進化論と創造論についての掲示板ログ410

2008年02月09日〜2008年02月20日
このファイルは、掲示板巡回ソフトのログファイルを元に再構成したものであり、投稿時の状態(フォントサイズ、文字の色、リンク等)をすべて反映しているわけではありません。いくつかの書名にアマゾンのアソシエイトのリンクを張らせてもらいました。
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そうだね  投稿者:あき 投稿日: 2008年02月20日21時58分

asteriaさんはくるくるくんに質問してみるといいね。


re:ミッシングリンク  投稿者:AH1 投稿日: 2008年02月20日16時45分

元に戻ってマジレスすると、現生の人類と他の霊長類を結ぶような化石が見つかっていなかった時の言葉でしょうね。その後、化石人類がいろいろ発見されて埋まって来てるので、ヒトについてはあまり適当な言い方ではなくなっているように思います。
鳥類についても同様ですね。

まあ、いかなる生物の進化史についても未発見の標本はある筈なので(全ての個体の化石を並べない限り切れているリンクはあるとも言える)、ミッシングリンクは常にあるとも言えますが。


現代人が誕生した時期は?  投稿者:JA50 投稿日: 2008年02月20日16時22分

クロマニヨン人ってのを、あなたは我々現代の人類とは別種の人類と思い込んでいませんか?
「共通の祖先からクロマニョン人が誕生した時期は、何万年前になりますか?」って問いは、現在この地球上にいる人類が誕生した時期はいつですかという問いとほとんど違いはないんだけど。

ウィキペディア
クロマニヨン人
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A7%E3%83%B3%E4%BA%BA
ネアンデルタール人
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%AB%E4%BA%BA

ヒトの誕生について解説しているサイトの一つ
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/mizuy/hito/bunki.htm


>asteria  投稿者:地下に眠るM 投稿日: 2008年02月20日16時16分

くるくるくんが詳しそうだから聞いてみたら?>asteria


(無題)  投稿者:asteria 投稿日: 2008年02月20日15時25分

>それと、ネアンデルタール人はクロマニヨン人の祖先ではない。
>共通の祖先を持つ関係にあるだけで、祖先ではない。

すると、共通の祖先からクロマニョン人が誕生した時期は、何万年前になりますか? 70万年前?


父はいないが祖父がいる人間  投稿者:JA50 投稿日: 2008年02月20日11時20分

祖父(祖母でも同じ)−(父)−自分

ここで(父)という途切れがあったら自分ってのが存在しえるか考えてみなさい。
そんなのあり得ないことだってのは、すぐ分かるじゃないか。

それと、ネアンデルタール人はクロマニヨン人の祖先ではない。
共通の祖先を持つ関係にあるだけで、祖先ではない。
てのが、今の定説だと思うぞ。


どこも途切れてはいない  投稿者:JA50 投稿日: 2008年02月20日11時16分

進化の過程で、どこかが途切れていたら、今のあなたを含め、現在地球上にいる全ての生物は存在していないことになる。


ミッシングリンク  投稿者:進化論支持したい派 投稿日: 2008年02月20日10時59分

ミッシングリンクと言う言葉を聞きます。進化の過程でどこが途切れているのでしょうか?
ネアンデルター人からクロマニオン人になる過程でしょうか?


合従連衡  投稿者:AH1 投稿日: 2008年02月19日13時48分

>反対でしょう。遺伝子の利己性を増進するためです。

私が言ってるのは、利己的な遺伝子・・・DNAといってもいいけど、これが複数寄り集まって「自分達の利益にはなるが、個体、ないし他のDNA群に対して不利になるような」利己性を発揮する場合が考えられるので、交差によって並べかえてしまうという意味ですよ。
大名の国替えみたいなもんです。


利己性  投稿者:たまごちゃん (^-^)ノ 投稿日: 2008年02月19日13時10分

遺伝子に限らず利己性を考える時、何に対して利己的なのか?と考えることはあまり意味がないように思います。自分を利することは他者を害することではないので。
誰かの利益がしばしば、利害の対立する他の誰か(同一アリル上の対立遺伝子とか)にとっては不利益となりうるというだけで。

遺伝子は誰に対してでもなく、ただひたすら利己的なのでしょう。


>で、狭義には、他の遺伝子たちや乗り物自体には全く利益にならず、自己の利益にしかならない機能を持つ遺伝子を特に「利己的遺伝子」と呼んで、通常の「乗り物に利益をもたらすことで自己の生存を図る遺伝子」と区別する場合もあります。

その手のただ乗り連中は利己的遺伝子ではなく、利己的DNA、利己的なDNAと呼ばれることが多いように思います。
DNA配列なのに、狭義の(タンパクをコードするという意味での)遺伝子ではないというのが奴らの大きな特徴なので、おそらく意図的に「gene」という語を避けて名づけたのでしょう。
最初にクリック達が名づけた時にはただ乗りするジャンクDNAであればそれだけで利己的DNAと呼んでいたようですが、最近は、トランスポゾンやマイクロサテライトのような(ずるい?)連中だけを利己的DNAと呼ぶことの方が多いのかもしれません。


(無題)  投稿者:くるくる 投稿日: 2008年02月19日11時57分

> 染色体が交差したり切れたり複雑な動きをするのも、遺伝子の利己性に対抗するため

反対でしょう。遺伝子の利己性を増進するためです。
利己的な遺伝子は、どんどん増加しようとします。染色体上で、優れた遺伝子は増えて、劣った遺伝子は減っていきます。最終的には、染色体は一通りの遺伝子の自己複製だらけになります。

その後、遺伝子が異なる染色体に転移すれば、遺伝子は他の染色体上でも増加することができます。こうして、たった一つの遺伝子が複数の染色体上でどんどん増えていきます。遺伝子がこういうふうに増加していく性質をもつことを、利己的遺伝子説は指摘しているのです。


染色体  投稿者:AH1 投稿日: 2008年02月19日11時31分

そういえば染色体が交差したり切れたり複雑な動きをするのも、遺伝子の利己性に対抗するためじゃないかという話があったっけ(仮説レベルなのかおハナシなのかは存じませんが)。
いないと困るけど反乱しても困る・・まさに社会ですねえ。


(無題)  投稿者:くるくる 投稿日: 2008年02月19日 7時12分

なるほど。「遺伝子淘汰」という概念は、異なる遺伝子同士で競合する、という意味ですね。

私は「遺伝子淘汰」というのは、同じ遺伝子座の遺伝子同士で競合するものだとばかり思っていました。しかし全然別の(異なる染色体上のたがいに無関係な)遺伝子も、個体の上でたがいに競合するのですね。それがドーキンスの真の主張だったのですね。

さすがにすばらしく慧眼な人たちがそろっているので、感服しました。


遺伝子社会の利己主義者達  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月19日 6時11分

 いや皆さん慧眼ですねえ。私はまったくわかりませんでした。まるで、かってアイザック・ニュートンが匿名で数学問題を解いたときすぐに見破ったライプニッツのような。「ライオンは爪を見ればわかる」、いや比較例が少々あれでしたか。

 そういうことなら4回目を待つこともないので、「一点見逃していること」を書いておきましょう。ひとつの個体には複数の遺伝子が乗り合わせています。彼らの多くは乗り物がこけると自分もこけますから、乗り物の生存に有利な働きをします。これは乗り合わせた他の遺伝子たちの利益にもなりますから一見、「乗客全体の利益に奉仕する他己的機能」に見えますが、実はそれは他の遺伝子たちの利益いかんにかかわらず自己の利益に役立つことのみにより持続しているのです。つまりドーキンスの「利己的」という言葉は、乗り合わせた他の遺伝子たちに対して利己的、という意味もあり、言葉の使い方としては全然間違ってはいません。

 で、狭義には、他の遺伝子たちや乗り物自体には全く利益にならず、自己の利益にしかならない機能を持つ遺伝子を特に「利己的遺伝子」と呼んで、通常の「乗り物に利益をもたらすことで自己の生存を図る遺伝子」と区別する場合もあります。

 ただ乗りもいれば、定住しない無法者もいれば、乗り物を移る時にズルをする者もいれば、と、まさに遺伝子社会、ですね。


法律家は専門家を尊重する・・たぶん  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月19日 6時03分

 裁判等での事実認定では、裁判官や検事、弁護士は「専門家の証言」を尊重するはずですよね。専門家同士の意見が対立したら、どちらが正しそうかという自分の判断に頼るしかないでしょうが。例えば医療裁判で大多数の専門家の見解では「おかしい」という判決が出た場合、次のような可能性は考慮する必要があるように思います。
 ・出廷した「専門家の証人」が正しい見解を伝えることに失敗した
 ・同じことだが、裁判官が「専門家の証言」を誤解した
 ・出廷した「専門家の証人」の見解が「大多数の専門家の見解」とは異なっていた
 ・判決に盛り込まれた「法の論理」を大多数の専門家が誤解している

 かの青色ダイオード判決で様々な意見が出た中に、「素人の裁判官が技術的判断をするのはおかしい、という意見があるが、それは誤解だ。裁判官としては技術的専門分野の判断については、提出された「専門家であるはずの人達の見解」を正しいと見なして判断するしかないのだ。素人であることを自覚しているからこそ、恣意的判断は入らない。」という主旨の意見がありました。非常に納得できましたが。


見えると観測される  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月19日 6時00分

 一番かんたんな話だと、遠くの物ほど小さく見える(to appear)けれども、三角法なり、物差しを同じ距離におくなりして測れば、正しい大きさが観測される(to be observed)、ということですね。

 では、なぜそれが正しい大きさだとわかるかと言えば、そばに持ってきて比較することで確認できます。でも、後退する共動天体は持ってこれないのだ!


裁判員制度のことを言っているのではない  投稿者:JA50 投稿日: 2008年02月18日17時45分

誤解しないでほしいのですが、陪審制度やこれから日本で始まる裁判員制度のことを批判しているのではないですよ。


法律の解釈を医師が判定する  投稿者:JA50 投稿日: 2008年02月18日17時43分

法律の解釈を、その意味も分かってない医師が判定するとしたら、裁判官や検事、弁護士などその道の専門家はどう感じるだろうといつも思います。
私ら法律のど素人からしたら無数としか思えない法律の専門用語がある。その各々にきちんとした法学というか法律上の定義があるんでしょう。それらは複雑に絡み合っていると思います。そういうことに関して、教育も受けていない、現場での経験もない、そういうど素人によって、自分たちの考えや主張、決定の正否が判定されるとしたら、裁判官や検事、弁護士はどう感じるだろうと。
そして、そういう無茶苦茶なことが実際に行われたら、現場がどれほど混乱するだろうと。

謙抑的にやっていると言うんだけどねぇ。


釣なんだろうね  投稿者:ナナシー 投稿日: 2008年02月18日16時44分

くるくるって人の下の書き込みはただの釣りなんだろうね。
突っ込みどころ満載だけど、書くと釣られたことになるから自重。


とんでもない  投稿者:くるくる 投稿日: 2008年02月18日16時25分

どの分野であれ、専門家の言うことが絶対的に正しいんです。素人が専門家の言うことに逆らうことを言ったら、その素人がトンデモなんです。進化論でもそうです。法律でもそうです。

法律の専門家が「有罪」と判定したら、専門家の言うことが絶対的に正しいんです。
法律の素人である医者が、「我々は福島大野病院事件で逮捕された産婦人科医師の無罪を信じます」というふうに法律的な判定をしたら、それは法律的に間違いに決まっています。そんなことを語るのはトンデモだけです。

こういうど素人は、無罪と無実の区別もつかないんです。トンデモとして批判されるべきでしょう。

とにかく、進化論でも法律でも、トンデモは常に間違っています。専門家の言うことが常に絶対的に正しいのです。専門家の言うことには誤りはありません。Wikipedia を見てもわかるように、専門家の書くことには誤りは一つもありません。素人は Wikipedia を信じるべきです。


そのナンドウ先生の主張が、、、  投稿者:JA50 投稿日: 2008年02月18日15時43分

そのナンドウ先生の主張が正しいと、ど素人が判定し、生物学をやっている専門家皆はそれに従わないといけないとしたら、生物学はいったいどうなってしまうだろう?

医療の分野ではそれが起こっている。
裁判官というど素人が、法律を後ろ盾にして、、、


Re:超光速  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2008年02月18日 3時56分

>しかし、「観測者に観測される光」ってのはこっち向いてきてる光ですよね。
>光速超えるんですか????

この辺は私がどこまで踏み込める領域か、自分でも判断できかねるところなのですが、少しだけ補足させていただきます。

・見える(to appear)こと
・観測される(to be observed)こと

両者には違いがあります。それは先に述べたローレンツ収縮の説明にも一部被るのですが、
・高速で走るクルマは「運動方向が歪んで回転して」カメラに撮影される(可能であれば肉眼にもそう見える)。
・高速で走るクルマは「運動方向に長さが縮んで」観測される。
この「見える」と「観測される」の違いにおいては、同じ慣性系での話になります。
特殊相対性理論で導くほど大きな速度のケース、さらには一般相対論を持ち出すような「常識外れた巨大質量や重力」を扱う話になると、「同じ」という概念がさっぱり通用しなくなって来るのです。そうなると、もはや「見える」と「観測される」の違いは、我々が通常感じたり見たりする物理の常識とはかけ離れたものになるのです。

こうなると、見える、とか、観測される、という「差異」については、もはやヒトの恣意性に委ねられる事象なのかも知れません。
つまり「観測者の静止慣性系」においての光速度は常に一定であり、宇宙のどこを観測しても超光速で後退する銀河は(いまのところ)発見できません。しかし「共動座標系」や「一般相対性理論による自由な宇宙モデルを当てはめた宇宙」においては、観測のモノサシがどのようにでも自由に定義できてしまうので、超光速も許されてしまうのです。つまりそれは「モノサシの問題」と云えるでしょう。いずれにせよ、光の伝播速度というのは時空構造の決定要因となっていますから光が秒速30万キロを超えるモノサシは定義できても、銀河の後退はそのモノサシの中に収まるはずです。
#タキオンみたいなウラワザを除いてこれを容認すると、因果律が崩れます。

なお「時空の膨張なのだから超光速も許される」という表現にも、実は語弊があると私は思います。
なぜなら我々の観測する宇宙とは、その時空構造そのものなのですから、銀河の後退は超光速NGで時空の膨張はOKというのは矛盾しています。
先に、私はインフレーション期の宇宙は「光速度を超えて膨張していた」と述べていますが、これは「時空構造そのものが生まれる過程」での話になります。つまり、物質が時空の相転移によって生まれるというような、もうなんでもアリ!みたいな状態なのですが、直接的に観測することは不可能です。つまりそれが「観測地平のあっち側」の話なので、推論・考察し、COBEによる「ゆらぎの測定」など、間接的に実証することはできるのですが、直接的な観測はおそらく不可能な事象なのではないでしょうか。


Re:反利己的  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2008年02月18日 3時24分

私もあまり状況の分からない他サイト(ブログ)での議論については傍観してますが…

>「個体 は 遺伝子集合の乗り物である」

↑ってなんか書き換えの意義が発生してるのかな?正直、さっぱり分からん。
少なくともなにかを「説明」したり「説得」しようという意図の文章なのであれば
縦だの横だの斜めだの垂直だのという、チンプンカンプンな勝手論理学を使ったり
そもそも論理学について甚だしい誤解がある感じのするブツを褒める気にはなれないなぁ。

■難しいことを、少しでも分かりやすく、簡潔に書くこと。

それが「説明」の目指すべき表現じゃないのかねぇ。


間違いねえ  投稿者:soft_tractor 投稿日: 2008年02月18日 0時49分

えー、ご無沙汰で・・・

>ちゅうか、かのナンドウ先生のブログなんでは?
おっしゃる通り、かの御仁のブログでやすよ。
こちら↓でも話題になっておりやすが・・・
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/5329/1202047787/


全体主義的な遺伝子?  投稿者:地下に眠るM 投稿日: 2008年02月17日18時47分

個々の遺伝子は遺伝子集団に奉仕する、という見解なんて決定的にまちがってにゃーか?
その他にも垣間見える、もんのすごく目的論全開の生物学への視線にくらくらしますにゃ。
ちゅうか、かのナンドウ先生のブログなんでは?

いや、僕はナンドウ先生のブログを見たことはにゃーのだが。


反利己的な遺伝子  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月17日13時58分

 おもしろい見解を見つけました。4回シリーズだそうです。
http://openblog.meblog.biz/article/376583.html 反利己的な遺伝子

 3回目まで、内容的には特に間違ってはいませんが、そこまでひねらないと理解しにくいのかなあ、という感想ですね。まあ理解の方法は人さまざまですからいいんですけど。自然淘汰はただのトートロジー、という罠に陥っているらしいのは気になりますが、それが論旨自体に悪影響しているようには見えません。

 第1回目の記事の以下の文章は、まさしくその通りで、むしろ遺伝子というと『個々の遺伝子のこと』しか思い浮かばないという誤解があり得るのだなあ、という点でひとつ勉強しました。
−−−−引用−−−−−−−−−
 「ドーキンスの言う『遺伝子』というのは、個々の遺伝子のことではなくて、遺伝子淘汰の統計項目としての『遺伝子』のことである。」「ドーキンスの言う『遺伝子』とは、個々の遺伝子のことではなくて、『遺伝子全体』つまり『遺伝子集合』のことである」
−−−−おわり−−−−−−−−−

 それと「利己的」ということに関して一点見逃していることがありますが、最終回がまだですので、楽しみにしましょう。


ドップラー(7)誤解@日経サイエンス  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月17日10時19分

 ちょっと脇道にそれますが、しばらく前の日経サイエンスに次の記事が載っていました。宇宙論に興味のある人なら読んだことがあるかと思います。
Ref1) C.H.ラインウィーバー;T.M.デイビス「ビッグバンをめぐる6つの誤解」日経サイエンス(2005/06)

 この記事の元になったのが同著者らの次の論文のようです。
Ref2) Tamara M.Davis; Charles H.Lineweaver "Expanding Confusion"
http://arxiv.org/PS_cache/astro-ph/pdf/0310/0310808v2.pdf

 この論文の一部を日本語で解説している人がいらっしゃいます。
Ref3) http://blogs.yahoo.co.jp/karaokegurui/15170405.html

 今あらためてRef1を読み直すと、やはり距離とか時間がどういう座標系によるものかが明示してありませんし、そもそも異なる座標系の説明さえしていません。そのため論点2と5が不明瞭な問いになっています。
論点2;銀河は光より速く後退できるか?
論点5;観測可能な宇宙の大きさは?

 Ref2が詳しそうですので、英文ですがじっくり読んでみようと思います。種々の地平線の違いを解説しているようで、"粒子的地平線"と"事象の地平線"の違いはおもしろいですね。図を見る限り、空間距離としては"Proper distance"と"comoving distance"のみを使っています。前者が、私の言う共動座標系での空間距離や、1次元ゴムひもモデルに出てくる『物理的距離』に該当します。"proper time"が固有時と訳されるように、"Proper distance"は固有距離と訳されます。固有時がひとつの粒子自身の時間(その粒子の世界線上の時間)であるように、固有距離は粒子自身の近傍の物理距離に該当します。ですから本来はおのおのの粒子に独自の物差しですが、それらを全ての共動天体についてつなぎ合わせたものが、共動座標系での距離"Proper distance"になるわけです。

 Ref3では「本来の距離」と訳し、「普通の時間と空間」における距離と解説していますが、「本来の距離」では観測者静止慣性座標系での距離と勘違いされそうですね。"comoving distance"は同じ共動天体では常に同じ値を取る「共動座標値による距離」です。

 この論文は次の点で分野外の人には読みにくいと思われますので、注意するのがよいと思います。
・"Proper distance"で表す座標系を当然視しており、観測者静止慣性座標系との違いが明確に意識されていないので、うっかりすると混乱する。
・ミルンの宇宙のようなわかりやすいモデルを飛ばして、質量等も考慮した一般相対性理論による宇宙モデルで考えているため、わかりにくい。

 専門家にとってはRef2で示されるモデルが質量効果も考慮した正しいモデルであり常識なのでしょうが、これは一般相対論をよく理解していないアマチュアにはすんなり理解するのは難しいモデルです。ミルンの宇宙は専門家から見ると観測に合わない間違ったモデルなのですが、アマチュアには教育的価値の高いモデルで、先の佐藤文隆氏の記述もそこを考慮してのものでしょう。ミルンの宇宙をまず理解して、では本当に観測に合うモデルはどこが異なるのかを見てゆくのが、アマチュアには理解への近道のように思えます。


ドップラー(6)ミルンの宇宙  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月17日10時05分

 ミルンの宇宙(Milne universe)では、全ての共動天体が宇宙開闢以来、各天体に固有の一定の速さで後退しています。宇宙開闢を時刻ゼロとすると、ここは全宇宙が一点に集中した特異点になります。「いまさら宇宙論? (パリティブックス) 」の"5章;宇宙の空間形"に簡単な解説がありますので、佐藤文隆氏のお言葉を引用しましょう(^_^)
ただし強調文字は私の責任です。
−−引用−−
ミルンの宇宙モデルは数式的に簡単なので、ぜひいろいろと自分のイメージをぶつけて計算してみることをお勧めする。特殊相対論演習の格好のモデルである。たとえば赤方偏移を計算してみる。重力の影響などいっさい関係ないのだから、ドップラー効果以外の物理効果は登場しない。
−−おわり−−

 ということで、いろいろといじってみようと思うのですが、ひとまずイメージとしては次のサイトの(x,y,t)座標の図を見て下さい。
http://world.std.com/~mmcirvin/milne.html

 光円錐の内側にある回転体曲面は、全天体について宇宙開闢以来の固有時が等しい点を結んだ等時刻面です。つまり共動座標系での等時刻面であり、宇宙が一様ということは、この等時刻面上で天体が一様に分布していることを意味します。この等時刻面、すなわちミルンの宇宙の三次元空間(図では2次元だけしか示されていませんが)は無限に広がり、負の曲率を持っています。つまり平坦なユークリッド空間ではありません。

 ところで「各天体に固有の一定の速さで後退」と書きましたが、この速さは観測者静止慣性系における速さです。共動座標系で見た場合は、この速さは時間と共に変化しています。ここは要注意ですね。


固有時  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月17日 9時56分

 大文字ナンさんのローレンツ変換に出てきた「偽距離(interval)]という言葉は知りませんでしたが、s=cτとおくとτは固有時(proper time)と呼ばれる量になります。sは原点(0,0)と時空点(t,x)を結ぶ直線(ミンコフスキー時空上の直線)に沿った時空上の距離になりますが、その直線に沿って移動する時計が刻む時間である固有時がτです。物理的に言うと"固有時"というのは時計自身が刻む時間の長さですから、座標系が変わっても変わるはずがありません。例えば放射性元素の塊が移動しているとして、(0,0)での量が(t,x)では半分になっていたとすると、両点での放射性元素の量はどんな座標系から見ても変わりません。つまり、(0,0)と(t,x)の間で半減期を使って測った時間は、どんな座標系から見ても同じだということです。ミンコフスキー時空上の2点間の距離がローレンツ変換で不変だということの物理的意味は、こういうことなのです。
 ミンコフスキー時空での現象というのは、様々な粒子(質点)が描く軌跡(世界線)として表されます。ひとつの世界線上の4次元距離がsであり、それに比例するのが固有時です。世界線上にはひとつの粒子の歴史が展開されるのであり、そこでは因果律の逆転とかなんとか変なことは起きません。こうのような世界線の集合体はミンコフスキー時空内に固定された実体ですが、異なる観測者はそれを自分独自の座標系で見ます。そのために観測者により見え方が違ってあたかもパラドックスのように思えることも生じますが、実体はひとつで変わらないのですから、真に矛盾したことは起きるはずがありません。
 このように考えれば、特殊相対性理論が何かしら矛盾をはらんでいるかのような錯覚はなくなるのではないかと思います。


酒でボルテージがあがっております  投稿者:地下に眠るM 投稿日: 2008年02月16日19時04分

Vは voltage でそのままいいような気がしてきましたにゃ。
大辞泉では
*******************
ボルテージ【voltage】

1 電圧。

2 熱気。内にこもる力。「演説の―があがる」
******************
とかあるし。

A(anger)=V(鬱屈した内面のvoltage)/&(自制心)

酒を呑むとボルテージがあがるように見えるのは、実は&が減少しているだけだ、とかいう仮説も成り立ちそうにゃんな。


オームの法則  投稿者:RYU_TI_SYU 投稿日: 2008年02月16日 7時05分

てことは怒りの量は鬱屈量に比例して、自制心の量に反比例するのか・・・

おぉ!辻褄があっとるぞ!!


怒りの単位  投稿者:地下に眠るM 投稿日: 2008年02月15日22時51分

いや、怒りの単位はやはりA(anger)だろか?
で、&が抵抗(自制心)で、V(volume)が鬱屈の総量だとか?


川崎さん説に一票  投稿者:地下に眠るM 投稿日: 2008年02月15日22時47分

僕も川崎さんネタに一票だにゃ
川崎さんがマジギレで怒りまくるのだと思う。地震とはマジギレの比喩。
怒りの単位って、マグニチュードかヘクトパスカルだよにゃ。


私も地震の予言してみようw  投稿者:e10go 投稿日: 2008年02月15日22時43分

明日、日本で地震が起きる。
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/

当たる確率8割、といった所か。


予言者ってのは  投稿者:えめ 投稿日: 2008年02月15日22時14分

自分の定義で言えば何か事が起きてしまってから
「私はこうなる事を以前から知っていた」
と、得々と言い出し始める手合いの事。
職場にもいるが、こういう奴ほど修羅場の真っ最中は役に立たない。


川崎さんの家じゃね?  投稿者:クハ72 投稿日: 2008年02月15日19時19分

Wikipediaから引用するけど
頻度の目安
日本での頻度の目安は以下の通り。規模の小さなものは、1小さくなる毎に10倍になると考えればよい。
・M6.0〜6.9 : 1年に10数回程度
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B0%E3%83%8B%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%89#.E9.A0.BB.E5.BA.A6.E3.81.AE.E7.9B.AE.E5.AE.89

一度当たったくらいではまぐれとの区別は難しい。


予言じゃなくて…  投稿者:junsaan 投稿日: 2008年02月15日19時02分

>『2月15〜28日の間に川崎でM6.3の地震が起こる』!
ジュセリーノが警告した期間が無事に過ぎるまで油断しないでね
気を付けてね 川崎に住んでいる皆さん。

無事に過ぎたらジュゼリーノさんはなんて言うのでしょうか?
29日(そういえば今年はうるう年)まで待ってみましょう。
「予言」と書かず「預言」とかいてるからにはなんらかの神のご託宣だろうとは思いますが、はたしてそれは何なんでしょうか?
(変換ミスかもしれないけど)


予言  投稿者:NATROM 投稿日: 2008年02月15日17時51分

どっか川崎じゃないところで地震が起こって、「いや、地図をみたら川と岬がある。予言は当たった」とか言い出す。


川崎だけじゃなあ。  投稿者:AH1 投稿日: 2008年02月15日14時10分

どこの川崎でしょうか?
ヤフー地図で見ただけでも福岡県川崎町、大分県日出町川崎、岡山県津山市川崎、東京都羽村市川崎、沖縄県うるま市川崎、岩手県一関市萩荘字川崎、山口県周南市川崎、神奈川県川崎市、埼玉県羽生市川崎、とありますが。


川崎で地震起きるって?  投稿者:e10go 投稿日: 2008年02月15日12時34分

じゃ東京と横浜は心配しなくっていいんだ(違う)


ローレンツ収縮  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2008年02月15日12時31分

ドップラー効果についての議論も興味深いものでしたが、相対論そのものと云える「運動している物体は縮む」という結論を、先に述べたローレンツ収縮をつかって書いて見ます。

ローレンツ収縮はL√1-(v/c)^2の比率(Lは長さ、vは速度、cは光速度)で、走っている物体は短くなる、というものです。しかし、それがどのように「見えるor観測される」のか?というのは、ちょっと面白い結果となって現れます。非常に速い速度で走ることができるクルマがあったとして、そのクルマの長さが10メートルであったなら、
1:10√1-(v/c)^2
という比率で短くなる、と考えて構いません。

それでは、これを実際に写真撮影してみるとどうなるのでしょう。
1955年、テレル(James Terrel)は高速で直線運動する物体が「向きを変えて歪んで映る」ことを発見し、1959年に論文として発表しました。これは相対論を書いたアインシュタインも、他の誰も、それまで予言していなかったことでした。

単純に云うと、長さを持つ物体の両端から出た光が、観測者(カメラ)に届くまでの時刻に差が生じることが原因です。これを「光路差」と云います。
では、一体どのように「向きを変えて歪む」のでしょう?ここにローレンツ収縮(変換)の本質が隠されています。
長さLのクルマが非常に速い速度で進むとき、これを観測するとL√1-v/c)^2=L'に縮むわけですが、この関係が「直角三角形」になるのです。具体的には、L'が底辺、Lを斜辺とする直角三角形です。斜辺と底辺が決まれば、直角三角形ですので高さはL(v/c)であることも分かります。
つまり、この直角三角形の弧に対応して、車は向きを変えて撮影されるのです。速度が光速に近づけば近づくほど、収縮は大きくなりますから、弧の角度も大きくなり、ますます向きの「回転」は大きくなっていきます。これらの関係は「三平方の定理」そのものですので、時空の振る舞いの幾何学的本質としてとても興味深い、と私は思います。

これは「見える」ことと「観測される」ことの違いが明確に現れる一例と云えるでしょう。
カメラにはクルマが「向きを変えて歪んで映る」のであり、観測結果は「ローレンツ収縮の比率分、縮んだ」となるということです。

これらの解説は、私自身のテーマ(自分がもっと深く理解して応用したい知識)ですので、そのうちFLASHサイトでも作って図示たいと思っています。
なお、一連の解説の参考文献ですが「ピタゴラスの定理でわかる相対性理論〜時空の謎を解く双曲幾何〜見城尚志+佐野茂著・技術評論者刊」に、豊富な図解を添えて詳述されています。この本は大変よくできていて、私程度の数学理解力でも十分に理解可能な入門書です。


ジュセリーノ地震預言  投稿者:ジュセリーノ 投稿日: 2008年02月15日 9時42分

『2月15〜28日の間に川崎でM6.3の地震が起こる』!
ジュセリーノが警告した期間が無事に過ぎるまで油断しないでね
気を付けてね 川崎に住んでいる皆さん。


くどくどくどくど(^_^)  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月15日 6時35分

 相対性理論では距離や時刻や速度はどの座標系から見るかで値が違います。特殊相対性理論の範囲なら、異なる座標系はせいぜい2つくらい(静止系と等速運動系)ですが、一般相対性理論になるとその数も種類も増えます。単に100億光年先とか50億年前とか言っても、どの座標系から見た値かをしっかりと把握しておかないと混乱します。

 専門家の記述では、座標系が明示されてなくても著者の頭の中でははっきりしているはずです。しかし分野外の読者はそこがあやふやですから、誤解したり、混乱したり、理解できなかったりする恐れがあります。

 分野外の読者が相対性理論関係の記述を読むときは常に、「その距離や時刻や速度は、どの座標系で見たものなんだ?」と問いかけながら読むべきでしょう。私も気をつけなくっちゃ。


ちょちょんまげさん  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月15日 6時33分

>「観測者に観測される光」ってのはこっち向いてきてる光ですよね。

 光源の天体の方が原点として静止している共動座標系で考えてみてください。この系では観測者が超光速で後退していますから、光源から出た光は超光速でないと観測者に追いつけません。「だから追いつかないんだ」というのが、よくある誤解ということなので。

 光の速度が一定というのは慣性系での話であって、一般の座標系では必ずしも成り立ちません。超光速にもなれば遅くもなります。


ドップラー(5)地平線の彼方  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月14日 6時18分

さてまずは、大文字ナンさんのコメントに答えておきます。

>観測地平面を越えた(3K輻射のもっと遠方で、まさにインフレーションそのもの)時空の膨張が光の速度を超えていたであろうことは常識(仮説ではありますが)と思っていましたので、前述紹介サイトの記述にも特に疑問は感じませんでした。

 どこまで常識となっているかはわかりませんが、たぶんおっしゃる通りです。そしてインフレーション時にある距離以上の天体は地平線の向こう側に行ってしまい、その地平線の向こうの天体からの光は我々にはもう永遠に届かない、という想定もあったと思います。いずれによ我々が観測している赤方偏移した光は、地平線のこちら側の天体からの光です。そのような天体である限りは、赤方偏移に対応する後退速度を想定することができて、その大きさは(観測者の静止慣性系では)光速度以下です。
 この点で、谷庵さん御紹介のサイトでの、「赤方偏移がドップラー効果による場合、赤方偏移が1以上のものは観測されないはず」というのは、完全に間違いです。

 大文字ナンさん御紹介のサイトの「膨張宇宙では遠くの天体はそこまでの距離に比例した速度で遠ざかっています。すると十分遠くの宇宙の速度はどうしてもいずれ光速以上になる必要があります。」については、『距離』というのが共動座標系の距離であればその通りです。しかし共動座標系と観測者の静止慣性系という異なる座標系の存在を示していないと、不十分ではなかろうかと思います。

 ではまず、全宇宙が地平線のこちら側にあるモデルから示していこうと思います。これは特殊相対性理論だけで理解できるので、一般相対性理論までは理解しきれない人にもわかりやすいものです。ミルンの宇宙と呼ばれるモデルですが、さてどうやって説明しようかな・・・・・・。ちょーーーっと待ってね。


RE:ローレンツ変換(2)  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月14日 6時15分

 幾何学からの考察、おもしろいですね。ローレンツ変換式に三平方の定理が隠れているのは知る人ぞ知る話で、だから種々の啓蒙本では、光速の60%とか80%とかいう数値を使うんですよねえ。(0.6)^2+(0.8)^2=1を整数値に変えると、ほーら、見慣れた直角三角形が・・・。

 ところでそのうちに、参考にされた出典を教えていただけますか? 幾何的考察をしているものというと、私の知っているのは、以下の2つがありますが、大文字ナンさんの考察ほどは詳しくなかったように思います。
福島肇「相対論のABC―たった二つの原理ですべてがわかる」ブルーバックス(1990/03/20)
池田和義「図解・わかる相対性理論―数式なしできちんと理解できる」ブルーバックス(1999/05)


ローレンツ変換(2)  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2008年02月14日 5時30分

いよいよ、上記のグラフを「変換」します。
角度sinαだけ、グラフを「エイ!」と傾けると、
1→x'=(x-ct sinα)/cosα
2→ct'=(ct-x sinα)/cosα
となります。これは三角関数を知っていれば難しくありません。
そこで、sinα=v/cとすると
3→cosα=√1-sin^2α=√1-(v/c)^2
となります。単にsinαを入れ替えただけです。このため、上記1式と2式を書き換えると
4→x'=(x-vt)/√1-(v/c)^2
5→ct'={ct-(v/c)x}/√1-(v/c)^2 または t'={t-(v/c^2)x/√1-(v/c)^2
となるのですが、この式がローレンツ変換式そのものであり、イベントAに対し、静止した座標系Sで観測した時と、速度vで運動する座標系S'で観測した時との関係を表しています。つまり、先ほど行った角度sinα(=v/c=速度/光速度)だけ、静止系に対して座標を変換したときの各点座標を計算するための式と云えるでしょう。

先ほどから繰り返し出てくる√1-(v/c)^2を覚えることが、ローレンツ変換、ひいては特殊相対性理論を理解するためのヒントと云えるでしょう。
ここまで分かってしまうと相対性理論の速度加算式β1+β2は難しくありません。βはv/cのことで、加算記号+はローレンツ変換の加算記号とします。
6→β1+β2=(β1+β2)/(1+β1β2)
それでは、観測者に対して光速の半分の速度(v/c=0.5)で飛んでいる宇宙船β1があるとき、β1から見てさらに光速の半分の速度で飛んでいる宇宙船β2がいるとすると、(0.5+0.5)/(1+0.5*0.5)=1/1.25=0.8と、もはや算数の世界です。つまり観測者から見てβ2の速度は光速の0.8倍に見えるということになるのです。β1とβ2の一方、または両方が光速度だとβ1+β2=1です。これが光速度を超えることができないという意味であり、速度vが光速に対して十分に小さい場合はローレンツ変換の効果が薄れ、どんどん通常の加算則に従うようになり、これをガリレー変換と呼びます。
7→x'=x-vt
8→t'=t
上記では止まっている人も動いている人も、時間tは一定であり、静止している座標での位置がxであれば、速度vで動いている人にとってはx-vtである、ということです。つまりごく当たり前な「見慣れた世界」のことですね。


ローレンツ変換(1)  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2008年02月14日 5時29分

一種のエクササイズですので、間違っていたら是非指摘してください。

>十分にわかっていたことではありますが、あれで理解しやすいということは、特殊相対性理論までは十分に理解されているということですね。

式は理解しやすい(というよりも知っていた)ものでした。ただ、同じ事象を表すのにいくつかのバリエーションがあるようですので、どの式をどの場面で使うのか?までは私は分かりません。つまり「十分に理解している」とは云いがたいのですが「分かりかけてきた」くらいなら適切だと思っています。

そこで、ローレンツ変換について文献を参照しながら書いてみたいと思います。
そもそもローレンツ変換は、長さLの棒が長さ方向に速度vで運動するとL√1-(v/c)^2に縮むというものです。

それでは、距離をdとするとき→d^2=x^2+y^2・・・三平方の定理(ユークリッド幾何の本質はこれを保つこと)
上記をもとに、x軸をx'軸に入れ替えると→s^2=y^2-x^2
となります。ここで、y=ct(cは光速度、tは時間)とすると→s^2=(ct)^2-x^2=一定
となり、ここに出てくるsを「偽距離(interval)]と呼び、インターバルを不変に保つ(一次)変換をローレンツ変換と呼びます。

このようなルールを与えたとき、つまり誰でも知っている二次元の座標系Sを考えて、そこにグラフを書くと想像してください。
図示すると簡単なのですが縦軸をct(光速度と時間の積)横軸をx(位置)とするグラフを考えると、s=0のとき、ct=xとなります。
これは座標を伸ばしていっても一定ですから(単なる一次グラフなので三平方の定理がそのまま当てはまり)不変であることが分かります。
これによりx/t=cとなりますから、光の速度が運動する人によって不変であることが与えられます。ここまでは単に座標軸に直線を引くだけの話ですから単純です。実は相対論が公理としている「光速度の不変」とはそういう話です。また、こうした座標系で描く直線や曲線を時空線と呼びます。つまり、時間tと位置xで表す座標系であり、今のところ平面で考えています。

では、ローレンツ変換とはなんだ?というと、座標xとctを、x'とct'にしたとき、もとのグラフで描いた三角形の面積を保つ変換のことです。
この変換を表す幾何(ローレンツ変換を導く方法)にはいくつかの作図方法があり、レーデル線図、ブリーム線図、二次元ミンコフスキー線図、三次元ミンコフスキー空間(平面ではない)などがあります。


ありがとうございました  投稿者:たまごちゃん (^-^)ノ 投稿日: 2008年02月13日19時30分

>γはローレンツ変換式に出てくる式です。

相対性理論をはじめて学んだ(といっても本読んだだけですが)時に、ローレンツ変換によってγを導いたので、でしたら、たぶんあらかた理解できました。
ありがとうございました。

物理に関しては大筋だけを理解するよりも一式一式追って行きたい方なので、放送大学の本、非常に面白そうなのですが、少しお高いですねぇ・・・orz
生物の本ならこの数倍の値段でも欲しかったら買うのですが、物理の本だとちょっと躊躇してしまいます。
蔵書数の多い大学図書館と、学術書も多く含む学生街の古本屋さんがすぐ近所にあった学生時代は、本を読むと言う点では幸せな環境だったんだなぁと、今更ながらに思います。


「ゲッ」とおどろくちょちょんまげ  投稿者:ちょちょんまげ 投稿日: 2008年02月13日15時32分

>光だって超光速で進めるのです
ゲボッ。(食ってたせんべいを噴出してしまった。)

カンペキにトンチンカンだったらごめんなさい。

観測者から離れていく天体が光速を超えるのはまだなんとなく理解でけます。(宇宙自体が膨張してるわけでっからね。)
しかし、「観測者に観測される光」ってのはこっち向いてきてる光ですよね。
光速超えるんですか????


ドップラー(4)共動座標  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月13日 5時53分

 共動座標系について一言。「共動座標」という言葉の正しい意味は「宇宙膨張と共に広がる星雲達に固定された座標」なので、ある天体の共動座標の値は時間がたっても変化しません。例えば佐藤文隆「いまさら宇宙論?」(パリティブックス)や、次のpdfファイルに1次元のゴムひもモデルで解説されている通りです。
http://atlas.shinshu-u.ac.jp/class/CP.pdf

 1次元のゴムひもに等間隔目盛が付けてあるとして、このゴムひもを時間とともに一様に伸ばしてゆくと、どの目盛間隔も同じ速さでのびます。しかしn番目の目盛はいつまでもn番目です。このゴムひもに固定された目盛の数値が「共動座標」の値と定義されます。そして目盛間隔の『物理的距離』と共動座標値との比がa(t)と表記される伸び具合(スケールファクター)です。

 ですから私が「共動座標系」と呼んでいたのは、このゴムひもと同じ同時刻面を持ち、空間距離としては『物理的距離』を採用した座標系のことです。さらにある目盛(観測者位置)を原点として、他の目盛は原点に対して距離に比例する速度で運動しています。

 この系の座標にはどうも決まった名前が当てはめられていないようなので、ここでは「共動座標系」で通すことにします。紛らわしいのですが、「共動座標(値)」といったら言ってみれば星雲の順番を示す時間的に変化しない数値ということで、よろしく御願いします。

 一様座標系とか汎宇宙座標系とか考えましたが、まあ変な名前を勝手に付けるのもはばかられますから。

 ところで共動座標系では遠くの天体は光速度を越えていますが、光だって超光速で進めるのです。ですから、超光速で後退する天体からの光が原点にいる観測者に観測されても何も矛盾はありません。


RE:えーーっと  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月13日 5時47分

>でも、(1)式を自力で導けない・・・orz

 すみません。私も今のところ自力で誘導していません(自爆)。ていうか、教科書には載ってますけど、それを説明する自信がありません。

 γはローレンツ変換式に出てくる式です。ローレンツ変換式とは、時空内の同じ点について静止系での座標値(x,y,z,t)と速度vで運動している座標系での座標値(x',y',z',t')との間の関係を示す式で、特殊相対性理論というのは、言うなればこのローレンツ変換式が全てです。時間の遅れとか空間の短縮とかいうのは、全てローレンツ変換式から導かれます。
 γはローレンツ変換式の誘導過程で自然に出てきますが、それは大文字ナンさんが紹介された原理を基にして導かれます。
> 1:慣性系の間における相対性原理
> 2:光速度不変の原理
> 3:速度v/光速度cが十分に小さい場合にガリレー変換を再現

 ローレンツ変換式の誘導はたぶんウェブ上にもたくさんありますし、先に紹介した岡村浩「相対論 (放送大学教材) 」に何種類も載っています。

>相対速度の大きさ|v|による時間遅れの効果がγだから、それによる赤方偏移も考慮するために(1)式でγをかけているってことなのでしょうか?(だったら、たぶん理解できます)

 1式を覚えるためには、その考えがとても有効ですね。本当は逆で、ドップラー効果を計算するためにローレンツ変換式を適用するのでγが1式に入ってきて、それゆえ赤方偏移に時間遅れの効果が生じることがわかるのですが。


えーーっと  投稿者:たまごちゃん (^-^)ノ 投稿日: 2008年02月12日14時04分

diamonds8888xさん、ご説明ありがとうございます。

(1)式を受け入れてしまうと、後の流れは非常に分かりやすかったのです。(^^)
高校物理もよく分かってないたまごにも分かる説明をしてしまうなんて、スゴイ!!

でも、(1)式を自力で導けない・・・orz

vとeを内積する理由はなんとなく分かります。

分からないのは、 γ={1−(|v|/c)^2}^(-1/2)の部分。なぜ、γがこの値をとるのでしょうか?
γが相対速度の大きさ|v|による時間遅れの効果(@特殊相対性理論)と同値なのは一目瞭然なんだけど・・・。

相対速度の大きさ|v|による時間遅れの効果がγだから、それによる赤方偏移も考慮するために(1)式でγをかけているってことなのでしょうか?(だったら、たぶん理解できます)
それとも、γはどこか他のところから導いてこなければならない類のものなのでしょうか??

あと、初歩的な質問で申し訳ないのですが、C(光速度不変)とλ0(各元素固有のスペクトル線)は定数として、一連の数式に出てくる記号のうち、観測によって直接得られるのはλ1だけで、他の値は観測したλ1から計算して求めるものだという認識でよいのでしょうか?

教えてちゃんになっていてごめんなさいm(_ _)m


Re2:宇宙の膨張  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月12日 6時37分

大文字ナンさん、ちょちょんまげさん、e10goさん

 お役に立てたようで嬉しいです。

>数式も理解しやすいものでとても助かりました。

 十分にわかっていたことではありますが、あれで理解しやすいということは、特殊相対性理論までは十分に理解されているということですね。

>また、上記の理解が正しければ、計算上の宇宙の膨張が、共動座標系を採用することによって光速を超えることがあっても、実際の観測(つまり、観測者の静止慣性系)において実測される宇宙の膨張速度が光速を越えることはない、ということになるのだ、と思うのですがよろしいでしょうか?

 まさにその通りです。

>一般相対論を用いる=使用するのは共動座標系になる、と考えていたのですがこれは間違いでしょうか?

 共動座標系を使う理由は、全宇宙の一様性をそのまま表現できて便利だからではないかと思います。また本当に一般相対論が必要になるのは、天体や宇宙に満ちている物質やエネルギーの質量の効果を考えるときではないかと思います。運動学的に考えているだけなら特殊相対性理論だけで話は済むはずです。ただ加速度運動が入ってくると、それを重力とみなした系で一般相対論的に考えた方がわかりやすいという場合も出てくるでしょう。

 ひとつの例を触れておきますと、共動座標系で星雲間の距離がどこでも一定の加速度gで広がるように運動していたとします。この場合、共動座標系上でのある時点である距離以上にある天体からの光は永久に観測者には届きません。観測者の静止慣性系から見ると、この天体はまさに宇宙の地平線の向こう側にしか存在しません。こんな場合では、観測者の静止慣性系では全宇宙を表せなくなります。


Re:宇宙の膨張  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2008年02月11日18時29分

diamonds8888xさん

>付け加えますと、「共動座標系における見かけの光速度」と言うとまた不公平でしょう。どの座標系で考えたのかが明確でさえあればいいのであり、どちらかが幻であるということではありません。私が批判したいのは、観測者の静止慣性系から見た速度がニセモノであるかのごとくミスリーディングさせかねない表現です。

説明ありがとうございます。おそらく慎重に吟味してただいたのでしょう、数式も理解しやすいものでとても助かりました。
私は相対論というよりも宇宙論には深く興味がありますので、質問を続けさせてもらってよろしいでしょうか。
上記にある「共動座標系における見かけの光速度」だとか、○○座標系さえ省略した「見かけの光速度」という表現は、さまざまな啓蒙書や入門書などによく見られる表現ですが、
○「共動座標系における宇宙の膨張は光速を超える」
○「観測者の静止慣性系から観測した宇宙の膨張は光速を超えることがない」
という理解で正しいのでしょうか?

また、上記の理解が正しければ、計算上の宇宙の膨張が、共動座標系を採用することによって光速を超えることがあっても、実際の観測(つまり、観測者の静止慣性系)において実測される宇宙の膨張速度が光速を越えることはない、ということになるのだ、と思うのですがよろしいでしょうか?
#実際、宇宙の膨張速度は銀河の運動を計測するしかないのだから、観測値が光速を超えることはないだろう、と思いますが。

>しかし加速度運動である場合は、ちょっと違ってくるでしょう。その点については次回に・・。まあ数万年スケールの短時間であれば等速運動と見なしてよいとは思うのですが。

おそらくすでにどう説明しようか考察中かと思いますが、等速(光速度不変)で運動する光が特殊相対論で記述されるのは当然として、宇宙論を論じる場合は(加速度=重力を考慮した)一般相対論を用いることが妥当と思っていたのです。また、一般相対論を用いる=使用するのは共動座標系になる、と考えていたのですがこれは間違いでしょうか?


横のドップラー  投稿者:ちょちょんまげ 投稿日: 2008年02月11日13時59分

diamonds8888xさん、ありがとうございました。
横のドップラーはかなりわかりました。数式を除いて(^▽^;)
他の部分はもう少し読み込まないとわからないかも。
ぐぁんばってみます。m(_ _)m


私の的外れの質問から、  投稿者:e10go 投稿日: 2008年02月11日12時20分

diamonds8888xさんがドップラーの説明までしてくれたけど、んー・・・なかなか難しい^^;

でも、おもしろタノシイ^^


クハ72さん  投稿者:junsaan 投稿日: 2008年02月11日10時32分

>「イエスの再臨は近い、もう間もなく世の終わりが来る」と主張するクリスチャンは後を絶ちません。
そういう人たちこそ聖書に預言された偽預言者と言えるでしょう。
# 幸い僕の周りにはほとんどいませんが。

>「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。ただ、父だけがご存じである」
マタイ24章36節


同感ですね。
神が(いるとして)そうロコツに姿をあらわすはずがないですよね(たぶん)。
それではあまりに強引ですからね。
(人間+神のイエスだって、上のパターンと大きく違う)

ちょっと脱線しますが、僕は天国地獄も(あるとして)はっきりとした実体がないと思います。肉体の存在がない霊に(地獄による)肉体的痛みはないと考えてます(あくまで肉体的。精神的なダメージはあるかもしれないけど)。

括弧が多い…。


横ドップラー追加  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月11日10時22分

 英語では"Transverse_Doppler_effect"ないしは"Transverse_Doppler_shift"です。
 さすがに英文サイトだと色々ありますね。次のものなど、いいんじゃないでしょうか。あまり深くは読んでいないことはお断りしておきますが。
http://en.wikipedia.org/wiki/Transverse_Doppler_effect
http://www.mrelativity.net/TransDoppler/Relativistic%20Transverse%20Doppler1.htm
http://mysite.du.edu/~jcalvert/phys/doppler.htm#Rela

 なお対語として視線方向は"longitudinal"になります。
 次のサイトはなかなか詳しそうです。
http://arxiv.org/vc/physics/papers/0502/0502151v4.pdf
Derivation of longitudinal Doppler shift equation between two moving


ドップラー(3)2つの赤方偏移  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月11日 6時31分

 さて前記の1式を視線方向に運動する場合に限れば、vを接近する向きを正とする速度として、次のようになります。zは天文学でよく使われる赤方偏移の大きさの指標です。
 1+z≡(λ1/λ0)={1+v/c}γ  −−(2)
 γ={1−(v/c)^2}^(-1/2)

 2式から明らかなように、vが光速度cに近づけば、zはいくらでも大きくなります。逆に言うと、赤方偏移を光源の後退速度vによる相対論的ドップラーシフトだと見なせば、任意のzに対応するvが求められ、そのvは光速度を越えません。このvは観測者の静止慣性系から見た速度です。この系から見れば、光源付近の時間は進み方がゆっくりとなり、光源付近の空間は視線方向に縮んでいます。さらに遠距離での同時性の崩れがありますから、光源での時刻は観測者の時刻よりも昔になっています。これは光が届くのが遅いために昔が見えるというだけの意味ではありません。100億年かけて観測者に届いた光は、100億年前よりもさらに昔に発したのだという意味です。このように、この座標系から見た宇宙は一様ではありません。まさに観測者が宇宙の中心なのです(^_^)。

 しかし宇宙が一様であれば、どこにいる観測者にとっても、その静止慣性系から見た宇宙は同じものになるはずです。そこで各点における局所座標系としてその点での静止慣性系を採用し、それらを全宇宙でつなぎあわせると、共動座標系ができあがります。この際に時間座標については、例えばビックバンをゼロとして、各点での固有時間で測った時刻を、その点での時間座標として採用します。
 宇宙が一様だと、この共動座標系では全宇宙で星雲間の距離は等しいものになるでしょう。しかしくどくなりますが、ある一点での静止慣性系で見れば、遠くにゆくほど星雲間の距離は縮まって見えるのであり、宇宙は一様とは言えません。

 さてちょちょんまげさん御紹介の動画でも紹介されている「Cosmological Redshift(宇宙論的赤方偏移)」ですが、式としてはこうなります。
 (ν0/ν1)=1+z=a(t1)/a(t0)

a(t)は時刻tにおける宇宙の伸び具合で、その時の星雲間の間隔に比例する量です。t0は観測した光が光源を出た時刻で、t1が観測者の位置で観測された時刻です。ここで注意すべきは、tは、つまりはt0もt1も共動座標系での時刻だということです。つまり光源でもその固有時間で測った時刻であり、観測者の位置でもまた、観測者の固有時間で測った時刻です。また共動座標系では、時刻t0での光源までの距離はc(t1−t0)であり、時刻t0での光源の後退速度はこの距離に比例します(ハップルの法則)。すると当然ながら、ある距離以上では後退速度は光速度を越えます。

 要するに観測される赤方偏移の大きさzに対して、「式2により観測者の静止慣性系から見た後退速度がvである」と解釈することもできますし、「共動座標系における光源と観測者との距離の増加による」と解釈することもできます。それは、おなじ実体をどのような座標系で見るかという違いであり、どちらが正しいとか間違いだとか断定できることではありません。一般相対性理論では座標系の取り方が非常に自由に想定されて、それでも共変な性質が問題にされるという所があります。そのために、特殊相対性理論でローレンツ変換する座標系をようやく受け入れた段階だと、まだまだ納得するのが難しいという面があります。いきなり一般座標系とか持ち出されると、天地が揺れ動くような感じになりますね。

 付け加えますと、「共動座標系における見かけの光速度」と言うとまた不公平でしょう。どの座標系で考えたのかが明確でさえあればいいのであり、どちらかが幻であるということではありません。私が批判したいのは、観測者の静止慣性系から見た速度がニセモノであるかのごとくミスリーディングさせかねない表現です。

 上記の観測者の静止慣性系から見た宇宙の地平線は、光速度で後退する球面です。そしてもし全宇宙の星雲が観測者に対して等速運動をしていれば、どれほど遠い星雲からの光もいつかは観測者に届きます。すなわち、どれほど遠い星雲でも地平線のこちら側にいると言えます。

 しかし加速度運動である場合は、ちょっと違ってくるでしょう。その点については次回に・・。まあ数万年スケールの短時間であれば等速運動と見なしてよいとは思うのですが。


ドップラー(2)縦と横  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月11日 6時02分

さて光速度cで進む波の場合は、ベクトル表現をすれば結果は意外と簡単になります。波源の静止系Aから見た波の振動数ν0と観測者の静止系Bから見た波の振動数ν1の関係は、次のようになります。
 (ν0/ν1)={1−((v・e)/c}γ  −−(1)
 γ={1−(|v|/c)^2}^(-1/2)
 vはベクトルとしての質点の速度で、eは波源から質点へ向かう視線方向ベクトルです。(v・e)は両者の内積で、質点と波源が接近している場合には負になります。γ式の|v|は速度の絶対値、つまり速さであり内積に現れるvとは違うことに注意して下さい。
 また波長λ0とλ1で示せば、左辺は(λ1/λ0)となります。

なお、記号と表現は違いますが、ウィキペディアにも同じ式が示されています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%83%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%BC%E5%8A%B9%E6%9E%9C

また先に紹介しました、岡村浩「相対論 (放送大学教材) 」放送大学教育振興会; 新訂版 (2004/03)の4.7節「ドップラー効果」の4.39式もそうです。

 多くの場合、例えばちょちょんまげさん御紹介の動画でもそうですが、光源と観測者の相対速度が視線方向と一致している場合の式だけが示されていることが多いです。宇宙膨張に適用する場合はそれだけで十分ですからね。

 さて1式で速度が視線方向に垂直、すなわちvとeとが垂直であれば内積はゼロになりますから、
  (ν0/ν1)=γ={1−(|v|/c)^2}^(-1/2)
 となります。これはまさに相対速度の大きさ|v|による時間遅れの効果そのものです。これが「横ドップラー効果」です。

 以上が、「『波源に対して常に速さが等しい波』を等速運動する慣性系から見たらどう見えるか」という問題の解ですが、その結果振動数(波長)が変化する現象をドップラー効果と呼んでいるわけです。これを本来のドップラー効果とは別物だから「ドップラー効果」とは呼ばない、と定義するならそれで一貫してもいいですけど、不便だと思います。ちょちょんまげさん御紹介の動画でも「Relativistic Doppler shift」として観測者の速度が視線方向と一致する場合の式が紹介されていましたから、波源との相対速度による振動数(波長)の変化を「(相対論的)ドップラー効果」と呼ぶ点については私との違いはありません。ウィキペディアの記事では『光のドップラー効果』とだけ書いてありましたが、ドップラー効果と呼んでいる点では同じです。

次回に続く


ドップラー(1)基礎から  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2008年02月11日 5時59分

ずいぶん反響がありましたね。
この問題は基礎から話した方がわかりやすいでしょうから、そうします。

まずは、「横方向のドップラー効果」という言葉ですが、メラーという人の書いた「相対性理論」という教科書には載っています。古いし、数式に慣れない人には読みにくいとは思いますが。
http://www.msz.co.jp/book/detail/02508.html

また、岡村浩「相対論 (放送大学教材) 」放送大学教育振興会; 新訂版 (2004/03)の4.7節「ドップラー効果」には、『横ドップラー効果』という言葉ででています。余談ですが、この本ではローレンツ変換式の誘導法が何種類も詳しく解説されていて、数式からちゃんと理解したい人にはお勧めです。放送大学の教科書ってすごいんですね。
http://www.amazon.co.jp/%E7%9B%B8%E5%AF%BE%E8%AB%96-%E6%94%BE%E9%80%81%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E6%95%99%E6%9D%90-%E5%B2%A1%E6%9D%91-%E6%B5%A9/dp/459523774X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1202675928&sr=1-1

すでにみなさん御指摘の通り、視線方向の速度成分がゼロでも垂直な速度による時間遅れ効果のために赤方偏移が生じます。もちろん、互いに等速運動していれば視線方向の速度成分が垂直であるのは一瞬間だけです。それに、例えば時間遅れ効果と狭義のドップラー効果という風に分けるのはたぶん不自然なことで、理解のための便宜と思った方が良いのかも知れません。

まず、何らかの波の波源があって、その静止系Aを考えます。この系から見れば、波は波源を中心に等方向に球状に進みます。ここで波の速さは光速でなくても構いませんが、大気やエーテルのような媒体との関係で決まるのではなく、「波源の静止系で見るとどの方向にも等しい」という性質は持っている波とします。
さて、この波源に対して任意の等速度運動をしている質点(観測者)を考え、その質点の静止系Bから見たら波がどう見えるのかを求めます。観測者の波源に対する速度が決まれば、静止系Aと静止系Bとの時空座標の関係(変換式)は特殊相対性理論から求まります。
静止系Aから見ると、例えば波の山の頂点が次々と質点にぶつかるという事象が起き、それらの事象の時空座標が決まります。これらの時空座標を、今求めた変換式に当てはめれば、静止系Bから見たときの、波の山の頂点が次々と質点にぶつかる時間が求められます。静止系Bはこの質点を原点にとるので、場所はもちろん原点です。さて、波の山の頂点が次々と質点にぶつかる時間がわかれば、その時間間隔が静止系Bから見た波の周期になり、これは静止系Aから見た波の周期とは異なります。

さてここで質点(観測者)の速度方向が観測者と波源を結ぶ直線上にあれば、つまり視線方向と一致していれば式の誘導はそう難しくはありませんが、速度方向と視線方向が異なるという一般的な問題ではかなり複雑になります。前者では視線方向をx軸としてy軸z軸の座標には変化がないのですが、後者では3軸の座標全てが変化しますので。また波の速度が光速度ではない場合は、静止系Aと静止系Bでは異なる速度になるという複雑さもあります。しかし光速度cで進む波の場合は、ベクトル表現をすれば結果は意外と簡単になります。

 その詳細は次回に。


敢えて言わせてもらいますが  投稿者:クハ72 投稿日: 2008年02月10日16時57分

予言や預言と呼ばれるものは「どんな意味にも解釈できる」というのの他に
「いつの時代にも当てはまることを言う」という傾向があります。
例えば地震や戦争、犯罪や不道徳なんてのは人類が誕生して以来無くなった事はありませんし、
最近になって増加したというデータもありません。
そして人類が存在し続ける限り無くなる事は無いでしょう。

にもかかわらず殊更に昨今の社会の風潮(大半はマスコミによる誇張ですが)を取り上げ、
「イエスの再臨は近い、もう間もなく世の終わりが来る」と主張するクリスチャンは後を絶ちません。
そういう人たちこそ聖書に預言された偽預言者と言えるでしょう。
# 幸い僕の周りにはほとんどいませんが。

「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。ただ、父だけがご存じである」
マタイ24章36節


聖書より引用  投稿者:MPPIC 投稿日: 2008年02月10日16時19分

『あなたがたは聞くには聞くが、決して悟らない。見るには見るが、決して認めない。
この民の心は鈍くなり、その耳は聞えにくく、その目は閉じている。
それは、彼らが目で見ず、耳で聞かず、心で悟らず、悔い改めていやされることがないためである』。
(マタイ13:14−15)

これは、神を信じない人に対して発せられた言葉ですが、
むしろ、聖書の無謬性を盲目的に信じ、観測された事実に背を向け続ける創造論者にこそ相応しい警告だと思う。

コーランは読んだこと無いです。
下の書き込み見ましたが、旧約聖書「ヨブ記」後半の記述に似てる印象を受けました。


百詩篇第10巻72番  投稿者:ナナシー 投稿日: 2008年02月10日15時06分

>ノストラダムスの予言ってだいぶあいまいな気もするけど…。

私の解釈はこうです。

1999年、7か月、
空から支払い役の大王が来るだろう、
アンゴルモワの大王を蘇らせるために。
その前後マルスは首尾よく支配する。

これは台湾新幹線(台湾高速鉄道)に関する予言で、1999年9月(セプテンバーは7番目の月という意味)に台湾で大地震が起き、台湾新幹線はフランス・ドイツが進める欧州方式から日本方式に転換されました。
これを不服とした欧州側は違約金を請求しました。この請求こそが「支払い役の大王」です。
「アンゴルモワの大王」とはフランス国王フランソワ1世を指すことから、欧州方式に再度変更させることを目的に多額の違約金を請求したというのが2行目と3行目の意味だと理解できます。

次に「その前後マルスは首尾よく支配する。」という4行目についてですが、マルスとはJRが誇る世界最大の座席予約システム「マルス」のことです。おそらくノストラダムスはJRの優れたソフトを表す言葉としてマルスを選んだのでしょう。
ICEが死者約100名・負傷者約80名という脱線事故(エシェデ事故)を起こしたのに対し、日本の新幹線は乗客の死亡数は1人と極めて首尾よく"支配"していました。

フランス人であるノストラダムスは日本がフランスより優れていることをはっきり口に出すことができず、このような難解な詩に託したものと思われます。
ソース元はあえて伏せさせてもらいます。


ノストラダムスの予言の秘密  投稿者:ナナシー 投稿日: 2008年02月10日14時44分

あの四行詩で「恐怖の大王」とされているのは、原文では「支払い役の大王」だそうです。
あまり怖くないですね。借金取りの親玉か?

ソース元はあえて明らかにしますが、ウィキペディアです。これは本当のことです。


ノストラダムス  投稿者:junsaan 投稿日: 2008年02月10日14時23分

ノストラダムスの予言ってだいぶあいまいな気もするけど…。

たとえばヒットラー予言の場合、「ヒスター」はヒットラーと無関係だし、なんの意味をなすのかが分からないところもあるし、なんとでも言えるらしいし…。


re:ノストラダムスの秘密  投稿者:ちょちょんまげ 投稿日: 2008年02月10日14時10分

え〜ん、こわいよう。


ノストラダムスの秘密  投稿者:アンリ二世 投稿日: 2008年02月10日12時00分

ノストラダムスの秘密 アンリ二世

実はノストラダムスが予言した日付け1999年は ADゼロ〜数えた年ではないのです ソース元はあえて伏せさせてもらいますが これは本当のことです。


回答2  投稿者:地下に眠るM 投稿日: 2008年02月10日 9時22分

>なぜムハンマドはこれらの事実を書けたのか?

神からの言を預かったから。


それはそうと、書かれている内容が陰陽思想っぽいのがおもちろい。コーラン読んだことなかったけど、こんなこと書かれてたのかー。
「そして水から一切の生きものを創ったのである」なんてのもいいにゃー。「水商売」ってのはきわめて感覚的な説得力を持つものにゃんなあ。


回答  投稿者:ナナシー 投稿日: 2008年02月09日21時09分

>なぜムハンマドはこれらの事実を書けたのか?

事実じゃないから。


ご意見、ご要望がございましたら、掲示板か、 e-mail:natrom@yahoo.co.jpへどうぞ。


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