進化論と創造論についての掲示板ログ337

2006年02月19日〜2006年02月23日
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無理をしてもだめ、しなくてもだめ>谷庵  投稿者:地下に眠るM 投稿日: 2006年02月23日11時16分

読売オンラインより引用
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/feature/20051222ik07.htm
*********************************
川崎市で一昨年8月、3歳だった男児が、自宅でこんにゃくゼリーをのどに詰まらせ、意識を失った。

 すぐに救急車が到着し、母親(35)は「助かった」と思った。しかし、「それからが地獄」だった。

6病院急患拒否
 心肺停止状態の男児に、救急隊員たちは懸命に心臓マッサージをしながら、2分以内で行ける地域の基幹病院、市立川崎病院に受け入れを要請した。だが断られ、他の5病院にも次々に搬送を拒否された。

 救急車は男児を乗せたまま、自宅前から動かない。「何で? 息子はどうなるんですか!」。母親は涙ながらに隊員に詰め寄った。

 最初の連絡から12分後、再度の要請で川崎病院が受け入れを承諾、ようやく救急車は走り出した。だが、男児はその夜、亡くなった。

 このトラブルが起きたのは平日の午前9時過ぎで、川崎病院には計5人の小児科医がいた。当初の受け入れ拒否の理由は「熱性けいれんの患者がおり、蘇生(そせい)に必要な酸素を送る設備が足りない」だった。

 だが、小児科とは別に救急外来にも酸素の設備はあった。両親は昨年11月、病院側を提訴した。
*********************************

さて、産科とならぶ「崩壊」寸前というか、地方によっては崩壊している小児科のお話ですにゃ。
この事例では搬送拒否を理由に提訴されているにゃんね。
(親としては提訴したくなる気持ちもわかる)

谷庵が「無理をしながら」やってきたから、訴訟のリスクが軽減されているのかもしれにゃーわけだ。とはいえ、「無理」が原因でなんらかのミスがあれば、それは訴訟に直結するでしょうにゃ。つまり、無理をしてもしなくてもいけにゃーらしい。
医療に限らず、日本という社会システムちゅうのは「優秀な現場」によって無理なものを通すことで支えられている面が強いといわれておりますにゃ。小隊・中隊規模で戦闘をすると旧日本軍は最強であったという話もあるみたいにゃんしな。現場は優秀で中央はノウナシというのは民族の病いかもしれにゃーです。


ゲーム脳の恐怖  投稿者:PDX. 投稿日: 2006年02月23日 7時36分

 こういうことかー(笑)

http://www.akibablog.net/archives/img/2006-02-21-6115.html


マネして何の得が<チンパン  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2006年02月23日 5時59分

>対して松沢と明和のチンパンジーは、訓練開始時点ですでに若くはなかった。彼らは模倣能力を獲得するには臨界期があるだろうことを推測している。

 ニホンザルは順位の高い者や年上の者のまねしかしないと聞いたことがあります。例の芋洗い文化も初めて洗ったサルから下の世代へのみ伝わったのだとか。チンパンジーもそうだとすれば、研究者が尊敬されていなければマネをしないという可能性も考慮しなくてはならないでしょう(爆)

「お椀にボールを入れる」「蓋をタオルで拭く」に比べると、単なる体操にはマネしたくなるような実利的意味が見いだせなかったのかも知れません>>大人のチンパンジー

 いやー、この研究は大変だなあ。


風船の上の砂粒  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2006年02月23日 5時45分

> 時空そのものが膨張するなら、そこに「ある」天体も膨張するので相対距離は変わらないじゃないか、という反論ね。これはさっきのよりずいぶんまともだね。
 実際、確かにその通りなんだけれど…

 いえ、その通りではありません。たとえるなら、風船の材料のゴムに砂粒が混ぜ込んであって、ゴムの部分は伸びるけれど砂粒はそのままという状態ですね。砂粒は星どころか素粒子に相当していてこれは膨張していません。
 ですから「空間が膨張する」という表現をまともにとりすぎては、このような誤解をするということです。観測事実はあくまでも「天体間の平均的距離が時間とともに長くなっている」ということですから。

 ローレンツ短縮なら全てが同様に伸び縮みしますけどね。


ミケさんへ  投稿者:リリス 投稿日: 2006年02月23日 2時05分

ネット上でソースが見つからなかったので、長くなりますが引用しますね。ちょっと記憶違いがありましたが、大勢に影響はないということで・・・。8章は原文ではなく概略で、2章も部分的に略しています。
数回試行しているので、包装の厄介さは少なくとも実験中に体験できると思います。

<「心の発生と進化」より引用>
2章 模倣−過去を繰り返す
動物の模倣−動作かモノの選択か?
霊長類学者の松沢哲郎と明和政子は、何頭かのチンパンジーに数種類の単純な動作−「お椀にボールを入れる」「蓋をタオルで拭く」−を示して見せた。このような動作は、あるモノに対して別のモノを方向付けることを含んでおり、極めて正確に模倣された。
しかし、チンパンジーは、動作だけのパターンは、ほとんどまねることができなかった。それがまったく単純な動き(たとえば、腕を上げ下げし、手を握って拳を作ったり、頭を回したり、あるいはこれらの組み合わせ)のときでさえできなかったのである。そしてもっとも難しかったのは「新しい」動作パターンをまねることだった。これらの動作をまねさせるために、モデルは何度も動作を繰り返し、チンパンジーを手取り足取りで教え、さらには「まね」させるために報酬まで与えなくてはならなかった。
キイス・ヘイズとキャシー・ヘイズは、チンパンジーのヴィキが少なくとも「10のまったく新しい動作」を模倣できたと報告している。また霊長類学者のカスタンス、ホワイトゥンとバードが、4歳になる2頭のチンパンジーに48の新しい動作を示したところ、それぞれ13と20の動作を再生できたと報告している。これらの研究では、チンパンジーは幼いときから特別にまねることを訓練されていた。対して松沢と明和のチンパンジーは、訓練開始時点ですでに若くはなかった。彼らは模倣能力を獲得するには臨界期があるだろうことを推測している。

シミュレーションと時間概念
実験者が2つのクッキー(ひとつは砂糖がまぶしてあるクッキーで、もうひとつは普通のクッキー)を別々に隠すところを4歳児に見せ、その後実験者が一方のクッキーを食べながら再び出てくると、その子は必ず、実験者が食べているのとは違うもう一方のクッキーの隠してある場所に行く。・・・しかし、2つのクッキーをティッシュペーパーに何重にもくるんでから隠すと、その子はもう、実験者が食べているのとは違うクッキーの隠し場所には行かなくなる。この場合には、その子は、行為を心の中でシミュレートすることによって、クッキーの包みをほどくには時間がかかるから、実験者が食べているクッキーは隠したクッキーの筈が無い、と推論している。ところがこれとは対照的に、チンパンジーはこの課題ができない。チンパンジーは、実験者が食べているのとは違うクッキーの隠してある場所に行き続けるのだ。

8章 因果−「リンゴ・?・切ったリンゴ」
他者の行為の因果推理
互いに10m離れた2つの位置に不透明な容器を置き、チンパンジーは容器の中間点から10m離れた位置にいる。チンパンジーに、2つの容器の一方にバナナ、他方にリンゴが入れられるのを見せた後、衝立を立ててチンパンジーから容器が見えないようにする。2分後に衝立がはずされた時にチンパンジーが見たものは、容器の中間点でリンゴあるいはバナナを食べているトレーナーの姿だった。トレーナーが退場した後、チンパンジーは実験場に入るのを許される。(バナナとリンゴは同程度に好まれる。)
また、3歳半〜5歳の子供にもドーナツとクッキーで同じ手続きを行う。20人の子供と4頭のチンパンジーに対し、試行の間隔を30分以上空けて10試行行なった。
結果、18人の子供と年長のチンパンジーのサディは、一貫してトレーナーが食べたのとは違う食べ物の容器を選んだ。3頭の若いチンパンジーは反応が一定せず、1頭はトレーナーが食べた果物の容器を選ぶ傾向が、2頭はそれとは逆の容器を選ぶ傾向があった。
次に被験者は、食べ物が容器の中に置かれる前に厳重に包装されるところを見た。そして1分半後に2つの容器の中間点でどちらかの食べ物を食べているトレーナーを見た。すると4歳以上の子供は2つの容器をランダムに選ぶようになった。しかし、それより年齢が下の子供と4頭のチンパンジーの行動は、この変化に影響を受けなかった。
<引用終>

他にも色々と面白い実験がありましたよ。例えば、上の因果推理と似たような選択を迫られる状況なのですが、トレーナーは口をモグモグさせているだけで何を食べているか判らない、しかしチンパンジーはトレーナーの「好み」は把握している・・・という場合。チンパンジーはランダムに容器を選んでしまうのです、別のテストではトレーナーがどちらを選ぶか推論できるのに。幼児に対するテストとの対比から、これは推論表象が知覚表象に勝てなかったためだろう、と結論されています。

類人猿が石器を作れない、の元ネタは、「5万年前に人類に何が起きたか?」です。石核から剥片石器を作る方法をかの天才チンプのカンジ君に教えてみたが、《カンジは要点をすぐのみこんだものの、なかなか普通の人間がするように石槌で石核を叩いて剥片をつくれなかった。》とありました。

長くなって済みません。


Re:トポロジ  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2006年02月23日 0時44分

>宇宙膨脹論を説明する際に頻繁に、天体の絵が描いてある風船が膨らむ様子が例に挙げられますよね。
>でもこれは全く例になっておらず、荒唐無稽だと思いませんか?

 マルチハンドルくんも、最近はHNを落ち着かせたようなのでレス。
 まづ、球面だとか鞍型面の「たとえ」は、位相空間の「曲率」を近似的(視覚的に理解しやすいように)表現しているものであって、実際の「4次元時空」が球面である、と述べているのではないんだよ。

 次に、これらの説明が(たとえば私のような)ただの「物好き」によるものなら「荒唐無稽で例になっとらん」という批判もあるかも知れんが、きちんとした実績を持つ最先端をいく研究者が「最大限に努力を払って」一般にも分かりやすく、彼らの解析した「時空の幾何学」を説明しているんだよ。君に理解ができないからといって、しかもまともに記述を理解してもいないで、安易にそういう批判を述べるのはどうかと思うぞ。

>まずおかしいのは風船の表面の天体は2次元だという点です。言うまでもなく実際の宇宙空間は3次元なので、風船によって宇宙の膨脹を説明するのには難がありますね。

 いうまでもなく、風船の表面は二次元だね。しかし、この風船が「あらわそうとしているもの」は4次元(またはさらに高次の)時空であることを読み落としちゃいけないよ。仮に内部に4次元の広がりを持つその「表面」の場合、単純に次元がひとつ減ることになるから、そこは3次元の広がりを持つことになる。これは、球の体積を求める式と表面積を求める式を見比べれば分かると思うよ。

>次の疑問は、風船を膨らませた際、確かに天体同士は離れていきますが、同時に天体そのものの表面積も膨脹していきます。

 ははは、ちょっと面白い視点だね。
 時空そのものが膨張するなら、そこに「ある」天体も膨張するので相対距離は変わらないじゃないか、という反論ね。これはさっきのよりずいぶんまともだね。
 実際、確かにその通りなんだけれど…これを「同じく近似的に」表現するなら、観測者である私たちは、ちょうどケーキを切った中心にいると思えばいい。すると、ケーキの一番外も中心も曲率は一緒だけれど、距離は外縁に行けば行くほど大きくなる。これが「遠方の銀河は恐ろしい勢いで遠ざかっている」ことの説明だね。


お医者さんの身につまされる話  投稿者:wadja 投稿日: 2006年02月22日23時52分

に、wadjaのような素人がとやかく言う話では無いと分かっています。医療の現場に今居る人にとっては、明日我が身に起きる可能性のある話しですから。

しかし一つだけ言わせて頂くとすれば、司法の原理というものは、常に合理的かつ蓋然性のある判断が可能であろうということと同時に、そういった判断にも誤りの生じうることを(一応)前提に作られています。

何が言いたいかと言うと、

(1)専門家として人の命を預かる立場にある以上、ベストを尽くしてください(すでにやっておられると信じてます)。
(2)それでも運悪く刑事訴追を受けるようなことがあれば、良い弁護士を選任してください。
(3)訴追の際、被告人は裁判官を選べないので、よい判事に当たることを神に祈ってください。
(4)はずれなら、信念を持って最高裁まで争ってください。

ということ。失礼しました。


再反論>temaさん  投稿者:wadja 投稿日: 2006年02月22日23時36分

お付き合い頂きありがとうございます。

>自己意識のもたらす学習効果は生存確率を高めたはずです。

群れを作る動物で、学習効果を高めることができれば適応度を高めるであろうことは認めますが、所詮たらればの話であり実際に起きたことだという証拠にはなりません。現実の進化の過程で、適応度を高める変異が都合よく全て起きる訳ではないのです。故に、既に自己意識をもっていると思われる個体を発見しない限り、犬が自己意識を持っている証明をしたことにはならないのです。

>自己意識を持てなかった個体は、淘汰されてしまうだろう、と思います。

これは、同じ群れの中に自己意識を持った個体が発生して初めて生じる適応度の差です。同じ群れの中に自己意識を持った個体がなければ、自然選択は働かないと考えます。やはり、既に自己意識を持った個体が発生している直接の証拠にはなりません。

>家政婦さんが深津絵里ならば、会った瞬間に好意を持ちます。

この証拠には蓋然性(少なくともtema−wadja間においては)があり、反論としては有効です。でも、これは学習能力ではなく、ただのスケベですw。


(無題)  投稿者:(+o+) 投稿日: 2006年02月22日23時23分

染色体とπの関係についてしりたいんですが、、一般人の私でもわかるように説明していただけますか?


タイトルにReを忘れた  投稿者:谷庵 投稿日: 2006年02月22日22時12分

タイトルにReを付けてお読みください。


谷庵さんへの回答  投稿者:谷庵 投稿日: 2006年02月22日22時09分

sci98 さん、レスありがとうございます。

最初の答え
>なりません。死亡と掛け持ち麻酔の間に因果関係がありません。

これが一般的であれば本当に嬉しいです。

後の方の答え
>要は「人手が足りなくて手術できなかった」ということなので、誰にもありません。

これも少しは嬉しい答えなのですが、実はあまり喜べません。
要は患者が助かることが重要なのです。
忙しくて見殺しにせざるを得なかったのだと、心から思いこむことは出来ないでしょう。
実際に、無理をしながら多くの命を救ってきました。
結果論かも知れないけれど、無理をしたための重大事故はありませんでした。

掛け持ち麻酔をしたからと言って、滅多に事故など起こらないだろうけど、起こる可能性はある。
でも、掛け持ちを拒否して、超緊急手術(胎児切迫仮死の帝王切開術・脳ヘルニアなど)をしなければ、確実に人命が失われます。
ワタシャどうしたらいいのでしょうか。

なんちゃって、結局は今まで通りやるんですけど。


谷庵さんへの回答  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月22日21時12分

>1)医療ミスではないが、やむを得ない理由で麻酔中の患者が亡くなった時でも、
>  掛け持ち麻酔をしていたという理由で有責と見なされるんじゃないかと思っていますが、
>  その通りでしょうか。

なりません。死亡と掛け持ち麻酔の間に因果関係がありません。

>2)掛け持ち麻酔をかたくなに断ったために以下のようなことが起きた時、
>  その責任は誰にあるのか。
>a.癌患者が手術を待っていたために手遅れになった
> (手遅れになったのは待たされたからだと訴訟された時)
>b.緊急手術が必要なのに手術が出来ないで亡くなった

要は「人手が足りなくて手術できなかった」ということなので、誰にもありません。


鑑定人  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月22日21時10分

>2ちゃんねるではこの辺が有名です。(刑事ではなく民事ですが)

判決文読んでみました。
裁判所が医師の過失と認定したのは以下の1点だけのようです。

|本件病院の初診時において,担当医師としては,少なくとも,心疾患の可能性を完全に排除せずに,
|最低限度の検査として,心電図検査を実施すべき義務があったもので,
|心疾患の可能性を完全に排除して,この検査を実施せず,輸液を実施したことは,
|医師としての注意義務に違反したものというべきである。

これ、YES対NOは何対何ぐらいですか?51対49なら民事では負け、刑事では勝てます。(NOの方が強ければ当然どっちも勝てる)
2ちゃんねるの発言を読むと、鑑定結果はデタラメでNOの方が強そうなんですが(0対100ぐらい?)。
裁判所への文句もあったけど、民事だと裁判所は両者の主張に基づいて判断するしかないので(職権で判断するのは許されてません)、裁判所を責めるのは酷です。

>心筋炎の「神秘的権威」である鑑定人の森功先生

谷庵さんのおっしゃった
|症例検討会での反省点とミスとして断罪されるべき事項の区別が付いていない世間知らず
の好例なんですね。


異状死  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月22日21時08分

>異状死かどうか、当事者である医師が判断すべきでないと。

そうです。
・医師に過失があれば刑事責任を問われる
・医師に過失がなければ刑事責任はない
以上はよろしいですよね?
となると「届け出るかどうかを医師が判断する」ということは、「過失があったかどうかを(当事者である)医師が判断する」ということになって、これは「刑事責任があるかどうかを(当事者である)医師が判断する」ということになってしまい、不合理です。これは特に医師が冷遇されているわけではなく、刑事責任があるかどうかを当事者に判断させないことは(医師であるないにかかわらず)当然に行われています。


宇宙  投稿者:四畳半フォーク 投稿日: 2006年02月22日18時41分

宇宙膨脹論を説明する際に頻繁に、天体の絵が描いてある風船が膨らむ様子が例に挙げられますよね。
でもこれは全く例になっておらず、荒唐無稽だと思いませんか?

まずおかしいのは風船の表面の天体は2次元だという点です。言うまでもなく実際の宇宙空間は3次元なので、風船によって宇宙の膨脹を説明するのには難がありますね。

次の疑問は、風船を膨らませた際、確かに天体同士は離れていきますが、同時に天体そのものの表面積も膨脹していきます。

つまり風船を使って宇宙の膨脹を説明することは無理があるのではないでしょうか。

という、誰でも考えつくような素朴な疑問です。
進化論と関係ないですが。まぁ、わたくしの知識が浅いがゆえの疑問ですね。


医師確保  投稿者:JA50 投稿日: 2006年02月22日12時35分

yahooにも出ていました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060220-00000192-kyodo-soci


異状死体の届出のマニュアル  投稿者:JA50 投稿日: 2006年02月22日12時25分

逮捕された産婦人科医の病院のマニュアルでは、異状死体の届出は院長がするようになっていたそうです。
法律上は見つけた医者がするようになっているはずですが、異状死体かどうかの判断は、前にも書いたように非常に曖昧ですので、病院として判断しようとするのは間違いではないと思います。
問題は、異状死体の届出は病院でする(院長がする)としていたのに、その届出義務違反を医師個人にとらせたのかということです。

こんなニュースがありました。
m3.comなんで一般のかたはアクセスできないかもしれませんが、、、、

公的医療機関に協力義務 小児科などの医師確保で
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=28233
> 厚生労働省は20日、人手不足の小児科、産科、へき地、救急医療などの医師確保策について、2007年度から公立病院などの公的医療機関に協力義務を課す方針を都道府県の医政関係主管課長会議に示した。

これを読んで、バカにすな、どこまで虚仮にしたらいいんだと腹が立ってきた。
誰が協力などするもんかと思いましたね。


補足  投稿者:谷庵 投稿日: 2006年02月22日10時39分

>正直に言わせて貰えば、鑑定人も法律家も、現実を知らない世間知らずだと思っています。

もちろん、ろくでもない判断をした人たちの話。
全員がそうだと言っているわけではありません。
誰かに指摘される前に書き込めて良かった。(笑


だから・・・  投稿者:アヌンナキ 投稿日: 2006年02月22日 8時56分

>これを説明できなければ、神のせいにせざるを得ず、想像論信者がまた増える...♪

神じゃなくておいらが作ったんだってば・・・

http://www12.plala.or.jp/yonemoti/


小児科  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2006年02月22日 8時30分

>すでに多くの地域で、産科・小児科医療は破綻しています。
>私の勤務先でも、毎日小児科医が当直することは出来ません。

 19歳のときの話ですから、もう20年前ですね。私は、某医大付属病院に入院していました。それを遡ること2年、17歳の時に事故で骨折した大たい骨が完全に治癒せず、「擬関節」の診断を受けてしまい、再手術および再リハビリの必要があったからです。
 この際、私の擬関節を見抜いたのは、医師ではなく理学療法士でした。一向に機能回復しない私の足を、当初の担当医は「とっくに完治している。歩けないのは根性がないからだ」みたいな調子でしたが、ある日、リハビリ科でマッサージを受けているとき、理学療法士が異常に気づいたのです。

 すぐさまレントゲンを撮り、触診などを経て、私は再度の入院をすることになりました。しかし、最初に入院し、退院してからすでに2年以上を経過し、いまさら「やっぱり治ってませんでした」みたいな話があるのかよ?と、ガキながらに思ったものです。無論、その間必ず毎週、医師の診察を受けていたのに関わらずです。

 どういう理由かは分かりませんが(笑)、私の大学病院での入院費用は「破格」だったようです。しかし、誤診だとか医療ミスについては、その可能性さえも医師および病院職員から話題になることは一度もありませんでした。そのかわり、過剰と思えるくらいお見舞いをいただき、一時的に肥満体質に陥ったほどです(苦笑。

 それから20年が過ぎましたが、私はこの自らの体験をことさら大げさにする気はありません。単に「こういうことがあったよ」と、世間話のひとつにするだけです。また、なによりも私は、結果的に今でも障害は残っていますが、もう一度歩けて走れて、短い時間ならスキーもできるという経過に満足しているからです。
 しかし仮に…このような処置を受けたに関わらず、私の足が回復していなかったのなら…私はいま、なにを話していることでしょう。ちょっと想像がつきません。

 さて、長い前振りでしたが…その某大学病院の整形外科病棟は、小児科病棟に隣接していました。整形外科の患者は、内臓は健康なので基本的に元気です。小児科の子供たちも、どんな病気を抱えているかに関わらず、普段はとても元気です。これはにぎやかな病院だなぁ、などと、当初の私は苦笑していたほどでした。

 ところが…その小児科の子供たちが次々に姿を消していくのです。もちろん、退院していく子供もいます。しかし、相当の割合の子供は、別の形で病院をあとにします。
 いま私が思うのは、そういう現実を見せつけられて、子供たちがかわいそうだとか親御さんはどうしているだろうとか、そういうことではありません。医療の現場がかくも厳しく、恐ろしい世界だった、ということです。

 深夜、娘を失った母親の嗚咽がいつまでも耳に響き、眠れなかったこともありました。単に、その場に居合わせただけでそうなります。これが、担当医の立場であればどうだろう。それがもしも、この場で話題になっているような、過失の「可能性」があるケースの場合、どうなんだろう?そう思わずにはいられないですね。


sci98 さんに質問  投稿者:谷庵 投稿日: 2006年02月22日 4時44分

連続投稿失礼

私は基幹病院に勤める麻酔科医です。
麻酔科学会のガイドラインでは、いわゆる掛け持ち麻酔(一人で複数の麻酔を同時に行う)を望ましくないとしています。

けれども、出来るだけ早く手術をしたほうがいい癌の患者などが手術を待っています。
うちで断っても行き場はありません。
ですから、出来るだけ多くの手術をこなさなければ手遅れになるかも知れません。
また、救命センターもありますので、待ったなしの緊急手術もあります。

私は自分の判断で、いざとなったら責任を取らされることも覚悟の上で、掛け持ち麻酔をしています。
麻酔科医が掛け持ちをしなければ、結局は外科医が麻酔もすることになります。
それよりは麻酔科医の掛け持ちの方が安全です。

で、何を質問したいのかというと
1)医療ミスではないが、やむを得ない理由で麻酔中の患者が亡くなった時でも、掛け持ち麻酔をしていたという理由で有責と見なされるんじゃないかと思っていますが、その通りでしょうか。
2)掛け持ち麻酔をかたくなに断ったために以下のようなことが起きた時、その責任は誰にあるのか。
a.癌患者が手術を待っていたために手遅れになった
 (手遅れになったのは待たされたからだと訴訟された時)
b.緊急手術が必要なのに手術が出来ないで亡くなった

患者を他施設に送ることも、麻酔科医を増やすことも、現実的ではないという条件でいかがでしょうか。

もちろん聞きたいのはsci98 さんの個人的見解で、回答が得られたからと言って一般化するつもりはありません。
また、答えを強要しているわけでもありませんので、あくまでよろしかったらと言うことで。


割り箸・心筋炎・癒着胎盤  投稿者:谷庵 投稿日: 2006年02月22日 3時58分

多くの医師が不条理だと考えているのは、最近以下のような論法がまかり通っていると言うことです。

死亡や重大な結果が起こった時
当該疾患の専門家が
十分な機材と人員などの環境に恵まれ
ありとあらゆる検査や治療を施したら
助かったかも知れない時
重大な結果を防げなかった医者はひどい目に遭っても仕方がない

医者が専門領域だけしか診なかったら、日本の医療は成り立ちません。
十分な機材、十分な人員に恵まれた病院なんて、ほとんどありません。
よくある症状でも、念のため考えられるすべての検査をしていたら、コストは青天井です。
例え早期に診断がついても、致命的疾患はやはり死にます。

>やはり事故の当事者である医師に届出の要否を判断させるべきではありません。

となると、すべての死亡例を届けるわけですね。
膨大な数になりますが、誰が処理するのでしょうか。
疑わしいものに対しては司法解剖が必要になりますが、何処で出来るのでしょうか。

正直に言わせて貰えば、鑑定人も法律家も、現実を知らない世間知らずだと思っています。
すでに多くの地域で、産科・小児科医療は破綻しています。
私の勤務先でも、毎日小児科医が当直することは出来ません。
昔なら、内科医がカバーしてくれたのですが、今は内科医も小児は診ません。
結局困るのは患者なのですが、このままで良いのでしょうか。


知能の進化  投稿者:カクレクマノミ 投稿日: 2006年02月22日 0時08分

>やはりここは想像論者として、人類の進化を導いた突然変異はレアなものであり、神のご加護なしには発現し得なかった、と考えるのが正統でしょう!

霊長類(特にヒト)において、脳(大脳、特に新皮質)の大型化を引き起こした要因は2つ提案されています。

ひとつは生態仮説です。霊長類の生態上大きな脳が適応的であるということですね。例えば果実食の種であれば果実の熟す時期や木の位置を覚えなければなりません。地中の餌を掘り出したり、広い遊動域のどこに何があるかを把握するのにも知能は必要でしょう。あるいは、リリスさんのおっしゃる通り道具使用も大脳化を促進したでしょう(技術的知性仮説)。
また、チンパンジーなどでは狩りをして肉食することがあります。森林の中で獲物を追い詰めるには高い知能が必要なのかもしれません。

もうひとつは社会仮説です。生態仮説はダンバーによって否定されたので、現在ではこちらが一応主流のようです。群れの中で社会的にうまくやっていくために知能が進化したというものですね。
社会仮説の最もわかりやすい根拠は、霊長類において群れの個体数と脳の新皮質率に正の相関があるということです。大きな群れでは、記憶しなければならない個体間の社会関係が指数的に増加します。
さらに、「マキャベリ的知性」説も社会仮説の一部です。これはマキャベリの「君主論」のごとく、戦術的欺きを駆使して利益を得るために知能が進化したというものです。種間の研究例数の差によるバイアスを差し引くと、霊長類での欺きの事例報告数は新皮質率と正の相関があります。
「心の理論」も知能の進化に関係しているかもしれません。複雑な社会の中では、相手の意図を推測する能力は有利になるでしょう。

というわけで、ヒトという種が特に発達した知能を持つのにはもっともな原因があり、神の介入など考える必要はない!と反論(ネタにマジレス?)してみます。
ヒトが高い知能を持つのは、ヒトが霊長類の中でも特に大きく複雑な群れを作るからです。また、そのような群れを作るのは、おそらくサバンナに生息したことが原因でしょう。

脳は異常にエネルギーを食う器官です。大きな脳は、それが相当有利でない限りコストに見合いません。ヒト並みの脳が他の種で進化しなかったのはこのためでしょう。もう少しエネルギーの話をするなら、ヒトは肉食に強く依存するため、この高いコストを払えたとも考えられます。

脳の大きさの変化のような、量的な突然変異が全く起こらないというのは考えにくいものがあります。それよりは、社会的要因やエネルギー的要因のせいで、ヒト以外では大きな脳が進化しなかったと考えるべきでしょう。


へーい、お一人様、ごあんな〜い!  投稿者:おずおず 投稿日: 2006年02月21日23時39分

wadjaさま、想像論ご入信有り難うございます♪

それはそうと、
感覚器官、感覚神経、運動神経、運動器官
で、インプットからアウトプットの流れをたどれると思うのですけど、
これらは「もちろん」、歩調を合わせて進化してきたのではないはずですよね。
しかも、ある時点から、感覚神経と運動神経の間に、脳、が出来てきた。

感覚神経の処理できる情報以上の情報を発信できる感覚器官は自然選択にかかる優位性を持ち得るのだろうか?
感覚器官の発信できる情報以上の情報を処理できる感覚神経は自然選択にかかる優位性を持ち得るのだろうか?
運動器官が処理できないような複雑かつ精妙な信号を発する運動神経は自然選択にかかる優位性を持ち得るのだろうか?
運動神経が制御できないような精密な運動を実現できる運動器官は自然選択にかかる優位性を保ち得るのだろうか?

コノハムシやヘヒリムシの進化を遙かに超える難問かも...。

これを説明できなければ、神のせいにせざるを得ず、想像論信者がまた増える...♪
東京駅でチラシを配る人がもっと増える♪


狼は記憶を持つか?  投稿者:tema 投稿日: 2006年02月21日23時25分

「俺の後ろに立つな!」
 あ、失礼しました。なにやら背筋に悪寒が走ったもので。

>(前略)犬・猫が明らかに過去の記憶に基づいた行動をしたとしても、それが人間と同じ自己意識に基づくものなのか、情動によるものかは断言できないはずです。

 確かに、情動により記憶を使用することは出来るのでしょう。但し、自己意識は学習効果に大きく影響することも紹介されています。猫はともかく、群を作る犬族にとって、自己意識のもたらす学習効果は生存確率を高めたはずです。自己意識を持てなかった個体は、淘汰されてしまうだろう、と思います。

 ご承知の通り、自己意識を持つにはコストが必要です。残念ながら、このコストと学習効果のどちらが生存確率に大きな影響を与えるかは、判りません。犬語を知らず、バウリンガルを持っていないtemaは、犬に聞くわけにもいきません。このため、他の根拠を考えました。

 犬は3日飼えば恩を忘れません。一方「博士の愛した数式」の博士は、家政婦さんに対して好意を持つためには、3日では済まなかったでしょう。博士より学習能力の高い犬には、博士が持てない「自己意識による記憶使用」ができるものと想像します。
 ちなみにtemaは、家政婦さんが深津絵里ならば、会った瞬間に好意を持ちます。流石の学習能力です。


想像論  投稿者:wadja 投稿日: 2006年02月21日22時54分

に加担しようかしら?

>人類の進化を導いた突然変異はレアなものであり、神のご加護なしには発現し得なかった、と考えるのが正統でしょう!

「はじめに言葉ありき」(ヨハネの福音書)

は、進化の過程で人間が誕生した瞬間を表したすものです。聖書は極端な人間中心主義をとりますから、観察者人間を得て初めて世界が存在し始めたことを婉曲に描いているに過ぎないのです。しかし、ちゃんと現代の進化人類学者達の仮説を、予言しているではありませんか。

って誰に加担しようとしてるんだ?

それはともかく、脳は進化の過程を、階層的にその皮質に残してきてるじゃないですか。脳の構造には詳しくないんですけど、論理的な思考が可能となるシナプスの結合が、新しく皮質を重ねるごとに必然となるような構造的な理由ってないもんでしょうかね?案外この辺りは、ニューロン型コンピューターの研究者の方が良いアイデアをもってたりするかもしれない。


意識と虎穴、記憶と墓穴  投稿者:Kitkat 投稿日: 2006年02月21日22時45分

リリスさん

>自らすすんで餌として虎の穴へ

疑似餌想像論者たるリリスさんの戦略の一端を見せていただき、ありがとうございます。

>どうしてサルはサルのままなの?

人類が滅亡したならば、その生物学的空白が淘汰圧(負圧)となり、サルたちは急激に進化するのではないでしょうか。
二足歩行と発達した言語を手に入れたホモ・エイプスは、人類文明の廃墟を禁断の地として・・・・・って、「猿の惑星」か?


diamonds8888x

>新ことわざ

ぜひ、広めましょう! 目標は「ブタもおだてりゃ、木に登る」です。

>虎の穴の修行

ここが、虎の穴だったとは!
そういえば数日前に、背中のチャックを下ろされ、その正体を、ばらされそうになっている場面を、ここで見ました。


リリス さんソース希望ッス  投稿者:ミケ 投稿日: 2006年02月21日22時26分

チンプと幼児のクッキー実験、とても興味深かったんですが、
とくに包装のところで
サルが“包装を解くのに時間がかかった”という経験をしているのかどうか
もしくは幼児が“包装を解くのに時間がかかった”という経験をしていないのかどうか
が気になりました。

また、真似の段ですが
こういう実験でニンゲンの幼児と比較されるのはチンプの成体であることが多い気がします。
もし成体と幼児という異なる発生段階同士での比較であるならば
こと「真似する能力」という発生段階に依存するであろう能力の比較はちと微妙かも。

というわけでソースください。
……とか言っておきながらソースが英語だった場合は返信に数週間かかるかも。。。


心筋炎の権威  投稿者:NATROM 投稿日: 2006年02月21日22時10分

>只、意見を求められるような権威ある医者は、たいていは世間知らずだから、
>症例検討会での反省点とミスとして断罪されるべき事項の区別が
>付いていないんじゃないでしょうか

sci98さんがいろいろ調べてくださっていますが、2ちゃんねるではこの辺が有名です。(刑事ではなく民事ですが)

【心筋炎訴訟】鑑定意見書に謙虚に学ぶスレッド
http://society3.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1119174251/

私は小児科医でも循環器医でもないので、2ちゃんねるであれやこれや言っている名無しさんたちと、心筋炎の「神秘的権威」である鑑定人の森功先生のどちらが正しいかはわかりません。明確なのは、たとえ通常の感冒のように見えようとも、私は小児の患者は診るべきではないということです。


異状死体  投稿者:JA50 投稿日: 2006年02月21日21時49分

>やはり事故の当事者である医師に届出の要否を判断させるべきではありません。

異状死かどうか、当事者である医師が判断すべきでないと。
つまり、病院で死亡した例、全例、届けておかないといつ逮捕されるかわかったもんじゃないってことですね?

それならそれでいいんです。
この死亡例は異状死かそれとも病死かと悩む必要がない、もしかして後で異状死体の届け出義務違反とかで逮捕されたりしないだろうかと心配しなくてもすむ。その方が、基準が明確になって、臨床医としてはやりやすい。

医師会、病院協会、全学会があげてそうすべきです。
こういう例が起こった以上、いや以前からこうなるおそれがあると指摘されていたんだし。


(無題)  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月21日21時32分

>>この例だと過失を問われても仕方ないように思えるんですが、どうなんでしょう?
>その通りです。
>実際にひどい医療ミスがあることは事実です。

なるほど。これについては冤罪ではないわけですね。
では、これ↓なんかはどうでしょう?
平成15年(わ)第17号 業務上過失致死被告事件
http://www.ozaki-law.jp/medlaw/rnote.php?u=case2003/20030328b.html&t=1

帝王切開で産婦が死亡した事案で医師の過失を否定した判決があるのを見つけたんですが、これが詳細が見つからない(地裁判決だし…)。
#判タ見ればいいだけなんですが、いま調べている時間がなくて…
「昭和43年(わ)第481号業務上過失致死被告事件」なんですけど、ご存知の方います?
時間があるときに調べてみようと思います。


異状死体の届出義務  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月21日21時31分

>私の感覚だと、心筋梗塞も肺炎病気なのだから、
>確定診断がついていれば届ける必要はない気がします。
(谷庵さん)

>虫垂炎に重症肺炎や心筋梗塞を合併して死亡ということは
>「病死」として十分考えられるシチュエーションです。
(JA50さん)

多くの医学会がそう考えていますね。
|このような外科手術の本質を考慮すれば、説明が十分になされた上で同意を得て行われた
|外科手術の結果として、予期された合併症に伴う患者死亡が発生した場合でも、
|これが刑事事件としての違法性を疑われるような事件となるとは到底考えることができない。
|過誤があったかどうかは、専門的な詳細な検討を行って初めて明らかになるものであり、
|まさに民事訴訟手続の過程において文献や鑑定の詳細な検討を経て判断されるのが
|相応しい事項である。したがって、このような外科手術の結果として発生した患者死亡は、
|医師法第21条により担当医師に所轄警察署への届出義務の生じる異状死であると
|考えることはできない。仮に、このような患者死亡についてまでも、警察署への届出が
|義務付けられ、刑事被疑事件としての捜査の対象とされるのであれば、
|遺族との信頼関係が破壊されて誤解を生み、無用な混乱が起こることが強く懸念される。
|そうなれば、患者死亡を生じる危険性のある侵襲の大きな手術を外科医は
|できるだけ回避する傾向となり、手術を受けるならば回復の可能性がある数多くの患者が、
|手術を受ける機会を喪失し、ただ、死を待たなければならないことになってしまう。
|われわれは、このように外科医が萎縮して持てる技術を発揮できなくなり、
|その結果国民福祉が後退してしまう事態は、絶対に避けねばならないと考える。
(日本救急医学会 診療に関連した「異状死」についての声明文より)
http://www.jaam.jp/html/info/info-20010410.htm

ただ、「過誤があったかどうかは、専門的な詳細な検討を行って初めて明らかになるものであり、まさに民事訴訟手続の過程において文献や鑑定の詳細な検討を経て判断されるのが相応しい」とありますが、これは刑事上の過失の有無の判断も同じです。ならば、やはり事故の当事者である医師に届出の要否を判断させるべきではありません。
また、「予期された合併症に伴う患者死亡」であっても、その合併症が医師の過失に起因するなら、これは刑事責任を問われ得ます。ですから、「予期された合併症に伴う患者死亡」が、当然に異状死に該当しないとはいえません。


>届出義務違反は前から問題になっていた。
(JA50さん)

これには刑事罰規定があるから、法律的には罪刑法定主義との関係で問題になってきます。白地規定は罪刑法定主義違反だから、「何が対象になっているかわからない」規定は効力を持ちません。
ただ、医師法21条の場合は「やたらと広い」とはいえますが白地規定とまではなりません。


意識と記憶  投稿者:リリス 投稿日: 2006年02月21日16時30分

diamonds8888xさんへ
>意志と意識は一応区別した方が良いのではないでしょうか。

レスありがとうございます。
ご尤もなんですけれど、diamonds8888xさんも仰るように「意思」って曖昧ですからねぇ。


temaさんとwadjaさんへ

wadjaさん、はじめまして。私はどちらかというとマルチレスの方が好きですので、横レス歓迎です。

ダマシオは意識を中核意識と延長意識に分けました。これは彼の用語ですが、意識をより単純なものとより複雑なものに分ける考え方は有用ではないかと思います。

ダマシオが中核意識と読んだ意識、感覚受容や行動の主体としての自己意識は、かなり広範な動物に認められるでしょう。鏡に映った自分自身を認識しているらしき類人猿やイルカは言うに及ばず、固有の名前を呼ばれれば反応する犬や猫にも、このような意識ならあるでしょう。スッポンも名前を呼ばれれば振り向くと掲示板に書いていた人がいましたが、どうなんでしょうねえ。

動物にも記憶力は要求されます。果物食のサルは果樹の在り処や熟す時期を記憶していますし、乾燥地帯の動物は水のみ場をよく覚えています。象の記憶力も凄いらしいですよ。しかし記憶力から「過去を想起する能力」になると、ちょっとどうかな、という実験結果があります。
チンプと人間の幼児の比較。2種類のクッキー(違いが一目瞭然)を見せた後で別々の場所に隠し(隠すところを見せている)、実験者が一方の種類のクッキーを食べながら現れると、サルも幼児ももう一方の種類のクッキー、つまり残されている筈のクッキーが隠された場所へ向かいます。次に彼らの目の前でクッキーを幾重にも包装した上で隠し、間髪をいれずに実験者が一方のクッキーを齧りながら現れます。すると幼児は両方のクッキーを取ってくるのですが、サルは実験者が持っていたのと別の種類のクッキーを探しにいくだけです。サルには、包装を解いてクッキーを取り出すまでに時間がかかる、という感覚は無いようです。

もっともこれは、サルの時間感覚の問題よりも、他者の行動をシミュレートする能力の問題なのかもしれません。
多くのチンパンジーは、「対象物を操作する」ことは真似できても、「動作そのもの」を真似ることは困難なようです。人間の成長には大人の動作の真似があらゆる段階で欠かせないのですが。動作の真似に関わるニューロンは「ミラーニューロン」と言われています。他者の動作を自分自身の動作に置き換えられるかどうかは、意識の有り方においても大きな影響を有するのではないかと思います。

・・・まだ墓穴掘ってないですか?


Kitkatさんへ
>「虎穴に入って、墓穴を掘る」

その方はきっと仏教徒だったのです。
お釈迦様が前世で行ったという捨身の行に啓発されて、自らすすんで餌として虎の穴へ・・・


おずおずさんへ  投稿者:リリス 投稿日: 2006年02月21日16時27分

意識といえば言語、それも文法機能とくる場合が多いですね。単語機能ならサルやイルカも持っているし、音節判断機能ならもっと広範の動物に認められそうです。余談ですが、タマリン如きサルでさえ、ある言語(例えばフランス語など)と別の言語を区別し、さらに通常に再生された言語と逆順で再生された言語を区別したそうです。

ところで、意識を発達させる条件、つまり意識として結実するような脳の諸機能を発達させる要件って何でしょうね。
人類の脳容量の進化を見ると、脳の発達を促すような突然変異が起こる確率は、そんなに低くないのかな〜と思えます。体の構造上の制約と、適応上の燃費効率の問題でしょうか。頭を使うと痩せると言いますものねー。

まず、社会的な群れを構成する動物は、一般的に賢いです。ジュラシックパークのラプトルはどうだったんでしょう。群れのようだし温血説は出ているし最近は羽も生えてるし恐竜にしては脳容量は大きいし、何故あれ以上に発達しなかったんでしょうね。ステゴサウルスには期待しようと思いませんが。
イルカの場合は、偏見かもしれませんが、もう十分賢いし、これ以上脳を発達させても効率と体型が悪くなるだけでメリットは少ないように思えます。他の社交性のある四足獣も、エネルギー喰いの脳を増量したところでリターンは少ないような気がします。

やはり優れた脳が適応的になるのは、道具使用を通じてでしょうか。単純作業ではダメです、脳をフル稼働させるような複雑な制御が要求されるものです。チンパンジーでは石や棒を投げて相手を威嚇したり、木の枝でアリ釣りをしたり石でナッツを割ったり掘り棒でアリの巣を掘ったりします。これらは相当に手先の器用さを要求されるものですが、チンプにはまだ打製石器は作れません。石を思うとおりに打ち欠くのは彼らの手(というか脳)には余るようです。
わき道に逸れますが、よく脳の重さを支えるのに2足歩行が確立している必要があったと聞きます。ではオオツノシカやマンモスはどうなるんでしょうね。見た目よりも軽いんでしょうか。少なくとも進化の初期においては、2足歩行よりも肩の自由度が確保されていることが大きかったのではないかと感じます。

で、つらつら考えてみると、おずおずさんの「どうしてサルはサルのままなの?」という疑問が改めて浮かんできます。ああ見えて、少しは脳容量が増えているのでしょうか?それとも、手先の器用不器用が適応度に影響しないような環境なんでしょうか?それとも、体の構造の限界に達しているのでしょうか。ゴリラなど余裕がありそうですが。
やはりここは想像論者として、人類の進化を導いた突然変異はレアなものであり、神のご加護なしには発現し得なかった、と考えるのが正統でしょう!


想像の瞬間  投稿者:リリス 投稿日: 2006年02月21日12時05分

>この掲示板に出てきた「ホーキングがビッグバンを否定」というのも、無境界仮説の「短絡的な曲解」や読み違えにもとづくもので、・・・

このあたりの記述も影響しているのではないでしょうか。
http://www4.ocn.ne.jp/~namino/210.html
<引用始>
法王は、ビッグバン以後の宇宙の進化を研究するのは大に結構だが、ビッグバンそれ自体は探究してはならない、なぜならそれは創造の瞬間であり、したがって神の御業なのだから、と語った。私は、会議で私が語った主題を法王がご存じなかったことを知ってほっとした ―― その主題とは、 時空は有限であるが境界をもたないという可能性であったが、これは時空にはじまりがなく、創造の瞬間がなかったことを意味する。
<引用終>


ホーキングとドーキンス  投稿者:ゆん 投稿日: 2006年02月21日12時03分

やば、素で間違えた。


届出義務違反  投稿者:JA50 投稿日: 2006年02月21日10時03分

>たとえば虫垂炎の入院患者が心筋梗塞や肺炎で死亡したら、届けるべきでしょう。

私の感覚からしたら、虫垂炎で死亡した場合こそ「異状死体」で届けるべきと思うんですが、、、

虫垂炎に重症肺炎や心筋梗塞を合併して死亡ということは「病死」として十分考えられるシチュエーションです。
警察も、こういう感覚じゃなく、虫垂炎に肺炎や心筋梗塞をを合併したら届け出ろって考えているってことかもしれないですね。

となると、これはやっぱり病院で死亡したら全例届けておかないとあぶない。

届出義務違反は前から問題になっていた。
臨床現場と警察や法医学における考え方の乖離がある。


Re:過酷な環境とは  投稿者:えめ 投稿日: 2006年02月21日 9時36分

>>真理ではこの宇宙内で、通常なら生存できないと考えられている場所にも多くの生命体が存在しており、その過酷な環境下で筆舌に尽くしがたい程の苦しみを受けていると説かれているという
>>ことです。

 >地球のことだろうか?

ボクの家庭です  orz


修正や改訂  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2006年02月21日 7時56分

 ついでにもうひとつ。

 ガモフの提唱した「単純なビッグバン」説というのは、なるほど度重なる改訂を受けていますよね。細かいところでは予測されていた宇宙黒体放射の温度だとか、均等性と大構造にまつわる矛盾をインフレーション説と量子効果で修正だとか、云い出すとキリがないほど訂正されています。しかし、ちょうど「ダーウィンの進化論のように」ビッグバン説もまた、大きなモデル、あるいは「物語の大筋」としてはなにも変化していないことが、反宇宙論者には分からない(あるいは我慢がならない)みたいです。

 それともう一点は、思考実験だとか哲学的解釈(それも独自の)によって、
 http://www.geocities.co.jp/Technopolis/3302/
 トンデモ科学を展開しちゃうひともいるようですね。そういう例はこの掲示板でも散見(笑)されていますが・・・これって一種の「外界との自己同一性」を保ちたい、あるいは「投影」とかの心理学概念(ていうかそれもあまり科学的といえないかもだけど)な言葉で説明できるのかも知れないな、とか最近考えます。

 要は「自己信仰」の一種ではないでしょうか。自分の考えや主張が「間違っているはずがない」という信仰(願望)で、それが信仰であるからこそ、他者の考えや別の証拠を吟味することなく、突っ走ってしまう。この辺「ヒトと知性の関係」とかにも絡めて、ちょっとしたテーマかも知れない、と思っています。


Re:ビッグバンを否定  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2006年02月21日 7時46分

 ゆんさん

 「ビッグバン 否定」とかで、ぐーやぐーぐるで検索をかけると、かなり多種多様(笑)なサイトにヒットします。で、キーワードにホーキングを足すと、たとえば
 http://www3.osk.3web.ne.jp/~redshift/th15.htm#ブラックホール
 ↑とかにヒットします。
 ここで、ホーキングが「ブラックホールはない」と述べた、と筆者は述べていますが、その筆者が張ったリンク先にある記事
 http://www.mypress.jp/v2_writers/miyu_desu/story/?story_id=531207
 を読むと、かつての特異点定理(一般相対性理論だけで得られた解)に、量子重力効果を加味した結果、ブラックホール(と呼ばれている天体)が、従来考えられていたように「なにものも逃げ出せない」のではなく、蒸発したり量子効果によって内部の情報が「漏れてくる」ことをコメントした記事の「曲解」であることが分かります。

 この掲示板に出てきた「ホーキングがビッグバンを否定」というのも、無境界仮説の「短絡的な曲解」や読み違えにもとづくもので、だいたいが「ひとから聞いた」とか「○○にそう書いてあった」みたいなものですが、当のホーキングも困惑していることでしょう。
 #う〜ん、しかし「よくある誤解」というほどポピュラーではないのかな、と訂正します。


過酷な環境とは  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2006年02月21日 5時57分

>真理ではこの宇宙内で、通常なら生存できないと考えられている場所にも多くの生命体が存在しており、その過酷な環境下で筆舌に尽くしがたい程の苦しみを受けていると説かれているという>ことです。

 地球のことだろうか?


Kitkatさん  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2006年02月21日 5時51分

>中身をよく確認もせずに、盲判を押しているだけってことですね。

 結果の長期的予測もよく確認せずに、○欲とか×欲とかに盲判を・・・

>社員が勝手にやったと言って、責任を認めない前頭葉さんもいますね〜。

 そうなんだ。この手が、この手が悪いんだ。

>「虎穴に入って、墓穴を掘る」と言う諺もありますし・・・・・え、ない? 記憶違いかな?

 なかなか的を得ていますねえ。もしかしてKitkat作で新ことわざとして登録できるかも。

>それに、創造論(想像論ではない)者の方も、科学という虎穴に入って、墓穴を掘っているような気が・・・・・。

 虎の穴の修行は厳しい。王道はないのです。そういえば覆面が多い。
 そして、この穴で育ててもらいながら創造論科学に走った裏切り者達には刺客が・・・


Re医療事故 ・殿様  投稿者:谷庵 投稿日: 2006年02月21日 5時35分

sci98 さん
>この例だと過失を問われても仕方ないように思えるんですが、どうなんでしょう?

その通りです。
実際にひどい医療ミスがあることは事実です。
実を言うと、被告人は私の知人で、普段はとってもいい人です。
当時はバレなきゃ隠そうという方針が主流だったのでしょうが、
正直に話して謝罪することが誰にとっても良い解決法であるという
SORRY WORKS運動を知っていたらと悔やまれます。

大文字ナンさん
>人間があっという間に「お殿様」に化してしまう医師もまた、少なくなさそうです。

これもまたその通りです。
今回の福島県立大野病院の件で、多くの医師が熱くなるのは、今回逮捕された「容疑者」が殿様じゃなくて「鉄砲玉」だからでしょう。

一人では出来るはずの無いほどの仕事を割り当てられ、応援を求めることは絶望的。
患者を断っても、患者にも行くところがないことは分かっている。
いつかは何か起こるのではないかとビクビクしながら診療を続けていたことでしょう。

そしてついに、地雷を踏んでしまった。
ミスだと断定した人がやっていたら助かっていたとは、多くの産科医は思っていないのに、逮捕。

もうひとつ
sci98 さん
>たとえば虫垂炎の入院患者が心筋梗塞や肺炎で死亡したら、届けるべきでしょう。
>電話ですむわけですし。

私の感覚だと、心筋梗塞も肺炎病気なのだから、確定診断がついていれば届ける必要はない気がします。
確かに何でも届ければ、後々問題がないのかも知れませんが、届けなければいけないという風潮にはちょっと抵抗があります。
世間が思っているほど医療の質が高くないのと同様に、世間が思っているほど警察は正義ではありません。
後からなら何とでも言えるわけですから、届けられた材料から、いつでも因縁を付けることは可能です。

「あいつ交通安全協会に入らなかったぜ」
「医療ミスで逮捕するか」
なんちゃって。


語呂は似てるけど  投稿者:ミケ 投稿日: 2006年02月21日 2時19分

たぶん文脈から見てもそれ、“ホーキング云々”のことですよね?>ゆん さん


ドーキンス云々  投稿者:ゆん 投稿日: 2006年02月21日 0時59分

ドーキンスがビッグバンを否定した話って最近どっかで聞いた気が……
って、そういえばようさんがしばらく前にそんな事言ってたんでしたっけ。

それって、その筋(?)では割とポピュラーなお話なんでしょうか?>大文字ナンさん


Re:世間知らず  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2006年02月21日 0時28分

>只、意見を求められるような権威ある医者は、たいていは世間知らずだから

 う〜ん、製薬会社の営業軍団にちやほやされまくり、地域のひとびとからは名士扱い。研修医時代の苦難をえらい勢いで取り戻そうとでもいうんでしょうか、人間があっという間に「お殿様」に化してしまう医師もまた、少なくなさそうです。


リリスさんじゃ無いけど>temaさん  投稿者:wadja 投稿日: 2006年02月20日23時48分

反論させてw

>犬や猫は、計画行動は行わなくとも、過去は持っていると思います。このため、何らかの記憶の活用方法を持っていると思います。

しかし、これおはダマシオ(Damacioだとダメイシオ?)の言う「延長意識」としての記憶の活用かどうか判断できないと思います。

犬・猫が過去の経験に基づき、学習効果を発揮する具体例は、だれでもすぐに思いつくことができるでしょう。しかし、自己の意識の中では記憶を持たない前行性健忘の患者でも、そうと認識せずに、情動として記憶に基づいた判断を行っていると考えられる実験例がすでに紹介されています(博士の愛した数式で、毎朝初対面を繰り返す家政婦に対し、博士が好意を増していったように)。犬・猫が明らかに過去の記憶に基づいた行動をしたとしても、それが人間と同じ自己意識に基づくものなのか、情動によるものかは断言できないはずです。

ただしこの反論は、temaさんが「犬・猫に直接聞いて確かめたもん」というのであれば取り下げます。


医療事故  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月20日22時13分

ちょっとだけ判決調べてみました。
平成17年11月15日最高裁第一小法廷決定
平成16年(あ)第385号業務上過失致死被告事件
http://www.ozaki-law.jp/medlaw/rnote.php?u=case2005/20051115.html&t=1

この例だと過失を問われても仕方ないように思えるんですが、どうなんでしょう?


(無題)  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月20日22時10分

>只、意見を求められるような権威ある医者は、たいていは世間知らずだから、
>症例検討会での反省点とミスとして断罪されるべき事項の区別が
>付いていないんじゃないでしょうか。

それは問題ですね。医療事件は高度に専門的な判断を要する分野ですから、意見する人が非常に重要になってきます。
NATROMさんも例に挙げていましたが、Aという治療法とBという治療法があり、リスクは同等。Aを選んだところ悪い結果が出た。Bを選んでいたら同じ原因で死ぬことはなかったであろう。でもこれは単なる結果論です。Bという治療法なら別の原因で悪い結果が出た可能性もあるわけですから。


異状死体  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月20日22時09分

>異常死体の届け出義務違反ってことだけど、
>これ前から基準が曖昧と批判されてなかったですか?
>何をもって異常死体とするんだと。

日本医学会のガイドライン(1994)は以下ですよね。

(1)外因による死亡(診療の有無,診療の期間を問わない)
(2)外因による傷害の続発症,あるいは後遺障害による死亡
(3)上記1または2の疑いがあるもの
(4)診療行為に関連した予期しない死亡,およびその疑いがあるもの
(5)死因が明らかでない死亡

|純然たる病死、すなわち現に診療を受けているその病気により
|自然の経緯によって死亡したと確実に判断できる場合が「正常死」であり、
|この意味での純然たる病死以外の死はすべて「異状死」に含まれると解すべきである
というのはなるほどと思います。

判例では、現医師法だと
|右医師法にいう死体の異状とは単に死因についての病理学的な異状をいうのではなく
|死体に関する法医学的な異状と解すべきであり、
|したがって死体自体から認識できる何らかの異状な症状乃至痕跡が存する場合だけでなく、
|死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況、身許、
|性別等諸般の事情を考慮して死体に関し異常を認めた場合を含むものといわねばならない。
(昭和44年3月27日東京地裁判決)

昔の医事法施行規則の例では
|純然たる病死でない状況が死体に存する一切の場合を指称するのであって、
|医師が死因に犯罪の嫌疑がないと認める場合でも、その除外例をなすものでない。
(大正7年9月21日大審院判決)

なので、
>これじゃ、何でもかんでも異常死体と届け出た方がいいんじゃないですかね。
>心筋梗塞だろうが肺炎だろうが、とにかく病院で死亡したら、
>異常死体の疑いがあると警察に届け出る。
>そうでもしてないと、この事件のように、
>後で届け出義務違反だということで逮捕されるかもしれない。
たとえば虫垂炎の入院患者が心筋梗塞や肺炎で死亡したら、届けるべきでしょう。
電話ですむわけですし。


意識について(トンデモ注意)  投稿者:tema 投稿日: 2006年02月20日21時40分

リリスさんこんにちは。レスが遅くなりました。

 犬や猫にも意識があることを示すべく、筋書きを考えていました。しかし既にリリスさん自身が、そのものズバリに近いネタを示されています。
 これに乗っかってしまうのは、あまりにも芸がありません。たとえ科学からトンデモに踏み込んだとしても、独自路線を歩みたいのです。

 ところが、いくら考えても独自路線が編み出せませんでした。
 このため白旗を揚げざるをえません。せめて、できるだけリリスさんの示されたネタと違う(ように見える)理由を記述しました。次こそは負けない、と顎に梅干しを作りながら投稿ボタンを押しております。

 人の心において意識すなわち「自分が自分である」といった自己意識は、過去・現在・未来の自分を同一視するために使われています。現在の自分と未来の自分を同一視できるからこそ計画行動を行う意味を持つことができ、過去の自分と現在の自分を同一視できるからこそ記憶を有効に活用できます。
 自己意識を失えば、計画行動を行えないだけでなく、「過去」も失ってしまうのでは無いでしょうか。
 犬や猫は、計画行動は行わなくとも、過去は持っていると思います。このため、何らかの記憶の活用方法を持っていると思います。

 もし自己意識を持たなければ、記憶を活用するためには「別の方法」を進化させる必要があったでしょう。ただし、人が自己意識を持っている以上、犬猫が別の方法を進化させたとは考えにくいです。

 以上により、犬猫は自己意識を持っていると思います。
 なお、蟻など一部の昆虫は、記憶を体外に(フェロモンの形)で格納しています。この記憶を有効に活用するため、蟻は体外に自己意識(に該当する何か)を持っている、と想像します。


差別思想のキング  投稿者:地下に眠るM 投稿日: 2006年02月20日21時25分

>つまり、カルマが良ければ必ず快適な環境が用意され、カルマが悪ければ悲惨な環境での生存を余儀なくされるわけです。

>そういう意味で功徳を積み、カルマを良い方向に変えていく以外に、私たちが幸福を享受する道は存在しないのです。

これさ、先天的な障害をもって生まれたとか、DQN親から幼児虐待を受けたとか、難民の子として生まれたとか、そうしたもろもろの出自に関することを「カルマ」のせいにする発想になりえるんだよにゃ。
障害やら絶望的な貧困やら児童虐待をすべてまとめて「前世の行ないが悪いので自業自得」とできるウルトラスーパー差別思想だにゃ。すごいぞ。


RE:無境界仮説  投稿者:はてな? 投稿日: 2006年02月20日20時53分

>http://oak.zero.ad.jp/padoma/main/saience/sousei/fsousei.htm

>真理ではこの宇宙内で、通常なら生存できないと考えられている場所にも多くの生命体が存在しており、その過酷な環境下で筆舌に尽くしがたい程の苦しみを受けていると説かれているという>ことです。

>つまり、カルマが良ければ必ず快適な環境が用意され、カルマが悪ければ悲惨な環境での生存を余儀なくされるわけです。

>そういう意味で功徳を積み、カルマを良い方向に変えていく以外に、私たちが幸福を享受する道は存在しないのです。


だからと言って、上記のような理論の証明にはなりませんよね?
そこのHPは何を考えてるんだか・・・


意識と、意識は  投稿者:Kitkat 投稿日: 2006年02月20日20時36分

diamonds8888xさん

>会社で言えば一番偉い人

中身をよく確認もせずに、盲判を押しているだけってことですね。

>社員が勝手にやったけど、報告書では色々と理由をでっち上げた

社員が勝手にやったと言って、責任を認めない前頭葉さんもいますね〜。


リリスさん

>似非想像論の墓穴を掘りそうで

「虎穴に入って、墓穴を掘る」と言う諺もありますし・・・・・え、ない? 記憶違いかな?
ここの掲示板でも、時々そう言う人を見かけるもんですから。
それに、創造論(想像論ではない)者の方も、科学という虎穴に入って、墓穴を掘っているような気が・・・・・。


無境界仮説  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2006年02月20日20時16分

 さて、仕事が一区切りついたのであらためて・・・

 ホーキングはもともと、ロジャー・ペンローズと共に「特異点定理」を説きました。これは、時間には特異点という「はじまり」があったことを証明したものです。これはアインシュタインの一般相対性理論から得られる解であり、当時あった「時間に始まりがあったというのは直感的に認めがたい」という論争にピリオドを打つものになりました。つまり「時間のはじまり=ビッグバン説」を、数学的に実証したのがホーキングたちだったのです。

 しかしその後、ホーキングは特異点定理に足りない部分があることを知っていて、宇宙のはじまりについて新たな主張を展開します。これは、かつての特異点定理には量子力学(量子論)が組み込まれていない欠点を補うためのものでした。ビッグバン説によれば、この宇宙、つまり「時空」は特異点という一点からはじまることになります。また、自ら証明した特異点定理はこれを支えるものです。だとするなら、宇宙は微小なミクロの一点からはじまったことになり、はじまったばかりの宇宙は、現在私たちが見るような「マクロの物理学」ではなく、量子論が描き出す「ミクロの物理学」で記述されるはずです。

 量子論によれば、ものごとはすべて「不確定」です。ところが、古典理論である一般相対性理論は重力の理論でもあり、これには不確定性がありません。つまり量子論では、時間と空間を同時に「決定」することができません。しかし特異点は、双方が定まった「点」として定義されるため、量子論とは相反することになります。
 そこで登場するのが、いわゆる「無境界仮説」です。これは、量子論が示す通りに時空の構造を書き換えた、いわば「改訂版」の特異点定理です。無境界仮説では、虚時間の概念が出てきます。虚時間は、私たちが感じる時間である「実時間」と(数学の概念で)直行する時間です。ちょうど球面(地球儀)にあるように、虚時間は経度または緯度と捉えることができます。地球の極点は南極または北極ですが、南極点の向こうにも、こちら側にも、同じように地球があります。球面である地球の表面には「端」がないのです。これが無境界仮説の一番重要な主張です。

 虚時間と実時間は密接に関係していますが、虚時間には端がありません。つまり、虚時間の歴史において「宇宙のはじまり」を考える必要はないのです。しかし、実時間には「はじまりがあってよい」のです。これがよくある「ホーキングはビッグバン説を否定している」という主張の「ばかばかしい部分」です。非常に乱暴な表現をすると、虚時間と実時間が交わる点で起きた「ゆらぎ」が、この宇宙におけるビッグバンを引き起こした、と無境界仮説は主張しています。またこれは、近年の宇宙論の焦点である「インフレーション説」をも説明できるものです。
 #参考:「ホーキング、未来を語る


してないよ  投稿者:大文字ナン 投稿日: 2006年02月20日15時36分

>しかし、スティーブン・ホーキング氏は「無境界仮説」で神の一撃(ビックバン)も否定したとか。

 あんまり反応するのもどうかと思ったけど…
 ホーキングはそんなこと否定してません。


(無題)  投稿者:はてな? 投稿日: 2006年02月20日15時09分

>イギリスで有名な宇宙物理学者スティーブン・ホーキング氏は「宇宙が偶然にそのような状態になる確率はほとんどありえないほどゼロに近い」と指摘し、人間存在を生み出す原因が元々宇宙に内在していることを主張しているのです。


しかし、スティーブン・ホーキング氏は「無境界仮説」で神の一撃(ビックバン)も否定したとか。


神の手  投稿者:私見ですが・・・ 投稿日: 2006年02月20日12時58分

もし、神が居たとしても、宇宙の誕生以外には介入しなかったのではないかと。
人間を物理法則の檻に放り込んだのだから。
最初で最後の奇蹟は宇宙誕生かと。


専門家の意見・報告対象  投稿者:谷庵 投稿日: 2006年02月20日10時45分

>杜撰な捜査で(事情も調べず、専門家の意見も聞かず)逮捕したのだとしたら、産科医療だけでなく警察も終わりですね。

専門家の意見は聞いているのでしょうね。
只、意見を求められるような権威ある医者は、たいていは世間知らずだから、
症例検討会での反省点とミスとして断罪されるべき事項の区別が付いていないんじゃないでしょうか。

>異常死体の届け出義務違反ってことだけど、これ前から基準が曖昧と批判されてなかったですか?
>何をもって異常死体とするんだと。

私の勤務先への保健所の指導は以下の通りです。
1)医療行為または管理上の問題に起因して、患者が死亡し、もしくは患者に障害が
  残った事故または濃厚な処置もしくは治療を要することとなった事故
2)医療行為または管理上の問題に起因して、軽微な処置・治療を要することとなった
  事故で、医療機関において報告の必要性があると認めたもの

これも曖昧ですね。
何をもって「問題」とするのか判らない。


神の見えない手  投稿者:おずおず 投稿日: 2006年02月20日 7時46分

http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/2192969.stm
http://www.evolutionpages.com/FOXP2_language.htm
http://www.wellcome.ac.uk/en/genome/genesandbody/hg05f004.html

神はこのように、自然へのごくわずかな介入でサルをヒトに変えた...。


詳細が分かへんけど  投稿者:wadja 投稿日: 2006年02月19日22時37分

やっぱり世間が医療ミスに敏感になっている時期、ちゅうのもあるんやろうけど、逮捕ってのは穏やかやないなー。しかも1年以上たってからの逮捕って、警察も「過失」に強い自信があってのことなんか?と一般の人なら思うよな。

もちろん逮捕されたからといって、裁判でどういう結果がでるかは別物やけどね。お医者さんにとっては当然他人事やないんでしょうけど、まだ裁判も始まってないですしね。マスコミが逮捕だけ報じて、後は放置なんてことにならんかったらええけど。あいつらそこまで責任もたへんしな。


異常死体の届け出義務  投稿者:JA50 投稿日: 2006年02月19日21時26分

異常死体の届け出義務違反ってことだけど、これ前から基準が曖昧と批判されてなかったですか?
何をもって異常死体とするんだと。

これじゃ、何でもかんでも異常死体と届け出た方がいいんじゃないですかね。
心筋梗塞だろうが肺炎だろうが、とにかく病院で死亡したら、異常死体の疑いがあると警察に届け出る。
そうでもしてないと、この事件のように、後で届け出義務違反だということで逮捕されるかもしれない。

それと、少なくとも産科では、1人では手術はしないこと。
いや、出産も1人ではやらない方がいい。


(無題)  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月19日20時42分

>最近のマスコミの論調や裁判の結果を見るに、
>その予見可能性や回避可能性の判断が適切になされていないのではないかと感じるのですよ。
>ほとんど神様みたいな技術を要求されているとしか思えない例が多いのです。

「予見可能性」「回避可能性」の基準は基本的には一般人で(医療行為の場合は一般レベルの医師)、神に近い技術を持っている人でないと回避できない、というのなら回避可能性なしとなります。
たとえば交通事案で「F1ドライバーのドライビングテクニックがあれば回避できた」としても、一般ドライバーのレベルでは回避できなかったのなら回避可能性なしです。
なので「ほとんど神様みたいな技術を要求されているとしか思えない例」というのは、冤罪ということになります。
ただ、裁判官は医師ではないから、予見可能性や回避可能性の判断は専門家の鑑定にまかされます。
医療行為のような高度に専門的な分野においても自らの判断で正しい判断を下さねばならないとしたら、今度は裁判官のなり手がいなくなります。
…ということは、鑑定に問題あり?今度時間があったときに判例調べてみます。
#知っている方は紹介していただけるとうれしい。
裁判所としては、鑑定で「予見可能性あり」「回避可能性あり」とでていて、他に犯罪不成立となる要件がないのなら、有罪判決を下すしかありません。


>「レバタラで断罪するのはフェアじゃない」と谷庵さんがおっしゃられています。
(中略)
>日本の産科医療がこれで終わらないと考えるのは、よほど楽観的な人たちだけでしょう。

杜撰な捜査で(事情も調べず、専門家の意見も聞かず)逮捕したのだとしたら、産科医療だけでなく警察も終わりですね。
そのようなことがないことを期待しているのですが…


どういう状況だったんでしょうね  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月19日19時53分

>死亡してから、レバタラで断罪するのはフェアじゃない。

そうなんですけど、「死亡するかもしれない」ということはわかっていて、「こうすれば死亡させないですむだろう」ということもわかっていた状態で、そういった回避手段をとらずに結果死亡した場合、「問題なし」とすることはできないでしょう。


>県立病院が一人医長なんだから、よそは推して知るべし。
>他に送れば良かったと言っても無理だったと思う。

ということなら、「回避手段がなかった(とれなかった)」ことを証明すればいいだけですし。
#正確には、刑事裁判だから、
#検察側が「回避手段があった(とれた)」ことを証明しなければいけないし、
#証明できなければ無罪です(疑わしきは被告人の利益に)。


一つ  投稿者:まこ 投稿日: 2006年02月19日19時51分

お尋ねしたいのですが、

県は昨年1月、専門医らで作る調査委員会を設置。

とNATROMさんのリンク先には書いてあるのですが、
この方々は何を専門とされているのでしょうか?


レバタラで断罪するのはフェアじゃない  投稿者:NATROM 投稿日: 2006年02月19日19時34分

>(1)結果の予見が可能であった(予見可能性)
>(2)結果の回避が可能であった(回避可能性)
>逆に言うと、「死ぬなんて到底予測できなかった」あるいは「死ぬ可能性はわかっていたけど、防ぎようがなかった」場合には犯罪不成立です。

最近のマスコミの論調や裁判の結果を見るに、その予見可能性や回避可能性の判断が適切になされていないのではないかと感じるのですよ。ほとんど神様みたいな技術を要求されているとしか思えない例が多いのです。

「レバタラで断罪するのはフェアじゃない」と谷庵さんがおっしゃられています。Aという治療で結果が悪かったとして、「Bという治療であったら結果の回避が可能であった」などと言われると、回避可能性ありということで犯罪成立となるのでしょうか。しかしながら、医療の現場に唯一の正解はありません。私をはじめとして医師は、常にAかBかの選択を迷っています。緊急の場合には瞬間的に決断をしないといけません。そこでAという決断をして結果が悪ければ犯罪者になるのであれば、臨床から逃げ出したくなるのも当然でしょう。

「帝王切開のミス」の産科の先生が犯罪者となるかは、今後の裁判しだいでしょう。しかし、(裁判での勝敗は別として)結果が悪かったら逮捕されるのであれば、今後、医学生は産科を好んで選択するでしょうか。ただでさえ産科医が足りないところにこの事件です。日本の産科医療がこれで終わらないと考えるのは、よほど楽観的な人たちだけでしょう。


業過失致死が成立するかどうか  投稿者:sci98 投稿日: 2006年02月19日19時10分

詳細がさっぱりわからないんですが、医師法違反の方はおいといて業務上過失致死だけ書きます。
(業務上)過失致死罪というのは、過失がなければ当然犯罪不成立なわけです(構成要件不該当)。で、「過失があった」といえるためには以下の2点が成立しないといけない。
(1)結果の予見が可能であった(予見可能性)
(2)結果の回避が可能であった(回避可能性)
逆に言うと、「死ぬなんて到底予測できなかった」あるいは「死ぬ可能性はわかっていたけど、防ぎようがなかった」場合には犯罪不成立です。
さて、報道によると
|胎盤癒着で大量出血する可能性を知りながら、
|十分な検査や高度医療が可能な病院への転送などをせず帝王切開を執刀、
|癒着した胎盤を無理にはがし大量出血で福島県楢葉町の女性を死亡させた疑い。
(JA50さんのリンクページhttp://www.sankei.co.jp/news/060218/sha060.htmより)
当局は「予見可能性も回避可能性もあった」と判断しているらしい。

で、NATROMさんのリンクページhttp://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/02/post_1b76.htmlによると
|どの癒着胎盤の症例でも、児が娩出する前には癒着胎盤を疑うことすら不可能の場合が多いです。
|今回報道されている事例は、帝王切開ですから、
|当然、手術前には癒着胎盤の診断がついてなかったと思われます。
らしいので、ここが一つの争点になると思います。
事前にわからなかった(わかることが不可能だった)場合には医師に過失はありません。
また、
|手術中に、児を娩出した後、胎盤がどうしても剥離しないで大量の出血が始まり、
|初めて癒着胎盤とわかったと考えられます。
|大量の輸血の準備をして帝王切開に臨むことは通常ありえません。
|また、帝王切開は腰椎麻酔で実施されることが多いですが、大量の輸血の準備もなく、
|腰椎麻酔のままでは、帝王切開から子宮摘出手術に移行すること自体が非常に危険です。
|麻酔科医がその場にいなければ、手術中に腰椎麻酔から全身麻酔に移行することも不可能です。
ということなので、「わかった時点では回避不可能」というのなら、医師に過失はありません。

なわけで、現時点では
>狂ってますね、この国。(JA50さん)
とか
>日本の産科医療は終わりました。(NATROMさん)
とかいうのは、私にはわからない。

あと、上のリンクページでは
|今回の事例は、術前診断が非常に困難かつ非常にまれな癒着胎盤という疾患で、
|誰が執刀しても同じく母体死亡となった可能性が高かったのに、
|結果として母体死亡となった責任により執刀医が逮捕されたということであれば、
|今後、同じような条件の病院では、
|帝王切開を執刀すること自体が一切禁止されたと考えざるを得ません。
と書かれていますが、それはありません。
「誰が執刀しても同じく母体死亡」ならば、回避可能性がありませんから。


何が悪かったの?  投稿者:谷庵 投稿日: 2006年02月19日19時02分

死亡するようなリスクのある患者は、ある確率で死亡します。
死亡してから、レバタラで断罪するのはフェアじゃない。

県立病院が一人医長なんだから、よそは推して知るべし。
他に送れば良かったと言っても無理だったと思う。

一人医長でさんざんこき使われて、結果が悪ければ懲戒処分。
その上逮捕じゃたまらないでしょうね。
ところで、当該病院には麻酔科医はいたはずだが、話題にならないのはなぜ?

>結果が悪かったら医療ミスとされて私も逮捕されてしまうかもしれません。

私はNATROM さんよりリスクが高いと思います。
昨年だけで重症のアナフィラキシーショックを3例経験しました。
循環虚脱だけでなく、気管支痙攣もバリバリの症例ばかりです。
助かりはしましたが、麻酔のミスだと思われている可能性はあります。
(術後はICU入室で呼吸管理・鎮静しているため意識はない)


帝王切開のミス?  投稿者:NATROM 投稿日: 2006年02月19日18時04分

JA50さんがリンクした帝王切開のミスの報道ですが、2ちゃんねるの医師板ではお祭りです。逮捕された産婦人科の先生は、一人医長(つまり、その病院に産婦人科の医師はその先生だけ)で、週5回の外来をされていました。2ちゃんねるでは、自嘲もこめて、「(ハイリスクの科である)産科を続けていたことがミスだ」と言われています。産科の先生の部ログがあったので紹介します。

癒着胎盤で母体死亡となった事例
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2006/02/post_1b76.html


日本の産科医療は終わりました。私も、外科系の先生方ほどではありませんが、侵襲性の高い治療をすることもあります。内科医はたくさんいますが、内科も専門が細分化されており、私が専門分野にしている領域では私が一人だけ。結果が悪かったら医療ミスとされて私も逮捕されてしまうかもしれません。


遅ればせながら  投稿者:wadja 投稿日: 2006年02月19日17時48分

>リリスさんへ

ようこそ。Yahooでのご活躍は一時期拝見してました。

丁度今潜在意識と顕在意識を題材にした読み物(Malcom Gladwell, "blink")読んでるんで、興味深く読ませてもらってます。ダマシオも機会があったら読んでみよかな、でもこっちは相当難しそう。

>基本的にボケキャラですので、ツッコミお願いします。

ほんまかいなw

マルチレスですけど野島医院。この手の特徴的な文章読む度に、心理学者の分析が聞きたくなるねんけど。「超」を多用する人は一般的に信用できん。大体「超無限」ってあんた…。


意識は偉いか?  投稿者:diamonds8888x 投稿日: 2006年02月19日17時26分

>ここでの「自由意志」とは、「どのような行動をするかということは、意識以前の無意識のプロセスによって準備され、意識はそれを行うかどうかの「選択」を行うだけ」ということになるようです。

 最終的なゴーサインの権限があるなら、会社で言えば一番偉い人になりますね。

>実験では、運動前野を刺激して、被験者の意志とは関係なく手を動かしたとき、被験者は自分の意志で手を動かしたと考え「ハエが飛んできたから追い払った」と、後付の理由で合理化したそうです。

 社員が勝手にやったけど、報告書では色々と理由をでっち上げたと。


ご意見、ご要望がございましたら、掲示板か、 e-mail:natrom@yahoo.co.jpへどうぞ。


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