改めて、、、
そおじゃなくて!「自然選択説は反証不能だ」と言いたいんなら
まず「少子化現象は自然選択説の反証だ」という主張を引っ込めてくれといってるんですが。
どうしてもいやなら、
「少子化現象が自然選択説の反証で無いなら自然選択説は反証不可能である」とかにしてください。
(明らかに偽だけど)

> 対偶をとれば、「少子化現象が自然選択の反証である」が真なら、「自然選択説は反証可能だ」となるんだが、、、
やっと分かりました。
「『自然選択説が反証不能』ならば『少子化現象は自然選択”説”の反証ではない』」
の対偶が
「『少子化現象は自然選択”説”の反証ではない』が偽なら『自然選択説が反証不能』は偽である」
であるといいたかったんですね?
命題が括弧でくくられていない上にまったく無意味な「が真」とかついてるしもとの命題は遠く離れてるし、
一度読んだだけで分かった人は天才です。
で、何をいいたいんですか?

[1068] Re:自然選択説の反証
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月7日 07時06分

>「少子化現象が自然選択説の反証で無いなら自然選択説は反証不可能である」とかにしてください。
>(明らかに偽だけど)

確かにこれならすっきりする。真偽は別にして。

>> 対偶をとれば、「少子化現象が自然選択の反証である」が真なら、「自然選択説は反証可能だ」となるんだが、、、
>やっと分かりました。
>「『自然選択説が反証不能』ならば『少子化現象は自然選択”説”の反証ではない』」
>の対偶が
>「『少子化現象は自然選択”説”の反証ではない』が偽なら『自然選択説が反証不能』は偽である」
>であるといいたかったんですね?

なるほどー。そういう意味でしたか。
それに一晩で気が付く人は充分天才の名に値するかも(ヨイショ)。
JA50さん。反証とか反証不能の使い方がおかしいのでは?

[1069] Re: Re:経済学から。
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月7日 08時47分
>>「交尾をすることを個体に魅力的に見せる遺伝子」かも知れません。確かに(^^;
>ああ!
>すみません、仰るとおりですね。これが言いたいことです。
あやまるようなことしてませんて(^^)

>>ところで話は変わるのですが、「こたつじいさん」と何かありました?
>>なんか、目の敵にされてるような印象が。。。
>やっぱりそう見えますか?
>でも、こたつじいさんとは、あそこで初めて会ったんです(少なくとも自分の
>記憶の限りでは)。私もレスを見て「あれぇ?」とは思ったんですが、
>そういう雰囲気の掲示板なのだろうと納得しようと思っていたところです。
あの掲示板は私もたまに覗くだけなんですが、時々いわゆる「とんでも」さんが
喧嘩を売りにっていうか、荒らしにくるんで。。。間違えられましたかね?
もしかしたら、以前に同じ様なHNの人がいて、人間違いされてるとか。

[1070] Re:そうですね
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月7日 10時14分
>>人間のある行動傾向について、それは遺伝する、遺伝するからそういう行動傾向をするようになったのだとしてもいいことになりませんか。
>
>すべての生物は神が創造した。神が創造したから…
>っというの全く同じ論理ですな。

そうですね。
「キリンが他の哺乳類に比べ長い首を持っているというのは遺伝する、遺伝するからキリンの首は長いのだ。」というのも。

[1071] Re:自然選択説の反証
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月7日 11時04分
>1。適応度の低い遺伝子が奇跡的に増えていく。

奇跡的とはどういうことなのかよく分からない(何をもって奇跡的と言うのか、その条件)のですが、それはおいといて、、、

少子化という行動に影響を与えている遺伝子(群)は、適応度が低いと考えるのですが、それが現代日本やヨーロッパでこれほど多数を占めている。
反証例になり得ませんか?
反証例としてきちんとするには、少子化というのに実際に遺伝的影響があることを示す必要があると思いますが、そうだと仮定してです。


私の最終目的は、自然選択説は反証不能、ないし、非常に反証可能性の低い(ほとんど不可能な)仮説であるということを明らかにすることです。

>2。適応的な遺伝子のほとんどが自然選択によらずに広まったことが立証される。

これなんて、立証するのはかなり困難ですね。
適応的な遺伝子とは何か、特に適応的とはどういう意味か(クリスさんにはさかんに適応度のことを尋ねられましたが、私も同じところをついてみたいです)、その形質が適応的としてその遺伝子が実際にあるのか、これらの条件を乗り越えられてもどれほどそういう遺伝子を見つければほとんどという条件を満たすのかなどなど。

そうそう、形態についてだけじゃなく行動も(これらの全部とは言いません、全部がとなると反証可能性が高くなるんですが、反証可能性が低いと主張する立場からは一部だと言ってくれる方が好都合です)、自然選択説は成り立っているのですよね。
それと、ヒトは自然選択説の適用範囲外なのでしょうか?
クリスさんだったか、人は特殊だと言われているかたがおられましたが、こういう何々は特殊だから例外だという仮説の修正は許すのでしょうか。


他の、対偶とか何とかは無視してください。
こういうのを持ち出した私が馬鹿でした。

[1072] Re: え、もっとウソを?
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月7日 11時38分
>自然選択説の反証可能性とかそういうのでしたら
>まだ話は終わってないのかもしれませんが
>何人もの方に「少子化に遺伝的背景はない」と指摘された時点で
>少子化そのものの話は終わりじゃないんですか?

話を終わりにするには、少子化に遺伝的背景はないということを立証してからにすべきですね。
そういう立証ができているのですか?

それとも、立証せずに、遺伝的背景がないに違いないで終わりなんですかね。
それは神はそのようにお作りになったという話と同じじゃないですか。

ま、最初は低姿勢でやってきて、途中で、、、

>調べるべきことを調べず、確かめるべきことを確かめない
>既に他の人が調べていることを確認もしないで発言する
>専門家の定説についてちゃんと調べない
>他の人の発言を曲解する、、、

とやり、またくびれ説のように穴の一杯ある主張を持ち出して相手がそれに食いついたら、バァカとやる。
そして最後に、これこれをやれば実りある議論もできるだろうと言って話を打ち切る。
なかなかいい手だと思います。

私も、あなたにはこれからは同じ手を使わせてもらいます。
それに他の手もいいでしょうね、あなたが先に手を出したんですから免責されるだろう。

[1073] Re:経済学から。
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月7日 11時48分
>社会科学ではとにかく実験ができません。少なくとも理系で行われるような「管理実験」は絶望的だと言わねばなりませんよね。その意味では「検証」にも限界があって、結局統計的な有意性に根拠を求めねばなりません。

分かります。
進化論でも同じことがよく言われる。

>その観点での検証としては、単純に経済水準と出生率の相関を見ることが一つの方法ですね。良く知られるように、この点の相関関係は強いものです。経済的に成熟した社会はほとんど例外無く、出生率の低下を経験しています。人口問題の双璧と目されるインドにおいてさえ、所得水準と出生率とに負の相関が見られると、食糧問題を勉強してる知り合いから聞きました。また、日本経済は急激な成長を遂げた典型的な社会ですから、上の見方が正しければ、少子化のスピードも他の社会に比べて急激なものであったかもしれませんね。

インドでは「所得水準と出生率とに負の相関が見られる」んですか!

なぜ所得水準が上がると出生率が下がるんでしょう?
適応度ということから見たら、出生率が上がっていいのに(子供を沢山作ってもその経済的負担に耐えられるはずですから)。

ハーレムを作る動物なんて、テリトリーが広いとか、そこに餌が沢山あるとかなら、支配下のメスも増えて、さらに子も増やせる。
それなのに、逆の現象になるとしたら、おかしい。
所得水準が上がれば出生率が下がるというのは、これと同じくおかしなことだと思うんです。

社会科学の方では、所得水準と出生率の間の負の相関についてその理由としてどういう仮説を立てているんでしょう、興味あります。

[1074] Re:経済学から。
投稿者  : 後藤寿庵
投稿日時: 2000年7月7日 12時34分
>ハーレムを作る動物なんて、テリトリーが広いとか、そこに餌が沢山あるとかなら、支配下のメスも増えて、さらに子も増やせる。
>それなのに、逆の現象になるとしたら、おかしい。
>所得水準が上がれば出生率が下がるというのは、これと同じくおかしなことだと思うんです。

ふと思ったんですが、豊かになると出生率が下がるというのではなく、厳しくなると
上がるという性質と捉えたらどうでしょう。

十分安楽な生活を送れる環境では、自分も自分の子も生き延びて子供を作る
可能性が高いのに対し、明日をも知れない環境では、いつ自分が死ぬかも知れない。
子供も産んだ内どれだけ生き延びて孫を作るかわからない。だから貧しくなると
できるだけ子供を産んで遺伝子を残そうとする。

[1075] はぁ?、、まあこれでやめときましょう
投稿者  : 安賀須若人
投稿日時: 2000年7月7日 13時12分
>話を終わりにするには、少子化に遺伝的背景はないということを立証してからにすべきですね。
>そういう立証ができているのですか?

少子化に遺伝的背景があるということを最初に仰ったのはJA50さんの方でしょう。
立証責任はJA50さんの方にあるのではありませんか?
遺伝の寄与の大小(遺伝率)については
身長とか知能とかで調べられているのと同様の方法でできますよ、
と提案してそちらの負担を軽くしたつもりですが。

>とやり、またくびれ説のように穴の一杯ある主張を持ち出して相手がそれに食いついたら、バァカとやる。
>そして最後に、これこれをやれば実りある議論もできるだろうと言って話を打ち切る。
>なかなかいい手だと思います。

うーん、当初私はJA50さんの主張を
「少子化を説明できないと自然選択説が反証され、動物行動学が危機に陥いるから心配」
という主張だと見てましたので噛み合わなかったようですね。
狭義の自然選択でなくても少子化は性選択とかで説明する可能性を指摘したら
どんな説で説明できるのかとお聞きになったので
事実関係を度外視した雛形を出したまでです。
いわゆる「引っかけ」と思われるのは、但し書きを読み飛ばされたからでしょう。
(それにくびれ説ではなく「大きなお尻」説ですよ。)
それからもう一つ、別にJA50さんを馬鹿呼ばわりした覚えはありませんよ、
「そんな馬鹿な!」は
「言っておきますが、決して本気にしないで下さい」
と言ってるのにもかかわらず、議論されようとすることに対してです。

>私も、あなたにはこれからは同じ手を使わせてもらいます。
>それに他の手もいいでしょうね、あなたが先に手を出したんですから免責されるだろう。

どうぞ、お好きなように、
免責云々は他の方が判断されるでしょう。

ではでは、

[1076] Re:そうですね
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月7日 14時37分
>>>人間のある行動傾向について、それは遺伝する、遺伝するからそういう行動傾向をするようになったのだとしてもいいことになりませんか。
>>
>>すべての生物は神が創造した。神が創造したから…
>>っというの全く同じ論理ですな。
>
>そうですね。
>「キリンが他の哺乳類に比べ長い首を持っているというのは遺伝する、遺伝するからキリンの首は長いのだ。」というのも。

その「」の中身はJA50さんの発言です。しかも、私の発言を誤解している。
私は、このような意図で「キリンの首が(他の動物と較べて)長いのは親から子へ遺伝しています」云いました。

1.キリンの親から産まれたキリンの子は、親と同じように首が長い。
2.キリンの首が長いのは形態的な形質である。
3.1,2より、キリンの首が長いという形質は遺伝している。

これは観察の結果です。

[1077] Re:自然選択説の反証
投稿者  : PepperMyst
投稿日時: 2000年7月7日 15時02分
> 奇跡的とはどういうことなのかよく分からない(何をもって奇跡的と言うのか、その条件)のですが、それはおいといて、、、
遺伝子の機能と関係のない原因で、ということです。災害の度にたまたま適応度の低い遺伝子を持つ個体だけ生き残るとか。
>
> 少子化という行動に影響を与えている遺伝子(群)は、適応度が低いと考えるのですが、
それは大間違いです。影響を与えているから適応度を下げているとは限らないといったはずです。
メラニン色素細胞という形質は皮膚ガンを防いで皮膚ガンの発生という現象に影響を与えているし、
皮膚ガンの発生は適応度を下げるが、色素細胞という形質が(このことで)適応度を下げているわけじゃない。

> 私の最終目的は、自然選択説は反証不能、ないし、非常に反証可能性の低い(ほとんど不可能な)仮説であるということを明らかにすることです。
その二つは同じでないどころか全く正反対の意味を持ちます。
原理的に反証不能なら科学で扱う意味が無いが、(すなわち非科学的)
原理的には可能で実際非常に可能性が低いのであれば、「非常に確からしい科学的仮説」だということです。

[1078] Re:経済学から。
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月7日 15時42分

>ふと思ったんですが、豊かになると出生率が下がるというのではなく、厳しくなると
>上がるという性質と捉えたらどうでしょう。
>
>十分安楽な生活を送れる環境では、自分も自分の子も生き延びて子供を作る
>可能性が高いのに対し、明日をも知れない環境では、いつ自分が死ぬかも知れない。
>子供も産んだ内どれだけ生き延びて孫を作るかわからない。だから貧しくなると
>できるだけ子供を産んで遺伝子を残そうとする。

これは良く議論される仮定なんですが、現在はほぼ否定されているようです。
やはり貧しい人たちは避妊の知識も少ないし、娯楽が少ないから、早婚多産になる。
また、その方が経済的に楽なんだそうです。
子供を学校にもやらずに労働力と考えればその通りなんでしょうね。
夢も希望も無いつまらない理屈ですが、こちらの方が正解らしいですよ。

[1079] Re: はぁ?、、まあこれでやめときましょう
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月7日 15時51分
>>話を終わりにするには、少子化に遺伝的背景はないということを立証してからにすべきですね。
>>そういう立証ができているのですか?
>
>少子化に遺伝的背景があるということを最初に仰ったのはJA50さんの方でしょう。
>立証責任はJA50さんの方にあるのではありませんか?
このことは以前に私も指摘したのですが無視されてしまいました。

>それからもう一つ、別にJA50さんを馬鹿呼ばわりした覚えはありませんよ、
>「そんな馬鹿な!」は
>「言っておきますが、決して本気にしないで下さい」
>と言ってるのにもかかわらず、議論されようとすることに対してです。
「そんな馬鹿な!」は竹内久美子氏の著書のもじりですよねえ?
別に悪意は感じませんが。

>>私も、あなたにはこれからは同じ手を使わせてもらいます。
>>それに他の手もいいでしょうね、あなたが先に手を出したんですから免責されるだろう。
>
>どうぞ、お好きなように、
>免責云々は他の方が判断されるでしょう。
>
>ではでは、
ここの管理人さんは公正な方ですから、心配ないでしょう。
ちょっと最近JA50さん、被害妄想気味では?

[1080] Re:形態は遺伝するに決まっている
投稿者  : 識
投稿日時: 2000年7月7日 16時15分
>ところが、形態の話になると、遺伝しているじゃないかで終わらせるとしたら、それは不公平です。

行動と形態では遺伝子の関与のレベルが違います。

>例えば、キリンの首の長さを調べ、親と子の間にその相関があるのかどうか実際に調べたのでしょうか?

「遺伝的に決まってなかったら、もっと様々な長さの首を持ったキリンが産まれてきそうですけど。」とお答えしました。

>例えば、首の長いキリンの子は、その親がいる環境と同じところで長く生活するだろうから、その影響ではないのかなど。

「哺乳類であれば、形態形成が終わるのは妊娠8週目ぐらいの母親の子宮内です」とお答えしました。ただ、訂正します。これは人間の場合です。
キリンはもっと胎生期が短いかも知れません。しかし、キリンの子供は産まれた時から、首の長い親にそっくりです。

>>形態の進化に遺伝が関与していない場合があるとすれば、それは次の世代に伝わらないでしょう。
>>次の世代に遺伝しないのに形態が伝わるんですか?
>
>この文の形態というのを行動という言葉に代えてはダメでしょうか?

今も多くの学生が教室の中で、教育を受けて、遺伝の関与無しに行動が伝えられています。

>キリンが他の哺乳類に比べ長い首を持っているというのは遺伝する、遺伝するからキリンの首は長いのだ。
>確かにそうです。言われるとおりだと思います。

そんなことは云ってませんが?親から産まれる子は親の形態を受け継いでいる、だから、形態は遺伝している。

>人間のある行動傾向について、それは遺伝する、遺伝するからそういう行動傾向をするようになったのだとしてもいいことになりませんか。

行動と形態を同列で扱うのは無理があると説明しました。

[1083] Re: Re:経済学から。
投稿者  : nut
投稿日時: 2000年7月7日 23時23分
>あの掲示板は私もたまに覗くだけなんですが、時々いわゆる「とんでも」さんが
>喧嘩を売りにっていうか、荒らしにくるんで。。。間違えられましたかね?
>もしかしたら、以前に同じ様なHNの人がいて、人間違いされてるとか。

ああ。。。そう言うことなんでしょうか。
いずれにしろ、しばらくあの伝言板には行かないつもりです。
ご縁が無かったと言うことで(笑)。

[1084] Re:経済学から。
投稿者  : nut
投稿日時: 2000年7月7日 23時25分
>なぜ所得水準が上がると出生率が下がるんでしょう?
適応度ということから見たら、出生率が上がっていいのに(子供を沢山作ってもその経済的負担に耐えられるはずですから)。

馬とニンジンの喩えのように、遺伝子の個体に対する影響力と言うのは間接的なものですよね。それは言い換えると、騎手(遺伝子)にとっての効用(適応度?)と個体の効用が違うと言うことだと思います。遺伝子にとっては「出産」と掲げられたゴールへ到達することこそが効用を意味するわけですが、個体にとっては「欲求の充足」こそが効用なのだと言うことです。それでこの場合は、クリスさんが正しく表現して下さったように、馬に対して騎手が示すのは「出産」と言う名のニンジンではなくて「交尾」と言う名のニンジンなのでしょう。従来、この方法はかなりうまく機能してきました。これまで生物は「交尾→出産」ということを理解していなくても、性と出産の営みを連綿と続けてきました。

しかし我々人類の目から見れば、これは子供だましもいいところのコントロール法ですよね。実際私達は、ゴールへ走ることとニンジンを手に入れることが別であることに気がついてしまいました。我々が欲しているのはニンジン(必ずしも交尾とは限らない)であって、走ることではない。JA50さんの言葉をお借りすれば、「経済的負担には耐えられる。だが耐えなければならない誘引が(個体とっては)無い」と言うことだろうと思います。

どなたかも言っておられましたが、私もこれは「遺伝子」というより「模倣子」の問題かと思うのですが。

[1085] Re:経済学から。
投稿者  : nut
投稿日時: 2000年7月7日 23時28分
>これは良く議論される仮定なんですが、現在はほぼ否定されているようです。
やはり貧しい人たちは避妊の知識も少ないし、娯楽が少ないから、早婚多産になる。
また、その方が経済的に楽なんだそうです。

結局、出産に関する費用と便益なのだと思います。
出産に関するメリットは、労働力の供給以外に、親自身の老後の生活保障と見ることもできますよね。下手な鉄砲も数打ちゃ当たるじゃないですが、子供のうち一人が経済的に成功すれば良い。またそうでなくても、多くの子供がいれば親を十分に支え得るという期待もあるでしょう。これは非常に魅力的なギャンブルです。何しろコインを支払うことが「交尾=快楽」を意味する上、そのために支払う費用は非常に少ないわけですから。

一方先進国に目を向けると、出産に伴う費用は劇的に高まります。乳児死亡率を低めるために、出産そのものにも途上国とは比べようも無いくらい大きな費用が投下されています。また、経済社会に適応させるためにも多くの教育投資が求められます。さらに、出産育児のために多くの逸失利益を覚悟せねばなりません。これらの費用のすべては、途上国では考慮されないものですよね。

[1089] Re: 少子化は自然淘汰説の反証か?(サケの少子化)
投稿者  : K
投稿日時: 2000年7月8日 02時42分
ヒト以外の少子化の例ではサケがあります。明治時代に比べると
一腹当たりの卵子の数が減って、その代わり一個当たりの大きさが
増えているそうです。これは養殖事業の影響で稚魚の死亡率が
激減したため r戦略から K戦略へのシフトが起こったと考えられます。
サケの場合、適応的な方向で少子化遺伝子が増えたと見なして
よいと思います。

一方ヒトの場合、2,3世代で少子化進んでいます。このスピードは
遺伝子の変化で説明するのは無理です。社会や文化の変化に説明を
求めないと。

[1090] Re: 少子化は自然淘汰説の反証か?(サケの少子化)
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月8日 09時28分
>r戦略から K戦略へのシフトが起こったと考えられます。
r戦略とは下手な鉄砲も数打ちゃ当たる(物量作戦)、
K戦略とは少数精鋭、という理解で良いですか?

>一方ヒトの場合、2,3世代で少子化進んでいます。このスピードは
>遺伝子の変化で説明するのは無理です。社会や文化の変化に説明を
>求めないと。
つまり自然淘汰説の反証とはならないということですね?

[1091] Re:経済学から。
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月8日 13時02分
>ふと思ったんですが、豊かになると出生率が下がるというのではなく、厳しくなると
>上がるという性質と捉えたらどうでしょう。

う〜む、、、

なんかゾクゾクと具体例が出てきて、どうも旗色が悪くなってきた(最初から悪い、気づいていないのはお前だけだと言うのは、なしに、、、m(__)m)。
環境が厳しくなると配偶子を作り、周囲にばらまき、後は野とやれ山となれという生物がいますが(粘菌など)、それと同じようにとらえたらいいのかな。

ただ、問題は、適応度です。
繁殖率は環境が厳しくなると増加するでいいでしょうけど、成長率のほうは?

[1092] Re:人参が人参として機能していない、、、
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月8日 13時04分
なるほど、私にも分かってきました。

nutさんの説は、過去では交尾というニンジンを与えることで、遺伝子は自分を増やすことができていたが、現在では個体はニンジンだけをかすめ取り、後に控える妊娠、出産、子育てという苦労をしなくなったということになりますか。
遺伝子の方は、過去には交尾の快楽という大きなニンジンだけを与えておけば、その後の妊娠、出産、子育てというのには、小さなニンジンでよかった(少しはニンジンを与えておかないと、例えば子育てを放棄してしまうなどして適応度が下がる)。
小さなニンジンで同じ増加率を得られるとしたら、大きなニンジンにする必要はありません、ですからそういうように淘汰が働く必要もない。

他の環境とは何か分からないというのでは前に進みませんが、こういう具体的なものを示していただけると前に進みます。
次は、どうやって検証するかです。
例えば、少子化が避妊方法をヒトが獲得したからだというのであれば、貧しいとか避妊教育ができていないために現在は出産率の高い集団に、無料で避妊用具を与えたり避妊教育をやればその集団は少子化するはずだ、というのはどうでしょう?
今、NGOなんかが、こういうことをやっていますが、効果のほどはどうなのだろう?

それと、もし避妊が主原因だとすると、少子化現象を防ぐには、避妊教育を止めるとか避妊用具を禁止するとかしないといけないことになりませんか。
出産とか子育てというニンジンが小さなものに過ぎないとしたら、出産、子育ての環境を社会的にいくら整えようが少子化を防ぐ効果はあまりないことにならないかしら。

社会科学の方ではどういう分析をしているのでしょう?

「模倣子」ってミームのこと?

[1093] Re:キリンの首
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月8日 14時40分
なんか入り組んでしまって最初の意図とは違う方向に行ってしまってますね。
できれば最初の方にもどしませんか?

それと、これですが、、、
>その「」の中身はJA50さんの発言です。しかも、私の発言を誤解している。

「キリンが他の哺乳類に比べ長い首を持っているというのは遺伝する、遺伝するからキリンの首は長いのだ。」というのと、「キリンの首が(他の動物と較べて)長いのは親から子へ遺伝しています」というのは同じことを言っているように思うのですが、、、

私は、これではキリンの首がなぜ長いのかを説明していることにはならないと言っているのです。
これでは長いから長いのだと言っているのと同じになります。
神様がそう作ったから長いというのと違いません。
これは私の「人間のある行動傾向について、それは遺伝する、遺伝するからそういう行動傾向をするようになったのだ」についても言えます。

>1.キリンの親から産まれたキリンの子は、親と同じように首が長い。
>2.キリンの首が長いのは形態的な形質である。
>3.1,2より、キリンの首が長いという形質は遺伝している。

ヒトは、他の動物、例えばイヌやブタなどと比べて少子です。
そのヒトの少子という形質は遺伝によるでしょうけど(ヒトがいくら努力しようと一度に10匹も子を産めるとは思えません)、それで少子というヒトの形質がなぜ進化してきたのかは説明したことになりません。

行動についての変異も、また形態の変異も、その一部は遺伝する。
本来は、それをきちんと証明すべきものです。
行動の進化についてはもちろんのこと、形態の進化についてもです。
しかし、現実にはいちいちそれをやってから自然選択説を持ち出しているのは少ない。
その例としてキリンの首を持ち出しのですが、どうもあらぬ方に行ってしまった、、、

[1094] Re:形態は遺伝するに決まっている
投稿者  : JA50
投稿日時: 2000年7月8日 15時07分
>行動と形態を同列で扱うのは無理があると説明しました。

行動についても、形態について自然選択説が言えることがそのまま適用されないと、動物行動学という学問が成り立たないのです。

行動の傾向(学生が講義を受けて行動を受け継いでいるというような意味じゃありません)は一部遺伝する。
例えば怒りっぽいとか、どういうヒトをパートナーにする傾向があるかとか、どういう顔を美しいと感じかとか、他人の教えをよく守るかどうかなど、これらは一部遺伝する。そういう親の子は、そうでない親より少しはその傾向がある。もちろん、全部そうだと言っているのではありません、その傾向がある、そういう行動様式の一部は遺伝するものだと言っているのです。
身長も首の長さも一部遺伝により一部は環境による、それと同じく行動傾向もどういう環境に育ったか、どういう教育を受けたかなどにも影響されているのは当然ですから。

どの程度が遺伝するのか、またその形質(行動も形態も)がどれほど強く遺伝に影響されているのか(環境による関与はどれほどか)、そしてその形質の適応度がどれほどかなどで、その形質がその集団中にどれほどの確率で固定されるのか、固定されるとしてどれほどの時間(何世代)かかるのかなどが決まるのでしょう(これは集団遺伝学の範疇に入ると思いますが、私はこの数学はよく分からない)。

少子化という行動傾向についても同じだ、同じはずだというのが私の主張の前提です。
違うとしたら、私の主張(少子化現象は自然選択説の反証だという主張)は成り立ちません。

[1095] 少産でしょう
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月8日 15時30分
>ヒトは、他の動物、例えばイヌやブタなどと比べて少子です。
>そのヒトの少子という形質は遺伝によるでしょうけど(ヒトがいくら努力しようと一度に10匹も子を産めるとは思えません)、それで少子というヒトの形質がなぜ進化してきたのかは説明したことになりません。

それは少子ではなくて少産でしょう。


[1096] Re:人参が人参として機能していない、、、
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月8日 15時36分
>他の環境とは何か分からないというのでは前に進みませんが、こういう具体的なものを示していただけると前に進みます。
>次は、どうやって検証するかです。
>例えば、少子化が避妊方法をヒトが獲得したからだというのであれば、貧しいとか避妊教育ができていないために現在は出産率の高い集団に、無料で避妊用具を与えたり避妊教育をやればその集団は少子化するはずだ、というのはどうでしょう?

中国の少子化政策はまさにそれでしょう。成功を収めていますよね。問題も多いようですが。

>今、NGOなんかが、こういうことをやっていますが、効果のほどはどうなのだろう?

特にカトリック系の団体からの反対運動がすごいらしいですね。
カトリックは避妊を罪悪とみなしていますから。

>それと、もし避妊が主原因だとすると、少子化現象を防ぐには、避妊教育を止めるとか避妊用具を禁止するとかしないといけないことになりませんか。

これは人権問題になるので日本で(日本以外でも)実施するのは無理でしょう。

[1097] それではナチスですよ
投稿者  : クリス
投稿日時: 2000年7月8日 15時46分
>例えば怒りっぽいとか、どういうヒトをパートナーにする傾向があるかとか、どういう顔を美しいと感じかとか、他人の教えをよく守るかどうかなど、これらは一部遺伝する。

これらは遺伝しないと考えるのが普通です。
これらが遺伝すると考えたらナチスの過ちを繰り返すことになるでしょう。
犯罪者の家系は去勢されるでしょう。

このようなものは教育や環境に左右されるのです。
怒りっぽい親の子は親のまねをして怒りっぽく振舞うのです。
というより、他の行動を習わないから、それしか知らないのです。

今更、何十年も前の優生学の亡霊に出会うとは。。。

[1098] Re: 反証、反証不能など
投稿者  : T8848
投稿日時: 2000年7月8日 21時37分
>まず反証という言葉ですが、これはある理論を否定する根拠となりうる証拠でいいですよね?

単に反証と言うと証拠もですが、理論(論証)でも良いのではないでしょうか。
反証を証明(変な言葉だ)するのは証拠ですけど。

>そして反証不能とは「原理的に、理論的に」反証を封じられている理論のこと。

これはそうでしょうね。

>引き合う力の対して速度(エネルギー)が大きすぎて観測できないだけでしょうから。

引き合う力と速度の見積りがあれば、それは技術的に観測できないのか、それとも引き合う力はないと言える(有意差がない)のかが判断できると思います。
逆に「引き合う力はない」と言う対立する理論があって、そちらが証明されれば、互いに引き合っているという理論は反証されたと言って良いのではないでしょうか。

>すなわち、ある理論で説明できない現象の全てが、その理論の反証になるわけではないという例になると思うのですが。

この例の場合、技術的に証明できないだけだと言うならそうですね。
でもそれよりも、相対論効果を説明できないことがニュートン力学の反証にはならないという方が、例としては相応しいのではないでしょうか。

[1099] Re: 少子化は自然淘汰説の反証か?(サケの少子化)
投稿者  : nut
投稿日時: 2000年7月9日 00時03分
>r戦略とは下手な鉄砲も数打ちゃ当たる(物量作戦)、
>K戦略とは少数精鋭、という理解で良いですか?

これについて、グールドのエッセイに出てくるキノコバエの例を紹介します。
キノコバエは名前のとおり、キノコを食べて育つそうです。キノコ探しは骨が折れますが、一度見つければ、キノコバエにとってそれは十分な量の餌となるそうな。このとき、キノコバエはr戦略を採用します。それも単に出産数を増やすのではなく、出産時期そのものを早める。こうしてキノコバエは結局、母親がまだ幼虫である間にその胎内を食い破って生まれ、しかもそのすべてがメスとして育つ。
これはその環境(ありついたキノコ)の限界に達するまで続き、個体密度が高まったり食料が不足し始めると、普通に成虫に育ったり、オスだけが生まれたりしはじめる。
私はこの奇妙な行動に強烈な印象を受け、「r戦略・K戦略」という言葉を覚えました。

>>一方ヒトの場合、2,3世代で少子化進んでいます。このスピードは
>>遺伝子の変化で説明するのは無理です。社会や文化の変化に説明を
>>求めないと。
>つまり自然淘汰説の反証とはならないということですね?

私もそうだと思います。
最近、鳥か何かで、20年ほどの間に環境の差異によって形態変化が起こることが確認されたという話を聞きました。しかし2〜30年という時間は人類にとってはとても短い時間ですから、この間に形態にしろ形質にしろ、何らかの遺伝子レベルでの進化的圧力が有意に働いたと言うのはちょっと考えにくいと思います。

[1100] Re:人参が人参として機能していない、、、
投稿者  : nut
投稿日時: 2000年7月9日 00時43分
>例えば、少子化が避妊方法をヒトが獲得したからだというのであれば、貧しいとか避妊教育ができていないために現在は出産率の高い集団に、無料で避妊用具を与えたり避妊教育をやればその集団は少子化するはずだ、というのはどうでしょう?

これは劇的な効果がありました。
一ヶ月ほど前に、厚生省人口問題研究所の方の講演会に出る機会がありました。その時の資料が残っていれば良かったのですが。。。。ちょっと机の上を引っ掻き回したくらいではどこにいってしまったものかわかりません(爆)
で、自分のメモを見ると、途上国の出生率はこの半世紀で半減したそうです(6→3%)。で、講演会ではこれを「家族計画」と「避妊具」の普及ということで説明していました。このうちどちらがより効果的であったのか、質問の機会を逸してしまったのですが、常識的に考えれば後者ではないかと私は思っています。

>出産とか子育てというニンジンが小さなものに過ぎないとしたら、出産、子育ての環境を社会的にいくら整えようが少子化を防ぐ効果はあまりないことにならないかしら。

はい、私もそう思います。もちろん、出産に伴う費用を低下させる(出産を魅力的にする)ことでいくらかの効果が見込めるかもしれませんが。。。正直な話、二人以上の子供を切実に望んでいる人々の数は、本当に多いのでしょうか。
それとこれは個人的な見解ですが、私は必ずしも少子化を問題だとは考えていません。本当に労働力が必要ならば、海外にいくらでもあるわけですし、適切なビジネスとして適切な労働報酬を支払うことで、労働力を「輸入」すれば良いのだと思います。


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